#28 流川、爆発!!
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「くそっ…!!」
よりによって、苦手なフリースローになってしまったので、花道は横目で牧を睨みつける。
「ああ……。今の牧のファウルは絶対ワザとだ……。桜木のフリースローが入らないことを見抜いてるんだ」
牧がわざとファウルをしたのは、赤木だけでなく、木暮も見抜いていた。
「(木暮先輩が言う通り、牧さんの今のファウルはわざとだわ。花道のフリースローが入らないのを見抜いたのもすごいけど、点をこれ以上入れさせないために、わざとファウルをするなんて、すごい度胸の持ち主ね。そしてそれは、自分は普通にプレイしていれば、絶対にファウルをしないという、絶対的な自信をもってることにもなる!)」
そのことは魅真も見抜いており、同時に、わざとファウルできる牧に、感心してもいた。
「肩の力を抜け、桜木」
「お…おう!」
「ヒザを使え。手だけに頼るな」
コートでは、赤木が花道に、フリースローのコツをアドバイスしていた。
だが、結果として、フリースローは2本とも入らなかった。
「ヴァイオレーション!!」
しかも、リングにふれることすらしなかったので、ヴァイオレーションとなった。
「くっそ~~っ!!ワザとファウルしやがったな、ジイ!!」
今更ながら、牧のファウルがわざとだということに気づいた花道は、怒りを燃やす。
そして、花道のヴァイオレーションとなったので、海南ボールで始まった。
「ああ…。イヤなムードになってきた!!」
「もう、ずいぶんノーゴールのままだぞ…!!」
「いつの間にか、桜木がうちのムードメーカーになっていたな…」
花道が連続で外し、長いこと点が入らず、そのせいで点差が開いていってるので、ベンチ側も焦っていた。
そして、また宮益が決めたので、15点差となってしまった。
その時、安西が席を立ちあがる。
「チャージドタイムアウト、湘北!!」
安西はめずらしく、タイムアウトをとった。
#28 流川、爆発!!
「なにっ!?ちょっと待て、オヤジ!!」
「問答無用。交替です」
「……………」
タイムアウトをとったのは、花道を木暮と交替させるためだった。
「これ以上、弱点をさらす前に」
「…………」
交替となってしまったので、花道はプルプルと体を震わせた。
「この天才に、弱点などあるか!!オヤジ!!考え直せ!!」
「やめんか!!」
いつものように、あごの脂肪をゆらすという行動をとるが、安西は何も答えず、三井は、花道が安西に無礼な行動をとっているので怒鳴った。
一方で魅真は、弱点しかないじゃん…と思っていたが、今ここで言うことではないので、心の中だけにとどめておいた。
「さあ、気合入れていこう!」
「あーーーーっ!!」
近くでは、すでに木暮が出ていたので、花道は叫ぶ。
その後で、すぐにタイムアウト終了の笛が鳴った。
「よし、行くぞ!!」
「「「おお!!」」」
「待て!オレはまだ健在だ!!替わりたくねーーー!!」
と言っても、木暮も宮城も、何も反応せずにコートに歩いていく。
「さーて、いくぞ」
「ぬっ!!」
更には、流川が花道の顔を押しのけて、コートへ上がっていく。
「おとなしく見てろ、どあほう」
「(ルカワ―――)」
安西は花道をひっこめた。
また一方で、海南も宮益をひっこめていた。
「ほら、花道!」
「ん?おお…」
花道が流川を睨むように見ていると、魅真が花道にタオルを渡す。
「花道…。アンタ、ちょっと熱が入りすぎよ。そんなんじゃ、いいプレイなんてできないわ。頭を冷しなさい」
「ぬっ」
魅真に忠告されると、まだ頭に血がのぼった状態ではあるが、少し大人しくなり、魅真が席にすわると、花道もベンチにすわった。
しかし、やはり交替は嫌なので、花道は睨むようにコートを見ていた。
「先生は、君の弱点が、海南に全部バレて使えなくなる前に、温存したんだと思うけど…。あとで活躍してもらうために、今はひっこめたんだと思うよ」
「わかってらい、ヤス」
イライラした花道をなだめるように、隣にいた安田は、安西の真意を話すが、花道はちゃんとわかっていた。それでも、やはり交替は嫌なので、イライラしていた。
