標的99 シモンファミリー
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未来から帰ってきてから、数日後の朝……。
並盛中学校の応接室には、魅真と雲雀がいた。
「今日は、集団転校生が来るよ」
雲雀は、いつものように執務机にすわっており、今日並中で起こる出来事を、魅真に話していた。
「集団転校生…ですか?」
「そう…。数日前に、未来から帰ってきたあの日、世界中で地震が起きただろ」
「え?はい」
「また、地震が起きるかもしれない場所に住んでいる学校の生徒が、ウチに来るんだ。至門中学校という学校でね。その至門中学校から、7人の生徒が転校してくるんだよ」
「7人も!?」
「ああ。ただ、どこの学校から、何人転校してくるかまではわかっているが、どんな人物かはわからない。そこで、風紀委員の出番だ」
「なんでですか?」
転校生が来るのを把握しておくのはともかく、何故そこで風紀委員の出番なのか、魅真はさっぱりわからなかった。
「もし転校生が…この並中の風紀を乱すようなら……徹底的に制裁を加える…!」
「な…なるほど…」
けど、次に雲雀が理由を説明すると、魅真は妙に納得した。
「君のクラスにも、2人転校してくる。風紀を乱す行為をしたり、勝手なマネをするようなら、徹底的に咬み殺しなよ」
「わ、わかりました…」
雲雀の指示に、魅真はうなずいた。
勝手なマネとはいうが、まさか転校初日から、そんなにはっちゃける人はいないだろうと思った。
だが、この考えは甘いのだと、すぐに知ることになるとは、この時の魅真は思いもしなかった。
標的99 シモンファミリー
時間になると、魅真は自分のクラスの、2-Aの教室に行った。
教室には、すでに山本以外の友人の姿があり、ツナが魅真と獄寺に、転校生が来ることの不安をうちあけた。
「まかせてください!!」
すると獄寺は、気合いの入った声を出し、同時に、左の拳を右手で包んだ。
「もし、転校生の中に、10代目になめた口きくよーな奴がいたら、10代目の右腕、この獄寺隼人がシメてやります!!」
そして、誰が聞いても不良の発言をした。
「腕が鳴るぜ」
「いやいや獄寺君!!そんなことしなくていいから!! (あいかわらず不良だよ!!怖ーよこの人!!)」
指の関節を鳴らす獄寺は、見るからに悪そうな顔をしており、ツナは必死になって止めた。
「隼人君、そこまではしなくていいんじゃないかな」
「そ、そうか…?」
けど、魅真に声をかけられると、少し大人しくなった。
「魅真ちゃん…。そこまではってことは、ある程度はいいってこと!?」
「雲雀さんに、勝手なマネをする人や、風紀を乱す行為をする人がいたら、徹底的に咬み殺せって言われてるから」
「そ…そう…」
獄寺をなだめていたが、雲雀に言われたとはいえ、何気にぶっそうなことを言う魅真も、獄寺と大差ないと思うツナだった。
「オレは、転校生すんげー楽しみだけどなっ」
「あぁ?」
「おはよ、山本!!」
「武君!おはよう」
そこへ山本がやって来て、ツナや獄寺とは正反対のことを言っていたので、笑顔の山本とは対照的に、獄寺は山本を、いつもの調子で睨みつけた。
「野球好きで、野球部入る奴がいるかもしんねーだろ」
「野球のことしか考えられねーのか、この野球バカが!!」
相変わらず悪態をつく獄寺だが、山本はまったく気にとめていなかった。
「私も楽しみだな♪」
そこへ、今度は京子の声が聞こえたので、ツナは胸が高鳴った。
「友達になれるといいよね」
「(きょ…京子ちゃん!!)」
