標的71 別行動
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「この警報!!」
「敵に見つかったのか!?」
「ジンジャーの奴…。予告通りに通報したというわけか…。すぐに、警備システムを破壊するぞ!」
「おう!!」
警報音が鳴ってるということは、敵に自分達の存在が知られたということなので、全員急いで警備システムがある方へ走り出した。
「!」
ただ、ラルはジンジャーとの戦いで重傷を負ってしまい、走っている途中でふらついてしまった。
同じ頃、司令室では、目の前のモニターにツナ達の姿が映っており、それを見ている正一は、呆然としていた。
「何だこれは…。なぜ、ここにこいつらが…ボンゴレがいるんだ!!!」
侵入を感知していないのに、すでに地下8階にまで来ていたので、何故こうなっているのかと、正一は驚愕する。
標的71 別行動
「ボンゴレアジトはどうなってる!!強襲隊との連絡は、まだ取れないのか!?」
「ハッ。一向に電波障害がおさまりません」
「……………………」
何故、未だにおさまらないのかとふしぎに思っていたが、すぐに冷静になり、考えこんだ。
「ハメられたな」
そして、すぐにそのことに気づいた。
チェルベッロや周りの隊員は、ハッとなって正一を見た。
「ボンゴレの電気施設を破壊したために起きている、電波障害という報告は、デタラメだったんだ…。これは、事故をよそおった、奴らの罠だったんだ!!」
「入江様…」
「まずこのやかましい警報を切ってくれ!!」
正一は顔を下に向け、顔を手で覆っていたが、チェルベッロに声をかけられると、顔をあげ、眼鏡をとって、チェルベッロに命令をした。
「ボンゴレアジトへ偵察を送れ!!少人数でいい」
「ハッ」
「警備システムサーバーへは、Cランク以上の兵を回せ!!」
「了解っ」
次に、周りの隊員に指示を出した。
「だが、なぜ今まで気付かなかったんだ…。監視カメラには映らなかったのか」
《カメラに偽景フィルターをつけられてっからね》
その時、正一の疑問に答えるように、モニターの向こうから、女性の声が聞こえてきた。
《ハーイ。大将》
「アイリス!!」
それは、先程までこの部屋にいた、アフロ頭の女性だった。
《あいつらの通ったルートには、いつもと変わらぬ光景が映し出されるように、このフィルターが設置されてたんだよ。まっ、ステルスリングを使えば、取り付けは可能だぁね》
モニターに映っているアイリスは、フィルターの中に指をいれて、くるくると回して遊んでいた。
「アイリスおまえ、奴らの潜入に気付いていたのか!?」
《いんや、アタイが気付いてたのは異変だよ。格納庫に振動があった時に映し出された画像の一部に、欠けがあったもんでね》
「格納庫?」
そのような報告は何も聞いていないので、正一はなんのことかと思った。
「ハッ。周辺から震動が確認されていたのですが、私の判断で入江様には…。申し訳ありません」
なんのことかと思っていると、後ろにいたチェルベッロが、先程のことを謝罪をした。
《色んな失態(ポカ)が重なっちまったようだねぇ》
アイリスがそう言うと、まるこげになって、背中で手足をしばられた状態のデンドロが映し出された。
「!! あいつは、デンドロ・キラム!!」
《ただ、この異変に気付いたのは、アタイだけじゃなさそーだよ。あん時の様子じゃ、ジンジャーとターバンオヤジも気付いてたねぇ。んん?》
話していると、突然すべてのモニターで、砂嵐が起こった。
「!!」
「警備システムサーバーが、破壊されました!!」
「警備システムダウン!!」
「何をしている!!早く、誰かを向かわせろ!!」
「それが、ボンゴレアジト強襲に、Cランク以上は割かれておりまして…」
「そんなことはわかってる!!誰か近くにいないのか!?」
「ブラックスペルのスパナBランクが、B9Fで整備中です!」
「スパナ?奴がいたのか…。ツイているぞ」
焦っていた正一だが、スパナという名前を聞くと安堵した。
