Z=27 宝島の大追跡
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「着いたぜ、宝島に。ウェエエエエエイ!!」
宝島が目の前に接近すると、陽ははりきってとびだそうとするが、ニッキーに、後ろから服をつかんで止められた。
「とかなんとか、全員総出で、お元気いっぱいなだれこみてえとこだがな!」
「島にいるのが、どういう連中かも分からんのだぞ!!」
興奮状態の陽とは逆に、千空と金狼は冷静だった。
「おぅ、でもよ。科学では、俺らのが、ヤベーほどリードしてるっつうことだけは、間違いねえな!!」
千空の近くにいるクロムは、腕組みをして、すごいドヤ顔で宝島を見ていた。
「なぜわかるのだ、そんなことが?」
「少なくとも、レーダーは僕らだけかな。もし島にもあれば、とっくに船ごと見つかってるしね」
クロムが言ったことに疑問をもったコハクが質問をすると、羽京が簡潔に答えた。
「あ゙ぁ。逆に言や、こっちの切り札は科学だけだ。その科学の眼で、悪天候に紛れて進めっから、晴れる前に岩陰に隠れて停泊すんぞ…!」
「前がほとんど見えんが、こんな大きな船で、座礁とかは平気なのか?」
「ククク。ソナーマン羽京様なめんな」
「オホホ。さっすが科学の眼!誰が工作しちゃったの。そんなすごいの?あれ、ワシじゃない!?」
ソナーの知識がないコクヨウは、座礁の心配をしているが、千空はまったく心配していなかった。
そして、その船室にいる羽京はレーダーを見ていると、急に大きく波打ったので、ディスプレイを凝視した。
Z=27 宝島の大追跡
船はどんどん進んでいき、岩陰に入ると、雨はやみ、虹が出た。
「はっはー!見事に晴れたな。ギリギリ岩陰に滑り込んだぞ。皆の全力の操船の成果だ。全員に1万ドラゴずつ、ボーナスをくれてやろう………!!」
船が停泊すると、羽京以外は全員船の上に出てきた。
上手く船を停泊させることができたので、龍水は自作の通貨をプレゼントし、フランソワがその通貨を持ってやって来た。
「ククク。んな、チンタラ遊んでるヒマねえぞ。長居すりゃ見つかるからな。とっととソッコーで――」
「宝探しに…」
「島民全員ブチ殺しに…」
千空が行動しようとすると、陽とマグマは自分勝手に行動しようとしたので、ニッキーは2人の急所を同時に蹴りあげて止めた。
「偵察隊、出発すんぞ!」
「(て…偵察隊!?)」
船の中にはリストになかったはずのスイカが隠れており、千空が言ったことに反応したスイカは、下の窓からこっそりと出てきた。
だがそこを、龍水がタルでつかまえ、更には上にすわって動けなくした。
「大人数で突入すれば、即戦争だ。違うか!?メンバーは、必要最小限で行く!」
「あ゙ー。この宝島に来た目的忘れんじゃねえぞ、テメーら。お目当ては、石化復活液∞生産マシンプラチナを、宝箱からゲットする!!とっとと見つかりゃそれでよし。でなきゃ、島民から場所聞き出すっきゃねえ」
「フゥン。つまり、偵察隊のメンバーは、5人!!」
千空が目的を話すと、今度は龍水が、偵察隊として島に行く人数を決めた。
「千空!」
「俺がいなきゃ、プラチナが分かんねえじゃねえか」
「ソユーズ!唯一の現地人だ」
「が…がんばって、何か思い出すよ…!」
「ゲン!島民との交渉担当!!コハク!護衛+視力!!魅真!護衛+追跡と情報収集!!」
偵察に行くのは、魅真、千空、コハク、ゲン、ソユーズとなり、5人は準備をすると、モーターボートを使って、島に向かった。
そして、近くの降りられそうな岩場まで行き、船をつけると、島に降りて岩場を登り始めた。
「羽京は同行しないのか?私の視力と魅真の追跡力だけでなく、彼の聴力も欲しいが」
「なんか、ソナーとにらめっこしてたよ~♪海底見たいとか」
「海底?もう停泊したのに?」
「魅真は、ソナーを見ていなかったのか?」
「私は、基本的にはパワーだから。ソナーは実習程度なのよ、今回は」
「そうか…」
ソナーとレーダーの役割は、基本的に羽京がメインだったので、先程の停泊するための操船の時には魅真は加わっていなかったため、羽京が停泊後にどうしているかは知らなかった。