笑顔でおはよっとあいさつをする京子に、ツナはいつものように顔を赤くする。
「(今日もカワイイな~。学校きてよかった~!)」
「鼻の下のびきって、今に筋肉切れるわよ?」
「!? 黒川花!!」
「私はこんなガキじゃなくて、大人っぽい転入生希望ね」
「ちぇっ」
顔を赤くしてニヤけていると、京子の隣に花がやって来て、悪態をつき、自分の希望を語った。
数分後、チャイムが鳴ると、担任が教室に入ってきた。
「ええ。知ってのとおり、今日から我が校に、7人の至門中学の生徒が授業を受けにくるが、我がクラスには、2人編入することになった。仲良くするように」
担任は教室に入ると、生徒に、編入する人数と、お決まりの言葉を言う。
「では、自己紹介してもらおうか。入りたまえ。古里くんと…シッ……シッと……ん~?」
読みにくい字でも使ってあるのか、担任はもう1人の生徒の名前を、うまく紹介できなかった。
「!?」
その時担任の顔の前に手が伸びてきて、手の持ち主は、廊下から教室の中に入ってきた。
「マイ・ネーム・イズSHITT・P!"しとぴっちゃん"と呼んでクダサーイ!!」
それは、もう1人の転校生だった。
体形からして女性であることがわかる彼女は、ファーつきのフードをかぶり、星柄の全身スーツを着て、浮き輪のようなものを2つ、体の前で罰点にしてつけていた。
しかも、サングラスをかけており、髪の毛は、フードをかぶっていても、前髪の一部を残して、そこ以外はそっているのがわかった。
「ほあ?」
「え!?」
「なっ」
「は…?」
「!!」
衝撃的なその姿に、SHITT・P!を見た担任と魅真達生徒は、全員が驚き、目を丸くした。
「トクギは、ハッコー」
「8個!?」
「発光!?」
「発酵!?」
自己紹介をされるも、その「ハッコー」の意味がわからず、全員疑問に思った。
「コウブツ。ピッ・プププ・ピーーッ…。プツッ」
コウブツというのは、恐らくは好きな物の意味の好物なのだろうが、途中で通信しているような声を発すると、そこで止まってしまう。
「方言かしら…」
「フランス語かも…」
「……シグナル!?」
「(な…なに!?なんなの、こいつ…。イタすぎる……。つーか…)」
「(わけわかんねー)」
「(怖い…)」
「(規格外だわ…)」
見た目も中身も痛々しいSHITT・P!に、全員がドンびきしていた。
「ありゃ人間じゃねーぞ!! (!!!)」
何気なく口にすると、獄寺ははっとなった。
「(人間じゃなくて、シグナル発するっつったら、アレしかねーじゃねぇか!オレにはわかるぜ…。奴は…)」
そして、何故か眼鏡をかける。
「(UMAだ!!) やべぇ」
不思議が大好きな獄寺は、SHITT・P!が、実は人間ではなくUMAだという結論に達した。
「(今日から奴の生態観察は欠かせねーぞ!!地球にスゲーのが…スゲーのが来ちまったぜ!!くそっ。汗で眼鏡がくもるぜっ)」
ノートとペンを取り出すと、獄寺自作のG文字で、観察日誌をつけ始めた。
「シット君…。ご…ご苦労さん…。え~、では次、君の自己紹介だ…」
「……………古里…炎真…」
SHITT・P!の次は、SHITT・P!の右隣にいる男子生徒の番となったが、SHITT・P!とは対照的に、とてもテンションが低く、小さな声で名前を名乗った。
「ん?聞こえないよ、もう一度」
「…こざと…えんま…」
あまりに小さすぎて聞こえなかったので、再度名乗るように担任が言うが、もう一度名乗っても、やはり小さくて聞こえなかった。
「声が小さい!!もう一度!!」
