戦国ライフはいかが?
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高野 千良(たかの ちよ)
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千良は武将が大好きなのだが、アニメやゲームでのキャラに恋をするだけであり、歴史は無知だった。
そんな千良が戦国時代に突然放り込まれたとしたら、生きていけるはずがない。
はずなのだが、何故か千良は姫となっていた。
「何で私こんなことになってんのよ。早く元の時代に帰りたいよ」
「何を一人でお話になっておられるのですか。今日は姫様を尋ねに信長様がお城に来られるのですから、もっと身なりをしっかりと──」
「信長って、あの織田 信長!?」
突然戦国時代に放り込まれた千良は、どうやらその国の姫とそっくりらしく、間違って連れてこられたがために今の現状となっていた。
何を説明しても信じてもらえないどころか、外にすら出られない毎日にうんざりとしていた時、自分の知っている武将、織田 信長の名が出され一気に千良のテンションは上がる。
「姫様、いくら親しいからと、様をお付けにならないのはいけません。織田 信長様とお呼びくださいませ。聞いておられるのですか姫様」
千良は世話係の言葉など一切聞かず、信長の事で頭を膨らます。
武将のゲームでは、髭を生やしたおじさん。
乙女ゲーなら、イケメンな武将の一人である信長だが、一体どちらが現れるのだろうかと期待に胸を膨らませていると、外から騒がしい声が聞こえてきた。
「姫様、信長様がお着きになられましたよ」
「信長!」
「姫様!?」
千良は部屋を飛び出すと、信長の元へと向かう。
動きづらい着物はこの数日だけでは慣れず、自然と歩く幅が狭くなる。
「もう、早く信長を見たいのに、ッわ!」
無理矢理走ろうとしたせいで、千良は着物に足を取られ、そのまま前へと体が傾く。
倒れると思ったその時、横から現れた何かに体が抱き止められ、千良はなんとか転ばずにすむ。
「すみませ……」
言いかけたところで、千良は言葉を失った。
千良の瞳に映るのは、とても綺麗でいて、少し冷たさを感じるような男性だったからだ。
男性を綺麗なんて思ったのはこの時が初めてであり、千良の瞳はその男性から剃らせなくなる。
「大丈夫か?」
「っ!!は、はい!お陰様で」
千良は体をそっと放すと、ありがとうございましたと頭を下げお礼を伝える。
「何をそんなに急いでいたんだ?」
「あっ!!信長!!すみません、私ある方を探している最中なので、これで失礼致します」
千良は転ばないように注意しながら早足で城の入り口へと向かうが、そこにはすでに信長の姿はない。
千良がため息をつき肩を落としていると、姫様と呼ぶ声が聞こえ、世話係が追いかけてきたのだろうかと恐る恐る振り返る。
すると、そこにいたのは見慣れない男性であり、先程会った男性と同じくらいに綺麗な人だった。
「お久し振りです、姫様」
「えーっと……」
姫様と呼ぶこの人物が何者なのかわからず困っていると、男は、忘れてしまわれたのですかと悲しそうな表情を浮かべる。
「無理もないですね。こうして会うのはいつぶりかもわかりませんし」
どうやら、姫とこの男性は親しい間柄のようだ。
一体何者なのだろうかと、千良は男性に尋ねる。
「僕は森 蘭丸です。姫様とは3回ほどしかお会いしたことはありませんから、覚えていないのも無理はないです」
「えーッ!?蘭丸って、あの森 蘭丸!?」
声を上げ驚く千良に、蘭丸の方が驚きクスリと笑みを溢す。
「そんなに僕、変わりましたか?」
「いや、変わったというより初対面だし……」
「初対面?」
首を傾げる蘭丸に、自分は姫でないことや、別の世界から来たことを話すが、姫と瓜二つ千良が何を言ったところで信じてはもらえず、蘭丸は笑うだけだ。
必死に説明するも虚しく、千良と蘭丸は二人広間へと向かう。
「姫様、何処へ行っておられたのですか!!信長様はすでにお待ちですよ!!っ、蘭丸様もご一緒でしたか。ささ、どうぞお入りくださいませ」
千良の世話係が二人を広間へと通すと、そこにいたのは、先程千良が転びそうになったのを助けてくれた人物だった。
その男性の視線が千良へと向けると、千良は慌てて畳の上に座る。
「信長様、遅れてしまい申し訳ありませんでした」
頭を下げる蘭丸に、構わんと一言言い放つこの男性こそ、千良が探していた信長だったのだと知る。
こうして、蘭丸と信長が並ぶと綺麗すぎて直視できない千良は、顔を俯かせてしまう。
「先程から俯いているようだが、どうかしたのか?」
「千良様は緊張しておられるのでしょう。未来の夫となられる信長様を前にしておられるのですから」
「そうなんです!未来の夫となる信長様…………!!夫!?」
まさかの言葉に一瞬、千良の思考がフリーズしてしまったが、夫というのは夫婦になることであり、その千良の夫となる男が信長ということなのかと頭が混乱してしまう。
だが、その信長と夫婦になるのは本当の姫なのだと頭の中で結論が出ると、千良は納得する。
「ッ……!?」
折角頭の中が整理されたというのに、いつの間にか目の前まで近づいていた信長が千良の顎を掴むと持ち上げた。
近い距離に頬に熱が宿ると、ほとんど千良は混乱状態となる。
だが、そんな千良の耳に、信長の声が届いた。
「お前、本当にあの姫か?」
「ッ……!」
真っ直ぐに千良を見つめる瞳には、さっき見た時のような冷たさはなく、まるで興味津々といった子供のように瞳の奥を輝かせている。
もしかしたら、この人なら千良の話を信じてくれるかもしれないと思った千良が口を開こうとすると、蘭丸の声が千良の言葉を遮る。