Z=28 石化光線の秘密
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手がかりをみつけたので、さっそく声をかけようとしたら、突然3人の男性が現れて、女性にプロポーズをしたので、全員動きが止まった。
「とりま、結果待ってから動くか」
「ああ、この者らの人間性も探れそうだしな。結果だけは見よう!」
「そうだね。情報集めるためにもね!」
「なんでちょびっとわくわくしてんの」
千空は困惑していたが、魅真とコハクはわくわくしながら見ていた。
Z=28 石化光線の秘密
「あの、あの、どうしよう。心臓バクバクで、もう私…ヘンなこと言ってるかも。すっごい嬉しいです。ホントに…私なんかに、皆さん…」
女性は口もとに両手をあてて、顔を赤くしながら答えた。
「私『なんか』じゃないよ、アマリリス!君はこの島で、一番美しいっ!!」
その答えに、3人の男はやられてしまい、顔を真っ赤にして悶えた。
一方、千空と魅真とコハクはアホくさそうにして、冷めた目で見ており、千空とコハクに至っては耳に指をつっこんでいたが、ソユーズだけはやられ、両手を胸にあてて、顔を真っ赤にしてときめいていた。
「ひょっとして、めちゃめちゃ純情少年な人?ソユーズちゃんて」
女性は3人のプロポーズに答えると、男性達に背を向けて、カゴの中の貝の出水管を指でつついた。
すると、そこから水がとび出て、女性…アマリリスの目にあたり、水があたると、アマリリスは顔を下に向けて、体を震わせた。
「でも私は、明日にもお迎えが来て、頭首様の後宮に嫁ぐ運命なんです」
そして、顔だけ男性達に向けると、目から涙…ではなく、水を流した。
「分かってるでしょう?頭首様に逆らえば、皆どんな姿にさせられるか―――」
「「「「「!!!!」」」」」
具体的なことは言ってないが、今のアマリリスの言葉に、魅真たちは過剰に反応をした。
「だからこそ我々は!この最後の日に、想いを伝えたかったのだ!!」
「ダメかぁああ、やっぱ」
「……」
はっきりと断られたわけではないが、アマリリスの返事を聞くと、3人の男性は、泣きながらいずこかへ走っていった。
「ククク。あの女尾けて大正解。100億点満点だ。とっととチラ見えしてきたじゃねえか。俺らの倒す、悪の親玉がよ……!!」
「アマリリスちゃんだっけ?あの美少女ちゃん。これ、もしかしたら、俺らと敵一緒だね~。宝箱の場所に心当たりあれば、協力してくれるかも♪こういうのって、第一印象で9割決まっちゃうから、最初の挨拶は慎重に……」
「宝箱(ソユーズ)はどこだ?」
「ド直球すぎる!!!」
「いつものことだ、千空の。効率しか考えていないからな」
慎重に行こうと思ったのに、千空が直球でアマリリスに話しかけたので、アマリリスはびっくりしていた。
「ハ!問題あるまい。今は刹那でも早く、石化した船の皆を救いたいのだからな。いざとなれば、この刀を喉元に、情報を引きずり出す手もある!」
「問題しかないでしょ!」
「仲間のためなら、そゆとこ、ジーマーで躊躇ゼロよね、コハクちゃん」
しかし、コハクも千空と大して変わらなかった。
「……誰???」
当然だがアマリリスは、突然現れた千空たちに困惑していた。
「(全員初めて見る。てことは後宮の人?) 頭首様のお迎えですか!?明日のはずじゃ…」
「頭首様…?なんか思い出せる?ソユーズちゃん」
「……」
頭首様と言われてもわからないので、ゲンはソユーズに聞いてみたが、ソユーズは思い出せなかった。
すると、ソユーズを見たアマリリスは、目を大きく見開く。
「貴方が、頭首様――」
そして、少しだけ凝視すると、ソユーズに駆け寄った。
「大好きです!!!」
駆け寄ると、出会ったばかりのソユーズにいきなり告白をした上に、ソユーズの体に抱きついた。
「力強さと、包みこむような優しい瞳。わ…私、一目見た時から、貴方のことが…」
更に、潤んだ瞳で顔を赤くしながら告白を続けると、ソユーズは顔を真っ赤にして固まってしまい、後ろに倒れた。
「えぇっ!?」
「ソユーズ!?」
「石化した!??」
突然倒れてしまったので、魅真とコハクとゲンは驚いた。
それから少しして、ソユーズは上半身を起こし、アマリリスはソユーズの前に正座した。
「頭首様じゃない??」
「う…うん、ごめん」
「一番面影あったから。他の四人は、この島の人じゃないみたいで…」
「頭首?長のことか?敢えて言うなら、こっちの男が、私たちの頭首だな」
