標的70 宿命の対決
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「!」
「コ…コロネロだって?」
「こいつが、コロネロ君を!?」
「貴様、師匠に何をした!!返答次第では、ただではおかんぞ!!」
反応を示したのはラルだけではなく、ツナと魅真は驚き、了平は自分の師匠なので、怒りを燃やしていた。
標的70 宿命の対決
「フフッ♪何かかんちがいしているようだね」
了平が怒るも、ジンジャーは笑っていた。
「最強と謳われた、7人の呪われた赤ん坊アルコバレーノも、非7³線の放射される中じゃ、死にかけた虫みたいなもんだろ?そんな退屈なもんを、わざわざ自分の手で殺すかよ。僕はただ、残酷で笑える殺し方を提案して、ながめてただけ」
「えっ」
コロネロを殺した犯人ではないが、ジンジャーがまったく関わっていないわけではなく、魅真もツナも獄寺も山本も、今の話を聞いて気分を悪くしていた。
「貴様ぁ!!!」
残酷な話に、了平はますます怒りを燃やし、リングに炎を灯す。
「下がっていろ、笹川。こいつはオレが倒す」
だが、ラルが了平の前に立ちはだかって、ジンジャーと戦う気満々になっていた。
「待て、ラル・ミルチ!!おまえの体では無理だ!!オレが行く!!」
「冷静さを失った奴は、戦う前から負けていると、コロネロは教えなかったか?」
「くっ」
「あの女、たいしたもんだぜ…。まったく動じていない…」
「それはどうかな?僕には、怒りを抑えるのに精一杯って風にしか見えないけど」
ラルの目には、怒りの色があり、鋭い目でジンジャーを睨みつけていた。
冷静沈着のように見えるが、実は、了平以上に激しい怒りを燃やしていたのはラルだった。
「(ラル…)」
体調は悪いし、心は怒りに満ちているしで、ツナはラルを心配していた。
「でも、イジメがいは出てきたな。通報する前に、少し遊んでこうかな♪」
なんだかんだ言っても、ジンジャーはラルと戦おうと、再び宙に浮く。
「ただし、一対一(サシ)の1勝負(ワンチャンス)だけね。君を片づけたら、上に報告するよ。その頃には、僕も飽きてるだろうしね」
そう言うと、ジンジャーは指を鳴らした。
すると、ツナ達の前から、何か小さなものが床からとび出してきた。
「「「「「!!」」」」」
そしてその小さいものは、体から糸を出して、バリアのようにツナ達の前にはりめぐらした。
「なんだ!?」
「こっ、これって…クモ!?」
蜘蛛が大嫌いな魅真は、匣兵器ではあるが、蜘蛛を目にしてびびっていた。
「クモっ!!匣兵器なの!?」
「だが、匣を出す仕草はなかったぜ。奴は、手にリングもつけていない」
匣を出すどころか、リングすらつけていないのに、匣兵器らしきものが出てきたので、山本は疑問に思った。
「どうだい?僕の魔術(ソーサリー)は」
「!! ソーサリー?」
「そのクモは、君達がちょっかいを出そうとすると知らせてくれる、僕のしもべでね。ヘタに動かない方が、身のためだよ。君達全員殺さなくちゃならなくなる」
「たいした自信だな」
「!!」
ジンジャーがツナ達の方に向いて話してると、距離を詰め、後ろにまわったたラルが、ガントレットから炎の弾を撃った。
ジンジャーはあっさりとよけるが、その炎はジンジャーのあとを追ってきた。
「♪ (追尾(ホーミング)する霧の炎ねぇ)」
炎はジンジャーを追ってくるが、ジンジャーは余裕の顔だった。
「甘い甘い」
そして、左側のマントをつかんで、前に持ってくる。
「バァ~♪」
そのマントは盾となり、炎の弾を、すべて防いだ。
「!」
「あっ!!」
「がっかりさせるなよ」
攻撃を防いだジンジャーは、マントをつかんだ手で、どこからかほうきを出した。
「それでも、"選ばれし7人(イ・プレシェルティ・セッテ)"?」
そしてそのほうきの穂先から、たくさんの刃を出してラルを攻撃するが、ラルはバク転をして攻撃をよけた。
しかし、進んだ先は壁で、それ以上は行けなくなった。
ジンジャーは刃をとばし続けるが、それでもラルは冷静で、リングに炎を灯して、匣を開匣する。
だが、攻撃はラルがいる方にあたり、辺りには煙が舞った。