登り坂がけわしい岩壁を、千空はコハクの手を借りながら、他の者は自力で、数分かけて登りきると、5人は森の中を探索し始めた。
そして、何分か偵察した頃、一度船と連絡をとるために、ゲンが電話をかけた。
「船の方で、何か光ったような気もしたのだが、気のせいか」
「電波悪!全然無理(リームー)。なんか、電話かけても出ないのみんな」
しかし、電話にはなかなか誰も出なかった。
「千空ちゃんコハクちゃんは先行ってて~。ちょい高いとっからかけてみる。魅真ちゃん、護衛としてついてきて~」
「オッケー」
ゲンと、携帯を持っているソユーズは崖の上まで走っていき、魅真も護衛のためにあとに続いた。
たどり着いたところは、停泊しているペルセウス号の前の岩壁から、少し離れた崖の上だった。
「しもしも~」
崖の上まで来ると、ゲンは再度かけてみるが、やはり誰も出なかった。
「こ…こっからなら、直接船の様子が見えそうだ」
ゲンが携帯をかけてる間、ソユーズは、持ってきた小型の望遠鏡で、船を見た。
「うぁあああああ」
船を見ると、ソユーズは驚愕のあまり、顔面蒼白になり、尻もちをつきながら悲鳴をあげる。
「ソユーズ?」
「? どしたの、ソユーズちゃん。船になんか――」
魅真とゲンはどうしたのかと思い、ゲンはソユーズから望遠鏡を借りると、船を見てみた。
そこには、船にいる全員が石化しているという、衝撃的な光景があった。
「あぁああああぁああぁあああ」
その光景を見たゲンも、顔面蒼白となり、目を大きく見開き、ショックのあまり目に涙を浮かべて悲鳴をあげた。
「ちょっと…何?ソユーズもゲンも…。一体どうしたっていうのよ?」
魅真は、2人の表情と悲鳴からして、ただごとではないと思ったが、まだ船の様子を見ていないので分からず、2人に問いかける。
問われると、ゲンはショックで何も答えることができず、船を見ながら、震えた手で望遠鏡を魅真に渡した。
望遠鏡を渡されると、魅真は2人と同じように、望遠鏡で船を見た。
「!!!!!!」
船を見ると、魅真も驚愕して、大きく目を見開いた。
驚きのあまり、悲鳴は出なかったが、顔面蒼白になり、たくさんの冷や汗をかいた。
「(大樹……杠……龍水……クロム……フランソワ……ニッキー……陽……カセキ……金狼………)」
望遠鏡ごしに船の上のみんなを見て、みんなのことを思うと、次第に目に涙があふれた。
「(羽京……!!!!)」
最後に羽京のことを想うと、あふれた涙は頬を伝って下に流れ落ちる。
同時に、昔羽京に助けられて、家から外に出た時のことを思い出すと、気分が悪くなり、片手で望遠鏡を持って船を見ながら、口もとをおさえた。
「魅真ちゃん…?」
「だ、大丈夫?」
「!!」
涙を流して、口もとをおさえている魅真を心配したゲンとソユーズが声をかけると、魅真は覚醒し、涙をそででぬぐった。
「ゲン!ソユーズ!急いでここを離れるよ!!」
そしてすぐに立ち上がり、ゲンとソユーズに指示を出した。
「え?どゆこと?」
「敵が近くにいるかもしれない…!」
「「!!」」
千空たちに知らせるために戻るならわかるが、離れるの意味がわからず、ゲンが魅真に問いかけると、魅真から衝撃的な一言が返ってきた。
なので、3人は急いで千空たちのもとへ走った。
走っている途中、魅真はまた涙があふれてきた。
「(船のみんなは、必ず私が助けだす。そして、今ここにいるみんなは、必ず私が守る!そのためには、私がしっかりしなきゃ!!)」
けど、すぐにそででぬぐって、ゲンとソユーズと一緒に、千空とコハクのもとへ走っていった。
3人は、魅真の力で千空とコハクの足跡をたどり、2人をみつけると、何があったかを話した。
話を聞くと、コハクは驚愕し、千空は怖い顔になる。
そして、話を聞いたコハクは、刀を抜いてとび出したが、ゲンが自分の腕とコハクの足にロープを結んで繋げていたので、コハクは途中で止まり、2人そろってころんだ。
「絶対そう来ると思った。コハクちゃんてば、聞くなり突撃しちゃうでしょ」
「いつの間にロープ…」
「さすがゲンだね」
「い~~い仕事してんじゃねえか、インチキマジシャン」
