標的96 大空の最期
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突如、ツナのグローブから現れた、初代ボンゴレボス。
その、初代ボンゴレボスとツナの間にあるボンゴレの紋章は、強い光を放っていた。
「何の遊びだい?綱吉クンのソレは。誰なのかな、その男は?」
「ボンゴレファミリーの、初代のボス。ボンゴレⅠ世(プリーモ)」
「!」
目の前に現れた男性の正体が白蘭はわからず、ツナに尋ねると、ツナではなくユニが答えた。
「Ⅰ世?ハハハ。からかうのもいいかげんにしてくれる?そんな大昔のご先祖様を、ホログラムで投射するなんて、悪趣味にも程があるよ」
「ホログラムではないです。あなたもそう感じているはずです。これは7³の中でも、あなたのマーレリングにも、私のおしゃぶりにも起きない、ボンゴレリングの、"縦の時空軸の奇跡"」
「縦の時空軸の…」
「奇跡?」
ユニが言ったことに、白蘭だけでなく、骸と、何も言わないがXANXUSも反応を示し、白蘭は今まで笑っていたが、急に真剣な顔になった。
「生まれた時から、私の記憶に焼きついている、こんな詩(うた)があります。
海は、その広がりに限りを知らず、虹は時折現れ、はかなく消える。貝は代を重ね、その姿受け継ぎ。
マーレとは、「海」。ボンゴレとは、「あさり貝」。アルコバレーノは、「虹」。そう…。この詩は、7³のそれぞれの大空の在り方を示しています。
どこまでも広がる「海(マーレ)」は、横の時空軸。すなわち、平行に広がる、平行世界(パラレルワールド)に生き、代を重ねる「あさり貝(ボンゴレ)」は、縦の時空軸。すなわち、過去から未来への伝統の継承に生き、そして「虹(アルコバレーノ)」はどこにもとどまらず、その両方に、線ではなく、点として存在するものということです。
つまり、白蘭がパラレルワールドから知識を得られる能力をもつのと同じように、沢田さんには、沢田さんが受け継ぐ、ボンゴレの「時間」があるのです」
「時間…。そうだ、あの時!!」
ユニに説明されると、ツナは、修業を始めた時に行った試練で経験した、あのふしぎな空間での出来事を思い出す。
それは、歴代のボンゴレボスが現れた後、初代ボスが言っていた、「E'la nostra ora incisa sull'anello(リングに刻まれし我らの時間)」という言葉だった。
「悪いけどユニちゃん、その話に信憑性はないなあ。だって、僕が初めてパラレルワールドを意識できた時、僕はまだ、マーレリングをもっていなかったんだよ?」
「それは、あなたがリングに選ばれた、適応者だったからです。ボンゴレⅠ世と同じように」
そのボンゴレプリーモは、宙に浮き、ツナと向き合っていた。
『さあⅩ世。おまえの枷をはずそう』
「!!」
「枷をはずす!?」
「そう…言ったのか?」
「枷って…何?」
『今のボンゴレリングは、仮の姿だ』
「!!」
その言葉に、XANXUSは過剰に反応を示す。
『ボンゴレリングはある時より、厳格な継承をするために、2つに分割し、ボスと門外顧問の、2人が保管することとなった』
「ヴァリアーとの戦いの時の形状だ!!」
「真っ二つに分けられた…ハーフボンゴレリングのことだな!!」
『だが、分割できる構造を保つために、同じ7³の、マーレリングやアルコバレーノのおしゃぶりに比べ、炎の最高出力を、抑える必要があった……。
しかし、もうその必要もない。おまえになら、このリングの本当の意味と、オレの意志を、わかってもらえそうだからな』
そこまで言うと、初代ボスは、右手の拳の手の甲を、ツナの右手の拳の手の甲にあわせ、拳から強い光を放った。
すると、初代ボスがツナの拳から自分の拳を離すと、初代ボスと合わせたツナの右の拳から、大きな大空属性の死ぬ気の炎があふれ出した。
そして炎が収まると、ツナの大空のリングだけでなく、他の守護者達のリングまでもが形を変えた。
それは、それぞれの属性の刻印とボンゴレの紋章が刻まれた、宝石のような形をしたリングだった。
