かけがえのないもの・前編
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杏菜が、コエンマに霊界探偵に任命されて、一ヶ月以上が経った。
杏菜は朝起きると、顔を洗うわけでも、制服に着替えるわけでも、朝ご飯を食べるわけでもなく、まずは薬を飲んだ。
それも、ひとつではなく複数の薬を…。
「杏菜ーー。朝ご飯できたよ」
「あ、うん。今行く」
そこへ、母親の温子が入ってきて、杏菜に朝ご飯ができた旨を伝えにきた。
温子は用件を伝えると、すぐに居間に戻っていき、杏菜は温子がいなくなると、パジャマから制服に着替え始めた。
そして、朝ご飯を食べ、歯をみがくと、杏菜は学校へ行った。
かけがえのないもの・前編
それから早々と授業が終わり、さあ家に帰ろうとした時、ぼたんがやって来た。
ぼたんがやって来たということは、任務が入ったことなのだと、もう言われずともわかっており、軽く息を吐いた。
任務の内容は、最近皿屋敷市を荒している妖怪を捕まえるという、なんともシンプルなものだった。
杏菜はぼたんや桑原の助けを借り、なんとか探しだし、捕まえることができた。
「そんじゃあ、今日の任務はこれで完了だよ。おつかれさま、杏菜」
「うん。それじゃあ」
捕まえた妖怪をぼたんに渡すと、杏菜は早々に帰ろうとした。
「あ、ちょいと」
「何?」
けど、そこをぼたんに呼びとめられたので、帰ろうと動かした足を止める。
「杏菜……顔色悪いよ?またいつものなんじゃないのかい?」
「…大丈夫よ」
「でもさ……」
「大丈夫だって。薬飲めばよくなるから……」
「そうかい?」
本人は大丈夫と言いはっているが、それでも杏菜の体質を知っているぼたんは、心配そうな顔をしていた。
「しゃーねーな。んじゃ、オレが送っていってやるよ」
「大丈夫だって」
そこへ、隣にいた桑原が送り役を申し出るが、杏菜はそれを断った。
「大丈夫なわけねーだろ。説得力ねーんだよ。そんな青い顔してよ。大体オメー、この前倒れそうだったじゃねーか」
「うっ…」
「いいから、おとなしく送られろっつーの」
痛いところをつかれた杏菜は、ぐうの音も出なくなり、桑原に送られていった。
数十分後。
桑原に送ってもらった杏菜は、自分ちの扉の前にいた。
「じゃ、体に気ぃつけろよ」
「うん。ありがとう、送ってくれて」
「いいってことよ。じゃ、オレは帰るわ」
杏菜の家の前まで来ると、桑原は自分の家に帰ろうとした。
「あ、桑原」
「ん?」
そこを、杏菜にひき止められる。
「あのさ……このこと…蔵馬には……」
「わぁーーってるって。そんじゃな」
多くは言わなくても、杏菜が何を言いたいのかわかった桑原は、了承すると、背をむけ、左手を上にあげながらそこを去っていった。
桑原の姿が見えなくなると、杏菜は家に入り、ふらふらとした足どりで台所に行き、水をグラスにそそぐと、そのグラスを持って自分の部屋に行った。
「く……」
部屋に着くと、机の上に置いてある薬箱から薬を取り出し、それを飲みこみ、その後に水を体内に流しいれる。
「はあ…」
そして、薬を全部飲み終わると、杏菜は制服のまま、ベッドに横になった。
今夜は温子が家にいなかった。
温子がいなくとも、軽いものなら料理を作ることはできるが、体がだるいのでそんな気は起こらなかった。
実は、杏菜は体が弱かった。
薬を飲めば日常生活を送れるが、薬がないと、今のように発作が起こってしまうのだ。
先程、ぼたんが心配したり、桑原が家まで送ってくれたのは、杏菜の体質を知っているからだった。
