雨の日の魔法【逆先夏目】
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「やァ子猫ちゃん、キミも今帰りかナ?」
「わ、逆先くんだ、珍しい…。うん、今から帰るとこだよ」
放課後のTrick starのプロデュースが終わり、帰ろうとして下駄箱に行ったら同じクラスの逆先くんと出会った。
逆先くんはあまり授業に出席することがないのでこうやってプロデュース以外のことで出会うのは珍しい。どうしたんだろう。
「昨日から学校に泊まりでネ…生憎傘を持ってないんダ、」
扉の外を見ると、少し薄暗くなっている空からはそこそこの強さの雨が降っている。確かにこれは傘がなくては帰れなさそうだ。
苦笑いを浮かべながら子猫ちゃん、と言いかけた逆先くんに私は少しドヤ顔で目の前に袋を出す。
「こんなこともあろうかと折りたたみ傘を常備してるんだ!よかったら使ってよ!」
しかし無言の時間が流れる。何か不味いことを言ってしまっただろうか___。
目の前には若干顔をしかめるキミが。
あ、大丈夫だよ、女の子っぽくないやつだから。紺色の無地のだし、逆先くんが持ってても変じゃないと思う!
慌ててそう付け足すと今度は困ったような顔をする。
流石はアイドル、どんな顔をしていても絵になる…じゃなくて!
「ご、ごめん…なんか気に触ること言っちゃった…?」
「…いヤ、気にしないでいいヨ、子猫ちゃん。お礼と言ってはなんだけド、家まで送るヨ」
「え!?それは流石に申し訳ないからいいよ!」
「ボクがしたいから送らせて、ネ?」
そうやって少し悲しそうに微笑む逆先くんをみてたら“いいえ”なんて言えなく、結局送ってもらうことになり、折り畳み傘を渡し、急いで靴に履き替える。
心なしかしとしとと振り続ける雨は冷たく見えた。
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