恋人たちのお祭り
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2月14日。バレンタインデー。
それは、女性が男性に、チョコレートを渡して愛を伝える日である。
しかし、それは人間界の風習で、魔界にはなかった。
なので、魔界に住まう妖怪に、『バレンタインデーとは何か知っていますか?』と尋ねれば、当然『知らない』と答えるだろう。
瑠璃覇の仲間の飛影も、多分に洩れず、『バレンタイン?なんだそれは?』と言うだろう。
しかし、同じ魔界出身の妖怪でも、瑠璃覇と蔵馬は違った。
当然、バレンタインデーのことは知っていた。
だが、蔵馬の場合は、南野秀一という人間の体に憑依し、人間界で人間として暮らしているから知っているだけだった。
同じように、16年前からこの人間界に住んでいる瑠璃覇は、蔵馬とは違って、人間の体に憑依し、人間界で人間として暮らしているわけではない。どちらかというと、飛影と同じ立場だ。
だが、瑠璃覇は人間界に来た時、人間界の、社会、常識、マナー、ルール、風習などを学んだため、魔界出身の妖怪という、飛影と同じ立場でも、バレンタインデーのことは知っていた。
それどころか…
「バレンタインデー?ああ、二世紀ごろ、時の王に、若い兵士を戦争に行かせるために結婚を禁じていたのを、不憫に思った聖ヴァレンティヌスが、ひそかに若者を結婚させていて、それが王にみつかって処刑された日だろ?今のバレンタインデーは、製菓会社の謀略だな」
と、うんちくまで語るほどである。
更に、それ以外にも…。
「そんなもの渡さずとも、私と蔵馬の絆は壊れはしない。そもそも、何故2月14日なんだ?別に、告白するなら他の日でもいいだろう。わざわざその日まで待って、チョコレートを購入して、相手に渡して告白など、あまりにも非合理的だ。製菓会社の謀略にのせられているということがわからんのか?」
このように、まったく乙女のカケラもないような、現実的なことを言う始末だ。
だが、このように言っているが、バレンタインに対して、悪意を抱いてるわけではなかった。
あくまでも、現実的かどうか、合理的かどうかというだけの話だった。
どちらかというと、興味はあった。
「秀一、これを…」
「ありがとう、瑠璃覇」
この日は、2月14日のバレンタインデー。
放課後、瑠璃覇は帰りのHRが終わると、すぐ蔵馬のもとへ行き、蔵馬にバレンタインのチョコを渡した。
二人が付き合っているのは、クラス中どころか学校中が知っていることなので、瑠璃覇が恋人である蔵馬に、バレンタインにチョコを渡すのは、なんらふしぎではない。
だが、二人が付き合っているということがわかっていても、男子生徒は瑠璃覇に、女子生徒は蔵馬に対する想いがないというわけではなく、むしろどちらかといわなくても好きなので、瑠璃覇が蔵馬にチョコを渡すのを見た瞬間、クラスは騒然とした。
けど、周りの騒音など、瑠璃覇と蔵馬は気にしておらず、二人だけの世界をつくっていた。
むしろ、瑠璃覇には計算通りだった。
自分と蔵馬が付き合っているのが、学校中に知られているとはいえ、蔵馬を好きな女子がいないわけではないからだ。
それどころか、ほぼ学校中といってもいいくらい、女子に人気のある蔵馬は、瑠璃覇と付き合っていることを知りながらも、告白を受けることがたびたびあった。
また瑠璃覇も、蔵馬と付き合っていることを知りながら、男子生徒に告白されて、非常にうっとうしいので、『自分はこんなにも蔵馬と愛しあっている』のだという、おもに女子生徒に対する、一種の牽制のために、蔵馬にチョコを渡したのだった。
