恋のおまじない
ヒロインの名前
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好きな人の名前を放課後の誰にもいない黒板に書いて教卓の前に立って3回彼と両思いになれますようにと祈ると恋が上手くいく。
今週号の雑誌が恋のおまじない大特集でこれはその中の一部だ。
ふん、馬鹿馬鹿しいと冷めた反応の自分と本当に叶うのかな…と信じる自分が交差する。半信半疑の状態だ。
実行するとしたら、早いに越した事はないので明日が良いかな。疑いの気持ちもあるが信じる気持ちと好奇心が僅かにリードし、明日決行する事になった。
黒板に書く人物は既に決まっていて、その名は清田信長。中学生の頃から気になっていた。しかし、相手は私の事を単なる幼馴染としか見てないのは分かっている。だから、胡散臭い(失礼)おまじないに冗談半分だが実行しようと密かに思っている。別に、誰かに迷惑掛ける訳じゃないし、良いよね…?勿論、祈りが終われば光の速さで消すし。
「ふわぁーーー眠い」
時計を見れば0時前。明日に備えて寝なくちゃと雑誌を閉じて眠りに着いた。
鳥の囀りと目覚ましの音で目が覚めたらいつもと変わらない朝。
んーっと伸びをして支度をして特にこれと言って変化のない有り触れた1日が終わりあっという間に放課後になった。
「バイバイ、また明日ねー!」
「うん!気を付けて帰ってね」
友達には図書館で国語の意味調べの課題をやりたいと言い、今日は別々に帰る事になった。友達には悪いが、それは嘘である。何故なら昨日、雑誌で読んだおまじないを実行する日…Xデーなのだから。
誰もいない放課後の教室は、普段は賑やかな休憩時間が嘘のように静まり返っていて少し怖く感じた。
さっさと終わらせて早く帰っちゃおう。そう思ってチョークを握り【清田信長】と黒板一杯に大きく書いた。雑誌には文字の大きさは好みで良いとの事だったが、大きく書いた方が気持ち的に叶いそうと思ったので書いた。それは、エリナの清田が好きな気持ちの大きさも表しているようだった。
後は祈るだけだと教卓の前に立ち手を合わせた時、カサカサッと黒い物体がエリナに向かって飛んで来た。
「わっ!」
私は謎の黒い物体を反射的に避けて何なのか見ると……。
「ゴ、ゴゴ…ゴキブリーーーッ!」
大の虫嫌い…その中でもゴキブリが断トツでぶっちぎりで嫌いなエリナは黒板の淵に止まったゴキブリを涙目で睨んだ。まさかの恋のライバルはゴキブリ?なんて気が動顛し過ぎてありもしない発想が脳裏に浮かんだ。
此処は家ではないので殺虫剤はない。排除する方法がなく、今日の所は引き上げたいが黒板消しの数センチ先には奴がいる。黒光りした身体が何故かいつにも増して怪しくて光っている気がする。
「くぅ…こうなったら汚れるけど手で文字を消すしかなさそうね…。」
文字を小さく書けば良かったと数分前に大きな字で書いた自分を恨むが既に後の祭りだ。
私…何やってんだろうと虚しくなる気持ちを抑えて拭こうとしたら、ドアが勢いよく開いた。
「やっべ、数学のプリント忘れた」
「…の、信長っ!」
何て事なの…とタイミングが悪過ぎる自分に嫌気が差す。
プリントを鞄へ仕舞い終わった清田が黒板とエリナを交互に見詰めて首を傾げているのでバレた。つまり、今から消しても意味を成さない。首を傾げているのは自分の名前が書かれている事についてだろう。
「おー、エリナ。俺の名前書いて何してんだ?」
「理由は後!今はそれ所じゃないの!」
ほら、と指差す方向にはゴキブリが触覚を動かしながら壁を歩いている。
「あー、暑いから出て来たんだな。任せとけって」
