続くゲーム
名前変更
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高野 千良(たかの ちよ)
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学校帰り帰路を歩くが、今日は帰るのが遅くなり、すでに空は暗い。
家までは街灯はあるが人通りも少ないためかなり怖く、早く帰ろうと早足で歩いていると、突然現れた黒いスーツ姿の男に声をかけられ鼓動が跳ね上がる。
「すみません。驚かせてしまって」
「い、いえ。あの、何か?」
知らない人物に警戒しながらも尋ねると、男は「ゲームに参加してみませんか?」と尋ねてきた。
何かの勧誘だろうかと断ろうとすると「お金は一切かかりませんので」と言われ、一応話を聞く。
スーツ男の説明によると、私が参加するゲームは明日の夜行われるらしく、ゲーム内容は秘密らしい。
丁度明日は学校も休みで予定もない。
お金もかからないならと参加することに決めて、集合場所が書かれた紙を受け取り家へと帰る。
そして翌日の夜。
書かれていた場所へ向かうと、黒いバスが停まっており、ここからはバスでの移動になると知らされ会場へ向かうと、着いたのは何もない白い空間。
「では、今日皆様が参加されるゲームの説明をさせていただきます」
説明は簡単なもので、三人一組になり各部屋で過ごすというものだ。
同室となる3人は、すでに決められているらしく、私は同い年くらいの男女1名ずつと同じ部屋で一夜を過ごすわけだが、男一人と女二人が同じ部屋なんて良くないのではないかと講義する。
他からも声が上がるが「すでに決められておりますので」というだけで話にならず、結局このメンバーで一夜を共に過ごすこととなった。
部屋にはベッドが3つとお風呂やトイレもある。
初対面の相手だが女の子とはすぐに仲良くなれた。
だが、男の方は一言も言葉を発さない。
人見知りなんだろうかと思いながら、3人は眠りにつく。
それからどのくらい経ったのか、何か音が聞こえ目を覚ますと、隣のベッドに二人の姿がある。
女はベッドに横になり、男はその上に跨りナイフを振り下ろし何度も女を刺していた。
恐ろしい光景にこれは夢だと思い瞼をぐっと閉じると、いつの間にか鈍い音が聞こえなくなっていた。
気になり少し目を開けると、男の血で汚れた顔が目の前にあり悲鳴を上げる。
逃げなければと扉に手をかけるが開かず、扉を叩いて助けを求める。
「開けて、開けてよ! 殺されるッ!」
いくらドアを叩いて叫んでも鍵は開かず、背後に気配を感じ振り返る。
服や顔を血で汚し、男がニヤリと笑みを浮かべナイフを振り上げると、私に向かって思い切り振り下ろす。
鈍い痛みと生温かい液体。
その場に倒れた私に男は何度もナイフを振り下ろした。
私の意識は次第に薄れ、一筋の涙を流し息絶えた。
そんな様子をモニターで見ていたスーツ男はニヤリと笑みを浮かべ、他の部屋のモニターでも、同じ光景が広がっている。
「3人の中に殺人鬼。やはり生き残れなかったようですね」
まだ終わらないこのゲーム。
いつまで続くのか。
スーツ男はただ楽しむ。
この、生き残ることのできないゲームを──。
《完》