チョコレートを渡すと、瑠璃覇は蔵馬に
「今日の夕方の5時までに、絶対にあけてくれ」
と言い残して、今日は蔵馬は部活があるということで、先に一人で帰っていった。
学校から出た瑠璃覇が向かった先は、自分の家ではなく、皿屋敷中学校だった。
「幽助っ」
それは、幽助に会いに来たからだ。
瑠璃覇は、風で周囲を把握する術を使って幽助を探し出すと、旧校舎裏にいる幽助のもとへ行き、幽助に声をかけた。
「あ?んだよ、瑠璃覇じゃねーか。なんの用だ?今日は任務はねーぞ。つーか、その格好で来たのかよ?」
その格好というのは、盟王学園の制服のことだった。
いくら、以前通っていたといっても、別の…しかも高校の制服ともなれば、当然目立つので、幽助はそのことを指摘した。
「安心しろ。ここは旧校舎の裏側だから、絶対に上から見られたりしないし、今は周りに誰もいない。第一、私が人間にみつかるヘマをやらかすと思うか?」
「そういう問題じゃねーよ…」
どこかずれていることを言う瑠璃覇に、幽助は静かにつっこんだ。
「それより、本当になんの用事で来たんだ?」
「ん?ああ、そうだな。実はこれなんだが…」
再度幽助に問われると、瑠璃覇はカバンから小さな箱を取り出した。
「なんだ?これ」
「バレンタインのチョコレートだ」
「えっ!?」
まさか、いろいろな意味でくれるとは思っていなかったので、幽助は驚いた。
「いやいやいや…。いいのかよ?もらっちまって」
「どういう意味だ?」
「いや……だってよ、蔵馬はどうすんだよ?それに、受け取ったなんて知られたら、オレ、蔵馬に殺されちまうぜ」
「なんだ、そんなことか」
「そんなことって、お前な…」
蔵馬の恐ろしさは知っているので、幽助は内心ひやひやしていたが、瑠璃覇は幽助の返答に肩を落とした。
「安心しろ。それは義理チョコだ。お前には、いつも世話になってるからな。蔵馬にはちゃんと別のものを用意してある。蔵馬だって、私が幽助に渡すのは、義理チョコだってことも理解している。それに、蔵馬はそんなことでいちいち憤慨するような、器の小さな男ではない」
「そ、そうか」
そこまで説明されると、幽助は少し安心した。
「ところで、桑原はどうした?探ってみたところ見当たらないのだが」
「あ?なんか今日は、早く帰るっつって、さっさと家に帰っちまったぜ」
瑠璃覇が話題を変えて桑原のことを尋ねると、幽助は簡潔に答えた。
幽助に、桑原が家に帰ったことを聞くと、瑠璃覇は桑原の家に行った。
「あら、瑠璃覇ちゃんじゃないの。久しぶりだね」
「ども…」
けど、チャイムを鳴らした後に出てきたのは、桑原ではなく、桑原の姉の静流だった。
「あ、カズ?それがねえ、今動物病院に行ってんだよ」
「動物病院?」
「今日は、飼い猫の定期健診でさ。カズの奴、帰ってくるなり、すぐにすっとんでっちまったんだよ」
「はあ…」
「まあ、こんなところで立ち話もなんだから、上がっていきなよ。お茶もってくからさ」
静流に誘われると、特に断る理由もないし、もともと桑原に用事があって来たので、瑠璃覇は桑原の部屋にあがった。
それから一時間経つと、桑原が病院から帰ってきた。
「よォ、桑原」
桑原が部屋に入ると、そこには、部屋でお茶を飲んでくつろいでいる、瑠璃覇の姿があった。
「どうしたんだよ?オレんちまで来てよ」
「お前に用があってな。
ほお…。それがウワサの永吉か」
「ウワサ?」
「お前の姉に聞いた。お前は無類の猫好きで、いつもつっぱっている性格が変わって、ベロベロの甘々になるってな」