「(おのれ、ルカワ…。見ててやるよ。てめーがどれほどのもんか)」
敵対心を抱きながらも、花道は流川のプレイを見ようとしていた。
その流川が歩いていると、目の前に清田がやって来た。
「(マンツーか)」
今度はマンツーマンディフェンスとなったので、流川は自分をマークする清田を見据えた。
「やっとお前と勝負するときがきたぜ、流川」
流川と勝負したかった清田は、流川を見据え、不敵な笑みを浮かべていた。
「さあ、1本ずつ返していこう!!声出していこーぜ!!」
15点と大差が開いているが、それでもあきらめてはおらず、木暮は全員に指示を出す。
「スーパールーキーとか騒がれてるが、それはお前が湘北に入ったからだ。海南だったら、スタメンにもなれたかどーか…」
清田は流川と対峙すると、いきなり流川を挑発した。
流川はその挑発に反応を示し、反応した流川を見た清田は、笑みを濃くした。
「さあ、NO.1ルーキーを決めよーぜ!!」
そして、流川にボールが渡ると、清田は流川に宣戦布告をして構えた。
そんな清田に、流川は軽く息をはく。
「どいつもこいつもよく喋る……」
そう言うと、流川はドリブルを始め、ボールを運ぼうとする。
清田は止めようとするが、流川はドリブルをしたあと、後ろから左手にボールを移動させて、清田を抜こうとするが、体勢を後ろに低くした清田にカットされてしまった。
そのせいで、流川も清田も、床に倒れた。
「ディフェンス!!」
しかし、そこで笛が鳴ってしまう。
「えっ、オレのファウル!?ウソォーー!!」
今のは清田のファウルとなってしまったので、清田は驚きの声をあげる。
「なんでだよ。オレのナイスディフェンスを!!あのくらいいいじゃんかよ!!」
「なに!?」
しかも、審判に抗議までした。
「ちっ…。フエに救われたな、流川」
「つくづくよく喋る…」
けど、それ以上は抗議することはせず、流川に悪態をついた。
その様子に、花道はイライラしていた。
「おいメガネ君!!オレの代わりに出てんだぞ!!ルカワにばっかりもたすな!!」
そして、汚いヤジをとばした。
「なんだって!?」
流川に活躍させたくないので、そのように叫ぶのだが、木暮は意味がわからなかった。
すると、流川がパスをよこすように木暮に声をかけ、構えながら走ってきたので、木暮は流川にパスをした。
「あーーーーっ!!」
今言ったばかりなのに、それなのに流川にパスをしたので、花道は絶叫する。
パスをもらった流川は、清田を抜こうとした。
清田は牧に抜かれるなと言われ、清田は任せろと答えるが、流川は抜くのではなく、その場に止まった。
清田は、走るために勢いをつけ始めたばかりなので、流川から少し離れてしまい、しまったと思ったがすでに遅く、流川はその場所からシュートを決めた。
「よーーーし。オッケ、ナイッシュー!!」
湘北に2点入り、赤木は流川に、お互いの腕をぶつけて健闘を称えるが、清田と花道は悔しそうにしていた。
「(あと13点…)」
流川は、今の点差を確認するため、電子ボードに目をやった。
まだ13点は点差があるが、この先何があるかわからないので、牧は1本入れとくぞと指示を出す。
しかし、シュートは外れてしまい、リバウンドは赤木がとった。
「やったあ!!」
赤木がリバウンドをとったことで、また15点差に戻されなかったので、湘北は喜んだ。
「いくぞォ!!」
着地すると、赤木は気合のこもった声を出す。
「ゴリ!」
「今日の赤木さんは、やっぱり気合入ってる!!」
「あたりめーだぜ、ヤス!」
気合が入っているのは、試合前に赤木が言っていたように、海南と戦うのを、1年の時からずっと思い描いてきたからで、そのことを花道は思い出していた。
そして赤木は、高砂と武藤の二人にマークされているので、シュートが打てないため、フリーになっている流川にパスをした。
「あーーーっ。なのに、なぜルカワにパスを!!」
木暮だけでなく、赤木まで流川にパスをするので、花道はまた叫んだ。
流川は速攻を出そうとするが、その前に清田が流川についた。
更に、赤木も速攻を出すが、高砂にゴールの手前でマークされてしまったので、不発に終わる。