「個人とのモニター通信はできるな?」
「ハッ」
「繋いでくれ」
正一に指示され、隊員が通信を繋ぐと、モニターには、作業着を着た、金色で、少々クセのある髪の毛をもつ男が映し出された。
「やあスパナ、僕だ。ボンゴレが、B8Fの警備システムに侵入して破壊した。君に、ただちに迎撃してほしいんだ」
《………》
そう言われると、スパナは整備している手を止め、腕につけた小型のモニターに映る正一を見ながら、少し考えごとをした。
《ウチのは飛び回るんで、ナビが欲しい。この基地の、細かい裏道までわかる、3Dマップをダウンロードしてよ》
少し考えこむと、自分の要求を述べた。
「そ…そんなトップシークレット…」
「よかろう」
隊員が戸惑っていると、正一は即許可をしたので、チェルベッロも隊員もびっくりしていた。
「許可するよ。スパナ」
「入江様!!」
《……………………》
許可がおりると、スパナは口の中を動かしながら、もう一度考えごとをする。
《警備システムが使えないなら、敵の逃避ルートは限定できた方がいい。メインルートにあるゲートを全て閉じてよ》
「わかった。ただちにやらせる。だが、アレは細い裏道を通れるのか?」
《うん》
そして、再度違う要求を述べた後に質問をされると、明るい顔で、口の中にあった飴を取り出して返事をした。
《通れない所は壊す》
スパナの後ろには、ツナと獄寺が、初めてこの時代に来た時に遭遇した、あのストゥラオ・モスカが何体もあった。
スパナは、このモスカの整備をしていたのだ。
それだけを言うと、スパナは通信を切った。
「…………」
「いいんですか?この基地の全マップを渡してしまって…。トップランクとはいえ、スパナ氏はブラック…」
「今はブラックもホワイトも関係ない。我々はミルフィオーレだ。僕も、技術畑出身だから、ニオイでわかるんだ。彼は、機械への純粋な熱意で務めてくれている、信頼できる男だよ。現に、彼のチューンしたストゥラオ・モスカは、ミルフィオーレ最強クラスのスペックを誇っている。ノーマル・モスカを一般車両とすれば、フォーミュラマシンと言えるほどのね」
今ここで、全権をにぎっている、大将の正一の許可がおりたといっても、相手はブラックスペルだし、基地の全マップはトップシークレットだしで、隊員はまだ戸惑っていたが、正一は自分の、スパナに対する評価を淡々と述べた。
「(それに…。この基地のマップなど、くれてやっても、何も困りはしない…)」
しかし、本心は別のところにあった。
確かに、スパナへの評価はうそではないだろうが、それでも正一には、別の思惑があった。
そして、その地下8階では、警備システムがあるところで、爆発が続いていた。
「よし!警備システムの破壊は成功だな」
ツナ達は、警備システムから離れたとこの角にいて、身をひそめていた。
「そんじゃあ、主要施設の破壊に移っか!!」
「待てよ」
「?」
この後の手順は、主要施設の破壊なので、今度はそれを行おうとしたが、山本がそう言うと、隣にいた獄寺が、山本の肩に手を置いて引き止めた。
「アルコバレーノの話が済んでねーぞ」
「「!!」」
「ん?」
「何でおまえが知ってんだよ」
「………………約束でさ。修業が終わった時、小僧が教えてくれたんだ」
「なっ」
「リボーンが!!」
「武君にだけ?」
「こいつはたまげたな…………。オレだって、師匠には聞けずじまいだったのに」
「ただし、今はまだ話せねーんだ」
「なんでだよ!!」
「この作戦が終わるまでは話すなって…。これも、小僧との約束でな」
「なに!! (なぜ右腕のオレじゃなく、山本なんだ…)」
「(なんで…リボーンが山本に…?)」
「(なんでリボーン君は、武君にだけ教えたんだろう…)」
「ぐ…。リボーンさんがそうおっしゃるのならしょうがねえか…」
右腕(自称)の自分をさしおいて山本にだけ話したので、唇を噛みしめ、悔しそうにしており、見るからに納得していなさそうだが、リボーンとの約束だというので、獄寺は一応は納得をした。