「大好きです!!!」
コハクが千空に手のひらを向けると、アマリリスは、今度は千空に抱きついた。
抱きつかれた千空はドン引きして、冷めた目でアマリリスを見下ろしていたが、アマリリスは顔を赤らめて、瞳を潤ませていた。
「力強―って、でもなくて、えっと、包みこむような優し――くもなくて悪そうだけど…知性的な瞳!」
褒めるところが見当たらないので、ソユーズの時のように流暢にしゃべれないが、なんとか褒めちぎった。
「私、一目見た時から貴方のことが……」
「あ゙ーー、分かった分かった。んで、宝箱どこだ」
「雑だな、どっちも!!」
なんとかトリコにしようとするアマリリスだが、千空はマイペースを貫き、聞きたいことだけを聞いた。
「(効かない!?この私の無敵の攻撃が。ある!?そんなことって。こんなにもかわいいのに!!)」
今までの男性には、この手が通用したのに、千空には一切通用しないので、アマリリスはショックを受けた。
「千空ちゃんに、その手の攻撃は無理(リームー)よ。文明復活まで。俺には今すぐ効くけどね~。今思い出しちゃった。頭首様俺だった~♪」
そこへ、横からゲンがヘラヘラと笑い、ウソを並べたてると、アマリリスは正気に戻った。
「あはは。一瞬信じちゃいそうになっちゃった…」
正気に戻ると、先程の千空やソユーズに告白している時のような顔になり、体をくねらせた。
「ハ!そんなに抱きつかれたいのなら、私がしてやろうか?」
「遠慮しとく。全身折れちゃうから、ジーマーで」
今のゲンの発言に腹を立てたコハクは、抱きつくことを提案するが、ゲンはそんなことされたらどうなるかわかってるので、顔が真っ青になる。
また魅真は、今のゲンとアマリリスのやりとりに、冷めた目をしていた。
「頭首様のお迎えじゃないの?じゃあ、どこの集落の…」
アマリリスは気をとりなおして、再度素性を聞こうとすると、突然上の方から、雄叫びと話し声が聞こえてきた。
「……まさか……」
雄叫びを聞いたアマリリスは、血相を変えて、雄叫びが聞こえた方へ走っていく。
「何、今の叫び声…!?」
「どこへ行くのだ、アマリリス!!」
「私の集落!!」
アマリリスが走りだすと、魅真たちも走りだし、あとについて行った。
アマリリスの集落にはすぐについた。
そこでは、先程アマリリスにプロポーズをした3人の男たちをはじめとし、複数の男が、松明を持って、けわしい顔で、下へ向かって行こうとしていた。
「もう、倒すしかないんだよっ」
「頭首様―じゃない。頭首の野郎を!!」
彼らは、泣きながら頭首を倒しに行こうとしていたのである。
「暴動だーー!!!」
「あいつら、アマリリスとられっからって、ヤケになってやがんだ!」
「無駄だ。何人束になろうと関係ない」
「一瞬で、この集落の全員が、石にされるぞ………!!」
その理由は、アマリリスがプロポーズに応じず、後宮に行こうとしていたからで、要はただの嫉妬だった。
「どうしよう…!!!」
それを見たアマリリスは、止める術がないので焦った。
「私が全員斬って止める。それしかあるまい!!」
コハクは刀を抜いて、彼らの暴動を、斬って止めようとした。
「やめなさい!!」
「終わりでしょ、そんなんしたら。もう誰も味方になってくんなくなっちゃうし!!」
「ならばどうするのだ!!」
けど、そこを魅真がコハクの肩をつかみ、ゲンも一緒にあわてて止めた。
すると千空が、ゲンが背負っている荷物の袋をはずし、千空、コハク、ゲンはガスマスクをつけると、千空はゲンが背負っていた、機械の台のようなものの中心にある穴に、髑髏マークと科学王国のマークがついた瓶をセットした。
「科学の鎮圧装備。クロロアセトン。ククク。分かり易く言や、催涙弾だ………!!」
そして、台を背負っているゲンは土下座する体勢になり、千空が両手で台についた取っ手を持ち、コハクは台から伸びているホースの先にあるハンドルを回すと、台についてる円型の発射口からは、煙が噴射された。
「エホッ」
「エェホォオオオオ」
その煙を浴びた彼らは、全員目と口と鼻が真っ赤になり、涙と鼻水とつばを吐きだして気絶した。
「何が起きた、今の煙!?」
「どこの集落の者か知らんが、ともかく奴らを抑えてくれてありがとう…!」
見たことのないものに、集落の者はざわついたが、何はともあれ、彼らの暴動がおさまったので、集落の年寄りが、千空にお礼を言った。
「すごい…。妖術!?何者なの、貴方たち…??」
