標的93 最後の真6弔花
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桔梗、ブルーベル、ザクロの目の前には、一番前に骸とフラン。その後ろには犬と千種、ボンゴレ、ヴァリアーがいた。
「にゅ!?」
「殺したと思った敵は全て幻覚だったと!?」
「クフフ。その通りです。戦いの最中、幻覚に切りかわっていたのです」
骸が余裕たっぷりの笑みで桔梗達に説明をすると、何故か雲雀がムッとした。
標的93 最後の真6弔花
「おーい、フラン」
「ハーイ、センパーイ」
一方で、ベルがナイフを出しながら、フランの前までやって来て、声をかけた。
「幻覚で敵をダマすのはいーが、わざわざオレ達を殺してみせる意味あったのか?」
「わかってないなーベルセンパイ。リアリティのためですよ。幻覚っていうのは、ドッキリみたいなもんですからー。ねぇ師匠?」
全員を殺してみせたことに疑問を抱いて、その疑問をフランにぶつけたベルは、納得できない答えだったら、ナイフを投げるといわんばかりに、ナイフをちらつかせていたが、フランはまったく動じずに、淡々と答えた。
「ちがいますよ」
「あれ…」
「てんめー」
フランはベルの質問に答え、骸に同意を求めるが、骸はあっさりと否定したので、ベルは腹を立てた。
「じゃあアレですー。師匠の、スプラッタな趣味全開ですー」
「ちがいますよ」
「なっ」
「んまっ」
またしても的外れなことを言うフランの頭を、骸はなんの躊躇もせずに槍でさしたので、了平とルッスーリアは驚いていた。
「師匠、イタイですー。やめてくださーい」
「今回の幻覚の目的は2つ。僕のウォーミングアップと…」
しかし、当のフランは、確かに頭に直撃しているのにまったく動じておらず、骸は普通にしゃべっていた。
「真6弔花の能力を引き出し、データをとることです。実際、幻覚で彼らに程よい優越感を抱かせることにより、ブルーベルの絶対防御領域と、桔梗の地中からの攻撃のデータを引き出すことに成功しました」
「にゅ」
「…ハハン」
まんまと敵の戦略にはまってしまったので、ブルーベルはむっとしていたが、桔梗は笑っていた。
「なーーる」
「なーるじゃねーよ!」
骸の説明に、フランは右手の拳で左の手のひらをうつという、少々古いリアクションをとり、幻覚を使った目的をまるで理解してないので、ベルはフランがかぶっているカエルぼうしに、持っているナイフを投げつけた。
「ってか、いつまで六道骸の幻覚だしてんだ?あいつは復讐者の牢獄に沈んでんだろが」
「あれーー?聞いてませんか?あのパイナッポー頭(ヘア)は、幻覚ではなく、正真正銘、1分の1スケールの、六道骸本人ですー。ミーの師匠、復讐者の牢獄から、出所しちゃいましたー」
パイナッポー頭(ヘア)と言われたことに、腹を立てた骸は、フランが骸を親指で指さすとほぼ同時に、また、フランの頭(カエルぼうし)を槍で刺した。
「!!」
「!!」
「えっ!?」
「な…!!」
「なんと!!」
「(そっか…。さっき感じた違和感は、骸が幻覚じゃなくて、本物だからだったんだ)」
フランが言った事実に、全員が驚き、魅真は、何故最初にこの森で会った時、骸に違和感を感じたのか納得していた。
「へへ~ん♪」
一方で、犬と、千種もどこかうれしそうな顔をした。
「どーら!!骸さんスゲーらろ!!」
「犬ニーサンがしゃべると、話がややこしくなるので、黙っててくださいー」
「ムッキー!!何らとフラン!!」
「…落ちついて、犬……」
自慢げにしゃべる犬を、フランはバカにしたように制止すると、そのことに対して犬は腹を立てた。
千種は犬をなだめるが、フランが犬に言ったことに対するフォローはしなかった。
「ハハン。なるほど。脱獄不可能と言われる牢獄の門番、復讐者を欺いたのが、六道骸の弟子だというのならば、納得もできるというものです」
「ヤッター師匠。有名人じゃないですかー」
「黙りなさい、おチビ」
ほめてるような言い方だが、実はけなしているので、骸は再度、フランの頭を槍で刺す。
「このようなダメ弟子を預かっていただいていることには、感謝しますよ。XANXUS」
