晴天
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*りんside*
全国大会が終わって、3日が経ちました。
(仕事ってなんだろう?)
今日は練習が休みなのに、先輩にマネージャーとして仕事を任せたいから来て欲しいと言われていた。
不思議に思いながらも仕度をし、お弁当を持って家を出た。
『いってきまーす!』
外は雲1つない夏の空だった。
日差しは暑いけど、風が吹けば気持ちいい。
『…もう、会えないのかな』
ぽつりと自然にこぼれた言葉。
話を聞いてくれて、励ましてくれた…白石さん。
微笑んだ顔を思い出した瞬間、少しだけ顔が熱くなった。
『??』
たくさん?マークを浮かべ青学の門を潜る。
テニスコートには誰もいないで、しんとしていた。
どうしたんだろ?と首を傾げながら部室の戸を開けると…
「「りん(ちゃん)ありがとう~!!」」
パァンとクラッカーの鳴る音が響いた。
部室の中にばマネージャーお疲れさま゙と大きく書かれた文字。
机には綺麗に料理が並べられていて、壁には手作りの飾り付けがたくさん催されていた。
『あの…これは…?』
突然すぎて頭がついていけない。
菊「見ての通り!マネージャーこと、りんの感謝会だよ~」
『か、感謝…』
大「りんちゃんにはマネージャーとして、たくさん助けてもらったからね」
『そんなこと…』
不「本当に感謝してるんだよ」
河「いつも知らない間に部室を綺麗に掃除してくれたり、」
海「ドリンクやタオルの用意もすぐやってくれて、」
桃「本当にサンキューな!」
先輩達は優しい笑顔で言っていて、じわりと涙が溜まる。
手「りんがいたから皆力をもらえた。…お前は、青学テニス部の一員だ」
『…こ、これからも、ですか…?』
手「嫌か…?」
ブンブンと大きく首を横に振る。
『嬉しい…ありがとう、ございます』
ポロポロと溢れ出す涙を隠すように両手で顔を覆った。
菊「ああー手塚泣かせた!」
手「…!」
いつも冷静な手塚部長が慌てるから、何だか可笑しくて笑いがこぼれる。
皆も楽しそうに笑っていて、本当にマネージャーをして良かったと感じた。
『わぁ…料理すごいね』
堀「だろだろ?」
カチロー「皆で頑張って作ったんだよ」
カツオ「りんちゃんが作った方が何倍も美味しいと思うけど…」
自分の為に皆が頑張ってくれたことが、すごく嬉しい。
『そんなことないよ。すっごく美味しい!』
嬉しくて微笑めば、3人も笑ってくれた。
乾「ならばこの新作を飲んで乾杯を…」
『い、いやです!』
バッサリと断ると、乾先輩はそんな…と落ち込んでしまった。慌てて言葉を繋げれば、周囲からは笑い声が響く。
乾「白石にでも飲んでもらうか…」
え?乾先輩、今なんて…
『あの、白石さんがどうして?』
大「ああ、りんちゃんには言ってなかったけど、5日間だけ青学にコーチとして来てもらうことになったんだ」
『………』
暫く固まっていたら、りんちゃん?と肩を叩かれハッと気付く。
手「白石のテニスは基本に忠実な為、1、2年生には良いお手本になるだろうからな」
大「りんちゃん、昨日の部活は用事があって欠席してたから、言うの遅くなっちゃったんだ。ごめんな」
昨日は学校に用事があって部活に行けなかったから、白石さんのことも知らなかったみたい。
(…あれ、でも)
私が知らなくても、お兄ちゃんは知ってたはず。
お兄ちゃんを見れば、少しばつが悪そうに視線を外した。
桃「ぷぷ…あいつ、わざと言わなかったんだな」
『え?』
桃城先輩が言う言葉の意味がわからず首を傾げていると、お兄ちゃんがギロッと先輩を睨み付けた。
不「あ、そうだ。白石がね、りんちゃんに渡したいものがあるって」
『渡したいもの?』
何だろう…
不「自分で渡したいんだって言ってたよ」
東京にいる間、白石さんは不二先輩の家に泊まってると聞いた。
少し寄ってく?と聞かれたけど、今日は私が夕食を作る日なので断った。
(また会えるもんね)
これから少しの間だけど、白石さんに会えると思ったら何故だか嬉しくなった。