しかし、そんなことであきらめる流川ではなく、赤木を一瞬横目で見ると、強引にいった。
だが、清田も流川に打たせないようにディフェンスをするが、流川は清田が伸ばした手の横から、無理矢理なレイアップを打つ。
そのシュートは外れたが、赤木がリバウンドをとったので、全員流川の意図がわかった。
流川は赤木のリバウンドを信頼したので、強引につっこんだのだった。
しかし赤木は、着地すると、足に強烈な痛みを感じた。
それでも、倒れながら流川にパスをして、流川はゴール下のシュートを決める。
「(あと11点…)」
また電子ボードで、得点を確認した時だった。
「!?」
目を向けた先には、なんとか手と腕を床につけてふんばっているが、うつぶせになって倒れかけている赤木がいた。
「!?」
「赤木!!」
「ぬ!?」
「あっ!!」
この異常事態に、他の者達も気づいた。
「ゴリ!!」
「赤木先輩!!」
赤木は、流川が目を向けた時よりも体が傾き、あと少しで体が床につくぐらいに崩れ落ちていた。
「くっ……」
ひどい脂汗をかいて、足はわずかに震えており、観客もこの様子に気づいた。
「レフェリータイム!!」
赤木が倒れて動けなくなったので、試合は一時中断された。
「おいっ、立てるか赤木!!」
「ダンナ!!」
「とにかく、クツを脱がそう!!」
花道、三井、宮城、木暮は、心配そうに赤木の周りに集まった。
「!!」
足を痛がってるようなので、クツを脱がすと、花道と木暮はギョッとした。
「おおお。スゲエハレてるぞ、ゴリ!!」
それは、左足の足首が、半分に切った野球ボールくらいの大きさまではれあがってたからだった。
「交替です!!」
誰がどう見ても、試合を続けるのが無理なので、交替することとなった。
付き添いが必要なので、魅真は席を立とうとした。
「魅真、私が行くわ。あとはお願い」
「わかりました」
けど、彩子が赤木に付き添うのを申し出たので、魅真は彩子の指示に従い、席にすわった。
赤木は花道の肩を借り、彩子に付き添われて、そこから去っていく。
その様子を、流川も、宮城も、木暮も、三井も、湘北の誰もが、不安そうな顔をしていた。
魅真も選手ではないが、赤木が抜けることの重大さを痛感していた。しかし、それを表に出すわけにはいかないので、顔にも声にも出すことはしなかった。
それから何分か経ち、花道が戻ってきた。
「始めます!!」
花道が戻って来ると笛が鳴り、試合が再開される。
「よォし、いくぞ!!」
「「おお!!」」
赤木の代わりに、花道が再び試合に出ることになり、花道はかなり気合が入っていた。
それは単に、また試合に出れるから…というだけではなさそうだった。
「桜木君」
「ぬっ!?」
「流川君」
「!」
けど、コートに入る前に、花道と流川は安西に呼び止められたので、安西の前に行った。
「赤木君がいない今、インサイドは、君達二人にかかっている」
そう言うと、安西は花道と流川の腕を同時ににぎり、二人の手を中央に持っていく。
「二人でゴール下死守ですよ」
「「!!」」
そして、花道の手の甲に、流川の指の先を、軽く触れる程度にくっつけた。
「あーーーーっ。手がくさる!!」
「…………」
この行為は、二人にとってすごく嫌なもので、花道は流川の手が触れた左手の手首を、反対側の手でつかんでプルプルと体を震わせ、流川は花道の手に触れた右手を、無言でタオルでふいていた。
「さあ、レッツゴー」
心の底から拒絶している二人だが、安西は気にすることなく、席に戻っていく。
試合は再開され、海南は、赤木がいないので、インサイド主体で攻めるという戦法をとった。
牧が運んだボールが清田に渡り、清田は木暮の上から高砂にパスするが、高砂に渡る寸前で花道がカットし、ボールは花道がとった。
「よォし。ナイスカット!花道!!」
出ていきなり活躍したので、魅真は喜んだ。
「見え見えじゃねーか」
「うるせー!!」
あまりにもわかりやすいパスだったので、流川がつっこむと、清田は顔を赤くして反発する。
「よォッしゃ。速攻!!」
ボールをとった花道は、力強く勢いのあるパスを木暮に出し、木暮はそのボールをとった。
それを見ると、花道は木暮にシュートするように叫び、木暮は言われた通りにレイアップを決めようとするが、あっという間にゴール前に来た清田にブロックされてしまう。