標的96 大空の最期
「! これが、原型(オリジナル)のボンゴレリング!!」
今までとは、まったく違う形のボンゴレリングを見て、ツナは驚いていた。
『Ⅹ世』
今までツナの目の前にいた初代ボスは、今度はツナの左隣に来て、ツナの肩をくみ、肩に手を置いた。
『マーレの小僧に、一泡吹かせてこい』
優しい顔でそう言うと、初代ボスは、その場から姿を消した。
「ぐぴゃ」
「消えた!!」
突然消えたので、ランボと了平は驚いた。
「ハハッ。相当ふざけたご先祖だね!!」
けど、白蘭はまったく驚いておらず、それどころか、余裕の笑みを浮かべていた。
「!!」
すると、突然後ろから爆発が起き、白蘭は前に吹きとばされた。
それは、ツナが一瞬のうちに白蘭の背後にまわり、X BURNERを撃ったからだった。
X BURNERをもろにくらった白蘭は、上にとばされ、炎の結界に直撃した。
「い゙っ?」
「何が起きたびょん!!」
誰にもツナの姿をとらえることはできなかったので、ベルと犬は驚愕する。
「(これが、ニューボンゴレリング…)」
驚いているのは、ベルと犬だけでなく、ツナ自身もだった。
「ふーん…。少しはできるように」
しかし、白蘭は動じてはいなかったが、顔から笑みが消えていた。
「なったのかな!?」
そして、今度はこちらの番だと言うように、右の拳を白龍に変化させると、ツナに突進していく。
「ナッツ!!」
だが、ツナは防御モードに形態変化し、白蘭の攻撃を防ぎ、白龍の牙が折れてしまった。
「(止めた!!)」
「(すさまじいパワー!!)」
「なんつぅ戦いだ!!)」
「(さっきまでとは、ケタ違いだわ)」
「!!」
先程とは違って、いとも簡単に防ぎ、白龍の牙までも折ってしまったので、魅真達は目を見張り、白蘭も目を丸くしていた。
その隙にツナは、素早く攻撃モードに切り替えると、右手には、またあのガントレットが装着された。
「バーニングアクセル!!」
そして先程のように、炎の玉を白蘭に撃った。
「(切り返しが速い!!)」
炎の玉は、白蘭のすぐ目の前までせまってきていた。
「白拍手!!!」
白蘭はその攻撃を、白拍手で防ぐが、手が傷つき、血が流れ、完全に防ぎきることができなかった。
「ハハッ。ざーんねん♪ここまで僕は、まだ8割しか力をだしてないよ」
「オレは5割だ」
お互いに競い合うかのように話すが、負け惜しみとか過大評価とかではなかった。
ツナは、白蘭が合わせた手を開くと同時に、素早く白蘭の後ろにまわりこんで、またバーニングアクセルを撃った。
「ぐわあ」
今度は防御ができなかったので、もろにくらってしまった。
白蘭が、バーニングアクセルをくらって吹きとばされると、ツナは距離をつめて、白蘭の背中の羽をつかむと、そのまま前に回転して、その勢いのまま、白蘭の頭にかかと落としを決める。
その威力は、意識を失いそうなほどのもので、蹴りが決まると同時に血が流れ、更には羽までちぎれてしまい、白蘭は勢いのままに、地面に激突した。
それは、地面が割れ、陥没するほどのものだった。
そして、白蘭が地面に激突すると、ツナはつかんでいる羽を、炎で燃やした。
「白蘭様の翼が!!」
「なんという…」
「強さだ!!」
ニューボンゴレリングに変わってから、白蘭を圧倒し続けているので、桔梗、ユニ、骸、バジルは驚愕した。
「どうした白蘭。翼がなければただの人か?」
白蘭が激突した地面は、陥没しているだけでなく、その穴からは煙がたっていた。
ツナは燃やした羽を地面に落とすと、挑発するように声をかける。
「プハーハハハ。ヒヒヒヒヒ。アハハハッ」
すると、煙の中から、狂ったように笑う白蘭の笑い声が聞こえてきた。
「すごいよ、そこの綱吉クン。ヒヒッ。君は、無数のパラレルワールドの中で、唯一僕に血を吐かせた固体だ!!」
煙の中から、白蘭の顔だけが見えると、白蘭は頭から血を流して、まだ狂ったように笑っていた。
「いやあ、うれしいなあ。ククク。こんな日がくるとはねー」
