夕暮れにご注意を
とある小さな町の学校で、ある噂が広まっていた。
それは、人の影の中には何かがいるというものだ。
だが、現代の学生、それも高校生がこんな話を怖がるはずはないのだが、この学校の学生達の空気は重かった。
「なんか最近、皆暗くない? なんか影がどうのとか」
「え、噂知らないの?」
友達に詳しくを聞くと、どうやら夕暮れ時になると、その影の中から何かが出てきて、その人を影の中へ引きずり込むというのだ。
そんな作り話を信じて、高校生がこんな深刻になっているのかと笑うと、友達が両肩を思いきり掴んできた。
「人が、消えてるんだよ」
「え……?」
真剣な表情の友達だったが、怖がらせようとして言っているのだろうと、とくに本気にはしていなかった。
だがその翌日から、その友達は行方不明となり、二度と姿を現すことはなかった。
「まさか、本当に影が……」
そんなことあるはずがないと思い続けて数ヵ月が経つと、学校の生徒や先生のほとんどが行方不明となり、次第に生徒達は恐怖で欠席をし部屋に閉じ籠る者までで始めた。
そんなある日の帰り道、周りの家を見るが、どこのカーテンもしっかりと閉まっている。
もう陽も暮れ始め、外を歩く人すら誰もいない。
「早く帰ろ」
段々と不気味になり始めていく町の様子に、早く帰ろうと早足になる。
そして、何か背後に気配を感じ振り返るが、そこには誰の姿もない。
あるのは自分の影だけで、再び歩みを進める。
だが、また感じる何かの視線に次第と走りだし、ようやく家の前まで着き呼吸を落ち着かせると、ドアノブに手をかけた。
〝つーかまーえたー〟
背後から伸ばされた黒い何かに引きずり込まれ、その少女も行方不明となってしまった。
今ではその町に住むものは誰一人としていない。
だが、こんな小さな町で起きたことなど誰も知るよしもなかった。
《完》
それは、人の影の中には何かがいるというものだ。
だが、現代の学生、それも高校生がこんな話を怖がるはずはないのだが、この学校の学生達の空気は重かった。
「なんか最近、皆暗くない? なんか影がどうのとか」
「え、噂知らないの?」
友達に詳しくを聞くと、どうやら夕暮れ時になると、その影の中から何かが出てきて、その人を影の中へ引きずり込むというのだ。
そんな作り話を信じて、高校生がこんな深刻になっているのかと笑うと、友達が両肩を思いきり掴んできた。
「人が、消えてるんだよ」
「え……?」
真剣な表情の友達だったが、怖がらせようとして言っているのだろうと、とくに本気にはしていなかった。
だがその翌日から、その友達は行方不明となり、二度と姿を現すことはなかった。
「まさか、本当に影が……」
そんなことあるはずがないと思い続けて数ヵ月が経つと、学校の生徒や先生のほとんどが行方不明となり、次第に生徒達は恐怖で欠席をし部屋に閉じ籠る者までで始めた。
そんなある日の帰り道、周りの家を見るが、どこのカーテンもしっかりと閉まっている。
もう陽も暮れ始め、外を歩く人すら誰もいない。
「早く帰ろ」
段々と不気味になり始めていく町の様子に、早く帰ろうと早足になる。
そして、何か背後に気配を感じ振り返るが、そこには誰の姿もない。
あるのは自分の影だけで、再び歩みを進める。
だが、また感じる何かの視線に次第と走りだし、ようやく家の前まで着き呼吸を落ち着かせると、ドアノブに手をかけた。
〝つーかまーえたー〟
背後から伸ばされた黒い何かに引きずり込まれ、その少女も行方不明となってしまった。
今ではその町に住むものは誰一人としていない。
だが、こんな小さな町で起きたことなど誰も知るよしもなかった。
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