骸はそう言いながら、顔をXANXUSの方に向けると、XANXUSは骸を、無言のまま、鋭い目で見ていた。
「どのみち君の余計な助けはいらなかったよ」
「ヒバリ!!まっ、またんか!!」
雲雀は雲雀で、戦う気満々で、トンファーを構えた。
「強がらないでください、雲雀恭弥。あなた程の男ならわかっているはずだ。幻術で彼らの技を知って、なおのこと、真6弔花は強いと」
骸は雲雀と話しながら、今度は桔梗達がいる方に顔を向けた。
その先にいる、ブルーベル、桔梗、ザクロは、三人とも不敵な笑みを浮かべていた。
「ここからは、本当の死闘となるでしょう」
「はーい。本番いきまーす!」
これから死闘が始まるというのに、フランはこの場の空気に似合わない雰囲気で、映画監督のように、メガホンを使って話した。
「…………いいさ。話の続きは、アレを倒してからだ」
雲雀は、本当は骸に言いたいことがあったようだが、それどころじゃないので、今は真6弔花を倒すことに専念しようとした。
「ハハン。どうです、ザクロ。時間は稼げましたか?」
「ああ。今の、かったりー会話の内に…左腕は完治したぜ!!!チャンスを逃したな、バカ共が!!!」
ザクロは、先程の戦いで左腕を吹きとばされたが、骸達が話している間に左腕を完治させたので、不敵な笑みを浮かべた。
「しししっ、バカはおめーだ。まっててやったんだっつーの」
「なにぃ?」
けど、ベルはそんなことは、問題視していなかった。
「ボスは完全なお前達をかっ消したいのだ!!!」
そのXANXUSは、ザクロや桔梗やブルーベル同様に、不敵な笑みを浮かべていた。
「相変わらずですね、XANXUS」
「さあ、はじめよう」
「ここが、ミルフィオーレとボンゴレ。総力決戦の場となりそうですね」
「ここを制した側が、勝つでしょう」
「でも、師匠は戦っちゃダメですー。指をくわえて見ててくださいー」
「おや?」
「病み上がりみたいなもんなんだから、せめてボンゴレ匣くるまでまってくださいーー」
全員やる気満々だったが、骸の横から、フランが骸にストップをかけたので、骸は出鼻をくじかれた。
「そーいや、どこいったんら?あのバカ女!」
「来てないね…クローム…」
霧のボンゴレ匣を持っているクロームの姿が、どこにも見当たらないので、犬と千種は辺りを見回す。
そのクロームは、骸にボンゴレ匣を届けようとしていたのだが、骸をみつけることができていなかった。
けど、そんなことは知らず、そんなことで敵が待つわけもなく、戦いは始まった。
戦いが始まっても、全員が参戦しているわけではなかった。
先程の戦いで重傷を負った獄寺と了平は、少し離れたところの木にもたれかかって、体を休めており、了平は、この場所から離れたところにいるツナと、通信をしていた。
《え!?本物の骸が…戦場に現れた!?》
了平から骸のことを聞いたツナは、とても驚いていた。
「あぁ、正真正銘、復讐者の牢獄から出た骸だ!!奴の弟子がそう言っていた!!」
了平と獄寺の近くからは、白熱してきた戦いの轟音や爆音が響いていた。
「ぬ…。戦いの爆発で、雑音がひどい…!!一度切るぞ!!」
《はい!》
こんなに雑音がひどくては、通信どころではないので、了平は通信を切った。
その後も、ボンゴレとミルフィオーレの乱闘は続いた。
ケガを負った者は休んでいたが、動ける者は、すべての者達が、近くにいる敵を倒すために攻防をくり返しており、辺りには轟音や爆音が響きわたり、いっそう激しくなっていた。
その中で、XANXUSは桔梗に向けて、拳銃の炎を撃つ。
「なかなか」
しかし桔梗は、余裕の顔で、顔を横に少しずらしてよけた。
また、その近くでは、アニマルチャンネルを使ってる犬と、ヘッジホッグを使ってる千種が、ザクロと戦っていた。
「ぬんっ」
またレヴィは、XANXUSの近くで、己の技を出そうとしていた。
その時、犬の後ろで、大きな電気が発生した。
「んあ!?」
突然発生した電気に、ボンゴレもミルフィオーレも、全員が注目する。
電気が発生した場所には、何故か服を着ていない、長髪の男が現れた。