「………………………………………」
なので、少しキツめの声で、担任はもう一度名乗るように要求するが、その声に萎縮してしまった彼…炎真はだまりこんでしまう。
「あーらら。何アレ」
「暗い奴」
「イジメられそーなタイプねー…」
表情が暗く、声は小さい。花が言う通り、もうすでに軽くいじめられていた。
「(あの子……ちょっと前の私みたい…)」
「(な…なんかあいつ…。昔のオレみたいだな…)」
周りはすでに、炎真のことをバカにしていたが、魅真とツナは、自分と通じるところがあったので、同情的な目で見ていた。
「(古里炎真君とSHITT・P!か……。SHITT・P!って人は微妙だけど、古里君の方は大丈夫かな…)」
魅真は、今朝雲雀に言われた通りに、2人の転校生が悪さをしないかどうか、品定めをするように観察した。
けど、初対面の感想だが、風紀を乱すようなことはしなさそうなので、魅真はほっとしていた。
そして放課後…。魅真は授業が終わると、応接室に行った。
「どうだった?転校生は」
魅真が来ると、雲雀は書類に鉛筆を走らせていた手を止めて、魅真と向かい合うと、2-Aに来た2人の転校生のことを聞く。
「はい。2人のうち1人は、見た目も中身もいろいろとはっちゃけてて、なんとも形容しがたい人ですが、悪さはしてませんでした。もう1人は、控えめに言えば大人しい子で、ほとんど席にすわってましたし、これからも心配はないかと思います」
魅真は転校生のことを雲雀に聞かれると、個人的な感想を雲雀に話した。
「そう。でも、まだ初日だからね。引き続き頼むよ」
「はい!」
けど、2人とは初対面で、まだ人となりがよくわからないので、これからも注意する必要があり、雲雀は魅真に、炎真とSHITT・P!のことを頼んだ。
雲雀に頼まれたことがうれしくなった魅真は、明るい顔で、元気よく返事をする。
魅真の報告を聞くと、雲雀は途中だった書類の制作を再び始め、魅真も自分の仕事をするために動こうとした。
「失礼!」
だがその時、扉が開く音とともに、1人の女性の声がした。
「あなたが、並盛中風紀委員長、雲雀恭弥」
「「!」」
突然の来訪者に、雲雀も魅真も反応し、声がした方へ顔を向ける。
「誰?君?」
やって来た相手は、見知らぬ人物だった。
「至門中学3年。鈴木アーデルハイト」
入ってきたのは、至門中学校の制服を着た、背が高く、髪の毛をポニーテールに結っている女子だった。
「これより、この応接室は、粛清委員会に明け渡してもらいます」
しかも、いきなり雲雀にケンカを売ってきたので、魅真は更に反応を示し、警戒する。
「粛清…委員会?」
「断るのなら、それなりに」
アーデルハイトが脅しをかけると、そこへヒバードが飛んできた。
「粛清委員会?」
飛んできたヒバードは、雲雀の頭の上に着地した。
「ええ。これから、この学校の治安は、並中の風紀委員会でなく、至門中の粛清委員会が守ります」
アーデルハイトは、更に、魅真と雲雀にとって、とんでもないことを言い出したので、魅真はアーデルハイトに敵意を向けた。
「ふうん。面白いけど…。それには、全委員会の許可が必要になるな」
「もう許可は取りました」
「「!」」
「力ずくで」
そう言いながらアーデルハイトは、各委員会の拇印が押された誓約書と、コテンパンにやられた各委員会の委員長の写真を、証拠として見せた。
「ワオ」
腕は立つようなので、雲雀はうれしそうに笑った。
「僕がその申し出を断っても、君は諦めそうにないね」
