友達からリグマのお誘いなど何もなく、暇を持て余していたから来た。本当にそれだけ。別に見たかったとかじゃないし。


誰に弁解しているのか分からないが、心の中でひたすら唱え続けながら空いている場所を探す。




「うわ、流石ピンクチーム…めちゃ混んでる…」




四方八方、いろんな人で埋まっている。
強いからってのもあると思うけど、勿論そうじゃ無い人も沢山いる訳で。



…いや、これバトルだよね？なんでこんな団扇持ってるの？え？何故ヘアメまでしてるの…？？この後握手会でもあるのか？？？？


チラッと隣を盗み見ると、「アロハくんウィンクして♡」　「結婚して」など。いやアロハ多くね…？？


まぁそうだよなぁ、アイツかっこいいし、バトルも強いし。…それでも、一応彼女は私なんだけど。



そんなことを考えていたらバトル開始の合図が鳴ったようで。キャーキャー騒いでる声や名前を読んでる声も聞こえる。え？ライブじゃないよね？バトルだよねこれ？


ちょっともやもやしながらアイツのことを目で追う。
やっぱり上手いなあ、。
普段ナンパしたりとかしてるくせに、こういう時だけかっこよくなるの狡い。


もやもやに蓋をしてバトルの研究でもしようかなと思った時に不意にがこっちを見た。




あれ、もしかして今、目あった？




驚いて思わずアロハを凝視すると向こうも驚いたように目を丸くして一瞬固まった。
でもその後柔らかい表情になったかと思えば_




「来てくれてありがとう」




遠くて聞こえないし、聞こえる聞こえない以前に多分口パクだから正しいことはわからないけど、多分、そう。


周りの子が黄色い悲鳴を上げて「今の私にだった！」「なに言ってるの！？私だったわよ！」と言い争っているがそんなの耳に入ってこない。

私に向けて、だよね…？
ーーーこんなかっこいいことするなんてさぁ、



「やっぱりアロハのばーか！！」







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『幼馴染喧嘩ばっかり彼氏のアロハに特別なファンサされたい
「え…これナワバリバトルだよね？なんでこんなファンサ団扇あるの」周りの人ほぼみんなファンサして団扇を持ってる。
私はなにも持ってないのにこっちを見て驚いた顔をしたかと思えば優しく笑って「ありがとう」って口パクで言ってくる
周りの子たちがキャーキャー騒いでいるけど、絶対こっち見たよね？私に向けてってことでいいの？やっぱり
「アロハのばーか」』







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「ねえダイバー！どうしよう！！(名前)いた！！！なにあれ！新しいフクだしいつもはポニーテールなのに下ろしてる！！超可愛いんだけど！！！」


「いいから塗ってくれね？」