第弐武将「騒がしさは終わりの近づき」
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海月(みつき)
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「アンタ達の狙いは私なんでしょ。なら、こんなこそこそとしたやり方じゃなく、直接言いに来たらいいじゃない」
信長に対しての言葉遣いも、信玄達と話すときと同じ。
勝手に現れて迷惑をかけられているのだからこの話し方で十分。
姫の生まれ代わりだろうと、今の私にはどうすることもできないけど、その事が原因で美海を苦しめているのなら、それは私が何とかしなくてはならない。
ハッキリと自分の言葉で伝えると、突然信長は笑い出し、やはりお前は姫の生まれ代わりのようだなという。
どうやら戦国時代で姫だった私も、今と性格は変わっていないようだ。
だがそんなことより重要なのは、この件から美海を解放することだ。
そして、それを可能にする方法は一つしかない。
「美海の家系は信長に仕えてきたかもしれないけど、それは昔のこと。だから美海を自由にして。その代わり、才蔵も含めてアナタ達4人、私の家に来ればいいわ」
美海を信長から解放するには、この方法しかなかった。
話しの後の帰り際、美海は心配していたがすでに4人いるんだから、もう4人増えても問題ないよと言い、私は信長達を連れて帰る。
だが、問題は直ぐに起きた。
部屋に着くなり信玄達と喧嘩が始まり、信長達が刀を抜こうとしたため私は待ったをかける。
信玄達はわかっているため刀を抜こうとはしなかったが、信長達にも約束をさせなければならない。
それは、刀を抜かないという約束。
もし刀を抜いたら、刀は私が預かると伝えるが、信玄達のように大人しくきくきはないらしく、何故そんな約束をしなければならない、と全く聞く耳持たず。
いくら信長やその家臣とはいえミニ武将、私は容赦なく3人を摘まみ上げると刀を没収する。
「おい、信長様に対して無礼だぞ」
「ここは私の家なんだから私がルールよ」
「フフッ、生まれ変わってもキミは私を楽しませてくれるね」
一人は猿のようにキーキー騒ぎ、もう一人は何を考えているのかわからないミステリアス。
そこで改めて自己紹介をしてもらうと、一番偉そうで俺様なのが信長。
キーキー煩いのは、信長の家臣の一人、豊臣 秀吉。
同じく信長の家臣でありミステリアスな雰囲気を纏っているのが、明智 光秀。
最後に、元々は真田十勇士の一人であり、何故か裏切り今は信長に仕えている才蔵。
また更に騒がしくなりそうだが、運良く明日からお母さんは仕事でしばらく家を開ける。
だからといってこのままミニ武将達を置いておけば、何時かはバレる恐れがあるため何とかしなくてはならない。
かといってどうしたらいいかなんてわからないが、今は取り敢えず4人増えたため、新しくミニ武将達の寝床を箱で作る。
才蔵にも眠る場所を作ろうとしたが、佐助同様机の上で眠るようだ。
信長、秀吉、光秀には、箱に布を敷、信玄達と同じ様に寝床を作り、才蔵には佐助と同じく布団がわりのタオルを渡す。
秀吉は、こんなところで信長様を寝かす気かとキーキー騒いでいたが、信長は逆に面白そうだと興味を示している。
こうしてミニ武将達が増えてしまったわけだが、これで美海が信長達から解放されるのなら安いもの。
それから翌日の朝、目を覚まし時計を見ると、またも遅刻。
今日は朝からお母さんがいないため、私は食パンを食べながら髪を整えると慌てて家を出た。
学校までの距離を走るが結局間に合わず、後から職員室に来るようにと言われてしまう。
そんな慌ただしい朝を迎え、授業を受ける中、ミニ武将達は大人しくしているだろうかと考えていた。
何といっても有名武将の揃い組。
いくらお母さんが今日から家にいないとはいえ、好き勝手暴れられてはたまったものではない。
信長達も一緒に暮らすことになったため、護衛がなくなったのは久しぶりの自由ではあるが、ミニ武将達にいなくなってもらうにはどうしたらいいのか考えながらお昼を迎え、美海と一緒に屋上でお昼を食べる。
「海月、信長様達は大丈夫?」
「うん。刀も取り上げといたから大丈夫」
こんなこと相談出来る相手は美海しかおらず、私は美海に相談してみることにした。
どうしたらミニ武将達はこの世から去ることが出来るのか。
これが今の問題だ。
この事についての美海の考えは私と同じだった。
それは、ミニ武将達の未練を無くすこと。
手紙の内容と誰に宛てたものなのかわかれば、ミニ武将達の未練はなくなり、この世から成仏することが出来るかもしれない。
「やっぱりそうなるよね。でも、私は前世の記憶なんてないからね」
それしか方法がないのなら、調べるだけ調べるしかない。
下校時間になり、美海と一緒に図書室に寄ると、歴史の本を読む。
今まで歴史に全く興味がなかったため、こんなに歴史について調べるのは初めてのこと。
数冊の資料に目を通すが、それらしいことは書かれていない。
「なかなかそれらしいのはないね」
「だね。ごめんね、付き合わせちゃって」
「何言ってんの、これは私の家系の役目でもあるんだから」
美海に手伝ってもらいながら、下校時間ギリギリまで粘っていると、信長や信玄達の事が書かれている資料を見つけた。
やはりこの資料にも姫や手紙に関してのことは書かれておらず、やっぱりダメなのかなと諦めながらページを捲っていると、信玄達がいたお城などの写真がいくつも載っており、何故かその写真の数々が気になった。
歴史なんて興味がなくて、精々知っているのは有名な武将の名くらいのはずなのに、どの写真も何故か見たことがあるような気がする。
お城だけでなく、信玄や信長が実際に使っていたとされる物の写真も載せられている。
何故か知っているような不思議な感覚にお城の写真に触れてみると、脳裏に何かが浮かぶ。
写真のお城を外から見た時の光景。
お城の中で信玄と誰かがいる光景。
「海月?」
美海の呼ぶ声でハッとし、窓の外を見ると日が沈み始めていた。
結局なんの情報も得られなかったわけだが、図書室でのあの不思議な感覚。
信玄と誰かがいたあの光景は一体なんだったのか。
ベッドで横になりながら図書室での事を思い出していると、ミニ武将達の騒がしい声に煩いと怒る。
恋のライバルが揃うと騒がしさは前の倍。
ガミガミ説教をする私の前では、全く話を聞かずにまたも喧嘩を始めるミニ武将達。
一体こんな日々がいつまで続くのか。
早くミニ武将達には成仏してもらわなくてはならない。
だが、姫が書いたとされる手紙の情報は何一つなく、図書室にもそれらしいことが書かれた本や資料はなかったためもうお手上げ状態。
どうしたものかと考えながら、疲れていた私はそのまま眠りへと落ちていく。
「姫の心はわしが貰う」
これは夢。
図書室で見た光景と同じ。
後ろ姿しか見えないが、信玄と話しているのはどうやら女性のようだ。
突然場面は変わり、部屋に一人その女性はいた。
すると、襖が開かれ部屋に入ってきたのは佐助。
女性は才蔵のことを佐助に尋ねた。
今日は才蔵の姿だけが見当たらず気になっていたようだ。
だが佐助は冷たく知らねえよと言うだけ。