標的77 敵か味方か
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同じ頃ツナは、ハイパー化して、裏の道を飛んで移動をしていた。
背中の上には、ホログラムのリボーン、後ろにはスパナがいて、スパナはパラシュートとロープをつけて、ツナにひっぱってもらっていた。
何故こんなことになってるのかというと、警備システムを破壊した後、ラルの代わりに囮役を買って出たツナは、用水路で敵を待ち構えていた。
そこへ、モスカがやって来て交戦。X BURNERで撃破するも、気絶してしまう。
実は、ツナを攻めてきたモスカの、4機のうち1機にスパナが乗っていて、ツナが気絶した時、スパナはツナを拳銃で始末しようとしたが、途中で気が変わり、ツナをかくまった。
そして目を覚ましたツナに、完璧なX BURNERを見たくなったので、自分が完成させてやると言いだし、X BURNERのフォームを自分で矯正するためのコンタクトディスプレイを作った。
だが、ツナがコンタクトディスプレイをつけた時に、視界がかすむので、スパナがコンタクトの調整をしていた時に、ツナとスパナを探していたアイリスと死茎隊がやって来て、ツナが戦い、スパナはその間にコンタクトを完成させようとしたが、途中でジンジャーがやって来た。
彼らに邪魔されながらも、スパナはなんとかコンタクトを完成させ、ツナは完璧なX BURNERで敵を撃破。
戦闘後、スパナの治療をしていると、10年前の雲雀がここに来て戦っていることと、雲雀の他に、草壁、クローム、ランボ、イーピンまでもここに来ていること、幻騎士と戦っていてかなりヤバイということを、スパナにとらえられている途中で、ツナの通信機から、ホログラムとして現れたリボーンを通じて知ったツナは、みんなを助けに向かおうとする。
そしてスパナに、コンタクトのメンテナンスは自分にしかできないからつれていけと言われたので、ツナとスパナの胴体にロープをつけて固定し、パラシュートをつけたスパナを、ハイパー化したツナが、飛んでひっぱってつれていくということになり、現在に至る。
途中ツナは、正一の匣操作で落ちてきた基地の部屋らしきものや、巨大な食虫植物やミサイルにはばまれながらも進んでいき、その先に待ち構えていた幻騎士と交戦。
ヘルリングで、戦力倍加した幻騎士につくられた、魅真達守護者や、クローム、イーピン、ラル、草壁といった、ここに来ているツナの仲間の幻覚に、ツナは首をしめられてしまった。
しかもやっかいなことに、その幻覚と魅真達の命はつながっているというので、ツナは手も足も出すことはできなかったが、死ぬ気の零地点突破初代エディションで、彼らの手を凍らして動きを止め、X BURNERで幻騎士を倒した。
倒したといっても、幻騎士は最後の力を使って離脱しただけなので、正確には違うのだが、とにかくなんとか退けることができた。
そして幻騎士を退けた後、X BURNERを撃った時にできた穴から、目的の白くて丸い装置が見えたので、ツナはリボーンとスパナとともに、飛んで装置の前までやって来た。
「っと」
ツナは綺麗に着地できたが、不安定な姿勢だからか、それとも肉体派ではないからなのか、スパナは床に倒れた。
標的77 敵か味方か
「これが…オレ達の目的…」
「うん…。正一の装置だ」
「まさか、あの幻騎士を倒すとは、計算外だった」
「!」
その時横から、ツナのものでもリボーンのものでもスパナのものでもない、第三者の声が聞こえてきたので、全員そちらに顔を向けた。
「沢田綱吉」
それは、入江正一だった。
「入江…正一!!」
正一の姿を見ると、ツナは拳に炎を灯す。
「……!! お前達は、チェルベッロ!?」
何故か、リング争奪戦の時にジャッジを務めていたチェルベッロがいたので、ツナは驚いた。
「まずは拳を下ろしてもらおう。話はそれからだ」
「…話だと?」
「聞こえなかったのか?ヘタに動けば、彼らは死ぬぞ」
「!?」
正一が脅すと、すぐ近くで機械音が響いた。
「!! みんな!!」
機械音がした方を見てみると、正一達の隣にある箱が開き、その中には円柱型の透明な箱があり、その中には、ツナ以外の全員が気絶して横たわっていた。
「ナノコンポジットの壁でとり囲み、逃げられなくなった所を睡眠ガスで眠らせてある。少しでも抵抗するそぶりを見せれば、毒ガスに変更する」