周りの者は、全員知っていた。
だが、ただ一人……蔵馬だけは知らなかった。
ひそかに蔵馬に想いをよせる杏菜は、蔵馬には余計な心配はかけないようにと黙っていた。
否……余計な心配をさせたくない…と言った方が正しいかもしれない。
杏菜なりの、意地とプライドだった。
それから数日後。
杏菜は新たな任務を受けることになった。
それは、飛影の妹である氷女の雪菜という少女を、彼女を監禁している垂金という男から救い出すというものだった。
杏菜は桑原とともに垂金の別荘に行き、そこで戸愚呂という妖怪と戦った。
最初は苦戦していた杏菜と桑原だったが、なんとか倒した。
しかし、それは戸愚呂の演技で、数日後に杏菜の前に現れた戸愚呂は、暗黒武術会という大会のゲストとして選ばれたことを伝えると、そこから去っていった。
圧倒的な実力の差をみせつけられた杏菜は、悔しさをバネに、幻海のもとで強くなることを決意して、二ヶ月後に開催された大会に、蔵馬達と出場した。
最初は六遊怪チームと戦い、次にDr.イチガキチーム、次に魔性使いチームと戦い、決勝へのコマを進めていった。
裏御伽チームとの戦いは、幻海からの試練があったために出場することができなかったが、桑原、蔵馬、飛影、幻海の活躍により、勝利をおさめた。
その後、幻海が戸愚呂に殺され、悔しい思いもしたが、それでも杏菜は前に進んだ。
そして、いよいよ戸愚呂チームとの決勝戦が行われた。
先鋒は蔵馬が鴉と戦ったが敗北。次に武威と戦った飛影は勝利をおさめ、その次に戸愚呂兄と戦った桑原も勝利を手にした。
そして最後、いよいよ杏菜が、戸愚呂弟と戦うこととなった。
最初は、幻海から渡された力で戦い、戸愚呂を押していたが、戸愚呂が100%になった途端に立場が逆転してしまった。
そして、戸愚呂の指弾を腕ではじいている時、防御しそこねた一発が、足の付け根あたりをかすった。
ただあたっただけなら痛いだけだったが、そこはちょうどポケットがある部分。そしてそこには、杏菜が常備している薬が入っていた。
そのせいで薬がくだかれ、万が一の時に対処できる術を失ってしまい、杏菜は焦った。
もしかしたら、決着をつける前に発作が起こってしまい、戸愚呂にやられてしまうのではないか…と。
その予感は的中し、杏菜は戦っている最中に発作を起こし、倒れてしまった。
「杏菜っ」
倒れた杏菜を見て、蔵馬は叫んだ。
「一体どうしたんだ。様子がおかしい…」
ただ戸愚呂に攻撃されて苦しんでいるには様子がおかしかったので、一目見て違和感に気づいた蔵馬は、疑問を抱いた。
「まさかあいつ…!!」
「桑原くん、何か知っているのか?」
「あっ…」
杏菜が大ピンチなので、うっかり口をすべらせた桑原は、しまったと思いながら口を閉ざすのだが、もう遅かった。
「……実はよ…あいつに口どめされてたんだけどな…」
誤魔化しても、蔵馬には絶対に通用しないのはわかっているので、観念した桑原は、杏菜には悪いと思いつつも、事情を話し始めた。
「実は……あいつ、体が弱いんだよ…」
「……え…?」
いつも笑顔で、明るくふるまっている杏菜に、そのような事情があったなんて知らなかった蔵馬は、一瞬反応が遅れた。
「それでな、たまに発作が起きるってんで、あいつ…いつも薬を持ち歩いてんだわ。けど…たぶん…さっき戸愚呂の指弾をはじいてる時、足にあたっちまったから、そん時それで、薬がくだけちまったんだと思う…」
薬を常備しなければいけないほどの体質だというのを初めて……しかも、本人ではなく他人から知らされた悔しさと、それだと、もしかしたら戸愚呂にやられてしまうかもしれないという不安が、蔵馬の心を支配していた。
