女の子のミッション
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魅真、大樹、杠が、千空と別れて闘うことになり、司のもとへ戻り、住み処を新たに移したばかりの頃のことだった。
その日魅真は、アジトの一番下の穴の出入口部分に腰をかけて、布を織っていた。
しかも、かなり急いでいた。
というのも、理由があった。
理由は、結論から先に説明すると、生理だった。
話は、魅真が復活した数か月前に遡る…。
魅真は、約五か月前の、11月30日に目覚めた。
その時は、大樹のファインプレイで、服を着て復活することができた。
そこはよかったのだが、復活した時に、魅真はあることに気がついた。
それは、服は着ているが、下着はいっさい身につけていないことだった。
石化してから、実に3700年という途方もない年月が経っているので、文明はほろんでしまい、石化当時に身につけていた服も、その間になくなってしまった。
そんなにも長い年月が経っているので、仕方ないといえば仕方ない。しかし、年頃の女子高校生に、下着なし…しかも、幼なじみで親友とはいえ、年頃の男子高校生2人と、一つ屋根の下での共同生活。服は膝近くまで長さのあるスカートなので、普通に立っているだけならそこまで心配ないが、大きな動きをしたり、アングルによっては、大事なところが見えてしまう。その心配があるので、この状況は、精神的にかなりキツかった。
下着だけでもキツいが、なしの場合は、服を着ていても更にダメージは大きい。
しかも、おそらく千空や大樹も、自分と同じように、下着をつけていないのではないかと考えると、変に意識をしてしまい、余計にはずかしくなった。
そして、問題はそれだけではなかった。
あと2つの問題があった。
それは、トイレと生理だった。
どんなに嫌でも、生きて食べている以上は、トイレに行きたくなるし、月に一度は生理がきてしまう。
けど、トイレはないし、トイレットペーパーもティッシュもない。その辺でして、川で洗ってかわくのを待つしかない。
これもかなりキツいが、大問題は生理だった。
色もあるし、臭いもある。若干黄色味がかっているが、大きく区分すると白色のこの衣服で、もし経血がついてしまったら当然目立つ。しかも、服は一枚しかなく、つく場所が場所だけに、ごまかしようがない。たとえ、千空と大樹が見て見ぬふりをしてくれたとしても、かなりの精神的ダメージをくらうことになる。それだけはさけたかった。
「あの…千空…」
「あ?」
「この服って、何でどうやって作ったの?」
「はぁ!?」
なので魅真が、復活した時にまず千空に聞いたことは、衣服の作り方と材料だった。
そして、薬草の採集と森の探索と同時に、下着とナプキンを作り、なんとかしのごうとした。
魅真は、下着と昼用と夜用のナプキンを作り、ズレともれ防止のために、両端にひもをつけてサイズを調整できるようにして、服の下の腰の部分には、ベルトのように帯をつけた、ショーツのような形をした下着と、基本はショーツと同じ形の、短パンのような下着とブラを、それぞれ皮で何枚か作った。
けど、魅真は杠のように手芸部ではなく、裁縫も、不得意というわけではないが得意というわけでもなく、手先も、不器用ではないが器用でもないので、そんなにはうまくできなかったが、なんとか形にした。
それを、川で順番に洗って使い回して、壺に入れて隠していた。
生理痛がないだけマシだが、それでも、旧時代の処置になれている魅真には、キツイものがあった。
また、経血量の多い1~3日目の間は、もれとズレ防止のために、すわって眠った。これもかなりキツかったが、千空と大樹がつっこまなかったあたりは、まだありがたかった。
そうして過ごしているうちに、季節は春になり、復活液が完成。
魅真達は、大樹の希望通り杠を起こしに行ったが、途中でライオンに遭遇してしまったため、なんとかするために、大樹が目覚めてすぐに見つけた、霊長類最強の高校生、獅子王司を目覚めさせた。
