地区予選決勝戦
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*りんside*
暫く2人で男子コートを探しながら歩いていた。
『あの』
「ははい!」
『(すごく動揺してる…)青学の生徒なんですか?』
女の子が着ているセーラー服は見たことがあった。
「はい、そうです」
『私の兄も青学のレギュラーなんだ』
「え?誰……きゃ!」
女の子は前から歩いて来た男の人にぶつかってしまった。
その人はこっちをギロリと睨む。
「どこ見てんだよ!!」
「ス、スミマセン!」
男の人がものすごい勢いで怒鳴ったので、私も驚いた。
「ったく、人の靴踏んどいてごめんで済むかよ!
クリーニング代3万円よこせよな」
女の子は頭を下げて何度も謝る。
それでも男の人の怒りは治まらないようだった。
『あの…私からも謝りますので、どうか許してもらえませんか?』
気付いたら、反射的に…無意識に頭を下げていた。
「はぁ?何言って…」
目が合うと相手の顔が一瞬固まった。
それからニヤリと笑われる。
「まあ…許してやらねぇ事もねー」
『!本当ですか?』
「ああ。但し、あんたが1日デートしてくれるならなぁ」
男が近付いて来た。
『デ、デートですか?』
予想外の言葉に思わず目を見開く。
何でこの流れでそうなるのだろう…
「その位いいだろ?」
男はさらに近寄って来る。私はとっさに後退りした。
『…い、いやですっ』
伸ばされた手を払うが、男に更に強く手首を握られた。
「か弱い女の子を苛めちゃー…いけねぇないけねぇよ」
「!ぶフッ」
急に男が倒れた。
否、現れた男の人の腕によって。
「もっと汚してやろうか?」
その人が足を高く上げると男は慌てて逃げ去って行った。
『(お兄ちゃんと同じジャージだ)あの、ありがとうございました』
ペコリと頭を下げれば「いいってんな事」と笑われた。
「あのっごめんなさい、私のせいでこんなことになっちゃって…」
『ううん、気にしないで』
女の子が慌てて頭を下げたので、優しく笑い返した。
「あんた!学校で俺と越前が手合わせしてる時に見てた……」
「竜崎です」
「(へ~あんにゃろ1年のクセに~)
越前の試合なら、今から行けば間に合うと思うぜ」
男の人が急にニヤニヤした顔になる。
そんなことより気になることがあった…
『(お兄ちゃんの知り合い…?)』
男の人はおそらくお兄ちゃんの先輩だろう。
でも、女の子の知り合いがいるなんて思ってなかった…
「あんたは?誰かの試合見に来たのか?」
男の人がこっちを見て尋ねて来た。
『はい。兄の試合を見に』
「そういえば誰かの妹って…」
そっか、まだ言ってなかったっけ…
『越前りんです。
兄がいつもお世話になってます』
微笑んで自己紹介をする。前を見ると、目を丸くして私を見ていた。
「「いもうとぉ!?」」
2人の声が大きく響き渡った。