初対面だが、雲雀は、アーデルハイトがそういう性格なのだという雰囲気を感じとり、しゃべりながらその場を立ち上がる。
「当然です。力ずくで納得してもらいます」
雲雀が言った通り、アーデルハイトは、一度断られたくらいでは諦めるような性格ではなく、淡々と要求を述べた。
自分のクラスに来た転校生はそうでもないが、まさか、別のクラスの転校生がはっちゃけてくるとは思わず、魅真は混乱しそうになったが、すぐに正気を保ち、アーデルハイトを、先程よりも強く睨みつけた。
そして、次の日の朝……。
魅真と雲雀は、学校に来ると、唖然として校舎を見た。
「何アレ…。粛清?ひょっとして、あのアーデルハイトって人が?」
校舎には、建物三階分もある、粛清と書かれた大きな旗が、2階から4階にかけてかかげられていたからだ。
粛清と書かれていたので、誰が…と考えるまでもなく、犯人はすぐにわかった。
「あっ、雲雀さん!」
旗を見ると、雲雀は校舎の中に入っていく。
雲雀が校舎の中に入ると、魅真も雲雀のあとを追いかけた。
あとを追いかけていくと、雲雀は3年生の校舎まで行った。
行き先はもちろん、アーデルハイトがいる教室である。
アーデルハイトが転校してきた教室の扉を、勢いよく開けて中に入ると、教室には、アーデルハイトの他には、数名の生徒がいた。
「来たな、雲雀恭弥」
他の生徒は、雲雀が来ただけでビビっていたが、昨日初対面で雲雀にケンカを売ったような人物が、雲雀の来訪くらいでビビるわけもなく、むしろ待ちかねていたというようにしゃべった。
「屋上に……来てもらおうか…」
「ええ…」
それは、事実上の果たし合いなのだが、アーデルハイトは臆することなく返事をした。
それから、雲雀とアーデルハイトは、決闘をするために屋上に行った。
魅真も、アーデルハイトと戦うわけではないが、雲雀のあとについていく。
3人は屋上につくと、雲雀とアーデルハイトは、何故かフェンスの外側へ移動して、風が吹く中向かい合い、魅真は参戦しないので、扉とフェンスの間くらいの場所で止まった。
雲雀とアーデルハイトが向かい合い、魅真がその様子を見ていると、後ろの扉が開き、そこから獄寺と山本と、もう1人、リーゼント頭の見た目怖そうな、至門中学の男子生徒がやって来た。
「「魅真っ」」
「武君!!隼人君!!」
更に、至門中学の男子だけでなく、獄寺と山本もやって来て、獄寺と山本と至門中学の生徒は、屋上にやって来ると、魅真の隣まで走ってきた。
「学校に来たら、ヒバリの姿が見えてさ。あわててやって来たんだ」
「どうなってんだ?これ。あいつ、至門中学校の奴だよな?昨日の今日で、ヒバリとケンカか?」
「あの至門中学校の女子生徒が、昨日応接室を明け渡せって言って、いきなり雲雀さんにケンカを売ってきたのよ」
「「えっ!?」」
何故、昨日転入してきたばかりの生徒が、雲雀と対峙しているのかを聞くと、魅真の口から返ってきた返答に、獄寺と山本はびっくりしていた。
「やっと勝負する気になったようね」
「当然だよ。君の行動は目にあまる」
一方、フェンスの外では、雲雀とアーデルハイトが対峙していた。
雲雀がアーデルハイトを呼び出したのは、もうこれ以上は、勝手なマネをさせないように…だった。
「ここで、終わらせよう」
「!!」
雲雀はここでケリをつけようとして、トンファーを構えた。
同時に放たれた雲雀の殺気に、アーデルハイトは驚き、目を見張った。
「ヒバリさん!!」
そこへ、ツナが炎真とともにやって来た。
「来たか、ツナ!!」
「10代目!!」
「ツナ君!!」
「魅真ちゃんに山本に獄寺君まで!!