けど、ラルは今匣から出したムカデを体中に巻きつけて、防御をしたために無事で、傷一つついていなかった。
「おおっ。ムカデが、シールドになっている!!」
「すごい!強いよ、ラルさん!」
「まったくひけをとってないぜ」
ラルが無事だったので、全員ほっとした。
「ガキが」
今度はラルが攻撃をする番だった。
ラルは防御した状態から、ムカデをジンジャーに向かわせた。
「甘い甘い♪」
ムカデは左右から来て、ジンジャーをとらえようとするが、ジンジャーはあっさりとよけたために、ムカデは交差した。
「ここまでおいで♪」
それでもムカデは追ってきて、ジンジャーをとらえようとする。
「逆!?」
更には、後ろからも、二匹のムカデが襲いかかってきた。
ジンジャーに逃げ場はなく、ムカデはジンジャーの四肢をとらえ、しめつけた。
「ひゃっ」
簡単によけていたのに、あっさりつかまってしまったので、ジンジャーは焦りをみせる。
「うまい!!完全に先読みしてる」
「あの女、動きを予知できんのか!?」
「いいや、経験だ。幾千もの実戦を生き抜いてきたことこそが、ラル・ミルチの強さ」
「歴戦の猛者ってやつですね」
「(このしなやかさが、ラルなんだ)」
余裕の笑みを浮かべるジンジャーを、あっさりととらえてしまったので、魅真、ツナ、獄寺、山本は感心していた。
「コロネロを殺った実行犯を吐け」
「! なんだ、やっぱり気になるんだ。フフ♪だーれが言うかよ」
ジンジャーが要求を拒むと、ラルは右手のにぎり拳を胸のあたりまでもってきた。
「ぎっ!!」
すると、ムカデがジンジャーの四肢を強くしめつけた。
「ぐわあぁ!!」
その痛みに、ジンジャーは悲鳴をあげる。
「そのムカデは、万力のように、手足をしめあげるぞ。またその手で飯を食いたいのなら、吐け」
「やめろぉ!!折れる~!!」
「待ってラル!!」
「ラルさん!!」
苦しんでいるジンジャーを見ると、ツナと魅真はラルに声をかけた。
「なんてね♪」
しかし、ジンジャーは急に余裕の表情を見せ、指を鳴らす。
すると、急にラルの肩が、内部爆発でも起こしたかのように破裂して、大量の血しぶきをあげた。
「!?」
「!?」
「えっ…」
突然のことに、ラルは何が起こったのかわからず、魅真とツナは顔が青ざめた。
「ざっとこんなもんかな」
「ぐ」
今の正体のわからない攻撃で、ラルは床にひざをついた。
「楽しいのはこっからだけど♪」
そう言うと、ジンジャーの四肢がとれる。
だが、それは義手と義足で、ジンジャーは宙に浮きながら、腕を組み、あぐらをかいていた。
「義手に義足!!」
「あ、ラル!!」
「ラルさん!!」
「うう!!」
ラルはうめき声をあげながら、破裂した腕を確認する。
「ぐっ (クモだと!!?)」
確認してみると、先程血がふきだしたところからは、無数のクモが、ラルの腕から出てきていた。
「(バカな!!体内から……!?)」
何故か蜘蛛が体内から出てきたので、ふしぎに思ったが、その疑問はすぐにわかった。
蜘蛛が、晴の死ぬ気の炎をおびていたのだ。
「(かすかに晴の炎を帯びている…) どういうことだ…」
匣を開ける動作も、リングに炎を灯す動作すらなかったのに、何故体内から匣兵器の蜘蛛が出てきたのか、ラルはまた疑問に思う。
だが、少し考えるとすぐに答えがわかった。
「この部屋に入ってすぐに被弾したのは、活性する前の晴の匣兵器か!!」
「ご名答!これに関して言えば、魔術(ソーサリー)ってのは嘘♪君の体内に撃ちこまれたのは、超微粒の晴の匣兵器、晴クモ(ラーニョ・チエル・セレーノ)の卵でね。僕の合図で"活性"して、成虫となり、人の体を突き破って出てくるのさ」
「!! 何だって!?」
かなりエグい匣兵器なので、ツナは青ざめ、魅真は何も言わないが、気分悪そうにしていた。
「最初のクモも、仕組みは同じ。そして、まだ君の体内には、何千もの晴クモの卵が巡っている」
「!」
「そ…そんなことが!!」
「ほーら♪」
「ぐはっ」
今言ったことが本当だと言うように、指を鳴らすと、今度はラルの頭から晴クモが出てきた。
「ああっ」
「おのれ!!」