正一が言ってることは、うそでも脅しでもないと言うように、チェルベッロは、これ見よがしに、コントローラーをツナに見せつける。
「くっ」
「…正一?」
みんなを人質にとられては、ヘタに動けないので、ツナは拳を下ろし、その場で動かなくなった。
「…………よし、いいだろう」
「ハッ」
正一の合図で、チェルベッロはリモコンのボタンを押す。
すると、その箱の中にある通気口からガスが出てきた。
「…うぅ」
「ん……」
「……」
ガスが出ると、山本と了平とラルとランボとイーピン以外、全員目を覚ました。
「…………何て悪夢だ…。10代目の首を締めるなんてよぉ………」
「なんか……嫌な夢見たかも……」
まだ目がうつろな状態の魅真と獄寺は、あまり気分がよくなさそうな顔で、眠ってる間に見た夢のことをぼやいた。
それは、ツナが幻騎士と戦ってた時に、幻騎士が言っていた、ツナの首を締めている守護者達の幻覚と、本物の命はつながっているというのを、表すものだった。
「!」
「10代目!!」
「ツナ君!!」
「捕まっている!?」
意識がはっきりすると、自分達がとらえられていることと、その向こう側にツナがいることに気づいた。
「あれは…」
「チェルベッロ女!!」
「何で奴らが!?」
とらえられ、入江正一と、リング争奪戦で審判をやっていたチェルベッロがそこにいて、途中で分かれたツナがそこにいて、彼らは頭が混乱した。
「お前達の命は、我々がにぎっている。話をしたいんだ。大人しくしてくれないか?」
「!! 入江正一!!」
「やろう
!」
今回の作戦の標的が目の前にいるので、獄寺は匣を出そうとした。
しかし、その時あることに気づく。
「抵抗しようとしてもムダさ。お前達のリングと匣兵器は…全て没収した」
それは、リングも匣もないことで、そう言った正一の手の上には、箱の中に閉じこめられている者達全員のリングがあった。
「な!!」
「何!!」
「!!」
「なんてことだ……………これでは…!!」
リングも匣もとりあげられてしまっては、脱出することも、戦うことも、不可能となってしまった。
「…ぐっ…沢田…」
その時、気絶していたラルが目を覚まし、ツナに声をかけた。
「かまわん!!貴様の手で、装置を破壊しろ!!」
「!!」
そして、ツナには到底できないことを叫んだ。
「そうです10代目!!丸い装置を!!そいつをぶっ壊せば、過去に帰れるかもしれない!!」
ラルに続いて獄寺も、装置を破壊するように叫ぶ。
「……ダメ…」
けど、ラルや獄寺と違い、クロームはそれを止めた。
「てめー!この状況で、命がおしくなったのか!?」
「ちがう…でも…」
「全く、お前達の無知ぶりにはあきれるばかりだ。この装置を破壊すれば、困るのはお前達だぞ」
「何!?」
正一が言ってる意味がわからず、ツナが聞き返すと、装置から空気がぬけるような音がした。
「開く!」
「この装置に入っているのは」
そして、音をたてながら、真ん中の大きな丸い部分が、四方に開いた。
「10年バズーカで、お前達と入れ替わりで消えた…」
その中には、何かが入っていた。
「この時代のお前達だ」
それは、この時代のツナ、魅真、雲雀、山本、獄寺、ランボ、京子、ハル、イーピン、クロームだった。
中に入ってる、この時代の自分達を見ると、全員驚愕する。
「もっとも、今見えているのは、照射された、立体映像(ホログラム)のイメージであり、実際には、分解された分子の状態で保存されているがな」
けど、ツナ達が見たのはホログラムで、正一がそう言うと、装置の中には、細かい機械が組み込まれた、円柱型の筒が、人数分並んでいた。
「ど…どうなってやがる!だって、この時代のオレ達は…」
「10年バズーカの効力で…10年前に行ったはず!!」
「その通りだ。本来は、10年バズーカで撃たれた者は、10年後と現在の自分が入れ替わる…。だが、この装置により、10年後のお前達を、過去には行かせずに、ここにとどまらせているんだ。この時代のお前達が、過去に戻って余計な事をされては、7³ポリシーに、乱れが生じるからな」
「トゥリニセッテ…ポリシー…?…つか、10年バズーカを知ってるって…まさか…」
「10年バズーカの弾を当てて、オレ達をこの時代に送り込んだのは…お前か?」