「ん!?」
「誰…?」
「……ウソ」
「白蘭様…。早すぎる!!」
男の出現に、ボンゴレは驚いているだけだったが、真6弔花は驚愕し、また動揺していた。
男は電気をまといながら、彼らのことは目に入っていないように、ただまっすぐに歩く。
「あの巨人は何だ!?」
「発光してんのか!?」
「白蘭!!」
「いいえ、目の下のアザが、左右逆です」
「言われてみればーー」
突如現れた男は、白蘭に似てるが、髪が長く、目の下のアザが逆だった。
「GHOST…………」
「アレが噂の…GHOST?ヤ…ヤバくない…?」
「(GHOST?)」
「(…? 味方までが動揺している…)」
この男の出現に、何故か、味方であるはずのブルーベルや桔梗までもが動揺していた。
「だが、奴は敵!!ミルフィオーレに間違いはない!!指を見ろ。マーレリングだ!!!」
木の上にいるレヴィが、GHOSTの指に注目すると、左手の中指には、緑色のマーレリングがあった。
「雷の…真6弔花」
「ししっ。ってことなら」
レヴィと同じく、木の上にいるベルは、ナイフを構えてそこから跳躍した。
「先手必勝♪」
そして、ナイフに嵐属性の炎をまとわせて、GHOSTに投げつけた。
しかし、そのナイフは、GHOSTの体を通りぬけてしまった。
「!!」
「通りぬけた!!」
「!!」
「うそっ…」
「幻覚か!!」
確かに、ナイフはGHOSTをとらえていたのに、それなのに通りぬけたので、そこにいる者は、ミルフィオーレを含む全員が驚いていた。
「彼をどう見ますか?おチビさん」
「ミーの勘では、幻覚ではありませんねーー」
「正解です。実在している」
獄寺は幻覚と思ったが、術士の骸とフランは、GHOSTが幻覚ではないと見抜いた。
「ならば撃つべし!!」
幻覚ではないならと、レヴィは匣兵器と死ぬ気の炎をまとったパラボラを出し、ベルと同じように木の上から跳躍する。
「SUPER・LEVI・VOLTA!!!」
そして、技をGHOSTに向けて撃った。
しかし、またしても攻撃はきかず、GHOSTの体を通りぬけた。
「ぬっ」
「またすりぬけやがった!!」
実在しているのに、それなのに、またしても攻撃は通りぬけてしまったので、レヴィはくやしそうに顔をゆがめた。
「(炎を受け流すだと?聞いている話と違うが…一体)」
目の前のGHOSTの能力は、聞いていた能力とは違うものなので、桔梗は驚いたのだった。
「複合属性の炎なら、効くかもしれません!!獄寺殿、笹川殿、今こそ、匣コンビネーションです!!」
「だが、あの技は、コントロールに難があるぞ!!」
「敵はのんびり歩いてるんだ。試してみる価値はあるぜ」
「よし、わかった!!!我流!!!」
獄寺に言われると、バジルが言った、匣コンビネーションというのを発動させるために、了平は我流を出した。
「瓜ッ!!」
「ニャアァ!!」
了平が我流を出すと、今度は獄寺が瓜を出す。
「アルフィン!!」
そして、その次に、バジルがアルフィンを出した。
「晴・嵐・雨の、匣コンビネーション!!」
三人の匣兵器が出ると、瓜、我流、アルフィンの脳がリンクした。
まず、我流が背中に背負っている二つの大砲から、晴属性の炎の砲弾が発射され、次に、アルフィンのドルフィンエッジが両サイドから発射する。
「ニャアア!!!」
ドルフィンエッジは瓜の両隣に装着され、晴の炎は瓜の全身に当たる。
すると、瓜は大きく成長して、嵐、晴、雨の炎をまとった、大型の肉食獣になった。
これは、昨夜γの指摘で、アルフィンには、ボックス間コンビネーション発動システムというものが搭載されていることがわかり、それを使わない手はないということで、アルフィン、瓜、我流のコンビネーション技として生まれた、太炎嵐空牙というものだった。
「ほう。すさまじい合わせ技だ」
「すんげーの」
「(この炎は…ハンパねぇぞ!!)」
「(どうするのだ…?GHOST!!)」
この技のすごさは、敵も味方も感じていた。
そして、太炎嵐空牙は、まっすぐにGHOSTに向かって走っていき、GHOSTに当たった。
その瞬間、すさまじい炎がGHOSTから発せられた。