司はとても善い人間だったが、善い人間であるが故に、過去の苦い経験で暴走してしまったので、司をなんとかするために、急いで起こした杠とともに、箱根へ赴く。
そこで火薬を作り、爆発はしたがなんとか完成し、爆発した際に、火薬が入った袋についた火を消していた時、人がいないはずのストーンワールドで、狼煙が上がったのを目にした魅真達は、狼煙を送ってきた人物に、リスク承知の上で狼煙をあげた。
火が消えないようにするために、魅真、大樹、杠は木材を探しに行き、別行動をとった。
その時に杠は司と遭遇し、人質にとられてしまい、千空のもとへ連れていかれると、復活液のレシピを聞き出すため、取引の材料にされた。
千空は、最初はのらりくらりとかわしていたが、司が剣で杠の髪の毛を切ったので、杠を殺すのが冗談ではないとわかると、苦渋の決断で、復活液のレシピを司に明かし、レシピを知った司は、もう用がなくなったので、千空を殺した。
千空は司に殺されたが、途中で急いで戻って来た魅真と大樹が、杠と3人で力を合わせて、千空を連れて司のもとから逃げ出す。
ある程度離れた場所に行くと、千空の首に残っていた石片をみつけだし、その石片に復活液をかけると、千空が復活。
その後、司をなんとかするために、千空は狼煙をあげた人物を探し出し、科学革命軍を作るために箱根にとどまり、魅真と大樹と杠はスパイとして、司のもとへ戻り、分かれて戦うことになった。
そして現在…。ツリーハウスから、魅真が探索している時にみつけた建物に居を移すと、魅真は復活液を作成している時に、森を探索している最中にみつけた麻を即効で採りに行き、杠に、織り機の作り方と、麻布の織り方をレクチャーしてもらい、必死で布を織っていた。
その理由は、布ナプキンと、下着を作るためである。
復活液の実験をしている時にも作ったが、どうにも心もとないので、布の原料となる麻がみつかったので、そちらにしようと考えた。
司と暮らしている間と、箱根へ行って、こちらに戻ってくるまでの間にはこなかったので、そこはよかったのだが、それは、前回きた時から計算すると、いつきてもおかしくないということなので、まずはせめて、一枚だけでも完成させるために、急いでいたのだった。
それから約3時間後…。
「で…できた!!」
魅真は、なんとか一枚くらいは作れそうな大きさの布を完成させた。
布を完成させた魅真は、杠のもとへ行くと、杠を自分達の部屋につれていき、外に大樹と司がいないことを確認して、杠に事情を話した。
「そういうわけなの。だから杠、作り方を教えてほしいの!」
事情を話すと、杠に作り方のレクチャーをしてくれるよう頼みこんだ。
「いいよ。でも、そういうことなら、私が作るけど…」
「いや…さすがにそれはちょっと…。だって……杠は…アレでしょ?いろいろと大変だし」
「んー…。まあ…ね…」
「私も、裁縫は不得意ってわけじゃないし、基本的に、自分でできるようにしたいしさ。だからお願い!」
魅真は両手を合わせて、再度杠に頼みこむ。
「それじゃあ、私が魅真ちゃんに教えるから、その代わりといってはなんだけど、私の分も作ってほしいな」
「もちろん!私にまかせて!!」
杠は極秘ミッションで忙しく、それは杠も魅真もわかっているので、お互いに、お互いの願いを聞き入れると、2人は折りまげた片腕を胸のあたりまであげて、自分の腕を相手の腕にからませるように組んだ。
こうして、魅真と杠の、女の子の、女の子による、女の子のためだけの、ある意味での極秘ミッションがスタートした。
まずは杠が、魅真が持ってきた布を使い、生地の形や縫い方などをレクチャーし、模倣で縫ってみせると、一枚完成。
そのあとは、魅真がまた布を織り、杠に教えられた通りに、杠の分の布ナプキンを一枚完成させた。
「はい、これ。杠の分。とりあえず、一枚だけ完成したから」
完成させると、皮でくるんで、外からは見えないようにすると、魅真は杠に手渡した。
「ありがとう、魅真ちゃん。すっごく助かるよ」