「その通りだ。10年前の僕が、この時代の匣兵器と科学技術を駆使して、お前達に10年バズーカを当てたんだ。たとえば、アルコバレーノであるなら、非7³線を照射し、身動きをとれなくしてだ」
「それであの時、金縛りにあったのか…」
この時代に来る前、10年バズーカの弾に当たりそうになった時、動けなくなったので、それはそういうことだったのかと、リボーンは納得をした。
「…でも」
その横で、ツナはハイパー化がとけ、額の炎が消えた。
「…どうして!?」
そして、いつものツナに戻ると、正一に疑問をぶつけた。
「なんでそんなことしてまで、オレ達をこの時代につれてきたんだ!!」
「入江様、これ以上は…」
「いや…答えよう」
チェルベッロが、これ以上は言わない方がいいと言うように止めるが、正一はツナの質問に答えようとした。
「簡単な話だ…。白蘭サンが、この世界を手中におさめ、もう一つの世界を創るために、ボンゴレリングが必要だからだ。
この世には、力を秘めたリングが数多く存在するが、中でも、「マーレリング」、「ボンゴレリング」、「アルコバレーノのおしゃぶり」各7つ、計21個のリングを、7³という。
そして、7³の原石こそが、この世界を創造した礎だ」
「!」
自分達が持つボンゴレリングや、リボーン達アルコバレーノが持つおしゃぶりが、まさかそんな神がかりのようなものとは思わず、全員瞠目する。
「そんな…話…」
「信じる信じないは自由だが、少なくとも、7³を守ることを使命とし、人柱として7³と同化したアルコバレーノは、この話を否定しないはずだな」
「!」
「!」
そう言われると、リボーンとラルの顔がけわしくなった。
「な?え?人柱って…何?リ…リボーン達、関係してるの?」
「話は以上だ。あとはまかせた」
「ハッ」
正一は、今の質問には答えず、チェルベッロに指示を出した。
「沢田綱吉、大空のボンゴレリングを渡しなさい。さもなくば、守護者を毒殺します」
「!」
「話はまだだ、入江。お前の話には、納得できねえ部分があるぞ」
「これは交渉ではない。命令だ」
しかし、正一は何も答えず、背を向けて歩きだし、2人のチェルベッロは拳銃を構え、銃口をツナに向けた。
「3秒以内に従わなければ」
「全滅はまぬがれない」
「ちょっ、待ってよ!君達チェルベッロでしょ!?」
拳銃を向けられると、ツナは悲鳴をあげながらあわてて手をあげ、後ろにいるスパナも、同じように手をあげた。
「3」
けど、チェルベッロはツナの言うことに耳をかさず、カウントを始めた。
「くそ女が!!10代目!!オレ達にかまわず、そいつらをやってください!!」
「で…でも、そんなことできるわけ…」
獄寺が、チェルベッロを倒すように言うが、ツナにはそんなことできなかった。
「2」
「ひっ」
しかし、無情にも、チェルベッロはカウントをやめなかった。
「やれ、沢田!!どーせそいつらは、大空のリングを奪った後、オレ達を全滅させる気だぞ!!」
「でも…」
「1」
ラルに言われてもまだ迷っていたが、とうとうカウントは1にまでなってしまう。
そしてその後、弾を発射する音が2発聴こえ、全員が呆然とした。
「……………………」
「入…江…さ…ま…?」
リモコンを持っていた方のチェルベッロが、正一の名を呼ぶと、その後2人とも倒れた。
「悪く思わないでくれ。少し眠ってもらうだけだ…」
チェルベッロ達の後ろには正一がおり、その正一の手には、拳銃がにぎられていた。
銃口から煙が出ていることと、チェルベッロ達が倒れたことから、今の弾は、正一が撃ったのだというのがわかった。
「!!」
「!?」
まさかの事態に、全員驚きをかくせなかった。
「はぁ~…暑い」
すると、正一は突然、今までの重々しいしゃべり方から、どこかくだけた雰囲気になり、拳銃を床に放ると、服の襟を首から放した。
「…もう、クタクタだ…………」
そして、手で頭をかく。
「一時はどうなるかと思ったよ…」
更には、隊服のファスナーを下にさげて、上着をぬいだ。
「沢田綱吉君と仲間(ファミリー)のみなさん」
突然の正一の変わりように、全員何事かと目を見張る。
「あ…。キンチョーがとけて…ヒザが笑ってる…」
正一は、隊服をぬぎすてると、今度はひざが震えた。
「ふぅ~」
そして、息を吐きながら床にすわった。
「よくここまで来たね。君達を待ってたんだ………。僕は君達の味方だよ」