「おっと、ヘタに動いてみなよ。次は心臓を突き破るかもよ♪」
「くっそう!!」
「フッフフ♪楽しませてくれたお礼に教えとこうか、ラル・ミルチ」
「!」
「コロネロは、最期に、一緒に戦っていたアルコバレーノ、バイパーをかばって死んでいったよ」
「!!」
「彼は、人の身代わりになるのが趣味みたいだね。聞いた話じゃ、アルコバレーノが生まれたあの日もそうだったんだろ?」
「(…………運命の日…)」
ジンジャーが突然コロネロの最期を語ると、ラルは何年か前のことを思い出した。
あの日…風が強く吹く崖の上の道を、7人の人間が歩いていた。1人はラル・ミルチ。他には、大きなふくらんだ帽子をかぶった者、チャイナ服を着たみつあみの者、フードをかぶった者、白衣を着た者、肩あてや肘あてをつけたライダースーツを着た者、そして、スーツを着ている、黒い帽子をかぶった者だった。
彼らが頂上へ向かっていく途中、スーツを着ている者は、どこまでついてくる気だ?と、拳銃を取り出し、構える。その先には、金髪で軍服を着た男がいた。
ラルはその男をコロネロと呼び、何しにきたと叫ぶ。するとコロネロは、あんたの代わりにオレが行くぜと答えたのだ。
「(コロネロ…)」
「傑作だったのは、助けられたバイパーも、勝ち目がないと見ると、自ら命を絶って死んでいったのさ」
ラルが、運命の日のことを思い出していると、気分が悪くなる話を、ジンジャーはおもしろおかしく語った。
良い話ではないので、魅真、ツナ、山本は、気分悪そうに顔をゆがめる。
「笑っちゃうだろ?バイパーもアホだが、コロネロという男の性分を、よく現している。おせっかいの役立たずさ。君がその濁ったおしゃぶりを手放せないのも、奴が助けそこねたからなんだろ?裏目裏目の男、コロネロ♪」
「(それは…ちがう…)」
ジンジャーはコロネロをバカにし、嘲笑うが、ラルはその手におしゃぶりを持ち、心の中で否定した。
そして、再び昔のことを思い出していた。
それは、アルコバレーノとなって、おしゃぶりを受け取った時のことだった。
コロネロはラルを助けようとしたみたいだが、完全に助けることはできず、青いおしゃぶりはコロネロが、濁ったおしゃぶりはラルが持っていた。
コロネロがラルに謝罪すると、ラルは、おまえはいつも詰めが甘いとダメ出しをする。
ラルの呪いは、使ったりしなければ徐々に解けていくので、これを機に静かに女らしく暮らせと言われると、ラルは怒り、これからどうするのかと問う。そうしたらコロネロは、とりあえずは生きると言った後に、ラルの頬に手をあてて、一緒に来るか?と聞いた。
そのことに、ラルは顔を赤くして反発するが、コロネロは冗談だと…二度と会うことはないだろうと言って、ラルのもとを去っていった。
去り際に、早く呪いを治せと言い残して…。
「(コロネロ…)」
「しかし、悲惨な人生だったね、哀れなラル・ミルチ。それもこれも、アルコバレーノ一のおせっかいバカのせいってわけだ。裏目のコロネロのね♪」
「…………撤回…しろ。 (コロネロ…すまない…)」
ラルはふらつきながらも、話しながらその場を起き上がる。
「?」
「「!」」
すると、ラルの右目の下にあったアザが、左目の下からも現れた。
「(おまえの言いつけ…守れそうにない!!)」
アザが左目の下からも現れると、持っているおしゃぶりが、強い光を放った。
「どうなってる!?」
「なんだ!?あの青い光は!!」
突然おしゃぶりが青く光ったので、全員何事かと思った。
「コロネロへの侮辱を撤回するか、死を選べ。ジンジャー・ブレッド」
「大丈夫かよ、あいつ…」
「アザが…増えてる…?」
「顔のアザが…ラル!!」
突然アザが増えたので、魅真達はラルを心配する。
「醜いなぁ♪それは、なりそこないになった時の、中途半端な呪いの名残りだろ?まぁでも、君も、まがりなりにもアルコバレーノってわけだ。君の濁ったおしゃぶりは、もう使いものにならないと思ってたよ。ただ、残念なことに、ラストスパートが遅すぎたね。この指を鳴らせば、クモが飛び出し、君の体は粉々にはじけとんで、おしまい♪」
ジンジャーは今言ったことを実行するために、右手をあげて、指を鳴らす構えをとった。