それから、何度かピンチに陥り、桑原が犠牲になってしまったが(本当はやられてはいなかったが)、なんとか杏菜は戸愚呂を倒した。
「杏菜!!」
戸愚呂を倒した後、杏菜も倒れそうになったので、杏菜のもとへ駆けよってきた蔵馬が、杏菜をささえた。
「蔵馬…」
大好きな蔵馬が自分をささえてくれてるので、杏菜は頬を赤くする。
「しっかりしろ、杏菜!!キミが勝ったんだ」
「………私……生きてる…?」
「そうだ!!お前が勝ったんだ。見事な一発だった」
「………でも……桑原を……助けることができなかった…」
戸愚呂に勝っても、桑原が生きていなくては意味がないので、杏菜は眉間にしわをよせ、そのことを悔んだ。
「どうすればいいの?たとえ勝っても……桑原が生きてないなら……意味なんか……」
悔みながら、目じりに涙を浮かべた時だった。
「よっ。元気か?」
目の前に、ありえない人物の顔がとびこんできた。
「えええーーーっ!!」
それは、戸愚呂に殺されたはずの桑原だった。
「え……ちょっ…何……なん……なん…で…?…えっ……えぇええええっ!?」
殺されたとばかり思っていたのに、生きて自分の目に映ったので、当然杏菜はかなり動揺していた。
その後すぐに、先程桑原がやられた時の経緯を話したが、杏菜はどこか納得がいかなそうな顔をした。
「うっ」
でも、なんだかんだで桑原が生きていてほっとしたので、気がゆるんだからか、再び杏菜の体に痛みが走る。
薬も今は手もとにはないので、対処する術がない杏菜は、そのまま気を失ってしまった。
蔵馬達が必死に呼びかけるも、杏菜は目をさますことはなかった。
その後、左京がドームを爆破させたが、杏菜は蔵馬に抱きかかえられて脱出をした。
「ん……」
杏菜が目覚めたのは、戦いが終わってから二時間後のことだった。
「杏菜っ!!!!!」
「杏菜っ」
浦飯チーム優勝の祝盃があげられている中、杏菜が使っている部屋には温子と蔵馬がいて、ベッドに寝ている杏菜を心配そうに見ていたが、杏菜が目をあけると、ほっとした表情で名前を呼んだ。
「杏菜ぁああ~~~」
「母さん…」
一番最初にとびついたのは、温子だった。
杏菜が目覚めたのでうれしそうにしていたが、目覚めるまではずっと不安だったので、泣きながら杏菜を抱きしめたのである。
「もぉお~~~。心配させないでよぉお。もうダメかと思ったじゃ~ん」
「ごめん…」
「心配しましたよ」
「蔵馬っ……」
蔵馬が目に映った途端、杏菜に緊張が走った。
ずっと秘密にしていたのに、間違いなくばれてしまったからだ。
桑原が話したことは、聞こえていなかったために知らないが、それでも母親の温子と一緒にここにいるということは、事情を知ってるということなので、杏菜は顔が青ざめていった。
「蔵馬くんが、薬草を使って助けてくれたんだよ。彼の薬草がなかったら、もしかしたらダメだったかも…。
本当にありがとう、蔵馬くん」
「いえ、どうってことはないですよ」
今の温子のセリフで、100%ばれてると杏菜は確信した。
温子は娘が助かったので笑顔だったが、杏菜は顔がひきつった。
蔵馬も温子と同じでにこにこと笑っているが、これは逆にやばいということを知っているからだった。
「まあ、無事でよかったわ。
んじゃ、杏菜も目覚めたことだし、私は宴会に参加しがてら、杏菜が目覚めたことをみんなに知らせてくるわね」
「え?ちょっ……」
ほっとした温子は、酒が飲みたくなったのもあり、隣の宴会が行われている部屋へ行こうとした。