「そんじゃ、行くかっ」
「おまえ達だけで行け」
気をとりなおして先に進もうと立ち上がるが、ラルだけが、すわったままそこから動かなかった。
「ラル!!」
「俺は後で行く」
「まさか…体調が!?」
「ジンジャーとの戦いで、少しハシャギすぎた…」
「「!!」」
あの時の、ジンジャーとの戦いで、おしゃぶりの力を使った時のことを思い出し、ツナと魅真はハッとなる。
「体…つらいんだね」
「大丈夫ですか?ラルさん」
一度立ち上がったが、魅真とツナはラルを心配して、再びしゃがんで、ラルの目線に自分の目線をあわせた。
「いいから行け。足手まといになるのはゴメンだ…」
「「「「「ダメだ(よ)!!!」」」」」
ラルが、自分をおいて先に行くように促すが、ツナ達は、全員同じことを言って拒否をした。
「ふざけてんじゃねーぞっ。これくらいのことは想定内なんだよ」
「オレ達は、作戦を成功させて、誰一人欠けることなく帰るんだ!!」
「だから、その提案は却下です」
「……………………」
全員が拒否をしたので、ラルは呆然とした。
その時、周りのゲートが閉まり始めた。
「メインルートのゲートの封鎖が始まったようだな。シミュレーションしていた、敵の行動パターンの一つだが…。この場合は、皆が次のポイントまで移動するまでの囮を、ラル・ミルチがやる予定だった…」
「…………」
「そーいや…」
「でも、今のラルさんの状態じゃ、とてもじゃないけど…」
「あ…あの…オレがその役をやります」
「ツナ君!!」
「ツナ!!」
「10代目!!」
「た…たしか、囮役は、機動力がいるんですよね……………。だったら、おれが一番だと思うし…」
「たしかにな…………」
「そうね。ツナ君のグローブとあの炎なら…」
「しかし、危険すぎます!!」
「大丈夫。後でおち合おう。獄寺君、ラルを頼むよ」
「くっ、10代目!!」
本当は、ツナを危険な目にあわせたくないが、ツナは大丈夫と言うし、ツナにラルのことを直接頼まれたので、獄寺は苦しそうな表情で頭をかいた。
「何かあったら、無線で呼んでください!!テレパシーでも!"右腕"が、すぐにはせ参じます!!」
「ありがと………。イテテ!!テレパシーってっ」
そして、ツナの肩を強くつかみ、断腸の思いで見送ることにした。
「くっ。ボスを危険な目に…!」
「その端末の指示通りに進め。ルートはインプットしてある。できるだけ遠く…B10Fの用水路で敵をくい止められればベストだ」
「わかりました」
獄寺が涙ぐんでいる隣で、了平がツナに説明をすると、ツナは了承する。
「じゃあ、いってくる!!」
説明をうけると、すぐに実行に移すため、ツナはそこから移動していった。
「無理はしないでね、ツナ君!!」
「頼んだぜ、ツナ!!」
「お気をつけて!!」
「……」
ツナが移動すると、魅真と獄寺と山本は、ツナの身を案じて声をかけた。
「(リボーン。お前の生徒達は…ちゃんと成長しているのだな…)」
弱った自分を見捨てることなく、弱音を吐かずに、まっすぐ目の前の困難に立ち向かっていく姿を見て、ラルはツナ達の成長を感じていた。
ツナがいなくなると、了平がラルを背負って、山本、獄寺、了平・ラル、魅真の順番で歩き出した。
地下8階まで来た時と同じように、裏道を通り、主要施設がある場所まで進んでいった。
いろんな管があったり、ダクトを通ったりしなきゃいけないので、少々進みにくかったが、表の道を使うわけにはいかないので、敵にみつからないように、慎重に、主要施設を目指していく。
そして、地下12階まで来た時……。
「聞こえたか?」
「「「?」」」
突然獄寺が、声をはりあげた。
「どうした、タコ頭!?」
「リボーンさんの声がした…」
「リボーン君の?」
「あ…。もしかして無線の雑音ぽいやつか?」
「ああ、間違いねえ!!」
「お前は耳がいいんだったな!!でかしたぞ、タコ頭!!おそらく、警備システムを破壊したことで、外部との通信を妨害するものがなくなったのだ!!違いない!!