「なっ!!アネキの奴、そんなことしゃべりやがったのか」
自称だが、皿屋敷中のナンバー2不良なので、そのイメージをくずしかねない自分の顔をばらされたので、桑原ははずかしくなって顔を赤くした。
「そんで、用事ってのはなんだよ?」
「ああ、そうだな」
瑠璃覇は、カバンの中から、幽助に渡したのと同じ大きさの箱を、桑原に渡した。
「これだ」
「あ?なんだこりゃ」
「バレンタインのチョコレートだ」
「って……えぇっ!!チョッ…チョコレートだぁ!?」
「何を驚いている」
たかがバレンタインのチョコひとつで、幽助以上に驚いた桑原に、何故そこまで驚くのか、瑠璃覇はふしぎに思った。
「だって…お前がバレンタインのチョコレートって…。蔵馬は?第一オレには雪菜さんが…」
「何を勘違いしてるのかわからんが……私がお前に本命を渡すわけがないだろう。あくまでも義理チョコだ」
「そ、そうか…。まあ、たとえ本命だったとしても、オレは瑠璃覇なら「安心しろ。それは絶対に、生涯ありえない」
どこか酔ったようにしゃべる桑原に、瑠璃覇は途中で言葉を遮り、一刀両断した。
桑原の家を去った後、瑠璃覇は今度は、飛影を探した。
飛影にも渡そうと思い、風の力で居場所を探って居場所を特定すると、飛影がいる場所へ向かった。
飛影は今、皿屋敷市の、とあるビルの屋上にいた。
ビルの屋上で眠っていた飛影だったが、屋上の扉が開くと目をさました。
「瑠璃覇か…」
そこにやって来たのは瑠璃覇だった。
「なんの用だ?」
瑠璃覇がいるとわかると、飛影は立ち上がり、瑠璃覇の前に立った。
「お前に渡すものがあって来た」
「渡すものだと?」
問われると、瑠璃覇はカバンの中から、幽助と桑原に渡したのと同じ箱を、飛影に渡す。
「なんだ?これは」
「バレンタインのチョコレートだ」
「バレンタイン?チョコレート?」
けど、飛影はバレンタインどころかチョコレートすら知らず、なんのことなのかわからないといった感じに聞き返した。
「バレンタインというのは、人間界の風習だ。チョコレートは、人間界の食べ物だ」
「…そうか」
「バレンタインは、女が好きな異性にチョコレートを渡す日だ。…と言っても、これはこの日本独特のものでな。国によって違うし、日本のバレンタインにも、本命と義理がある。これは義理だ」
「義理?」
「まあ、世話になってる奴に渡す…と考えてくれればいい」
「ちょこれーととやらには、いくつも種類があるのか!?」
理解をしているのかしていないのか微妙な飛影が、真剣な顔で瑠璃覇に問うと、瑠璃覇は目を丸くした後吹き出して、クスクスと笑いだす。
「な、なんだ!?」
「いや…まあ、そうだな」
微妙にずれている飛影に笑ったのだが、飛影は何故瑠璃覇が笑ったのか理解できず、ぎょっとするが、瑠璃覇は笑ったまま飛影に返した。
「しかし、女が好きな異性に渡すと言っていたが……蔵馬には渡さんのか?」
「なんだ?ひょっとして、飛影も桑原や幽助と同じで、蔵馬が怖いのか?」
幽助や桑原に渡した時と、同じように蔵馬の心配をしているので、そのように解釈した瑠璃覇は、飛影に問う。
「なっ!!そんなわけがないだろう!!ただ、好きな異性と言うから、蔵馬を放っておいてるのではないかと思っただけだ」
「そんなことか。ならば心配は無用だ。蔵馬は蔵馬で、ちゃんと用意しているからな」
「そうか…」
瑠璃覇の返答に、飛影がどこかほっとした表情で返すと、瑠璃覇はクスッと笑う。
「案外おせっかいなところがあるんだな、飛影は」
「うるさいな…」