蔵馬と二人っきりになりたくない杏菜はひきとめようとするが、それもむなしく、温子は隣の部屋へ行ってしまった。
杏菜は顔面蒼白となり、扉が閉まるバタンという音が、やたらと耳に響いた。
「…さて……杏菜」
自分と蔵馬以外、誰もいなくなった部屋に、蔵馬の声がやけに部屋に響き渡る。
静かに自分の名前を呼ぶ蔵馬に、杏菜は心臓がうるさく鳴りだした。
「どういうことか…説明してくれるよね?」
顔は笑っているが、目は笑っていない。
そんな、蔵馬のおそろしい笑顔に、杏菜は氷のように固まった。
「えと……もう知ってるでしょ?」
「それでも、杏菜の口から聞きたいな」
笑顔も、丁寧な言葉使いもくずさずに問いかける蔵馬に、杏菜は更に心拍数が早くなる。
もうすでに、蔵馬にばれてしまっているし、何よりも蔵馬の絶対零度のような微笑みが怖いので、杏菜は仕方なしに話した。
自分は体が弱いこと。そのせいで発作が起きてしまうこと。そのため、薬を飲まなければいけないこと。薬を飲めば症状が緩和され、日常生活を送れること。逆に、飲まなければ症状が悪化してしまうこと。そのため、薬をつねに持ち歩いていなきゃいけないこと。
それらのことを、すべて蔵馬に話した。
「そうか……」
話されると、蔵馬は納得はしたが、どこか悲しそうな…悔しそうな顔をしていた。
「なんで……オレには黙ってたんだ?桑原くんも、ぼたんも、コエンマも。飛影でさえ知っていたというのに…」
「えっ…。みんなに聞いたの?」
「もちろん。ダメだろ?ちゃんと言わなきゃ。すごく心配したんだから。ヘタしたら、あのまま死んでしまったかもしれないんだよ?そんな重要なことを、オレに一言も言わないで。もしものことがあったらどうする気だったの?ああいう時は、予備の薬も持ってないとダメだろ。まさか、戸愚呂相手に無傷で勝てるとか思ってたの?学校の成績がよくないとは聞いていたけど、そんなに頭がまわらなかったのかな?」
「スイマセンでした…」
いつも通りの、おだやかでもの腰やわらかい口調ではあるが、どこか迫力や威圧感や怒気を感じた杏菜は、小さくなって謝った。
「わかればいいよ。それで、どうしてオレには言わなかったの?」
「えっと…」
「…そんなに……オレが頼りない?」
言いあぐねていると、突然蔵馬が、先程とはまったく正反対の、寂しそうな目を向けてきたので、杏菜はドキッとなる。
その表情に、なんだか悪いことをしている気分にさせられたのだ。
「戸愚呂と戦っていて倒れた時、桑原くんに聞いた時はびっくりしたし。戸愚呂を倒した後に倒れて意識がなかった時は、心臓が止まるかと思ったよ。
それに、なんだかオレ一人だけ、杏菜の重大なことを知らなくて…知らされていなくて…なんだか悔しかったし、悲しかった。それに、寂しかったよ」
「ご…めんなさい。でも……蔵馬にだけは知られたくなくて……。余計な心配をかけたくなかった……」
「それは……何故?」
「そ…それは…」
杏菜は、自分の病気のことを話す時以上に話しにくくなった。
同時に、問いかけた蔵馬の顔がぐっと近くなったので、ますます顔が赤くなる。
「蔵馬のこと……好き…だから……」
まだ打ち明ける気はなかったが、きっと本当のことを言わなければ引き下がらないだろうし、誤魔化しは通用しないとわかっていたので、杏菜は思いきって告白をした。
告白をされると、蔵馬は目を大きく見開き、固まってしまう。
「蔵馬…?」
めずらしく固まった蔵馬を見て、杏菜はいろんな意味で胸をドキドキさせながら、蔵馬の名前を呼ぶ。