「「「!!」」」
「いかん!!」
「やめてっ!!」
「まっ、待って!!!」
ラルの命の危機なので、ツナ達は顔が青くなって、ジンジャーを止める。
「いいね~♪悲痛の叫びを聞くと、よけい鳴らすのが楽しくなるよ♪」
対してジンジャーは、楽しそうに笑い、親指と中指を合わせた。
「やめろーーっ!!!」
「ダメっ!!!」
ツナと魅真はやめるように叫ぶが、ジンジャーは待つはずもなく、指を鳴らした。
しかし、ラルの体は何も起こらなかった。
「確かにオレは、なりそこないだ」
「!!」
「!!」
「おお」
「よかった」
「ラル!」
何があったかはわからないが、ラルが無事なので、ツナ達はほっとしていた。
「あれ?」
何故か何も起こらないので、ジンジャーは何度か指を鳴らす。
けど、何度鳴らしても、クモはラルの体内から出てくることはなかった。
「不完全な呪いに蝕まれたオレの体は、歪な体質変異を起こし」
「!」
「体内を巡る波動までもが、霧と雲の属性に変わってしまったんだ」
「……」
何度指を鳴らしても、全然クモが出てこないので、ジンジャーは何があったのかまったくわからず、口をあけてラルを見た。
「だが、このおしゃぶりは変わらない。本来、コロネロではなく、オレが受け取るはずだったこの青いおしゃぶりは、オレの命と引き換えに炎を放つ」
ラルのおしゃぶりは、先程までは濁った色をしていたのに、いつの間にか、コロネロと同じで青い色になっていた。
「属性は雨」
そして、そう言った瞬間に、体から青い炎が出て、ラルを包んだ。
「あっ、死ぬ気の炎!!」
「オレと同じ色だぜ!!」
「(そうか!!) なぜ、クモが体を突き破り、出て来ないのかわかったぞ。あのおしゃぶりの力だ!!クモの卵を急成長させる、晴の"活性"の力を、雨の"鎮静"で、相殺したのだ!!」
「なるほどね~♪そういうことか♪」
了平が説明すると、ジンジャーは納得し、笑っていた。
「で…でも、匣兵器じゃなく、ラル自身が炎を纏うなんて…」
「オレも初めて見るぞ。肉体から炎など…」
「アルコバレーノの肉体構造は、お前達とは異なる」
「「「「「!!」」」」」
「その肉体に背負わされた宿命。苦しみと絶望は、誰にもわかりはしない。オレがあのままアルコバレーノになっていたら、魂を病み、バイパーの最期と同じ道を選んでいただろう…。コロネロがいたから…」
昔のことを語っていると、ふいに、あの時コロネロが言った、「生きるぜ」という言葉を思い出す。
「オレは生きたんだ。あいつのおかげで、生きてこれた」
何があったのかはわからないが、聞くかぎり、とても過酷であろう話に、全員なんともいえない表情になる。
「(コロネロ…。おまえがいなくなってオレは…後悔ばかりだ…)」
いつも弱音を吐かないのに、ラルは昔のコロネロとのことを思い出すと、目から涙があふれ、涙はゴーグルの中にたまった。
「ほーう♪君にとって、コロネロは救世主みたいだね。でも、結局君もここで死ぬんだし、またコロネロのしたことは報われないのさ♪」
「ジンジャー…………」
ラルは青いおしゃぶりを首にかけながら、ジンジャーの名前を呼ぶ。
「死ぬのはおまえだ!!」
それはジンジャーと決着をつけるためだった。
ラルは炎を大きくすると、跳躍をしてジンジャーに向かっていき、連続で殴りつけるが、ジンジャーはそれをほうきで防御した。
「ひょい♪」
けど、途中でラルの上に飛んで、ラルの攻撃をよけた。
「勢いは認めるけど、まっすぐにしか進めなくちゃ意味ないよ」
ジンジャーは余裕の表情を見せるが、ジンジャーがよけたことでジンジャーの後ろにいったラルは、ムカデをつかみ、ロープのように使い、体を支えた。
いつの間にか、ムカデは壁にしばられていたので、ラルはそれ以上進むことはなかった。
「え!?」
まさかの事態に、ジンジャーは動きが止まる。
「!」
そしてその隙に、ラルはジンジャーの背後にまわって、背中からジンジャーに抱きつき、同時にヘッドロックを決める。
ジンジャーの体に足を巻きつけて固定し、ムカデも、二人の周りに一定の空間をあけて巻きつき、すぐにでもしめられそうになっていた。
