青い瞳に魅入られて《修正中》
名前変更
名前変更夢主(主人公)のお名前をこちらで変えられます。
【デフォルト】
高野 千良(たかの ちよ)
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気づいたときには知らない場所にいて、自分がいた世界でないことだけはわかる。
周りを歩く人々は着物を着ており建物も時代を感じされるものが並んでいる。
あまり考えたくはなかったけど、戦などが平気であった時代にタイムスリップしたみたいだ。
このまま突っ立っていても仕方がないので町中を歩き回っていると、突然三人の男に声をかけられ足を止めた。
「嬢ちゃん、どっから来たんだ」
「いい着物きてんじゃねぇか」
「どっかの金持ちか」
この服装が目立ったのか、男達は私がお金になると思ってるみたい。
元の世界ならこんな服そこらじゅう着ている人達で溢れ返ってるのに、なんて思っても仕方がない。
兎に角この場から逃げなくてはと必死に走るが、相手は着物だというのにあっさりと追いつき私の腕を掴む。
周りに助けを求めようと視線を向けるが皆見て見ぬふり。
そこに関しては元居た世界と同じ。
面倒事には関わりたくないって思うのはいつの時代も変わらない。
「おい、そこのお前ら。女一人を三人で囲んで何をしている」
「何だ? あ、あんたは……!」
「あんた、だと? 誰に向かって口を利いている」
↓未修正↓
その男の言葉はまるで刃物のように鋭く、三人の男の顔は青ざめ逃げていってしまう。
よくわからないが、どうやら自分はこの人に助けられたのだと気づくと、千良は男に頭を下げ、礼を口にする。
「助けてくださってありが、っ!?」
言いかけたとき、突然男は千良を担ぎ上げると、そのまま歩き出してしまう。
ジタバタと暴れ、下ろしてもらうように言うと、男は一言こう言った。
「俺はお前を助けた。なら、もうお前は俺の物と言うことだ」
「え?ちょっと!!意味がわからないんですけど」
何とも勝手な理由で町外れまで連れていかれると、そこには黒と白の馬が一頭ずつ、そして、一人の男の姿があった。
男と目が合うと、その女はどうなされたのですかと、千良を担いでいる男に尋ねる。
「拾ってきた」
「貴方というお方は……」
やれやれといった様子の男を無視し、自分を担いでいる男はようやく千良を地面へとおろした。
「い、一体なんなんですか!!」
男へと振り返り声を上げると、男の顔が驚くほど近くに近づけられた。
あんなことがあり気づかなかったが、男の右目には眼帯がされており、左目はとても綺麗な青色の瞳をしている。
顔立ちも整っていてカッコイイ人だが、何よりもその青い瞳に目を奪われていると、男の口角が上がった。
「俺に惚れたのか?」
「ッ、違います!!それよりも、助けていただいたことには感謝しますが、私はこれからしなければならないことが────」
あるので失礼しますと去るつもりが、突然千良の体は宙に浮き、黒い馬の背に乗せられてしまう。
すると、眼帯の男も黒い馬の背に跨がり手綱を掴むと、城へ戻るぞと言い残し馬を走らせ、その後を、もう一人の男が白い馬に乗り追いかけてくる。
「っ____」
「喋らない方がいいぞ。舌を噛みきりたくなければな」
口を開こうとしたが、男の言葉で千良は口をぐっと噤む。
馬はかなりのスピードで走っており、男の言う通り舌を噛む恐れがある。
これでは話すことさえできず、色々と言いたいことはあるものの、目的地に到着するのを待つしかない。
それからしばらくするとようやく馬が止まり、目的地についたことを知らせる。
伏せていた顔を上げると、目の前には大きなお城がある。
「お城……。そう言えばさっき、城に戻るとか言ってたような」
「何をぶつくさ言っている」
眼帯をした男は馬から降りると、千良を持ち上げ軽々と下ろしてしまう。
先程から地面をまともに踏んでいないせいか、土を踏むのは久しぶりの感覚に思える。
「政宗様!!」
「おお、やっと来たか。遅いぞ小十郎」
ようやく追い付いてきたもう一人の男が馬から降りると、その視線が千良へと向けられた。
ギロリと睨まれ後退りそうになるが、迷惑しているのは自分のはずだと思い睨み返すと、小十郎と呼ばれていた男は視線を政宗へと向けた。