で、何と言っていた?」
「それが、ほとんどノイズでよ…」
「ここ、地下12階だろ?あまり深い階だと、電波がとどかねーって、ジャンニーニが言ってたぜ」
「むう…。一体何の用だったんだろうな…?」
「リボーンさんのことだから、10代目に……………」
そこまで言いかけると、獄寺ははっとなった。
「まさか、10代目に何かよくないことが!!」
「待ていっ!!」
「ストップ隼人君!!」
「おっと獄寺!!」
「ぐわっ」
ツナの身に危険がせまってると思った獄寺は、引き返そうとしたが、そこを魅真、山本、了平が、獄寺の腰に抱きついて止めた。
その際に床に倒れてしまい、魅真、山本、了平は、獄寺の上にのっかる形となった。
「落ち着け。落ち着かんか!!」
「まだ何も決まってねーんだし!!」
「私達は先に進まなきゃ!!」
「重っ!!おめーら乗りすぎなんだよ!!」
ラルも含めて合計四人も乗っており、獄寺は苦しそうだったので、その後すぐに、魅真達は獄寺の上からどいた。
「沢田のことだ。心配はいらん!!デンドロとの戦いを見ただろう!!」
「そーそー♪それにまた通信が来るかもしんねーし」
「ノー天気野郎どもが!!」
「今更私達が、ツナ君のとこに引き返したら、それこそツナ君は気にするかもしれないし、私達の、本来の目的を遂行することはできないから、私達は先に進もう」
「ん……おお…」
山本と了平に対しては悪態をつくが、魅真の前では、急に大人しくなった。
「! ………どうだ?ラル・ミルチは」
そして、ふいに目にとまったラルを見て、了平にラルの様子を聞く。
「ああ、変わりはない…。意識を失ったままだ…」
ラルが背負われているのは、ただ体調が悪いだけでなく、意識を失ったからだった。
「急ごうぜ…。主要施設の破壊」
「だな!あと、どれくらいで着くんスか?」
「うむ…。裏道だからな…………20分というところだな…。最初の標的である、例の白くて丸い装置までは」
了平はそう言いながら、端末で、最初の標的である、白くて丸い装置を確認する。
一方、司令室では…。
「どうなんだ?スパナからの連絡はあったか?」
正一はペットボトルの水を飲むと、近くにいる隊員に、状況を確認した。
「いまだありません。しかし、用水路での爆発が確認されています」
「!! ……戦闘だな?誰とだ!?」
「わかりません。強制的にモニター通信を開きましょうか?」
「………いや、いい。戦闘中は気が散るから、通信は入れるなと言われている…。ピンチになれば助けを求めてくるだろうし、戦闘が終われば、何かしら知らせが来るはずだ」
「入江様」
「現状の把握と、対策シミュレーションが完了しました」
「ごくろう」
話が終わると、後ろに控えていた二人のチェルベッロが、正一に話しかけてきた。
「確認されている敵の数は、6名。敵の侵入目的を、主要施設の破壊と仮定した場合、考えられる敵の優先破壊対象は、メインコンピュータールームで、確率は42%」
「次に、この第一通信司令室で28%。そして、入江様の研究室12%。その他と続きます」
「そうか…。 (本当の優先順位は、逆なんだがな…)」
「ですが我々は、どれもボンゴレの手に落とすつもりはありません」
「ん?ああ…その通りだな」
「そこで戦力を3点に分け、それぞれに配備し、警護することを提案します」
「敵が集中していた場合は、空いた者をフォローに向かわせればいいかと」
「なるほどな。で、その戦力というのはどうなっている」
「戦歴のある、C++ランク以上の者に部下を持たせ、配備するつもりですが」