だが、ブロックしたそのボールを、流川がとってレイアップを決めた。
「ぬ…」
またしても流川が活躍したので、花道はムッとした。
「(あと9点…)」
流川はまた、電子ボードで得点を確認していた。
「よォし、ディフェンスだ!!赤木のいない分、みんなで協力していこうぜ!!」
「「「おう!!」」」
今度はディフェンスとなり、キャプテンの赤木の代わりに副キャプテンの木暮が手をたたき、指示をしていた。
「(しかし、海南相手に赤木ぬきは、正直いって苦しすぎるぜ、木暮…)」
けど、高い身長と大きい体格と、高校生ばなれした威圧感とすごいリバウンド力のある赤木がいないのは、現実的に考えて結構苦しいので、三井はそのことを危惧していた。
「ゴリは必ず戻ってくるぜ」
「!!」
だが、その三井の不安をふきとばすようなことを、花道が口にした。
「ゴリの穴は、オレが埋める」
「桜木…」
「………」
「…………」
いつものように、お調子者の花道ではなく、とても真剣な目をしていた。
いつもと違う様子に、他の四人は全員花道を見る。
「(花道…何かあったのかしら?赤木先輩に付き添って戻ってきてから、なんか雰囲気が違うわ)」
強気な発言といえば、いつもの花道と変わりないが、どこがとは言いがたいが、赤木の付き添いから帰ってきてから、どこかいつもと様子が違うのを、魅真は感じていた。
その花道は、自分のポジションにつき、いつ来てもいいように構えていた。
ボールが高砂に渡り、高砂がシュートをするために花道の方へふり向き、赤木の穴を埋めようと花道が気合を入れると、牧と清田はゴール下へと走りだした。
高砂がシュート体勢に入ると、花道はブロックするために、手をあげてジャンプをするが、それはフェイクで、高砂は花道を抜いて、レイアップを決めようとした。
だが、花道の後ろで流川が跳んで、指先がかする程度だが、ボールに触れた。
「てめーだけじゃ役不足だ」
「!!」
着地体勢に入りながら、流川はいつものように悪態をついた。
「ルカワ!!」
かすった程度だったが、ボールは落ちたので、安西はにっこりと笑い、三井はほっとしていた。
しかし、ほっとしたのもつかの間、牧、清田、武藤がジャンプをして、牧がリバウンドをとったので、再び海南ボールとなってしまった。
近くにいた、花道、流川、三井は、牧に打たせないように牧をマークして、花道はまたジャンプして止めようとするが、牧はシュートではなく、流川の後ろにいる高砂にパスを出し、高砂は再びシュートを打とうとするが、そこを流川にカットされてしまう。
けど、なんとかそのボールを高砂はとったが、今度は、いつの間にか隣に来ていた宮城にカットされてしまう。
しかし、今度は清田の手に渡り、またしても海南ボールとなる。
「くらえ、湘北!!」
清田はボールを取ると、そのままダンクを決めようとした。
「ウホホホホーーッ!!」
その時、花道はゴリラの鳴き声で叫ぶと同時にジャンプをする。
「ゴール下の、キングコング・弟!!!」
「うおっ!?」
そして、清田のダンクをブロックした。
その瞬間、すごい歓声が場内に響き渡る。
「すっごい花道!!ナイスブロック!!」
今のプレイに、魅真も目をキラキラさせて、うれしそうにしていた。
このプレイをキッカケに、花道は更に気合が入り、またブロックしてやるとばかりに、ゴール下で構えていた。
そして、海南がシュートを打ったので、外れてしまった時のことを考えて、リバウンドをとろうとした。
この時花道は、以前陵南との練習試合の前夜に、赤木に教えてもらった、リバウンドの練習を思い出していた。
高砂と清田を相手にスクリーンアウトをとり、ボールがリングにあたって落ちると、ジャンプをしてボールをとる。この時、また赤木にリバウンドの練習を教えてもらった時のことを思い出していた花道は、練習の時に赤木に言われたように、脇の下あたりに巻き込むようにボールを持ち、絶対に離さないという気合を見せ、着地と同時に、またゴリラの鳴きマネをした。
「桜木!!赤木の穴を埋めるからって、何も赤木のマネまでしなくてもいいんだぞ!!」
「ぬ」