「全然いいよ。じゃあ私、予備の分作ってくるから!」
「うん。よろしくね」
魅真は杠に渡すと、今度は自分と杠の予備の分を作るために、いつもいる場所に戻っていった。
魅真はいつもいる、一番下の穴の出入口部分に戻ると、また布を織った。
ひたすら布を織り、一枚分の布が完成すると、一枚ごとに縫っていき、昼用を10枚、夜用を5枚作った。
これは自分用で、杠の分は杠の分で、同じ枚数を作り、杠に渡した。
そして、布ナプキンが完成すると、次に下着を作った。
布ナプキンは自分で作ったが、下着の方は、布は魅真が織ったが、生成は杠にやってもらった。こちらは、特に短パンなどの下につける方は、少しでもずれるといけないからだった。
なので、器用レベルが普通の自分よりも、超絶器用な杠に縫ってもらった方がいいと判断したためである。
そのことを話すと、杠は
「もちろんいいいよ」
のひと言で、快く引き受けた。
作ってもらったのは、パンツと短パンとショーツブラを3枚ずつだった。
その際に、また作り方をレクチャーしてもらった。
いざという時に、自分で作れるようにするためと、少しでも自分で出来ることを増やすためというのもあった。
魅真が、生理用品と下着の作成に着手してから、10日後。ようやくすべての下着と生理用品ができあがった。
作ったのは、昼用の布ナプキンが10枚、夜用の布ナプキンが5枚、パンツと短パンとショーツとブラが各3枚。それにプラスして、杠の分も同じ枚数を…。あとは、生理の時に使う用のふんどしが5枚。
正直、女がふんどしというのは抵抗があったが、布の部分をひっぱって調節できるし、少しでもズレともれの不安をとりのぞくため、生理だとバレないためと、闘いの最中にきてしまった時の対策だったので、致し方なしといったところだった。
「魅真ちゃん、すごいね。ありがとう!」
「どういたしまして」
作って渡した時、杠にめちゃくちゃ喜ばれた。
すごい急いで作ったので、手がかなり疲れていたが、こんなに喜んでもらえるなら、がんばってよかったと思っていた。
こうして、魅真と杠の、女の子の極秘ミッションは完了した。
このことがキッカケで、魅真は、杠には遠くおよばないが、旧時代よりも裁縫が上手くなった。
使い方としては、杠や自分の服にも使われているひもをナプキンにつけて、そのひもを、ふんどしにあけた穴に通して固定して身につけ、その上にショーツと短パンをはくという、三重の対策だった。
これだと、下着を3つも重ねているということになり、正直違和感を感じたが、バレるよりはマシだと我慢していた。
またトイレは、布をトイレットペーパーがわりにして、石けんで洗って使い回すという方法をとった。
かなり不衛生だが、布がいつ作れなくなるかわからない今は、四の五の言ってられなかった。
そして、薬草の栽培と同時に、布を作る前にみつけた、麻の栽培も始めた。
布を作る前に、麻の群生地をみつけたが、他のところにあるかどうかわからないので、全部とってしまわないで、育てて増やすという方法をとったのである。
その後、復活液が完成し、ゲン、南、羽京と、次々と復活者が出てきた。
司は武力で固めたいので、基本的には、腕に覚えのある者、屈強そうな者や、闘えそうな者達を中心に復活させていたので、復活者は男性が中心になっていたが、少ないが女性もいた。
しかも、司の意向で、全員が10代から20代の若者。当然、女性はトイレや生理の悩みを抱えた。
なので、女性の復活者は、一番最初にここにいたという魅真と杠に、どうしているのかを聞いてみた。
すると、魅真が麻布で、布ナプキンや下着を作ったというので、彼女達は、自分にもぜひに!と、魅真にお願いをした。
お願いをされると、魅真は快く引き受けた。
完成して渡すと、頼んだ女性は、全員が喜んでお礼を言った。
そんな理由で、魅真は、司帝国の女性の間では、神扱いされていたという…。
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