「ぐあ!!」
「当たったのか!?」
「わからねえっ」
その炎はまぶしく、目をとじてしまうほどだった。
「ぬっ。様子がおかしい!!」
「!?」
「一体何なの!?」
「(炎が…なびく…。まさか…始まったのか!?)」
桔梗がそう考えていると、GHOSTから発せられた炎がおさまった。
GHOSTは光る球体に包まれており、先程と変わらず歩いていた。
すると、その球体の中から、一つの小さな影が上に打ち上げられた。
「!?」
「!!」
それは、丸こげになり、もとの姿に戻った瓜だった。
「瓜ィイ!!!」
「まて!!何かくるぞ!!」
瓜を心配して駆けだそうとする獄寺を、了平は肩をつかんで止めた。
了平が獄寺を止めた次の瞬間、突然GHOSTを覆っている球体から、楕円型の球体がついた棒のようなものが、いくつもとび出してきた。
「よけるびょん!!」
正体がわからないので、そこにいる者は全員よけた。
「!」
その光は、ルッスーリアの後ろにいるブルーベルに向かって、まっすぐに伸びてきた。
「!?」
そして、その光は、ブルーベルののどにくっついた。
その瞬間、ブルーベルはミイラと化してしまった。
「なにっ」
「味方を!!」
味方であるはずのブルーベルを攻撃したので、骸とバジルは驚いた。
「(覚醒が…始まった!!)」
GHOSTが放つ光は、レヴィの匣兵器の雷エイもつらぬき、雷エイは粉々に打ち砕かれた。
「雷エイ(トルペディネ・フールミネ)!!」
雷エイの持ち主であるレヴィは、雷エイがやられたのを見て、大きな声で叫んだ。
「カスがっ」
XANXUSは、GHOSTをなんとかしようと、両方の銃を同時に撃つが、炎はGHOSTに吸収されてしまった。
「!! (炎を吸収しただと!?)」
「!! リングの炎が……」
「あのGHOSTに吸収されてる!?」
「何もしてねーのにだだ漏れだぜ!!これじゃスタミナ全部もってかれちまう」
すると、今度はそれぞれがつけているリングから炎が漏れだし、GHOSTに吸収されていった。
「リングはつけてちゃヤバイわ!!匣兵器もダメ!!炎が効かないのよ!!」
この状況では、よける以外に選択肢はなく、ルッスーリアは、空中での光速ステップで光をよけ続けた。
「ぐおおお!!」
炎が吸収されているのは、ボンゴレ側だけでなく、ミルフィオーレもだった。
「(修羅開匣は全身匣兵器ゆえに……体中から、生命エネルギーたる炎が奪われていく!!)」
しかも、ボンゴレとは違い、ミルフィオーレは体中から炎が吸収されていた。
「バーロー。これがGHOSTの覚醒かよ!!こうなっちまったら敵も味方もねえ…。全滅だ!!!」
生命エネルギーである死ぬ気の炎を奪われたら、死に至る。しかも、自分自身の意思ではなく、勝手に吸収されてしまうので、止める手立てもない。このままでは、ここにいる者は全員いなくなってしまう。絶体絶命のピンチに陥った。
一方、そこから少し離れたところには、骸を探していたクロームがやって来て、GHOSTから放たれる光に当たりそうになったところを、骸に助けられた。
だがクロームは、骸が無事だったという安心感からか、そのまま気絶してしまった。
「おやおや、こんな時に気を失うとは……。困った娘(こ)ですね…」
骸がクロームをささえていると、そこへまた、光の線がとんできた。
だが、その光の線は、匣から出てきたベルの人形に当たった。
「師匠の場合存在自体がスプラッタですから、気を失うのもムリないですー」
その匣の所有者はフランで、匣から伸びた金属のバネの先に、ベルの人形がついてるという、まるでビックリ箱のような、妙な匣だった。
しかも、攻撃が当たった時、ベルの声で悲鳴をあげるという、細かい細工がほどこされたものだが、一応は攻撃を防いでいた。
「そのへらず口と、ふざけた匣兵器はおやめなさい」
「すんごい勢いで炎吸われてツライですー。師匠、オタスケー」
今言ったことを表すように、フランの顔は辛そうで、フランがかぶってるカエルぼうしも、シワを刻んでいた。
「ふむ。問題は、アレが何なのかです。ムクロウ…形態変化」
