続くゲーム
名前変更
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高野 千良(たかの ちよ)
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偶然友達から聞いたゲームの話。
なんでも、そのゲームに参加した人は戻ってこられないらしい。
そんなのあるはずがないと笑うと「なら二人で参加してみよ」と言われ、私と友達は参加した。
参加を希望した翌日の朝。
ポストに封筒が入っていた。
中には集合場所が書かれている神が一枚。
その手紙は友達の家にも届いており、二人は紙に書かれていた通り夜になるとその場所へ向かう。
木に囲まれていて、周りには建物すらない場所。
そしてそこには、私と友達以外にも人が集まっていた。
「ねぇ、そういえばゲームって何するの?」
「うーん、よくわかんないんだよね。条件は、仲の良い友達とペアでの参加としか書かれてなかったから」
言われて周りを見ると、皆友達同士で来ているようだ。
そんなことを話していると、一台のバスがやってきた。
真っ黒で窓もないことに少し怖く感じていると、バスからスーツの男が降りてきた。
「今から皆様をこちらのバスで、ゲーム会場までお送りいたします」
ニコリと笑みを浮かべる男に背筋がゾクリとする。
イヤな空気を感じながらも、皆バスへと乗り込む。
車内は薄暗い明かりのみ。
窓もないため何処を走っているのかさえわからないまま、バスは停車した。
バスを降りると、そこは真っ白な空間。
「では、早速ゲームを始めたいと思います。今から皆様には各部屋でお友達と二人一組で一夜を過ごしていただきます」
スーツ男の話すゲーム内容は、鍵のかけられた部屋にペアで入り、無事朝を迎えられればクリアというもの。
一体それの何がゲームなのだろうかと思いながら、集められた皆は各部屋に入る。
「これの何がゲームなんだろ? まぁ、テレビもお風呂もトイレもあるし、朝までなんて余裕だね」
そんなことを笑いながら話したあと、私は汗をかいてしまったためシャワーを浴びる。
カゴの中には二人分のタオルと浴衣が用意されており、シャワーを浴びた私はタオルで身体を拭こうとした。
すると床にヒラヒラと何かが落ち、拾った紙にはこう書かれていた。
「『アナタは友達を信じますか?』って、何これ」
紙をクズカゴに捨て部屋に戻ると、何故か友達は慌てて鞄に何かをしまい「私もシャワー浴びてくるね」と行ってしまう。
友達が何を鞄に入れたのか気になるが、勝手に見るのは良くないと思いベッドに座る。
ベッドの横に置かれた机。
引き出しを開けてみると、そこには拳銃が入っていた。
まさか本物のわけないよねと思い手に取ると、オモチャとは思えない重みを感じる。
「え? まさか、本物……」
怖くなり引き出しに戻そうとすると、紙が入っていることに気づき手に取る。
書かれていたのは『アナタは友達を信じますか?』という先程と同じ言葉。
一体何なのだろうかと思いながらも友達がお風呂から出てくると、二人はベッドに横になる。
電気は消すことはできないらしく、豆電気にして眠りへとついた。
だがその直ぐ、いつの間にか眠ってしまっていた私の耳にゴソゴソという音で聞こえ目が覚める。
何の音だろうかと眠い目を少し開くと、友達が鞄の中から何かを取り出していた。
まだ眠い目ではハッキリとわからず再び眠りにつく。
それからどのくらい経ったのか、再び目を覚ました私は友達に視線を向けるが、どうやら眠っているようだ。
先程友達が鞄から出した物。
それが拳銃に見えたような気がした。
気のせいだろうと思ったとき、紙に書かれていた言葉が頭を過る。
『アナタは友達を信じますか?』
変なことを考え過ぎだと思い、顔を洗ってサッパリしようとお風呂場に行く。
顔を洗いスッキリした頭で部屋に戻った私の瞳に、友達が拳銃を持っている姿が映った。
「何、やってんの?」
「っ!? こ、これは……」
慌てて隠そうとした友達の手から落ちたのは、やはり拳銃だった。
何でこんな物持っているのか少し怒った口調で聞く。
「それはアンタだって同じでしょ。拳銃持ってるの知ってるんだから」
そう、机の引き出しに入っていた拳銃を私は戻そうとはせず持っていたのだ。
そして今も心のどこかで思ってしまった。
友達に殺されるのではないかと。
私は最近、友達が好きだった人から告白をされた。
勿論断ったが、次第に私も相手の事が気になり出し付き合い始めた。
友達に正直に話すと、その人が好きになったのが私で良かったと言ってくれた。
でもその数日後、何故か相手から別れを言われ、後にわかったことだが、友達がその人に私と別れるように言っていたと他の子から聞いて知った。
私には友達に殺される理由がある。
そして私にだって理由はある。
いくら好きな相手が私を選んだからといって、別れさせるなんてあんまりだ。
隠し持っていた銃を友達に向けると、私は引き金を引いた。
ベッドに倒れる友達。
でも、何とも思わない。
全部友達が悪いのだから。
そんなことを思っていると、扉をノックする音が聞こえ視線を向ける。
すると扉の隙間から、封筒が部屋の中に入れられた。
「こちら、もう必要ないと思いますがどうぞ」
スーツ男の声が扉の向こうから聞こえ、封筒を拾うと入っていた紙を読む。
友達が好きだった人。
そして私が付き合っていた相手。
その人は、何人もの女性と付き合っているような人。
それを知った友達は、何度も私と別れるようにその人に頼み込んだ。
そして私と別れる条件として、友達が自分の身体をその人に抱かせたと紙には書かれている。
「嘘、でしょ……」
こんなの嘘に決まってる。
何か証拠がないかと友達の鞄を漁るが何もなく、真実がわからずにいると、ベッドに置かれていた友達のスマホが目に止まる。
電源を入れてメールなどの履歴を見てみると、あの男の名でメールがあった。
『アイツとは別れてやったんだ。代わりにお前がこれから俺の言うこときけよな』
そう書かれたメールを始めに、何通ものやり取りがされていた。
「何で、何で私のためにアンタが身体売るのよっ!」
瞳に涙を滲ませていると、ベッドに紙が置かれていることに気づき手に取る。
そこには『アナタは友達を信じますか?』と書かれていた。
そう、友達も私と同じ様に拳銃を見つけていたのだ。
でも、だからといって何故友達が拳銃を持っていたのかと疑問を感じていると、扉の向こうから声が聞こえる。
「ああ、そういえば。各部屋には監視カメラが設置されているのですが、そちらの彼女、銃を見つけて手紙を読んだとき呟いていましたよ『何かあったら私が守るからね』と」
その言葉で、私は全てがわかった。
友達が拳銃を持っていたのは、このゲームに参加した人は戻ってこられないと聞いていたから、私を守るために持っていたのだと。
なのに私は二度も助けてくれた友達を自分の手で殺めてしまった。
そんな自分ができる償いはただ一つ。
「ごめんね。私もいくから」
部屋に響いた銃声の音を扉越しに聞いたスーツ男は口元に笑みを浮かべる。
そして今回のゲームの生き残りも0人。
まだまだゲームは続いていく。