花道がリバウンドをとると、近くにいた木暮が花道の隣にやって来て、健闘を称えるように拍手をした。
「わーーってるよ、メガネ君!!いくぞ!!」
「おう!!」
木暮が言ったことに、少し顔を赤くしながら、花道は木暮にパスをして走り出した。
「(ゴリが帰ってくるまで、絶対これ以上、点差は開かせん!!) オレに今できることをやるよ!!やってやる!!」
「桜木…」
「少し大人になったかな…桜木君…」
「(確かに……なんか少しだけ変わった…)」
花道の変化は、木暮も安西も魅真も感じとっていた。
「(ドリブルのキソ、パスのキソ、庶民のシュート、リバウンド――。これが今のオレの、手持ちの武器だ!!少しさびしいが……) イヤ…もうひとつ。天性の才能によるダンク。これこそ最強の武器!!」
「(やっぱり基本は変わらないか…)」
けど、たとえ心の変化が起こっても、やはり花道は花道だった。
「さあ、1本いくぞォ!!」
「「「おお!!」」」
花道のかけ声で気合を入れた湘北は、懸命なプレイをする。
しかし、残り2分になっても、その差は11点と開いていた。
三井は木暮にパスを出し、木暮は宮城にパスをした。なんとかパスでつなぐも、厳しいチェックをされていて、なかなか点をとることができなかった。
その時、流川がパスを寄こすように、手をあげて宮城に声をかけたので、宮城は流川にパスをした。
ボールをとった流川はシュートを決め、再び差は9点に縮まった。
「よォォーーし!!」
「いいぞ流川!!」
「ナイッシュ、流川!!」
また10点以内に差が縮んだので、湘北は盛り上がりを見せる。
「(負け試合なんてまっぴらだ。相手が海南大附属であろうと、負けたくねーー。あと9点)」
花道と同じくらい負けず嫌いな流川は、心の中で、負けてたまるかと闘志を燃やしていた。
「さあ、これ以上点差を開かせねーぞ!!ゴリが戻ってくるまで、この点差を守るぞ!!」
「ほう…!」
「おっ」
「言うよーになったじゃねーか、花道!!お前んとこが一番心配だぜ!!」
また花道が気合を入れると、花道の前にいた宮城が、花道がいる後ろへふり向いて話しかけるが、その隙に、牧がボールをゴール下の方へ投げた。
ボールを投げた牧はゴールに向かって走り出し、自分の横を通過したボールを見た宮城は焦り、そのボールをとった清田は、シュートを打とうとした。
花道が、またブロックしようと跳ぶも、それはフェイクで、すごい早さで、ドリブルを使って反対の左側に移動をして、そこからシュートを打とうとしたが、流川がブロックをした。
流川は着地すると後ろによろけてしまい、後ろにいた花道にぶつかり、花道はゴールを支えている柱にぶつかって、流川と柱にはさまれた。
ファウルかと思われたが、笛は鳴らず、ファウルにはならなかったので、湘北は速攻を出した。
三井はボールをとると、宮城にパスをして、全員ゴールへ走っていくが、あっという間に海南は戻っていたので、速攻は無理となった。
速攻は不発に終わり、どうしようかと攻めあぐんでいると、流川が、また宮城にパスをするように、手をあげて声をかけた。
その顔は、パスくれと連呼しており、一瞬びびった宮城だが、流川にパスをした。
パスをもらった流川は清田の右側から抜こうとしたが、それはフェイクで、左側からぬいてシュートを決める。
更に流川の快進撃は続き、コートの外から、武藤が牧にパスをするが、牧に渡る直前で流川がカットして、またもシュートを決めた。
「あと5点!!」
ほんの数十秒しか経たないうちに、流川はあっという間に、6点も点差を縮めたのだった。
「ナイス流川!!いけるぞ!!」
木暮は流川の健闘を称え、流川とハイタッチをした。
「(流川、お前が味方でよかったよ…!!赤木がいない時に、これほどまで頼れる奴がいるなんて、かつては考えられなかったことなんだ……!!赤木のワンマンチームと言われてたころはな…)」
「「フン!! (負けねーぞ!!)」」
木暮は流川に頼もしさを感じていたが、それが気に入らない花道と清田は、ライバル心を燃やしていた。
「あと5点!!」
相手が県内トップだろうと関係はなく、とにかく負けてたまるかと闘志を燃やしている流川は、まだ勝ったわけではないので、また点をとろうと奮闘した。