骸はGHOSTの正体を確かめるために、クロームから、ボンゴレリングとボンゴレ匣を奪いとると、すでに開匣されているムクロウを、形態変化させた。
すると、骸の右目には、フクロウの羽根がついている、それぞれ大きさが異なる3つのレンズが重なった、初代霧の守護者の、D・スペードの魔レンズが装着された。
「(これが、霧のボンゴレ匣…。さあ、GHOSTとやらの正体と弱点を暴いてもらおう…)」
そして、この魔レンズを使って、GHOSTの正体を暴こうとした。
「!!? (…何ということだ…。これは、生物というより…現象に近い!!これでは…手が出せない…。まさに幽霊(ゴースト)!!)」
生物でなければ、攻撃もできないので、骸は顔をしかめた。
「(白蘭め…。この切り札(ジョーカー)をつかい何を企んでいる…)」
白蘭が、なんの考えもなしにGHOSTを投入したとは思えないので、物理的攻撃もできず、一方的に炎を吸収するGHOSTを見て、骸は、めずらしく冷や汗をかいていた。
《!! ゴースト!?炎を吸いとる、真6弔花…?》
「そーだ!!奴には、リングの炎も、匣兵器も通用しない!!危険すぎる敵だ!!」
一方で、了平はツナと連絡をとっており、GHOSTのことを話していた。
「一刻も早く、ユニを連れて逃げろ!!」
すべての攻撃が、まったく通用しないとなれば、ツナ達も危険なので、残された道は逃げるしかなかった。
GHOSTの歩みと炎の吸収は、止まることなく続いた。
「!! しまっ」
隙間がほとんどなく放たれてる光の線に、ブルーベルに続き、ザクロまでも当たってしまう。
「ギョアァアア!!」
そして、ブルーベルと同じく、炎を吸われたザクロはミイラと化した。
「ザクロ!!」
とうとうザクロまでもやられてしまったので、桔梗はザクロの名を叫んだ。
更には、了平の匣兵器の我流までもやられてしまう。
「匣に戻れ、我流!!」
「くっ。ちきしょう!!」
このまま外に出たままでは危険なので、了平は我流に、匣に戻るよう指示し、了平の隣では、獄寺がくやしそうな顔で、やられて目を閉じている瓜を抱き、自分の顔を瓜の顔にすりつけていた。
「おい桔梗!!あいつは何者なんだ!!」
「!!」
そして、上を見上げて、桔梗にGHOSTのことを問いただした。
「てめえ、味方だろーが!!何でてめーまで襲われてんだ!!」
「(GHOST…)」
獄寺に問われると、桔梗は、以前白蘭に、GHOSTについて教えてもらったことを思い出していた。
それは、全17部隊長ミーティングを行っている会議室でのこと…。
白蘭が、円柱型のケースにホログラムとして映っているGHOSTを、桔梗に見せていた。
そのGHOSTは、白蘭と同じ顔をしていたが、それもそのはず。GHOSTは、他のパラレルワールドから連れてきた、もう1人の白蘭だというのだ。
しかし、現在の先端科学でも不可能で、GHOSTがいた世界を一つ潰してしまい、何とかこちらの世界に、人間の形をした生き物らしき白蘭は届いたのだが、意志をもたず、あたりかまわず死ぬ気の炎を吸いつくすミュータントなのだという。
そのGHOSTの能力テストで、地中海沖の戦艦を3隻沈めてしまい、善良なマフィア関係者も犠牲になってしまったので、復習者に捕まって、牢獄に連れていかれたが、必要になったら出してもらえばいいと、白蘭はのんきなものだった。
そしてテストでは、白蘭にとって愛すべき才能があることがわかり、それはつまり、白蘭の能力なのだということ。
そのことを、目の前にいるGHOSTを見ながら思い出していた。
「(白蘭様の言っていたGHOSTの才能とは、炎を吸いつくすことなのか…。だとすれば、なぜ我々味方までを巻き込むこのタイミングで、投入されたのだ!?)」
まだ、ブルーベルやザクロのようにミイラ化していないが、同じように修羅開匣している桔梗は、全身から炎を吸いとられていた。
炎は吸いとられ、修羅開匣でつくられたスピノサウルスは破壊され、桔梗の疑問は深まるばかりだった。
そんな桔梗の目の前では、バジルが武器でGHOSTを攻撃するが、武器に灯った炎を吸収するだけで、武器はすりぬけてしまった。