圧倒的にやられたのに、まだ白蘭は、狂ったように、またうれしそうに笑う。
「何がうれしいって…。生まれてはじめて、全身の力を使い切ることができる!!」
そして、煙が完全にはれると、白蘭の翼が生えていたとこから、血のようなものが吹き出てきて、翼を形づくった。
「見てくれが変わっただけじゃ、オレには勝てないぞ」
「ハハハ。誰が見てくれだけだって?ふざけるのもいいかげんにしなよ!!」
白蘭は、ツナに攻撃をするために、その場を跳躍した。
跳躍すると同時に、背中から出ている血のようなものが勢いよく出て、その勢いのままに、白蘭はツナにつっこんでいき、ツナと間をつめると拳をふるうが、ツナにボンゴレ匣なしで、拳で止められた。
ツナが白蘭の攻撃を止めていると、ツナの肩にのっていたナッツが白蘭に襲いかかるが、白蘭はそれを、身を下にさげてよける。
「ぐっ」
だが、その隙に、ツナが白蘭の左頬に、肘鉄をくらわせた。
「くっ」
白蘭は回転しながら後ろへふっとんでいくが、途中で羽を使って止まり、宙に浮いた状態で、両方の羽から龍を出す。
今度の龍は、先程の白龍ではなく、羽と同じ色をした龍だった。
龍は上下に動いてツナを攻撃するが、ツナはそれをあっさりとよけて、白蘭と距離をつめると、白蘭に殴りかかる。
「ぬっ」
だが、なんとか腕を盾にして防いだので、攻撃をまともにくらうことはなかった。
「お前の力はこんなものか?まだ序の口だぞ」
「んはっ。なら僕は、序の序の口さ!!」
新しい形態になっても、それでもツナの方がおしているのに、それでも白蘭は強気に返した。
そして、また羽から血のようなものを噴出させると、今度は龍ではなく、複数の、鋭くとがった爪をもった手を出した。
だが、ツナはその手を、炎を灯した手で、薙いで切り落とす。
「!!」
切った手は、回転しながら、勢いよく下に落ちていく。
「しまった!!ユニに落ちる!!」
その下には、ちょうどユニがいた。
だが、ユニの全身からあふれ出す炎が結界となり、手はすべてはじかれた。
「炎ではじいた!!」
「(ユニの全身から…大量の大空の炎が!?)」
「おしゃぶりへの炎の供給が、本格的に始まっている…」
それを見て、白蘭はユニが何をしているのか、すぐにわかった。
「本気なんだね、ユニ…。本気で、おしゃぶりに命を捧げて死ぬ気なんだね!!」
それは、おしゃぶりの持ち主のアルコバレーノを復活させること。
すなわち、ユニの命の消滅だった。
そのことを知ると、全員が、目の前が真っ白になったように、呆然とした。
「ユニ!?」
「そんなっ」
「マジで死んじまう気かよ!!」
「ダメだよ、ユニちゃん!!」
「ひ…姫!!」
「ウソだろ。姫ーー!!」
「やめて!!」
「ユニちゃん!!」
全員、ユニにそんなことはやめるように、口々に叫ぶ。
「まて、ユニ!!そこまでして、アルコバレーノを復活させる必要はない!!」
もちろんツナも、ユニにやめるように、必死に叫んだ。
「いいえ。彼らの復活は、沢田さん達が、平和な過去へ帰るためにも必要なんです」
しかし、ユニはツナの意見を拒んだので、ツナは顔が青ざめた。
「そしてそれは、多くの人々の命を、救うことに繋がります…。ようやく、私の力を、正しく使うための機が熟しました……。これが、私にできる、唯一の賭け…。そして、避けることのできない、私の運命(さだめ)」
「ユニ!!」
「僕の許可なく死んじゃうなんて、勝手なことが、許されると思うのかい!!」
白蘭はユニがやろうとしていることを止めに行こうと、ユニのもとへまっすぐ飛んでいく。
だが、それは私利私欲のためで、決してユニ自身が大切とか、そういう意味ではなかった。
「!!」
白蘭はユニのもとへ飛んでいくが、そこをツナに、正面にまわりこまれ、手を組んで止められた。
「お前にだけは、ユニはわたさない!!」
「どこまで君は、僕の邪魔をすれば…!!」
またしても邪魔されたので、白蘭は苛立った。
「立ちはだかるんなら」
そして、その体勢のまま、白蘭はツナに頭突きをした。
「先に消すだけさ!!」