床にすわると、信じられないことを口にする。
その表情も、その話し方も、その仕草も、先程までのあの正一とは思えないものだった。
「!! オレ達の味方だって!?」
「う…うん。そうなんだ…」
ずっと標的とし、この基地で自分達を追いつめていた人物が、突然味方だと言ったので、全員困惑した。
「普段、僕の行動は、部下と監視カメラによって、24時間、白蘭サンにつつぬけになってたけど、君達が全てをメチャクチャにしてくれたおかげで、やっとこうして、ミルフィオーレでの立場を気にせずに話せるよ…。
はぁ~。ずっとこの時を待ってたんだよ…。
この基地での、この状況での出会い方こそが、僕らの設定したゴールだったんだから」
「!? ゴール…?」
「な…何言ってやがる!!」
「ミルフィオーレがボンゴレリングを奪うために、君達を、この時代に連れてきたのは事実だが、君達がこの時代に来てから、僕を標的にして、ここに乗りこむようにさせたのは、僕が、ミルフィオーレに秘密で仕組んだ計画だったんだ」
正一は、獄寺の質問に答えながら、その場を立ちあがる。
「君達を鍛えて、強くなってもらうためにね」
「「「「「「!!」」」」」」
「「!!」」
「たくさんひどいことをして…本当に、ゴメン…。でも、これから来る戦いに備え、短時間に飛躍的な成長をしてもらうには、この方法しかなかったんだ!!」
「…………? これから来る戦い…?」
「そうだ!!君達の本当の敵は、僕じゃない」
「ふざけんな!!作り話に決まってるぜ!!てめーがやばくなってきたんで、オレ達を丸め込もうってんだな!!」
獄寺が正一の話を信じず、激昂する。
「獄寺の言う通りだ!!そんな話、信じられるか!!」
「ま…待って!考えてみてくれよ!!」
獄寺に続いてラルも激昂すると、正一はあわてて止めた。
「君達を殺そうと思えば、もっと早く殺せたさ!!」
「「「「「「「「!」」」」」」」」
「いくらミルフィオーレが油断していたとしても、天と地ほどの戦力差だ。君達をいっぺんにじゃなく、何人かずつ、この時代の君達と入れ替えたのも、この時代の君達に、過去の君達を導いてもらうためだ。この基地に来てからも、僕がもっと早く基地を動かして、君達を捕えることもできた。だがそれでは、君達が経験を積むことができないから、ワザとモタついて遅らせたんだ!!
それだけじゃない。守護者でない、イーピン・笹川京子、三浦ハルまでを、過去からこの時代に連れてきたのは、なぜだかわかるかい?」
「?」
「人は、守るものがあると強くなれる。そのために、必要だと判断したんだ」
「「「「!!」」」」
正一の口から出たとんでもない事実に、魅真、獄寺、ラル、草壁は目を見張り、同時にツナは走り出した。
「現に…」
まだ話している途中だが、ツナは正一に詰め寄り、正一の腕を勢いよくつかむと、次に胸ぐらをつかむ。
「そんな…!!そんな理由で!!もし京子ちゃん達に何かあったらどーするんだ!!京子ちゃん達だけじゃない!!鍛えられる前に、魅真ちゃんや山本や獄寺君やラル…。みんな、この戦闘で、死んでたかもしれないんだぞ!!」
ツナは今までの不安をぶつけるように、正一に叫んだ。
「……………その場合は…それで仕方ないんだよ…」
けど、正一の口からは、またしても、とんでもない言葉が出た。
「!」
「んだと!」
「仕方ないって…」
「…そんな」
「うう~ん………」
ツナ達に責められると、正一は頭をうつむかせて、体を震わせた。
「僕だって一生懸命やってるよ!!予想外のこととか起きて、大変だったんだぞ!!これは、君達が思ってるほど、小さな問題じゃないんだ!!」
そしてうなったかと思うと、突然顔をあげて、大きな声で叫ぶ。
「それに、この計画は、この時代の君の意志でもあるんだ。綱吉君!!」
「!! オレの…!?」
この計画は、正一の独断ではなく、この時代の自分もかかわっていたので、ツナは驚いた。
「この計画は絶対にバレないように、僕と、10年後の君と、10年後の真田魅真と、10年後の雲雀恭弥の、4人だけの秘密だったんだ」
「私……?」
まさか、自分がかかわっているとは思わず、魅真も驚き、雲雀も何も言わないが、反応を示した。
「10年後の雲雀君が、こちらの奇襲を予想できたのも、そのためなんだ」
「なんと…」