「最後のチャンスだ。撤回するか死かを選べ」
更には、別のもう二体のムカデが、ジンジャーに向かって襲いかかってきた。
「ヤダヤダ。しつこい女だな~。だーれが言うかよ♪僕が本気を出せば、こんな拘束へでもないね。甘い甘いバァ~…」
それでも余裕の顔を見せるジンジャーは、この状況から抜け出そうとした。
「!? (意識が…遠のく…)」
けど、突然意識が遠のいたので、ジンジャーは動くことができず、そのまま二匹のムカデに体をつらぬかれた。
敵とはいえ、残酷なシーンに、魅真、ツナ、獄寺、山本は顔をゆがめ、顔が青ざめていた。
「オレの炎の鎮静力を、甘く見すぎたな」
「くっ…そー」
ジンジャーは段々と目が虚ろになりながらも、ラルにやられたことに悔しがった。
「でも…いいのかい?これで、コロネロを殺した実行犯は、聞けなくなるんだよ………?」
「おまえを生かしていたところで、どうせ話さないだろう。自分で探す」
「憎たらしいメスだなぁ…。でも…あ~~~~~~~~~~~~~~楽しかった♬」
話している途中で、ジンジャーの目や鼻や口からは、泡が出てきた。
「! (これは!!)」
その泡を見たラルは、まずいと思った。
「ふせろ!!」
「「「「「!!?」」」」」
そして、ツナ達に注意を促す。
その直後、ジンジャーは爆発した。
「ぐっ」
「きゃあ!」
「うわっ!!」
爆発の際に起こった煙は、部屋中に充満し、ラルの姿が見えなくなった。
「ラルさん!!」
「ラル!」
「見たか、山本」
「ああ、向こうだ」
「あ!いた!!」
全員ラルを心配して、爆発が起こった方へ走っていくと、床にはラルが倒れていた。
「大丈夫か!!」
「ラル!!」
「ラルさん!!」
「う…ああ…」
「ラル…」
「大丈夫ですか?」
ラルはなんとか無事だった。
まだ体が痛むが、ラルはなんとか起き上がり、魅真とツナは、心配そうにして、ラルにあわせてしゃがみ、安否を確認する。
「とっさに、ムカデのシールドを展開したんだな」
「そうだ」
「やっぱすげーよ、ラル・ミルチ」
「本当…。すごい戦いでした」
「………極限によく倒したな。奴も、師匠の仇の一部に違いはない」
「…倒せなかった」
「「「「「!?」」」」」
「見ろ」
「「「「「!」」」」」
ラルに言われて、ラルが顔を向けてる方へ、全員目を向ける。
「なっ。人形!!?」
そこにあったのは、死んだ人間ではなく、壊れて下半身と上半身が真っ二つになり、全体にヒビが入った上半身と、手と下半身がバラバラに砕けてしまった、見た目が陶器のようになっているジンジャーだった。
「あれが、ジンジャーが魔導士の人形と呼ばれる所以だ。いまだ奴に、とどめを刺した者はいない…。不吉な殺し屋でな。ここ数年、ファミリーが滅亡するような抗争では、必ず目撃されている」
「…恐っ」
「まるで妖精だな」
「妖怪のまちがいじゃないっスか?」
ジンジャーについてラルが説明すると、ツナは顔が青ざめ、ぞっとしていた。
「(道化師(ジンジャー)までも、味方につけるとは…。一体ミルフィオーレには何がある)」
「おい、ラル・ミルチ。そろそろ教えてくれてもいいんじゃねえか?」
「?」
「アルコバレーノの、謎ってのをよ」
獄寺の口からその言葉が出ると、ラルは過剰に反応をし、魅真、ツナ、了平、山本は、ラルをまっすぐに見た。
「…断る」
しかし、ラルは答えることはなかった。
「てめっ。いつまでも、一人でしょいこんでんじゃねーよ!!何で話せねーんだよ!!」
けど、獄寺は決して、ただの興味本位で聞いたわけではなかった。
「何と言おうと、オレから話すつもりはない」
「!」
「どうしても知りたければ山本に訊けばいい」
「なっ。野球バカが…?」
「え!?山本知ってんの!?」
「武君、本当に?」
「ん…?まあな」
魅真、ツナ、獄寺の三人に聞かれると、山本は言いにくそうに答えた。
その時、けたたましい警報音が鳴り響いた。
「「「「「「!!」」」」」」
話の途中だったが、それどころではなくなってしまい、全員けわしい顔で、音が響いている方を見た。
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