ゲンがコハクとロープで繋いだのは、コハクの行動を読んでいたからで、それを見たソユーズはびっくりしており、魅真と千空は称賛した。
「なぜ止めるのだ。直ぐに皆を救出に行かねば!!」
「船の全員でもやられちゃってんのよ!?今俺ら5人だけであわてて駆けつけたって、そこに敵がいたら全員石化。はい、ゲームオーバ~♪じゃない!」
2人は起き上がると、コハクは文句を言うが、ゲンは理由を話した。
「それに、魅真ちゃんも、近くに敵がいるかもしれないって言ってたしね」
「「!!!??」」
「どういうことなのだ?」
「船の上にいた船員は、みんなバラバラの方向を向いていたけど、クロムと羽京は、上を見ていた。島じゃなくて、空を…。あれは、上に何かがあったということ。おそらくは、手榴弾などの、投げて使う武器。羽京の弓も空に向いていたから、羽京はその何かをはじいたんだと思う。けど、争った形跡がなかったことや、爆発音が聞こえなかったこと、船が壊れていないことを踏まえると、身体的なダメージを与えるものじゃない。それに、コハクがさっき光った気がしたと言っていたけど、それも関係あると思う。それはきっと、人を石化する何か…。けど、私たちがいる場所までおよばなかったってことは、そんなに規模は大きなものじゃない。でないと、敵もやられるしね。だから敵は、船の周りの岩壁の上から何かを投げた。自分には危害がおよばないものを…。コハクが光を感じとったのが数分前なら、敵がこの辺にいる可能性、また戻ってくる可能性もある。ペルセウス号の周りに、他の知らない船はなかったから、たぶん船の中に敵はいないと思うけど…。でも、可能性は0じゃない」
「(すごい…。あの一瞬で、そこまでのことがわかるなんて…)」
千空とゲンはなれているが、コハクと…特にソユーズは、望遠鏡で見ていたのが数秒だとわかっているのもあり、一番感心していた。
その時、魅真の話を聞いたソユーズは、ハッとなり、目を見開いた。
「ダ…ダメだ!!近づいちゃ」
そして、急に顔を両手で覆い、警告をした。
「船のみんなが石化したの見て、浮かんだんだ。トラウマみたいのが。赤ん坊の俺が、島を出た時―――逃げてたんだ。ヒトを石化させる、何かから。ぜ…全部覚えてなくてごめん。一度見てるはずなのに」
「赤子の頃の話だろう!?」
「よく覚えてたね」
「むしろ、ちょっとでも記憶あるの、ゴイスーすぎるでしょ…」
「い~や、値千金の大ヒントだ。やるじゃねえか、ソユーズテメー!」
全部は覚えてなかったが、今のがヒントになり、千空は笑った。
「つまり今、この宝島には、俺ら科学王国を全員石化させようっつう敵勢力と――その石化から逃げようっつう、味方勢力がいる!!」
「「!!!」」
そう言って千空が顔を向けた地面には、先程魅真たちと合流する前にコハクがみつけた、いくつもの貝があった。
「この島を知る住民を、一人でも味方につければ、宝箱の場所を聞き出せるかもしれん!!そうすれば、船の皆も、世界人類も、全員を復活させられるぞ……!!!」
「人の痕跡っぽいね~、この貝たしかに」
「ああ、死んだ貝や食べづらい貝だけを選んで捨てている。ハエがたかってきたな」
「敵か味方か分かりゃしねえがな。宝箱どこだって、島中アホみたくほっつき歩くよか、100億倍早ぇショートカットだ。こいつを捜すぞ!!!急ぎゃ、今なら追える。立ち去ってから、まだ30分と経っちゃいねえ」
「「「「!!!」」」」
「なぜ分かるのだ、そんなことが!?」
捨てた貝とハエを見ただけで、貝を捨てた人物のいる距離がざっくりとだが分かったので、魅真たちは驚き、コハクに質問されると、千空は5人の間を飛んでいるハエを指さした。
「キンバエには、16km圏内の死臭を嗅ぎ取る、超絶チート能力がある。この島のサイズなら、ご到着までソッコーのはずだ。それが今集まってきたっつうことは、貝がポイされてから、せいぜいまだ、10分20分――」
「「「「……!!」」」」
「ククク。こっからは、一歩一歩、アホほど地道な、科捜研のヒーロータイムだ」
千空は貝を捨てた人物を捜し当てるために、腰の袋から瓶を2本取り出す。
「科学が、容疑者の居所を教えてくれる……!!」
そして、2本のうち一本の瓶のフタをあけると、中華鍋に中の液体を入れる。