「そして、10年後の君は、関係ない仲間を巻き込むことには、最後まで躊躇していたが、最終的に、過去の自分達の成長に必要だと了承したんだ」
「そっ…そんなぁ…。…オ…オレが…?」
この時代の自分が、京子達を巻き込むようにしたと知ると、ツナはショックで、正一の服から手を放した。
「ありえん!!沢田の性格は知っている!!」
「そーだ!!10代目は、チビを巻き込んだりしない!!」
「あ~も~」
ここまで説明をされても、それでもラルと獄寺は、正一の言ってることが信じられなかった。
2人に否定されると、正一は頭をかいてうなる。
「それぐらいヤバイ状況ってことでしょ!?話の流れで察してくれよ!!」
「………………正一…逆ギレ」
なかなかわかってもらえないので、逆ギレすると、スパナは口もとをおさえて笑った。
「全てを賭けてこの事態に対処しないと、君達も、君達の仲間も全滅しちゃうんだって!!それどころか、もっと多くの人々の…ヘタすれば人類の危機なんだぞ!!」
「人類の…危機…?」
「それと、これから来るっていう戦いが、関係してるんだな?」
「え?あ…うん………」
「…リボーン!?…………」
「オレは信じてやってもいいと思ってるぞ。オレが感じていた、疑問の答えとしては、今んとこ、つじつまが合っているからな」
「…!」
「リボーン君」
「リボーンさん…」
「…………」
「あ…ありがとう………。そうだ…。君達の敵となるのは…」
正一はリボーンだけでも信じてくれたので、どこかほっとしていた。
「白蘭サンだ」
そして、ツナ達の本当の敵の名前を口にする。
「やっぱり…」
白蘭が本当の敵だと言われると、ツナは納得した。
「あ (オレ、今やっぱりって…)」
けど、今納得したのは、ボンゴレの超直観が働いたからだった。
「白蘭サンは、7³を集め、この世界を自分のものにするためには、手段を選ばない…。そういう人だ…。彼はこの意志を、"7³ポリシー"と名づけた…。そして、それが達成されれば、今の比じゃない、地獄絵図を見ることになる…。自分の思い通りにならない人間・集団・国までも、抹殺するだろう…」
正一は、白蘭がどんな人間かを語った。
顔が青ざめ、冷や汗をかいた、今の正一の表情を見れば、どれだけ白蘭がヤバイ人間かというのが、わかるほどだった。
「だとすると、1つわかんねーな。何で今まで、白蘭に手をかしてきたんだ?」
「ん?」
今の正一の言葉に疑問を感じたリボーンは、その疑問を正一にぶつける。
「おまえが、10年バズーカでボンゴレリングをこの時代に運ばなければ、奴の目的は達成されないはずだ。そうすれば、最終的に、犠牲は少なくて済んだかもしれねーぞ」
「…うん…。一時的にはね。でも、僕の手などかりなくても、彼はいずれ、君達を未来に連れてくる…。それに、僕がこのやり方にこだわった理由は他にある。彼を止められるのは、この時代だけなんだ」
「?」
「今この時代に倒すしか、白蘭サンの能力を封じる手はない!!」
「能力!?」
「説明すると長くなるが…ん?」
正一は話している途中で、あることに気づき、話すのをやめた。
「あっ、忘れてた!!」
「?」
そして、突然大きな声で叫びだす。
「ボンゴレ基地に、何か連絡は?」
「? ないぞ…」
「まだか…。そうか。まだだよな…」
急に叫んだと思ったら、今度はリボーンに質問をし、返ってきた答えを聞くと、冷や汗を流した。
「う…また緊張してきた…」
そして緊張のあまり、お腹を壊してしまい、お腹を抱えてその場にすわりこんだ。
「どうか…したんですか…?」
「君達がここに辿り着くことが、白蘭サンを倒すための一つめの賭けだった。それを第一段階だとすると、クリアすべき、第二段階があるんだ!!」
「え!?まだ戦うの?」
「へっ?いや…ちがうよ。君達には、しばらく傷をいやしてもらうつもりだ。もっともそれができるかどうかは、この第二段階次第だけど」
「何なんだ?その第二段階って」
「聞いてるだろ?ボンゴレは今日、全世界のミルフィオーレに、総攻撃をしかける大作戦に出るって」
「あ…そういえば」
「その作戦が失敗すると、全ては一気に難しくなる…。一番のカギとなるのは…
イタリアの主力戦だ」
そう……それは、イタリアにいる、この時代のヴァリアーのことだった。
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