「やはり、実体攻撃はすりぬける!!炎だけ吸収されてます!!」
「リングと匣の炎が奪われて、もーヘロヘロだぜ」
「ミーのすごい匣の出番もなくて残念ですー」
「このままでは全滅だ!!いったん引くか!!」
「ダメだ!!あのヤローは、まっすぐユニの元へ向かってやがる!!くい止めねーと!!」
ずっと炎を吸収されているので、全員が疲労しており、荒い息をしていた。
全員の炎を吸収しながらGHOSTが歩いていく先は、ユニがいる場所。このままでは、そこにいるツナやユニ達が、犠牲になってしまうので、ここで止めなくてはならなかった。
その時、獄寺と了平がいる方へ光の線が2つとんできて、2人の方へ曲がってきた。
「曲がった!!」
「ヤベェ」
体がうまく動かないのに、光の線が目の前までせまってきた。このままでは、ブルーベルやザクロみたいに、ミイラになってしまう。絶体絶命のピンチに陥った。
「隼人君!!笹川センパイ!!」
それを見た魅真は、顔を青くして、2人の名前を叫ぶ。
だがそこへ、2人の前にタイミングよく山本が現れ、刀で光の線を防いだ。
「山本!!」
「武君!!」
「なんだか大変なことになっちまってんなっ。話には聞いてたが、この炎の吸収…想像以上だぜ…。みるみる疲労してく」
刀を通して死ぬ気の炎を吸われているので、山本は疲労し、呼吸も荒くなる。
「それでも何とか、あの巨人を止めねーとな!!」
「跳ね馬にスクアーロ!!」
続いて、重傷を負ったスクアーロと、スクアーロをかついで歩いてくるディーノと、その後ろからは、草壁とロマーリオもやって来た。
「おせーぞ、カスが!!」
「……ぐっ…。すまねーなあ!!」
口は悪いが、XANXUSは、なんだかんだとスクアーロを心配しているようだった。
「何してたの?まってたのよー」
「おのれ、生きておったか……」
「超がっかり」
「約2名、隊長の生存を、本気で残念がってますー」
XANXUSだけでなく、ルッスーリアも心配していたが、レヴィとベルは、スクアーロが生きていたことに、本気でがっかりしていた。
そうこうしているうちに、GHOSTの電撃が激しくなった。
「GHOSTの電撃が激しくなっている!!」
「なにをしでかす気だぁ!?」
「!! まずい!!」
それを見た骸は、顔をしかめた。
「彼はここへいきなり現れた。まるで瞬間移動(テレポーテーション)でもしたかのように。吸収した炎エネルギーを使い、再び遠くへ移動する可能性があります」
「ということは!!」
「一気にユニのもとへ!!?」
「そんなことになったら、そこにいるみんながっ!!」
「敵味方、全ての炎を吸収した奴のパワーは、ハンパねぇはず!!まずいぜ!!」
いつツナ達のいる場所へ移動するかわからず、魅真も了平も獄寺もディーノも、そのことを予想すると、全員焦りを見せる。
「それはさせない!!」
だがその時、空からツナの声が聞こえた。
そこにいる全員が、声がした上の方へ顔を向けると、そこには、空を飛んでこちらに向かってくるツナの姿があった。
「!! あれは」
「オレ達のボス!!」
「ツナ君!!」
「ボンゴレ…Ⅹ世」
「沢田綱吉」
ツナの姿を見ると、魅真、獄寺、山本は、うれしそうな顔をした。
空を飛んでいるツナと、地上を歩いているGHOSTとは距離があったが、もうツナの炎が吸われはじめた。
「(これだけ離れていても、炎が吸われるのか…。ならば…)」
ツナは死ぬ気の零地点突破改の構えをとった。
「あの構えは、敵の炎を奪いとる」
「死ぬ気の零地点突破改!!」
「沢田殿も、炎を吸収する気だ!!」
「!!」
GHOSTにまっすぐに向かっていき、GHOSTの炎を吸収しようとするツナ。
GHOSTから放たれる光の線が、いくつも、ツナの手や腕にくっついたが、ツナは炎を奪いとられ、ミイラになることはなかった。
「吸収対吸収…!?一体どうなるというのだ!!」
ツナは、まるでひっぱられるようにGHOSTに近づき、GHOSTを包みこんでる球体に触れると、その瞬間、大きな爆発が起きた。
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