「流川先輩、ファイト!!」
「あと5点です!!」
「ファイト!!」
すると、突然観客席から、富ヶ丘中学校の流川の後輩達の声援がしたので、流川は声がした方へふり向き、ちょうど後ろにいた彼らを見た。
「前半ラスト1分!!」
そして、前半ラスト1分弱となった頃、点差はまた7点と開いてしまった。
「みんなファイト!!この点差をキープよ!!」
「「「いけいけ湘北!!おせおせ湘北!!」」」
けどまだ前半だし、10点以上は開いてないし、望みは十分にあるので、とにかくベンチにいる全員が、コートで戦っている選手達に声援を送り、場を盛り上げる。
そして、ボールはまた流川に渡った。それだけで、観客席はどよめき、声援が送られる。
流川は清田を抜き、ジャンプをして、シュートを打とうとした。
目の前にいる高砂が、ブロックしようと手を伸ばすが、流川は最初はジャンプシュートでいこうとしたが、高砂が腕を伸ばしたので、途中でレイアップシュートに切り替え、高砂の腕をさけるようにシュートを決めた。
「(1年にしちゃスゲェ奴だとは思っていたが…これほどとは…!!)」
「(普段は、クソ生意気で、にくたらしくて、無口で、無愛想で、生意気で、無口な野郎だが…。だが、こいつはすげえ……!!海南をねじ伏せちまってるぜ!!)」
この数分の間に、流川一人でガンガン点を入れて点差を縮めているので、宮城も三井も目を見張り、木暮は流川の健闘をたたえて、背中をたたいた。
「くっそーーっ!!どうなってんだ!?」
けど、流川が嫌いな花道にはそれが面白くないので、腹を立てていた。
点差は再び5点となったが、これだけで終わらず、流川は3Pを決めて、2点に差を縮めた。
「よおっし。あと2点よ!!」
「もーーーー。今のあいつには、何を注文してもいいぜっ!!」
「止まらねえ!!」
花道と海南は呆然としていたが、湘北は興奮し、目を輝かせていた。
「何て野郎だ、お前は!!」
「ナマイキなヤローだ!!」
そして三井には、首を両手でつかんで、同時に脇の下をひざ蹴りされ、宮城には、頭をひじでどつかれていた。
「チャージドタイムアウト、海南!!」
点差を2点にまで詰められたので、さすがの海南も、タイムアウトをとらざるを得なかった。
海南は点を詰められたので、高頭が選手に怒鳴っていたが、湘北はおだやかだった。
タイムアウトが終わり、前半ラスト39秒から始まると、タイムアウトの前よりも、海南ボールから始まると、牧はあっという間にボールを運んで決め、点差を4点にした。
牧が決めると、今度は湘北ボールから始まるが、海南のチェックが厳しくなっていた。
まず、宮城にボールを運ばせないように、清田と武藤が二人がかりで宮城をマークしてきた。
それでも宮城は木暮にパスをするが、木暮は清田と小菅に二人がかりでマークされる。
三井にパスで回せとアドバイスされると、木暮はパスを出そうとするが、清田にカットされてしまう。
そこを花道がとるが、清田、高砂、武藤の三人がかりでマークされ、動けない状態にされた。
「ピボット使って!!」
「まわりをよく見るんだ、桜木!!」
潮崎達からアドバイスをされるが、三人が壁になって周りが見えないので、それどころではなく、10秒が経とうとしていた。
どうにもできないこの状況に、花道は三人に頭つきをかます……というのは、もちろん花道の頭の中のことで、三人に囲まれては、文字通り、もう手も足も出すことはできず、8秒が経った。
もうとられるかと思ったその時、花道の目の前から流川が走ってきて、ボールを出すように指示したので、あと1秒というところで、花道は、清田と武藤の間から、流川にパスをした。
あと1秒という本当にギリギリのところで外に出したので、なんとか10秒ルールにはならず、流川は三井にパスを出すと、流川からパスをもらった三井は、牧の前で、すぐに横に走ってきた流川にパスをした。
流川はドリブルでゴールまで走っていき、牧は止めようとした。
しかし、流川はダンクを決めようとしたが、牧がブロックしようと手を伸ばしたので、一度戻してダンクを決めた。
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