「謹慎中の者の処遇により、戦力は大きく変わっていきます」
そのことを聞くと、正一は、チェルベッロが何を言ってるのかすぐに理解した。
「第3アフェランドラ隊のことか…。……………………わかった。彼らも戦力に数えてくれ」
「はっ」
「では、現在基地にいる、C++ランク以上の戦士をリストアップします」
「第3部隊、電光のγ。ブラックスペル」
「同じく嵐炎の太猿。ブラックスペル」
「第12部隊、妖花アイリス・ヘプバーン及び死茎隊。ホワイトスペル」
「第8部隊、魔導士の人形、ジンジャー・ブレッド。ホワイトスペル」
「第7部隊、白の殺戮者バイシャナ。ホワイトスペル」
「第9部隊、鬼熊使いニゲラ・ベアバンクル。ブラックスペル」
「そして幻騎士、ブラックスペル」
「配置は、幻騎士、アイリスをコンピュータールームへ。司令室を、γ、太猿、ジンジャー。研究室を、バイシャナとニゲラで固めるつもりです」
「研究室の配置がひっかかるな。とくに、バイシャナ…。奴とあの匣は危険だぞ」
「だからこそ、戦力的にぬかりのない配置かと…。例の件でしたら、まさかこの緊急時に…」
「こんな時だからこそだ!!あの男を野放しにするな!!静止する力が必要だ」
「はっ」
「では、幻騎士を研究室に向かわせます」
「そうしてくれ (研究室に何かあっては、シャレにならないからな)」
「配置を各人に伝達せよ」
正一への報告が終わると、チェルベッロの一人は、近くの隊員に指示を出した。
「はっ。ん…?さすが、歴戦の猛者は違いますね」
「?」
「すでにニゲラ氏は、自分の判断で、研究所に向かっている模様です」
指示された隊員は、伝達する前に、ニゲラがすでに行動に移しているので、感心していた。
一方で魅真達は、今度はダクトを通って移動をしていた。
「フーっ。ダクトは細くてかなわんな………」
もともとダクトはせまいが、了平はラルも一緒に移動させているので、余計に大変だった。
「お疲れっス。次に横切る、展示室ってのは広いっスよ」
山本が了平の労をねぎらった時、急に了平が、静かにするようにと、口に人差し指をあてた。
魅真達は、了平にジェスチャーを出された通りに、声を出さず、静かに移動をして、展示室の扉の横まで来て、部屋の中からは自分達の姿が見えないように、壁に体をくっつけ、扉に近いところから順に、山本、獄寺、魅真、了平・ラルで並び、中の様子をうかがっていた。
「気付かれてんな…」
「そうみたいね…」
「いくぜ」
魅真達は小声で話し、山本の合図で、各々武器を構えて扉の前にとび出すと、そこには人がいた。
「はがぁっ」
しかし、そこに立っていた人物は、口や頭から血がふき出した。
「あれ程…とは…。オレの…熊が…」
それだけ言うと、その人物は倒れて、そのまま動かなくなった。
「なっ」
「何だこいつ!?」
「この人、ミルフィオーレの人じゃないの?なんでこんな…」
目の前にいたのは、ミルフィオーレファミリーの人間なのに、突然血を流して倒れたので、魅真達は戸惑った。
「このイレズミ。奴は鬼熊使い、ニゲラ・ベアバンクル」
何故こうなったかはわからないが、了平は、相手が誰なのかはわかっていた。
この人物は、先程司令室でリストアップされていた、あのニゲラだった。
「待っておったぞ」
魅真達が戸惑っていると、奥から、別の男の声が聞こえてきた。
「我…所望す…」
そこにいたのは、ツナがデンドロを倒した後まで司令室にいた、あのターバンを巻いた男だった。
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