更には、ツナを上に蹴りとばす。
だが、ツナは結界を蹴ると、再び白蘭に向かっていき、白蘭ののどに、エルボーをかました。
その勢いで、ツナと白蘭は、ユニの横の地面に激突をして、その際に土煙があがる。
「我々も手をこまねいてはいられません。結界を破り、ユニを脱出させるのです」
「ああ、そうだな!ユニがどうするにせよ、あそこは危険すぎる!!」
ツナと白蘭が、ユニをめぐって戦っているので、外にいる者達は、ユニを脱出させるために、結界を破ろうとした。
「だがよっ。この結界は……」
獄寺は赤炎の矢を撃ち、山本は炎を灯した刀で結界を斬ろうと、跳躍した。
「ビクともしねーぜ!!」
そして、刀をふりおろして、結界の上部を斬るが、傷一つつけられなかった。
他の者達も同様で、いろんな角度から、それぞれ技をくり出すが、誰の技も、結界を破れなかった。
その結界の中にいるユニは、おしゃぶりに炎を注入し続けていた。
「(お母さん…。おばあちゃん…。もうすぐ、そちらへ行きます…)」
ユニは死を覚悟していた。
だが、その瞬間に脳裏をよぎったのは、γだった。
すると、ユニの目尻に涙が浮かんだ。
そして、次に脳裏をよぎったのは、ボロボロの衣服をまとった、自分の骸骨姿。
そのことを想像すると、ユニは顔が真っ青になった。
「くっ」
一方、空中では、ツナと白蘭の戦いが続いており、ツナは白蘭を殴りとばした。
「序の序の口っていうのは、まんざらでもないみたいだな」
「君もだ、綱吉クン…。まさか、ここまでやるとはね」
二人はずっと戦い続けているせいで、息が荒くなっていた。
「だが、最後にユニちゃんを手に入れるのは…
ん?」
「?」
話している途中で、白蘭は下の方にいるユニの変化に気がついた。
「!」
戦いの途中だったが、ツナも気になり、後ろへふりむいた。
そこにいるユニから出ている炎が、だんだん小さくなっていたのだ。
「どーしたんだ?ユニの炎が、小さくなっていく」
そのことにディーノも気づき、疑問に思った。
「(死ぬのが…怖い…)」
γや骸骨姿の自分が思い浮かんだユニは、死に対して恐怖心を抱き、目からたくさんの涙を流していた。
「(怖い…)」
恐怖のあまり、自分自身を抱きしめるように、マントをつかんだ。
「(怖い…)」
そして、地面にすわりこみ、恐怖で体が震え、炎は更に小さくなった。
「? ユニ?」
「?」
「どうした、ユニ?」
ツナ達は、ユニがどうしてこんなことになってるのか、見当もつかなかった。
「もしかして、死を恐怖しているんじゃないのかい?」
「そんなはずねえ…と言いたいところだが、ないとは言い切れねえな…。アルコバレーノの姫といっても、まだ子供だ…」
「いいんだ、ユニ!!何か、他の方法を考えよう!!」
ツナはユニの気持ちをくんで、再度ユニを止めるが、ユニは涙を流しながらも、無言で顔を横にふる。
「すみません、大丈夫…。他の方法はないんです」
ユニは、再度おしゃぶりに炎を注入するために立ち上がった。
「みなさん…。ありがとう」
再び覚悟を決めたユニからは、大きな炎があふれ出し、ユニを包んだ。
「あの子!!」
「やめてください!!」
「ユニちゃん!!」
死を覚悟したユニに、京子、ハル、ビアンキは叫び、京子とハルは涙を流す。
「よし!いまです!!」
一方では、バジルが突然合図を出した。
「あれは!!」
白蘭と桔梗はバジルがいる方へふり向くと、そこでは、ボンゴレ側のすべての匣兵器が開匣されていた。
「すべての匣兵器の炎が雨イルカに!!」
全員の匣兵器が、バジルの匣兵器の雨イルカのアルフィンに炎を送っており、全員の匣兵器の炎を受け取ったアルフィンは、バジルのように、額に死ぬ気の炎が灯っており、体に紋様のようなものがあった。
「全匣兵器での、匣コンビネーションシステムだ!!」
「あの炎なら、結界を破れるかもしれねーな」
ナッツ以外の全員の匣兵器の炎なので、リボーンとフゥ太は、もしかしたら…と思った。
「よし、いこう。アルフィン!!」
準備が整うと、バジルは跳躍し、アルフィンはそのあとを追ってきた。