「政宗様、その女をどうするおつもりですか?」
「俺が拾った物だ。どうするもしないも俺の自由だ」
「またその様なことを……。貴方様はこの城の主であり、いずれは天下をとるお方なのですよ」
千良の存在をないもののように言い合いを始めてしまう二人だが、話を聞いていると、どうやら眼帯をつけた男はこの国の偉い人のようだ。
そして、先程から溜息がたえない男は、この政宗という男の家臣のようだ。
「珍しい物を集めることは構いませんが、この者は物ではなく人です」
「だからどうした。俺が拾ったのだから既に俺の物だ」
「人と物は違います!!」
次第に聞いているだけの千良にも怒りが込み上げてくる。
好き勝手言われているが、それは今はどうでもいい話だ。
それよりも、元の時代に戻ることが優先だと冷静に判断すると、千良はその場から去ろうと口を開く。
「すみませんが、私はこれから用があるので失礼致します」
兎に角この場から一刻も早く離れようとするが、伸ばされた手に腕を掴まれ制止されてしまう。
「俺の物が勝手に何処へ行こうというのだ?」
「あのですね。ハッキリ言わせていただきますが、私は貴方の物ではありませんから!!」
「何を怒っている?この伊達 政宗の物になれるんだぞ。普通の女なら喜ぶところだ」
「はいはい。なら、私は普通の女じゃないんでしょうね。兎に角私は急いでいるので、手を放してもらえますか?」
自分が今すべきことは、元の時代に帰る方法を探すこと。
そして、何故自分がタイムスリップをしてしまったのかを思い出すことだ。
今こんなところで、足止めされるわけにはいかないというのに、何故か千良の体はまた宙へと浮く。
「ますます気に入ったぞ女!やはりこの女は、俺の城に持って帰る。どんな説教も聞かんからな」
「政宗様!!」
小十郎の呼び掛けにも答えず、政宗は千良を担いだまま、とある部屋へと着くと千良を畳へと下ろした。
「ここは……」
「俺の部屋だ」
その言葉に身の危険を感じた千良は政宗から距離を取る。
その千良の姿に、政宗は声を上げ笑った。
「何を想像したのか予想はつくが、お前のような女を抱く気はない。残念だったな」
「全然残念じゃありません。それよりも、何故私をここへ?」
一体政宗が何を考えているのかわからず問いかけると、ほんの一瞬、政宗の瞳が揺らいだように見えた。
「珍しい物を好いているからだ」
「珍しい物?」
「そうだ。お前の着ている物、それに、俺を前にして堂々としたその態度。俺が出会った物の中で一番興味深い」
褒められているのかバカにされているのかよくわからないが、伊達 政宗、この名前だけは聞いたことがある。
だが、知っていることといえば、眼帯をしている歴史上の有名な武将ということだけだ。
新しい物好きは信長の筈だが、どうやら目の前にいる政宗は珍しい物に興味があるらしく、そこに目をつけられたのが千良という訳らしい。
「貴方の勝手な理由で連れてくるなんて……。私にはやらねばならないことがあるんです!!」
「その、やらねばならぬこととはなんだ?俺の物になるというなら、お前のその、やらねばならぬことというのを手伝ってやってもいいぞ」
諦める様子の無い政宗に、千良は溜息を漏らしたあと、自分のことを政宗に話す。
こんな信じられないような話を信じて、帰り方を探す手伝いなどするはずがない。
そのため、話せば諦めてくれるだろうと思っていたのだが、聞こえた返事に千良は言葉を失った。
「いいだろう。その願い、この伊達 政宗が叶えてやる」
こうして千良は政宗の物となってしまい、気づけば部屋まで用意され、一人項垂れていた。
諦めてもらうはずが、まさかの事態となってしまい、一体どうしたものかと考えていると、襖越しに声をかけられ返事をする。
すると、部屋に入ってきたのは、政宗の家臣である小十郎だった。
「話は政宗様からお聞き致しました」
何故か小十郎に嫌われているような気がするが、千良としては好都合だ。
タイムスリップなんて馬鹿馬鹿しい話、この見るからに真面目そうな小十郎が信じるはずがない。
それなら、小十郎に自分をこの場所から逃がしてもらえるように頼むだけだ。