この天才ルーキーにな!とニカッと歯を出して笑い窓を開けて掃除用具入れから箒を出してゴキブリを突けば、羽を広げて窓から出て行った。直様窓を閉めて鍵を掛ける音が聞こえると同時にエリナはへなへなと床に座り込んだ。重かった肩が軽くなり力が抜けたのだ。
「た、助かった…ありがとう」
「全く、小学生の頃から変わらねぇな。エリナん家にゴキブリが出て家に誰もいないから泣いて俺に助けを求めたもんな」
「確かに、そんな事もあったわね…。」
遠い記憶が蘇る。その時も今日と同じで任せとけってと屈託ない笑みを浮かべて退治してくれたのを。その頃から少しずつ意識し始めたんだっけ。
嫌いなゴキブリがエピソードに混ざってるから無理矢理蓋をして思い出さないようにしてたが、こうして思い出すと懐かしいなと感慨深くなる。
「それで俺の名前を書いた理由を教えろよ」
「あー…えっとね…、」
私は全てを話した。そしたら信長はそのおまじないは当たってるなと答えた。
「え?どう言う事?」
「鈍感だな、俺もエリナが好きって事だよ」
「え?嘘でしょ?」
「嘘じゃねぇよ」
目を逸らして半ば強引にエリナを胸板に押し当てると鼓動が速いのを服越しに感じた。
「お前の一言一言に反応しちまうんだよ。でも…昔から喧嘩ばっかだし、今更どうしたら良いか分からなくて空回りしてた」
「…馬鹿ね、私達。とっくに答えは出てるじゃん」
「ああ、そうみたいだな」
2人は夕日が照らす教室でキスを交わした。翌日、手を繋いで幸せオーラ全開で登校するから学校内でバカップルと呼ばれたのであった。部活では一部の彼女なしの先輩にリア充爆発しろと疎まれた。
*END*
あと書き
前から思ってましたが、私の作品は冨◯作品並みにゴキブリ出てくるなぁ(-ω-;)笑
幽遊白◯やHUN◯ER×HUN◯ERもゴキブリ出る描写意外とあるんですよね…って何の話してるんでしょう笑
此処まで読んで下さってありがとうございました!
今週号の雑誌が恋のおまじない大特集でこれはその中の一部だ。
ふん、馬鹿馬鹿しいと冷めた反応の自分と本当に叶うのかな…と信じる自分が交差する。半信半疑の状態だ。
実行するとしたら、早いに越した事はないので明日が良いかな。疑いの気持ちもあるが信じる気持ちと好奇心が僅かにリードし、明日決行する事になった。
黒板に書く人物は既に決まっていて、その名は清田信長。中学生の頃から気になっていた。しかし、相手は私の事を単なる幼馴染としか見てないのは分かっている。だから、胡散臭い(失礼)おまじないに冗談半分だが実行しようと密かに思っている。別に、誰かに迷惑掛ける訳じゃないし、良いよね…?勿論、祈りが終われば光の速さで消すし。
「ふわぁーーー眠い」
時計を見れば0時前。明日に備えて寝なくちゃと雑誌を閉じて眠りに着いた。
鳥の囀りと目覚ましの音で目が覚めたらいつもと変わらない朝。
んーっと伸びをして支度をして特にこれと言って変化のない有り触れた1日が終わりあっという間に放課後になった。
「バイバイ、また明日ねー!」
「うん!気を付けて帰ってね」
友達には図書館で国語の意味調べの課題をやりたいと言い、今日は別々に帰る事になった。友達には悪いが、それは嘘である。何故なら昨日、雑誌で読んだおまじないを実行する日…Xデーなのだから。
誰もいない放課後の教室は、普段は賑やかな休憩時間が嘘のように静まり返っていて少し怖く感じた。
さっさと終わらせて早く帰っちゃおう。そう思ってチョークを握り【清田信長】と黒板一杯に大きく書いた。雑誌には文字の大きさは好みで良いとの事だったが、大きく書いた方が気持ち的に叶いそうと思ったので書いた。それは、エリナの清田が好きな気持ちの大きさも表しているようだった。