「それって、司ちゃんの手術の時使った…」
「接着剤。シアノアクリレートな」
その後は、火を起こして沸騰させる。
「熱で貝に吹きつけて」
更に、沸騰して鍋から出た湯気に、2本の棒でつかんだ貝をあてた。
「ブラックライトで照らしゃ、証拠が光って浮かんでくる」
「!!」
そして、貝を地面に置くと、懐中電灯のような形のブラックライトを、貝にあてる。
「指紋……!!」
すると、指紋がいくつか浮かんだ。
「すごい!!まるで、本当の警察の捜査みたい」
「触れた指の跡が見えるのか!?何者かが―」
「形で類推できるな」
千空はブラックライトをあてながら、虫メガネを取り出して見てみた。
「女、中肉、中背」
「接着剤で分かるんだ。ゴイス~ね、科学刑事(デカ)」
指紋一つで、ざっくりとだが人物像がわかったので、ゲンは感心した。
「アホみたく感心してねえで、犯人像分析(プロファイリング)でもしてろ。テメーの仕事だ、メンタル刑事(デカ)」
「メンタル刑事(デカ)!俺のこと??」
指紋をみつけ、ざっくりとした人物像は分かったが、ここからはお前の仕事だと言うように、千空はプロファイリングをゲンにまかせた。
妙な呼び名で呼ばれたので、ゲンはがっくりとした。
「メンタリストは超能力者じゃないからね~♪全部仮説よ??」
そう言いつつも、貝を捨てた人物を探すために歩きだす。
「容疑者は、『若い女』。ベテランの年長者なら、いらない貝は、最初っから拾わないでしょ。バテちゃうし。集めてから吟味ってプレイングには、効率良くサボリたい、中高年の空気が無いの♪浜辺から少し歩いた後で、貝を取捨選択してる。そこそこ大荷物だったってことかもね~。じゃあ当然、茂みでかがんだり、手で避けたりし辛いよね?若い女子の中肉中背。160cmくらい?」
そして、歩きながら仮説を話し、千空の導き出した答えをもとに、大体の身長をあて、手ではかる。
「この辺の高さで進んでくと……」
すると、ゲンが手を伸ばしたのとほぼ同じくらいの高さのところに、小さな枝が折れているのをみつけた。
「はいピィンポ~~ン。見~つけた♪若い女子の髪」
その枝のあたりに、ちぢれた髪の毛が一本あり、ゲンはそれをつまみあげ、千空たちに見せた。
「んじゃ、次はテメーの番だな、追跡刑事(デカ)」
「私!?」
ゲンが髪の毛をみつけると、千空は次に魅真を指名したので、まさか指名されると思わなかった魅真はびっくりする。
「たりめーだ。追跡はテメーの得意技だろ」
「得意ってわけじゃないけどね…」
千空が魅真を指名したのは、司帝国にスパイとして潜伏していた時、携帯を届けに行ったゲンたちの足跡を追跡したという実績があるからだった。
魅真は得意技とは思っていないが、そう言いつつも、ゲンが髪の毛を見つけた木のある場所に行ってしゃがみこむと、木の幹を見た。
「この木の幹に、土がこすれた跡があるね。さっきまで雨が降ってたから、まだ少し土が湿ってる。ここを歩いてから、そこまで時間は経ってない。こすれた方向を見ると、上の方に続いてる」
そこには、わずかに土がこすれた跡があり、説明しながら立ち上がると、上の方に歩き出した。
「この辺は森だから、そこまでぬれてない。それに、そんなにやわらかい土じゃないから、足跡もほとんど見えないけど、ごくわずかに残ってるし、草をふみしめた跡がある。石神村の人たちがはいてるくつに似てるけど、微妙に違うし、あたり前だけど、私たちのものじゃない」
「今、サラッとすごいことを言ったな…」
ほとんど見えない足跡を、石神村の人間がはいてるくつと似てるけど違うと断言したので、コハクは驚く。
「どんどん上に行ってるし、この足跡の周辺を捜せば、まだあるんじゃない?」
「しかし、私の視力でもほぼ見えない跡をみつけるとは…」
「魅真ちゃん、司ちゃん帝国に携帯届けた俺らの足跡もたどってたらしいからね~…」
「範囲がせばまれば、更にショートカットできる。実におありがてえ」
魅真の追跡力をもとに、全員で周辺を捜索すると、何本か髪の毛をみつけた。
そして千空は、それをピンセットで試験管の中に入れて、フタをした。
「証拠品の毛髪を、遠心分離機にかける!」
