クリスマス
ヒロインの名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
12月25日。世間はクリスマス一色で街には大きなツリーやオーナメントが施されていて、カップルや家族連れが多く集う。私達もその内の1人なんだけどね。離れないよう手を繋ぐと言い、楓は手を差し出したが他の人より背が高い彼を見失う事ないので大丈夫だよ。と笑う。
「…手、繋ぎたい」
「え!?あ、そうだったのね」
手を繋ぐ口実を断ってしまったので、少し申し訳ない気持ちになる。指を絡ませ合い、強く握り返した。
付き合いたての頃は兎に角無口で何を考えてるのかよく分からなかった。今も無口だけど、それ以上に口数が少なかったと思う。それでいて意外と嫉妬深く、強引さもある。私の何処が好き?一緒にいて面白い?と不安はあったけれど、言葉で伝えない分、行動で表してくれる。そんな彼が私は好き。
「ケーキどうする?」
「うーん、そうだなぁ。ショートケーキ…でもフルーツタルトも美味しそう。あー季節限定のムースも!迷うなぁ」
うーんと硝子のショーケース越しに悩んでいると、サンタコスをした可愛らしい売り子さんが迷いますよねー、ゆっくりお選び下さい!と笑顔で話し掛けられたので、はいと返事をして微笑み返す。
「…そんなに食うと太る」
「うっ…良いじゃん。クリスマスくらい」
「俺が季節限定の頼むから後は自分で決めろ」
「え!?いいの?チョコレートの方が良いんじゃないの?」
念押しするように問い掛け、楓の顔を覗くと恥ずかしいのかそっぽを向いた。
彼なりの優しさだろう。優柔不断な彼女の好きな物を選んでくれる。私はチョコレートケーキを選んだ。すると、切長の目を見開きどあほう…と小さく呟いたが口角が上がっていて喜んでいるのがバレバレだ。
「ふふ、お互い好きなケーキ食べればいいでしょ?」
「エリナと食べるなら何でも美味い」
自分で言っていて恥ずかしいからか、私の手を掴みずんずん突き進んで人混みを掻き分けて行く。時折私が着いていけてるか確認しながら街を抜け出すと楓の家が見えた。
「早く食べるぞ」
「焦らなくても、ケーキは逃げないよ?」
クスクス笑うとその口を煩いなんて言いながら塞がれた。アスファルトには唇が重なるシルエット。初めは触れるだけだったのに、徐々に激しさを増していく。此処は外でいつ誰が来るか分からないのにも関わらず、欲するがままに口づけを交わした。
酸素が取り込みにくい程のキスの嵐に胸板を叩いた。やっとの思いでキスから逃れて大きく呼吸をする。冷え切った冬の空気が肺に入っていくのが分かる。楓の強引さは突発的だから心臓に悪い。
ドッドッと激しく音を立てる心臓の音に貴方は気付いているのかな?
ちらりと楓を見ると耳を赤く染めている。
「ん」
「分かったよ。家に帰ったら続き、ね」
玄関へ踏み入れて、手洗いを済ませた後はTVを観ながらケーキを食べた。それから、ケーキよりも甘いひと時を過ごしたのは言うまでもない。
*END*
「…手、繋ぎたい」
「え!?あ、そうだったのね」
手を繋ぐ口実を断ってしまったので、少し申し訳ない気持ちになる。指を絡ませ合い、強く握り返した。
付き合いたての頃は兎に角無口で何を考えてるのかよく分からなかった。今も無口だけど、それ以上に口数が少なかったと思う。それでいて意外と嫉妬深く、強引さもある。私の何処が好き?一緒にいて面白い?と不安はあったけれど、言葉で伝えない分、行動で表してくれる。そんな彼が私は好き。
「ケーキどうする?」
「うーん、そうだなぁ。ショートケーキ…でもフルーツタルトも美味しそう。あー季節限定のムースも!迷うなぁ」
うーんと硝子のショーケース越しに悩んでいると、サンタコスをした可愛らしい売り子さんが迷いますよねー、ゆっくりお選び下さい!と笑顔で話し掛けられたので、はいと返事をして微笑み返す。
「…そんなに食うと太る」
「うっ…良いじゃん。クリスマスくらい」
「俺が季節限定の頼むから後は自分で決めろ」
「え!?いいの?チョコレートの方が良いんじゃないの?」
念押しするように問い掛け、楓の顔を覗くと恥ずかしいのかそっぽを向いた。
彼なりの優しさだろう。優柔不断な彼女の好きな物を選んでくれる。私はチョコレートケーキを選んだ。すると、切長の目を見開きどあほう…と小さく呟いたが口角が上がっていて喜んでいるのがバレバレだ。
「ふふ、お互い好きなケーキ食べればいいでしょ?」
「エリナと食べるなら何でも美味い」
自分で言っていて恥ずかしいからか、私の手を掴みずんずん突き進んで人混みを掻き分けて行く。時折私が着いていけてるか確認しながら街を抜け出すと楓の家が見えた。
「早く食べるぞ」
「焦らなくても、ケーキは逃げないよ?」
クスクス笑うとその口を煩いなんて言いながら塞がれた。アスファルトには唇が重なるシルエット。初めは触れるだけだったのに、徐々に激しさを増していく。此処は外でいつ誰が来るか分からないのにも関わらず、欲するがままに口づけを交わした。
酸素が取り込みにくい程のキスの嵐に胸板を叩いた。やっとの思いでキスから逃れて大きく呼吸をする。冷え切った冬の空気が肺に入っていくのが分かる。楓の強引さは突発的だから心臓に悪い。
ドッドッと激しく音を立てる心臓の音に貴方は気付いているのかな?
ちらりと楓を見ると耳を赤く染めている。
「ん」
「分かったよ。家に帰ったら続き、ね」
玄関へ踏み入れて、手洗いを済ませた後はTVを観ながらケーキを食べた。それから、ケーキよりも甘いひと時を過ごしたのは言うまでもない。
*END*
1/1ページ