「え…えっと……あ、あの…ごめんね、いきなり。あ……今のなしね。今言ったことは気にしないで。も、もう忘れて。
さ、さてと……。そろそろ、宴会に顔だそうかな。みんな心配してるかもしれないし」
名前を呼んでも反応がないので、はずかしくなっていたたまれなくなった杏菜は、ベッドから降りて、そこから去ろうとした。
けど、ベッドから出した足が床についた時、蔵馬に腕をつかまれて阻止されたため、隣の部屋に行くことはできなかった。
「残酷だな…」
ようやくしゃべったと思ったら、意味がわからない言葉が、蔵馬の口から出てきた。
「え…。残酷って…?」
その言葉の意味を問うと、横を向いていた蔵馬の顔は、杏菜の方に向く。
「だってそうじゃないか。好きって言ってくれたと思ったら、次の瞬間には、謝ったり……なしにしようとしたり……気にしないでって言ったり……忘れろって言ったり…」
「えっと……」
「気にするな?忘れろ?そんなことできるわけないだろう…!!」
「く…らま…?」
めったに感情的にならない蔵馬が、急に感情的になってまくしたててきたので、杏菜は目を丸くした。
そして、次の瞬間には、蔵馬は杏菜を抱きしめていた。
その瞬間、杏菜は時間が止まったかのように感じた。
ずっと想いをよせていた相手が、自分を抱きしめているのだから…。
「好きだ…!」
蔵馬は、抱きしめていた杏菜の体を少しだけ離すと、杏菜の目をまっすぐにみつめて、自分の想いを告げる。
「好きなんだ。ずっと前から…」
「蔵馬…」
「だから……忘れろとか…気にするなとか…なしにするとか…言わないでくれ。その言葉は、オレにはあまりにも残酷すぎるから」
「ご…ごめ……」
杏菜は、何故蔵馬が残酷だと言っていたのか、ようやくその意味がわかり、泣きそうになりながら謝罪した。
「じゃ、これからは両想いだね」
にこっと笑うと、蔵馬は杏菜の両頬に手をそえて、唇を近づけた。
「え…!?あ…あの……く、蔵馬?それは……ちょっと…」
「いいじゃないか。両想いなんだから」
「う…」
にっこりと笑う蔵馬に、杏菜は何も言えなくなる。
しかし、いきなりこんなことははずかしい。
けど、蔵馬の有無を言わさないような目に、金縛りにあったように動けなくなった。
その隙に、蔵馬はどんどん唇を杏菜に近づけていった。
はずかしいので、せめて見ないでおこうと思った杏菜は、目を強くつむる。
ちゅっ
「……え…?」
だが、くるであろう感触は、己の唇ではなくおでこにきた。
予想外の出来事に驚いた杏菜は、閉じていたまぶたをあけて、目を丸くして蔵馬を見た。
「唇にすると思った?」
にこっと笑う蔵馬に、杏菜は先程とは別の意味ではずかしくなる。
「いきなり唇にはしないよ。今はね…」
「い…今は?」
「だって、唇にしちゃったら、その後歯止めがきくかどうかわからないもの。ガマンができなくなったら、いろんな意味でまずいしね」
「は…歯止め?ガマン?」
その意味深な言葉に、ますます顔を赤くした。
「さ、じゃあ隣の部屋にいこっか。そろそろみんな、心配してるだろうからね」
ベッドから立ちあがると、蔵馬は杏菜に手を差し出した。
杏菜もその手をとってベッドから立ち上がり、隣の部屋へ行った。
こうして戸愚呂との戦い…そして、暗黒武術会は幕を閉じた。
明日、帰りの船に乗る前、死んだはずの幻海が生き返り、喜びを得ることになるのだが、この大会での一番の喜びは、蔵馬と両想いになったことだった。
2019.06.20
真田魅真
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