!?」
ツナは、登校してきた時に、炎真とともに、校庭で雲雀とアーデルハイトの姿を見て、あわててやって来たのだった。
「(ひいっ。ふっ、不良~!!)」
魅真達のもとまで走ってくると、山本の隣に、見るからに不良といった雰囲気の、リーゼントの男がいたので、ツナはびびった。
「こいつはさあ、野球部に入った転入生の友達(ダチ)で、水野薫ってんだ」
「(これで中学生…?)」
彼は、炎真と同じ至門中学校の生徒で、名前を水野薫といい、山本のいる野球部に入部したのだという。
山本に紹介されると、見た目成人してそうなのに、実は中学生だと知り、ツナは驚いた。
「何をやっとる、ヒバリ!!」
「京子ちゃんのお兄さんも!!」
すると今度は、了平と、もう2人の至門中学の男子生徒もやって来た。
「結局、並中生など倒してしまえ!!」
「困ったもんだな。アーデルハイト」
1人は眼鏡をかけた男子で、もう1人は体格がいい男子。その2人のうちの1人の、眼鏡をかけた男子が、並中生など倒してしまえと言うと、アーデルハイトと戦ってる相手が雲雀なだけに、魅真はむっとして、眼鏡の男子を軽く睨みつけた。
「他のクラスの転校生!?」
「貴様も来ておったか、軟弱エンマ」
「よお」
「紅葉にらうじ」
同じ至門中学の生徒なので、当然2人の至門中学の生徒…眼鏡の男子・紅葉と、体格のいい男子・らうじは、炎真に声をかけた。
「あ!!SHITT・P!もいる!!」
更には、校舎の外から、SHITT・P!までやって来た。
「なにげに転校生も、集まってきてるーー!!?」
雲雀とアーデルハイトの戦いを見に、ボンゴレだけでなく、至門中学の生徒まで、ほぼ全員集まって来ていた。
「魅真ちゃん、ヒバリさんを止めてよ!!」
ツナは魅真のもとまで行くと、魅真にこの戦いをやめさせるように言う。
「ムリ」
だが、魅真は一言のもとに切り捨てた。
「そんなはっきりと……」
「雲雀さんは、一度決めたことは絶対に変えないもの。それに大丈夫だよ。雲雀さんは、私より強いし」
「そ…そーいう問題じゃ…」
どこかずれた魅真の返答に、ツナは顔をひきつらせた。
「それに……」
ツナが顔をひきつらせていると、ツナにずれた答えを言った時と違い、どこか真剣で、少し冷たい声色になる。
「私……あのアーデルハイトって人……。倒されればいいと思ってる……」
そして、いつもの魅真からは、考えられないような言葉が返ってきた。
「えっ…!?」
その言葉を聞いたツナと、ツナの近くにいた獄寺と山本と了平は、とても驚いた。
魅真は、乱暴な言動をとったわけではないが、今まで、人が傷ついてもいいということは言ったことがないからだ。
「はじまったぜ」
「え!」
そんな中、とうとう雲雀とアーデルハイトの戦いが始まったので、全員雲雀とアーデルハイトに注目した。
「粛として清まりなさい」
最初に動き出したのは、アーデルハイトの方だった。
アーデルハイトは、雲雀に向かって走り出すと、スカートの中から金属製の扇子を2本出し、ひろげると両手に構えた。
「!!」
「金属製の扇子!?」
アーデルハイトは、取り出した扇子で雲雀を何度も攻撃するが、雲雀は簡単にかわしていた。
「かわしてる」
この様子に、炎真は驚いていた。
「また校則違反だよ。武器の携帯が認められるのは、基本的に僕と魅真だけだ」
攻撃されていても、雲雀は余裕でよけながらしゃべり、それどころか、また校則違反をするアーデルハイトに対して怒っていた。
「アーデルハイトの華麗なパンチラ攻撃をものともせぬとは、結局なんという奴!!」
紅葉は、時折見えるアーデルハイトの下着に、頬を赤くして、鼻血を出していた。
思春期の中学生男子そのものの発言をする紅葉に、魅真は冷ややかな視線を送っていたが、紅葉は気づいていなかった。
「やっぱりヒバリさんは強すぎる!!あの女子、謝ったほうがいいって!!」