後は祈るだけだと教卓の前に立ち手を合わせた時、カサカサッと黒い物体がエリナに向かって飛んで来た。
「わっ!」
私は謎の黒い物体を反射的に避けて何なのか見ると……。
「ゴ、ゴゴ…ゴキブリーーーッ!」
大の虫嫌い…その中でもゴキブリが断トツでぶっちぎりで嫌いなエリナは黒板の淵に止まったゴキブリを涙目で睨んだ。まさかの恋のライバルはゴキブリ?なんて気が動顛し過ぎてありもしない発想が脳裏に浮かんだ。
此処は家ではないので殺虫剤はない。排除する方法がなく、今日の所は引き上げたいが黒板消しの数センチ先には奴がいる。黒光りした身体が何故かいつにも増して怪しくて光っている気がする。
「くぅ…こうなったら汚れるけど手で文字を消すしかなさそうね…。」
文字を小さく書けば良かったと数分前に大きな字で書いた自分を恨むが既に後の祭りだ。
私…何やってんだろうと虚しくなる気持ちを抑えて拭こうとしたら、ドアが勢いよく開いた。
「やっべ、数学のプリント忘れた」
「…の、信長っ!」
何て事なの…とタイミングが悪過ぎる自分に嫌気が差す。
プリントを鞄へ仕舞い終わった清田が黒板とエリナを交互に見詰めて首を傾げているのでバレた。つまり、今から消しても意味を成さない。首を傾げているのは自分の名前が書かれている事についてだろう。
「おー、エリナ。俺の名前書いて何してんだ?」
「理由は後!今はそれ所じゃないの!」
ほら、と指差す方向にはゴキブリが触覚を動かしながら壁を歩いている。
「あー、暑いから出て来たんだな。任せとけって」
この天才ルーキーにな!とニカッと歯を出して笑い窓を開けて掃除用具入れから箒を出してゴキブリを突けば、羽を広げて窓から出て行った。直様窓を閉めて鍵を掛ける音が聞こえると同時にエリナはへなへなと床に座り込んだ。重かった肩が軽くなり力が抜けたのだ。
「た、助かった…ありがとう」
「全く、小学生の頃から変わらねぇな。エリナん家にゴキブリが出て家に誰もいないから泣いて俺に助けを求めたもんな」
「確かに、そんな事もあったわね…。」
遠い記憶が蘇る。その時も今日と同じで任せとけってと屈託ない笑みを浮かべて退治してくれたのを。その頃から少しずつ意識し始めたんだっけ。
嫌いなゴキブリがエピソードに混ざってるから無理矢理蓋をして思い出さないようにしてたが、こうして思い出すと懐かしいなと感慨深くなる。
「それで俺の名前を書いた理由を教えろよ」
「あー…えっとね…、」
私は全てを話した。そしたら信長はそのおまじないは当たってるなと答えた。
「え?どう言う事?」
「鈍感だな、俺もエリナが好きって事だよ」
「え?嘘でしょ?」
「嘘じゃねぇよ」
目を逸らして半ば強引にエリナを胸板に押し当てると鼓動が速いのを服越しに感じた。
「お前の一言一言に反応しちまうんだよ。でも…昔から喧嘩ばっかだし、今更どうしたら良いか分からなくて空回りしてた」
「…馬鹿ね、私達。とっくに答えは出てるじゃん」
「ああ、そうみたいだな」
2人は夕日が照らす教室でキスを交わした。翌日、手を繋いで幸せオーラ全開で登校するから学校内でバカップルと呼ばれたのであった。部活では一部の彼女なしの先輩にリア充爆発しろと疎まれた。
*END*
あと書き
前から思ってましたが、私の作品は冨◯作品並みにゴキブリ出てくるなぁ(-ω-;)笑
幽遊白◯やHUN◯ER×HUN◯ERもゴキブリ出る描写意外とあるんですよね…って何の話してるんでしょう笑
此処まで読んで下さってありがとうございました!
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