すべての属性の炎が、螺旋のように巻きついているアルフィンが、バジルの足の下に口をくっつけると、バジルもその炎をまとい、2人は炎をまとって突撃していく。
「うおお」
そして、すごい速さで結界に向かっていった。
「スーパー・ノヴァ・オーシャン!!!」
バジルは武器の先端部分で、結界を破ろうとした。
「くそっ、ダメだ!!一時的な、小さなキズしか与えられない!!」
けど、すべての匣兵器の炎を受け取っても、ほんのわずかな穴しかあけられなかった。
「こんだけありゃあ充分だぜ」
その時、その小さな穴から、中に入った者がいた。
その者は、穴から入った時にかすったせいで、ケガをしてしまい、血を流しながら、ユニの前に着地する。
「……!!」
そのことに、ツナもリボーンも白蘭もユニもびっくりしていた。
「よお、姫」
「γ」
ユニの前に降り立ったのは、γだった。
「やっと会えたのに、またすぐいっちまうなんて、水くさいぜ」
突然のγの出現に、ユニは呆然として、目と口を見開いた。
「オレの炎も、使ってくんねーか?」
そう言いながら、γは昨晩のことを思い出していた。
昨日の夜、作戦会議を開いた後、γはリボーンに、話があると言われ、呼び出された。
話というのはユニのことで、ユニのことをどう思ってるのかと、単刀直入に聞かれたが、γは答えることはなかった。
リボーンは、そこを追究しようとはしなかったが、ユニがγを好きだというのは知ってるだろうと言った。普段リボーンは、こんなおせっかいなことはしないが、それは時間がないからだった。
その後で、ボヤボヤしてると、あいつらはあっという間にすりぬけちまうからなと言った。
あいつらというのは、ユニの母のアリアと、ユニの祖母のルーチェのことだった。
続けて、お前もわかってるはずだ…と…。アルコバレーノの大空は、誰よりも感情豊かで、底抜けに幸せそうに笑うが、誰よりも大きな責任を背負って、運命に翻弄され、身動きもとれないままいなくなると話した。
その時、γの脳裏には、かつて自分が恋していた、アリアの姿が浮かんだ。
そしてリボーンは、ユニがこれ以上大人になる時間はない。子供扱いせずに、一人の人間として見てやってくれと頼んだ。
そんな、昨晩の出来事を思い出したγは、ユニの前まで歩いてくると、ユニをそっと抱きしめた。
「あんたを、一人にはさせない」
体を放し、ユニと顔をあわせると、優しい顔で笑った。
「!!」
それがどういう意味なのか、ユニはわかった。
「まさか!!」
「アニキ!!」
γが、ユニとともに命を使おうというのがわかると、太猿と野猿は顔が青ざめ、野猿は涙を流した。
「いつか、耳打ちしてくれたの、覚えてるか?あれの返事、まだだったよな」
その耳打ちというのは、数年前に、ミルフィオーレファミリーが結成される前に、自分達のジッリョネロファミリーが、白蘭のジェッソファミリーと会談をした時のこと。
ジェッソファミリーのアジトで、白蘭と2人だけで話し合う前に、ユニはγに抱きつき、耳打ちをした。
「私、あなたのこと、大好きです。母がそうだったように」……。γはユニに、そう言われたのだった。
γは、あの時の返事を、ユニに返そうとしていた。
γはユニの耳に、そっと口を近づけると、ユニにしか聞こえない声で返事を返す。
その返事に、ユニは一筋の涙を流した。
「なんだよ。旅立つって時にシケた面(つら)だな。あんたの母さんは、そんなこと教えなかったはずだぜ」
γにそう言われると、ユニはアリアに言われたことを思い出す。
それは……「うれしい時こそ、心から笑いなさい」という言葉だった。
「(…お母さん…)」
アリアの言葉を思い出したユニは、涙を流しながらも、すごくうれしそうに笑った。
それは、今まで見せたどの笑顔よりも、うれしそうだった。
そして…次の瞬間……。
ユニとγは……衣服とおしゃぶりを残して、その場から姿を消した………。
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