瑠璃覇が笑ったのは、飛影の意外な一面を見たからで、指摘されると、飛影は頬を少しだけ赤くして、ぶっきらぼうに返した。
飛影にチョコレートを渡した瑠璃覇は、家に帰った。
「あ、瑠璃覇」
扉の前には蔵馬が立っていたが、瑠璃覇は驚いたりしなかった。
「今来たのか?」
「ああ。部活も終わったからね」
蔵馬が瑠璃覇の家に、今しがた来たのは、部活があったからだった。
「それよりも瑠璃覇、さっき教室で渡したあれは一体…」
教室で渡したあれというのは、もちろんバレンタインのチョコレートのことで、蔵馬は一枚の紙を瑠璃覇に差し出して、しかめっ面で問う。
「ああ、これか。ここに来てくれて、今その紙を出したということは、読んでくれたということだな」
けど、瑠璃覇は質問には答えるが、どこか曖昧で、瑠璃覇の答えに納得のいかない蔵馬は、更に眉間にしわをよせる。
「特別期待をしていたというわけではないが、箱の中身が、さすがに手紙一枚というのは、納得がいかない。しかも、手紙というよりもメモ書きのようで、「部活が終わったら私の家に来い」というのは、どういう意味なんだ?わざわざ箱にいれて、ラッピングをして、バレンタインのチョコレートを装って……。いやがらせとしか思えないんだが…」
蔵馬が瑠璃覇の家に来たのも、今瑠璃覇にその質問をしたのも、実は教室で渡した箱の中に入っていたのは、バレンタインのチョコレートではなく、ただの手紙一枚だったからだ。
いくら瑠璃覇だといっても、納得できるものではなく、不快に思った蔵馬は不満をぶつけた。
「すまんな。説明は中でする。とりあえず上がってくれ」
不満をぶつけられると、瑠璃覇は家の扉を開けて、蔵馬に中に入るように促す。
まだ少し不満だが、とりあえず説明はしてくれるというので、蔵馬は中に入った。
瑠璃覇の家に入ると蔵馬はリビングに通され、そこにあるソファにすわった。
「そこで待っててくれ。今用意するから」
「用意?」
外では説明すると言われたのに、中に入った途端に用意と言われたので、ますますわけがわからなくなった。
けど、瑠璃覇は台所に立ってお湯を沸かし始めたので、蔵馬は戻ってくるまで説明はあきらめて、軽くため息をついた。
そして十数分ほど経つと、瑠璃覇は白い皿と、ポットとティーカップと小さな紺色の箱が乗ったトレーを持って、蔵馬のもとに戻ってきた。
「待たせたな」
瑠璃覇はテーブルにトレーを乗せると、トレーにのせていたものを、すべてテーブルの上に置いた。
そして、ティーカップの受け皿にふせていたカップを表に向けると、ポットの中に入っている紅茶をそそぐ。
「これは…ブラウニー?」
「ああ。蔵馬に用意したものだ」
皿の上にのっていたのは、ブラウニーだった。
「昨日作っておいたんだ。今日、ここで蔵馬に渡すためにな」
「別に、わざわざ瑠璃覇の家でなくても、教室でよかったんじゃ…」
ブラウニーなら、わざわざ瑠璃覇の家によばずとも、学校に持ってけばいいだけの話なのに、何故こんな手のこんだことをするのか、蔵馬は理解できなかった。
「教室だとさわがしいからな。それに、蔵馬の感想をすぐに聞けない」
「!!」
「私はこうやって、蔵馬と二人きりで、静かに過ごしたかったんだ」
「じゃあ、なんでわざわざ、それっぽい箱を用意して、その中に手紙を?」
「私と付き合ってることが知られていても、蔵馬はもてるからな。有象無象のメスどもに、牽制をするためだ」
「メスって……」
瑠璃覇の性格は知っているが、あまりにひどい言い方に、蔵馬は頬をひきつらせた。
「あと、これも蔵馬にだ」
