地区予選決勝戦
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『(桃城先輩に、桜乃ちゃん)』
一通りの自己紹介を済ませ、桃城にコートの場所を聞き早足で向かう。
桜「…あのっ」
『はい』
桜「りんちゃんって…呼んでもいいかな」
桜乃は顔を赤くした。
『…もちろんいいよ!宜しくね、桜乃ちゃん』
りんは満面の笑顔で桜乃を見た。
桜「りんちゃん//」
『桜乃ちゃん…///』
2人は手を握り合った。
はたから見たら相当奇妙な光景である。
しかし新しい友達が出来た喜びのせいで、周囲の視線が気にならなかった。
『(桜乃ちゃん…仲良くなれそうだなぁ)』
そんなことを呑気に考えているりんだった。
コートに着くと、囲むように人が沢山いた。
その中を潜ってなんとか試合を見る。
『(お兄ちゃんだ!)』
リョーマが左でツイストサーブを打っていた。
『(本気なんだ)』
リョーマが左でテニスをする時は、真剣な勝負の時。
それほどこの試合は大切なんだろう。
「ゲームカウント4-0!
越前リード!!」
審判の声とともに周囲が騒つき始めた。
「すげー…あの1年」
ボソリ、誰かが呟く。
驚きを隠せないようだった。
順調にラリーを続けていたリョーマの動きが少しおかしくなった。
『…お兄ちゃん?』
「スポット」筋肉が縮み上がりマヒ状態に陥ること。
リョーマは強引に球を打ち返す。
その時、リョーマの腕から離れたラケットが鉄柱に当たった。
ガッ
折れたラケットの先が、リョーマの顔面目がけて飛んでいった。
地面に流れる、赤い血。
『…っ、お兄ちゃん!!』
りんはコートに降りしゃがみ込むリョーマの元へ駆け寄った。
リョ「…りん?」
りんを見てリョーマは目を見開いた。
「何で」と言われるけど、それどころではない。
『大丈夫!?早く手当てしなきゃ…』
手を伸ばして傷口を見ようとするけど、リョーマに払われた。
リョ「…戻れ…」
『え、でも…』
リョ「戻れよ!」
強く怒鳴られてりんの体がビクンと跳ねた。
『…ご、め…なさい』
リョーマは立ち上がりベンチへと歩いて行った。