催涙弾で彼らが倒れたのを見て、アマリリスは感心していた。
千空たちが何者かはわからない。だがその時、先程コハクが、「今は刹那でも早く、石化した船の皆を救いたいのだからな」と言っていたのを思い出した。
「私ね、石化光線の秘密を知ってるの」
そのことで、千空たちは敵ではなく、むしろ目的は同じだと思ったアマリリスは、真実を話すと、千空たちは目を見開いて、アマリリスに注目する。
「可愛くして、頭首の後宮に潜りこめば、きっと倒せるチャンスがある。決めたの。皆を助けるために!島一の美少女になってやるって!!」
そしてアマリリスは、何故後宮に行くのかという経緯を簡単に話した。
「貴方たちの力が欲しい。一緒に闘って………!!!」
どうやって仲間にしようと思っていたが、むしろアマリリスの方から、千空に手を差し出してお願いをしてきた。
魅真たちは、アマリリスから石化光線の秘密を聞くために、アマリリスの家に入った。
そして、魅真たちがアマリリスと向かい合ってすわると、アマリリスは話し始めた。
それは、今から5年前……アマリリスが13歳の時のことだった。
アマリリスは、同じ集落の年上の少女に手をひっぱられて、岸についている船のもとまで行った。船には、すでに2人の少年と一人の少女が乗っていた。
アマリリスは海の向こうに行くことを躊躇していたが、アマリリスを連れて来た女の子に乗せられ、海に出た。
だが、すぐに頭首のとこの、最強と言われている、モズという男の戦士と、キリサメという女の戦士が追いかけてきた。
ある程度距離を詰めると、キリサメは胸のあたりの服についている赤い袋の中から『何か』を取り出し、その『何か』を繋いだロープを何度か頭上で回転させると、問答無用でアマリリスたちの頭上に投げた。
すると、それは上空で光り、その光はどんどん大きくなっていって、アマリリスたちにせまってきたが、その中で最年少のアマリリスは友達にかばわれ、一番後ろに追いやられた。
「「「「「!!!」」」」」
そこまで聞くと、魅真たちは驚いた。
「なんかね、今ドイヒ~なトラウマが。もしかしてその光線って…」
「間違いなく、あの光だよね」
「あ゙ぁ、数千年前の、忘れもしねえ。始まりのアレとお仲間だろ。大分規模は違うみてえだがな」
現代人組の魅真、千空、ゲンは、アマリリスが話した光というのが、すぐに3700年前の、自分たちを石化した光だというのがわかった。
「しかしアマリリス、君は、何年もたった今、現にこうして生きている。どうやって助かったのだ?」
けど、そうなると、何故アマリリスは石化していないのかが謎になり、コハクはそのことを聞いた。
聞かれると、アマリリスは続きを話した。
光はアマリリスの友達を全員包んで石にしたが、アマリリスは髪の毛の先が石化したものの、その部分をちぎり、更には光がギリギリ手前で止まった。
モズとキリサメには、光でアマリリスたちの様子が見えていないため、アマリリスが石化していないことに気づいていなかった。
そして、船が裏返り、アマリリスたちは海に投げ出され、石にされた友達は船や荷物と一緒に海底に沈んでいったが、アマリリスは海中を泳いで逃げたので、モズとキリサメにみつからずに逃げのびたのだった。
「石化の能力は、頭首一族の妖術だって言われてる。だけど私は見たの。あの時、船に頭首様なんて乗ってなかった!!」
「お抱え戦士どもが、何か特別な武器を投げた――」
「うん。頭首様本人が石化能力者じゃ、手の出しようがない。皆言いなりになってきた。でも!!石化が武器なら、盗っちゃえばいいじゃない……!!!」
アマリリスが後宮に嫁ごうとしている理由は、頭首から石化武器を盗るためだった。
「だから、その…皆さんに、お力を貸していただけたら嬉しいなって。今日会った方に、こんなこと…。でも、すごく頼もしくて私、つい甘えちゃって…。ごめんなさい」
すると、顔を赤くして顔をそらし、ころっと態度を変えたので、ソユーズだけ顔が真っ赤になった。
「ククク。もういいっつんだよ、それは」
「(やっぱり効かない!?)」
「心配すんな。利害一致だ。こっちも、石化の大元イタダキに来てんだかんな」
効いたのはソユーズだけで、千空には効かないので、アマリリスは悔しそうにした。
「もし石化現象が、ルールも糞もねえ、何でもアリアリファンタジーなら、そもそも人類に勝ち目はねえ。だがアマリリス、テメーの話で分かった。少なくとも――。1、効果範囲あり。2、投げて使う。つまり、使用者も石化する。3、石化の連鎖はブチ切りゃ止まる。そこには、再現性(ルール)がある」