明らかに、雲雀の方に分があるので、ツナはアーデルハイトのことを心配した。
「甘い!」
だが、アーデルハイトは、冷静に雲雀を見据える。
そして次の瞬間、一瞬だが炎が灯った。
炎が灯ると、アーデルハイトは前に回転しながら、左の足で雲雀に蹴りを入れた。
蹴りを、直接くらうことはなかったものの、雲雀のシャツのボタンが、一つはじけとんだ。
アーデルハイトが蹴りを入れたことで、魅真とツナは驚いて目を見張り、雲雀は歯を強く噛みしめる。
そして、右のトンファーで、アーデルハイトを殴りとばした。
「ぐあっ」
アーデルハイトはフェンスの内側の方に殴りとばされ、なんとか体勢を立て直したものの、何メートルか後ろにさがってしまう。
「くっ」
雲雀の攻撃は相当のもので、アーデルハイトは苦痛に顔をゆがめた。
「やった!!」
「結局~!?」
「アーデルハイト!」
アーデルハイトがやられると、魅真は喜ぶが、紅葉は驚き、らうじは心配した。
「(今のは…炎!?)」
雲雀は、アーデルハイトが蹴りをいれる前、死ぬ気の炎を灯したことに、驚いていた。
「やっと本気になったようね」
「ああ。次は君を、咬み殺す」
何故、アーデルハイトが死ぬ気の炎を灯せるのかふしぎに思ったが、今はアーデルハイトを倒すことにした雲雀は、トンファーを構える。
「ひいい!!ヤバイよ!!咬み殺しちゃう!!」
それを見ていたツナは、アーデルハイトを心配した。
「だったら、お前が止めてこい。ファミリーの暴走を止めるのは、ボスの役目だぞ」
その時、風を切る音とともに、後ろからリボーンの声が聞こえた。
「ア~アア~~」
「ゲッ。リボーン!!」
リボーンの声が聞こえたので、声がした方に顔を向けると、ターザンの格好をしたリボーンが、どこからつりさげているのか、植物のつるにしがみついて、ターザンごっこをしながら、ツナの方へと向かってきた。
「せいっ」
リボーンはツナに近づくと、その勢いで、ツナの背中に蹴りを入れた。
リボーンに蹴られたツナは、まっすぐに雲雀とアーデルハイトのもとへとんでいく。
「ゔっ」
そして、雲雀がトンファーを、アーデルハイトが扇子をふった時、ちょうどタイミング悪くツナにあたってしまい、ツナはトンファーと扇子の餌食になってしまった。
「あ…が…う…げ……」
ツナは短いうめき声をあげると、下にうつぶせになって倒れた。
「何してんの?君」
けど、殴った張本人の1人である雲雀は、けろっとした表情でツナに問う。
「お~くぅ~!いつつつ!!」
ツナは上半身を起こすと、涙と鼻血を流しながら、殴られた両方の頬を、手で押さえた。
「今のを喰らって平気なのか!?」
よほど自分の実力に自信があるようで、アーデルハイトは、雲雀の攻撃と、自分の攻撃を喰らって起き上がったツナを見て、呆然とした。
「リ…リボーン!!何すんだよ!」
そのツナは、自分を蹴ったリボーンに抗議をした。
「無意味な抗争を防ぐのは、ボスとして当然だぞ」
リボーンはあの短い間に、いつものスーツに着替えており、着地しながら、ツナの抗議に答えた。
「らら?」
「赤ん坊?」
「流暢に、しゃべっている…」
炎真やらうじはリボーンの出現に、紅葉は、赤ん坊なのに流暢に話していることに驚いていた。
「何言ってんだよ!学校のケンカだぞ!!抗争やボスは関係ないだろ!?」
「関係大アリだぞ。奴らはお客だからな」
「…お客?」
「ああ」
客とはなんのことかと思ったツナが問うと、リボーンは短く返事をした。
「こいつらは、シモンファミリーっていってな。ボンゴレのボス継承式に、招待されたマフィアなんだ」
そして、SIMONと小さく書かれた封筒を見せながら、炎真達のことを話した。
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