「え…えんしんぶんりき…?そんなものどこに??」
「ここに」
遠心分離機というが、本物の機械ではなく、コハク自身だった。
毛髪を入れた試験管を、紐がついた竹筒の中に入れると、コハクはそれを、すごい勢いで回した。
それはもう、千空たちの髪の毛や、周りの木の葉が風に煽られるくらいのすさまじさだった。
「人力の遠心力で、成分ごとに層を分けて調べる。特に見てえのが、花粉の層だ」
コハクの怪力で、試験管の中では、成分ごとに層ができた。
そして、次に腰の袋の中から、顕微鏡を取り出した。
「これは――」
「顕微鏡?」
「旋盤のレベルアップ様々だな。こんくらいは作れる」
千空は試験管の中の花粉の成分を取り出すと、ステージにのせてのぞいてみた。
「(ユリの花粉――) ユリは沿岸には生えねえ。つまり容疑者は、内陸の山を生活圏にしてる!!」
「ハ!すさまじいな、科学捜査とは。一見何もないところから追いつめてゆく。千空と魅真とゲン、君らが組んだ追跡からは、誰一人逃げられなそうだ……!」
「あとは簡単ね♪この進行ルートを、魅真ちゃんがみつけた足跡にそって、山方向にひたすら伸ばせば――」
「そこまで分かれば、後は私の戦場だ!!スピードと視力で闘えるなら、逃がしはしない……!!」
今度は、コハクが木の上まで跳び、そのスピードと視力で、容疑者を捜しはじめた。
コハクが跳ぶと、魅真たちは走ってコハクのあとを追いかけていった。
しばらく走っていくと、木の枝の上にコハクがすわっており、コハクは魅真たちの姿が見えると、静かにするように、口に指をあてた。
「(あれが、私たち石神村と分家した、人類最後の生き残り)」
コハクの目の先には、人が一人おり、その人物は、千空とゲンの推測通り、後ろ姿からして若い女性だった。
「(敵か!?味方か!?)」
けど、姿だけではどんな者かわからないので、もしもの時のために、コハクは刀に手をかけた。
「(もし敵だったら、私がみんなを守らなきゃ…)」
魅真も同じく、木刀に手をかける。
「(お…思い出すんだ。少しでも何か)」
ソユーズは、役にたつために、昔のことを思い出そうとしていた。
「(船の皆を石化させた、犯人の可能性だってあるからね)」
味方かもしれないが、敵だという可能性もすてきれないので、ゲンも緊張していた。
「ククク。どっちにせよ、接触して情報引き出すっきゃ、手はねえんだ。 (辿り着いたぞ、科学の力で。人類全員復活の鍵、宝島の住人に…!!)」
けど、全員が緊張する中、千空だけは笑っていた。
すると、魅真たちに背を向けて歩いていた女性は、突然立ち止まり、魅真たちがいる方へ顔を向けた。
大きな瞳に長いまつ毛、肩にかかるくらいの長さの巻き毛、頭には、丸い皿のようなものの周りには、真珠みたいな珠がふちどるように装飾され、上部には、大きな珠と二つの羽根がついている装飾品がついている、そでなしのロングスカートをはいた綺麗な女性で、彼女は一度ふり向いたが、すぐに顔を戻して、また歩き出した。
コハクは地面に降りると、魅真たちと一緒に追跡をした。全員木の茂みの中に隠れていたため、女性には気づかれなかった。
「あの娘(こ)を口説いて、仲間にする――」
「あ゙ぁ、現状唯一の手がかりだからな。プラチナの場所さえ聞き出せりゃ、石化なんざ、全員解きたい放題だ!」
「難易度高そ~。また引くほど美人ちゃんだし、ジーマーで。メンタリストの腕の見せ所じゃない♪」
ゲンは、女性にどうやって声をかけようか考えながら、悪い顔をしていた。
「「「僕と/俺と/私と、結婚してください!!!」」」
だが、ゲンが出る前に、突然3人の男性が女性の前に現れ、片足でひざまずき、花を差し出して、いきなりプロポーズをした。
「(ん??)」
「(どういう状況……??)」
「(なんでいきなりプロポーズ??)」
「かわいい……」
「と…ともかく辿り着いたぞ!!」
突然プロポーズの場面に出くわしたので、千空と魅真とゲンとコハクは引いていたが、ソユーズは女性に惚れこんで顔を赤くしていた。
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