先程のアマリリスの話をまとめると、千空は不敵な笑みを浮かべる。
「再現性(ルール)さえありゃ、それは全部、科学だ。科学で闘えんなら、負けねえよ」
それは、ファンタジーではなく、科学という、自分の得意分野だからだった。
「だろうね~。ジーマーで♪」
「千空だからね」
アマリリスの後ろでは、魅真とゲンが、科学では負けないと、千空が自信満々で言ったことに納得していた。
「アマリリス。明日、その頭首たちが来ると言っていなかったか?」
「うん。毎年、各集落に、18歳過ぎて後宮に嫁ぐ、キレイな娘(こ)を選抜に来るの。選抜って名の強制だけどね。結婚してたってお構いなし。私はすごいかわいいから、明日選ばれて連れてかれる」
「自分で言っちゃうのはゴイスーだけど、まあ実際、でしょうね」
「そのために、ずっと自分を飾り立ててきたの!皆を助けるために。後宮に入りこめれば、きっと石化武器を盗るチャンスがある……!!」
「―しかし、男共は君の魅力でたぶらかせても、肝心の石化武器を持っていたのは、女子の戦士、キリサメだったのだろう?」
「バトれる人と一緒に行かないと、無理(リームー)なんじゃないの…??」
「でも!一緒に後宮に入りこめるような、闘える女子なんて、どこに――」
アマリリスがそこまで言うと、千空、ゲン、ソユーズは、白い目で魅真とコハクに注目する。
「ハ!なるほど。私も一緒に、明日のその、カワイイ選抜とやらに、選ばれれば良いのだな…!?」
魅真は何も言わないが、コハクは腕を組み、横に置いてある箱に足をのせ、納得したように、どこか自信満々に答えた。
「「「え」」」
コハクの答えに、千空たちは固まる。
「え、ええぇえ」
その中でも、ゲンは特に困惑した。
目の前にいるコハクは、女性の恥じらいというものがほぼ皆無の人間で、とてもではないが、カワイイ選抜に選ばれるような雰囲気ではないからだ。
「私がカワイイに選ばれれば良い!」
現に、ただでさえ動いたら下着が見えそうな服だというのに、足を片方あげて箱の上に置き、大股を開いていた。
「ええええええええええええええええええええ」
コハクの普段の言動や態度を知っているゲンは、混乱し、たくさんの冷や汗をかいて絶叫するが、腹を立てたコハクは、ゲンの耳を強くひっぱる。
「ククク。見てくれなんざ、大した問題じゃねえ。んなもん、科学でどうとでもなるわ」
けど、千空はコハクの見た目は、まったく気にしていなかった。
千空が科学担当、ゲンが心理学担当、アマリリスがメイク担当、ソユーズはシュボボンってなるかのテストの係になった。
「ビューティーコハクちゃん。大改造計画スタートだよ~♪モテは科学!!!」
しかし、目の前のコハクは、指を耳の穴につっこんでいるので、前途多難といったところだった。
「なんか大変そうだね、コハク…」
後宮に選ばれるタイプの女性にするには、課題が多そうなので、魅真は一晩でそれをなんとかしなきゃいけないコハクを心配した。
「あ゙?何言ってんだ」
「え?」
すると、千空がふしぎそうな顔と声で、魅真に話しかけた。
「テメーも参加するに決まってんだろうが」
「えぇええ!?」
コハクで盛り上がっていたので、まさかの指名に、魅真は叫び声をあげる。
「何驚いてんだ?テメーも女だろ」
「私、まだ誕生日きてないから、17なんだけど…」
「マジメか!あと数か月もしねえうちにくんだろが。17も18も変わんねえわ」
「それに私、別にカワイイわけじゃないから、選ばれないと思うよ…」
「今も言ったが、見てくれなんざ、科学でどうとでもなるわ」
「それに魅真ちゃん、結構かわいい方じゃない♪」
「そう…?」
「それに、石化武器をいただくために、潜入候補は、少しでも多い方がいいからな」
魅真は自分をかわいいと思ってはいないし、まだ18歳じゃないので渋っていたが、そこまで言われると、船で見た、石化しているみんなを思い出す。
「(みんな……羽京…)」
仲間のことを…特に羽京のことを想うと、急に真剣な顔になる。
「わかった。やるわ!!」
そして、後宮選抜に出ることを決めた。
「(待ってて、みんな…。必ず、私が助け出すから!!)」
それは、仲間を助けることを…まだ、ここに生き残ってる千空たちを守ると決めたことを思い出したからだった。
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