蔵馬のツッコミは無視して、瑠璃覇はマイペースに、紺色の小さな箱を渡す。
「これは?」
バレンタインの贈り物がブラウニーなら、この紺色の箱は一体なんなのかと、蔵馬は頭を悩ませる。
「私は、蔵馬にはイタリア式でいこうと思ってな。ブラウニーとは別に、蔵馬への贈り物だ」
「イタリア式…」
「ああ、知ってるだろ。イタリアのバレンタインは、恋人が贈り物をする日だってな」
「ああ」
「だから、これはその贈り物だ」
そう言われて、蔵馬はようやく、瑠璃覇の奇妙な行動に得心がいった。
「けど瑠璃覇、オレは何も用意できていないんだが…」
「私がやりたかっただけだから、気にするな」
当然、今知ったばかりの蔵馬は、瑠璃覇に何もプレゼントを用意していないが、瑠璃覇は気にしていなかった。
それでも、何もないというのは気がひけたが、蔵馬はイタリア式と瑠璃覇が言ったのを思い出して、手に妖気を集中させた。
瑠璃覇は何故そこで、妖気を発するのかわからなかったが、その答えはすぐにわかった。
「それなら、これがオレからの、瑠璃覇への贈り物だ」
妖気を集中させて、蔵馬の手に現れたのは、深紅のバラだった。
蔵馬がバラを出したのは、イタリアでは、男性が女性に、赤いバラを贈るのが定番だというのを思い出したからだった。
「オレの武器として使うもので申し訳ないが、オレが持って妖気を通さなければ武器にはならないし、枯れることもないからな」
説明しながらバラを差し出すと、瑠璃覇はそのバラを、うれしそうに笑って受け取った。
「オレだけお金をかけないで、本当に申し訳ないが…」
瑠璃覇に贈り物をすることはできたが、瑠璃覇は蔵馬のためにお金をかけたのに、蔵馬は一円もかけていないので、申し訳なさそうな顔をした。
けど、瑠璃覇は蔵馬の謝罪に対して、無言で首をふった。
「そんなことない。私は、このバラ一輪で、充分に満足している」
そして、普段蔵馬にしかみせない、無防備で、やわらかな、満面の笑顔を見せた。
その満面の笑顔を見ると、蔵馬も自然と笑顔になった。
「じゃあ、紅茶も冷めるし、ブラウニーでも食べるかな」
蔵馬は皿と一緒に置かれたフォークを持ち、ブラウニーを食べようとした。
「なら、私が食べさせてやろうか?」
「え…いいよ。一人で食べれるし…」
けど、食べる前に瑠璃覇がはずかしい提案をしてきたので、蔵馬は断った。
「蔵馬が自分で食べるところを眺めているのも悪くはないが、どうせなら恋人っぽいことをしてみたいからな」
「でも…」
「どうせ誰も見ていない。ここには、私と蔵馬の二人だけだ」
断られても、それでも瑠璃覇は、蔵馬に食べさせることをあきらめてはいなかった。
「………わかった…」
たぶん瑠璃覇は、イエスと言うまで食い下がってくるだろうというのがわかったので、蔵馬は根負けして了承した。
蔵馬が了承すると、瑠璃覇はにこっと笑い、蔵馬からフォークをとった。
そして、フォークでブラウニーを小さく切り分けて、小さく切り分けたブラウニーにフォークをさすと、蔵馬の口にもっていく。
自分の口の前にきたブラウニーを、蔵馬は口にいれ、何回か咀嚼した後に飲みこんだ。
「うまいか?」
「ああ」
瑠璃覇が味の感想を聞くと、蔵馬は短く答え、二人は笑顔でみつめあった。
二人の周りには、ブラウニーのように、甘い空気がとりまいていた。
イタリアでは、恋人達の日とされるバレンタインデー。
そのバレンタインデーを、瑠璃覇と蔵馬は、心ゆくまで堪能した。
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