標的67 突入前夜
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「おめでたいわね、ハヤト。修業をさぼってペットの世話とは」
「(ビアンキ!)」
「ビアンキさん」
ビアンキとの修業をばっくれたので、ビアンキに嫌味を言われるが、獄寺は顔をあげて、キッと睨みつけた。
「余計な世話だぜ。SISTEMAC.A.I.は、もう理解した」
そして、次に獄寺が言った言葉に、ビアンキは目を見開いて固まった。
「何なら試してみるか?」
「(シーエーアイ?)」
「(システーマシーエーアイって…一体なんだろう…?)」
けど、ビアンキ以外は、それがなんのことなのかさっぱりわからず、疑問に思っていた。
「おお、ここにおったか!!」
すると、今度は了平がやって来た。
「じ…次期相撲大会について話し合うぞ!!作戦室(ブリーフィングルーム)に来てくれ!!」
「またお相撲?」
「(む…無理があるんじゃ…)」
「(もうちょっと、上手な誤魔化し方はないのかな…)」
状況からしてもそうだが、20歳を越えた大人が相撲大会というには、かなり無理があり、ツッコミどころがありすぎるが、魅真とツナは、京子達の前で口にすることはしなかった。
了平に呼ばれると、魅真、ツナ、獄寺、山本、ビアンキ、リボーン、フゥ太は作戦室へ行き、それぞれ席についた。
「ミルフィオーレのアジトの図面ですか!?」
「ああ、敵の情報ファイルのいくつかが、ヒバリのアジトのサーバーに流れ込んでいたのだ。敵のアジトの図面と、内部の施設についてのものらしい。見てくれ」
それぞれの席にある画面には、いくつかファイルが出ていて、一番上のファイルには、何やら正方形の部屋がたくさん並んでおり、その部屋によっては、白かったり黒かったり、迷路のように道があったり、部屋があったりするものだった。
「この図面が本物なら、たいしたもんだな。だが一体、誰がこんなことしたんだ?」
「もしかしてだけど…。骸ってことは考えられませんか?」
「あ、その可能性はあるかも」
「確かにこういうやり方は、直接マフィアに手を貸さぬ、あの男らしいとも思える…。だが、ファイルの送信は、2時頃途絶えたそうだ…」
「そんな…………」
2時頃といえば、ちょうどクロームが内蔵を失って大変だった時なので、ツナはますます不安になった。
「! この黒い部屋は何だ…?」
「詳細は不明だ。ファイルには他にも、用途不明ながら、今作戦のターゲットになりうる、特殊な敵施設のデータがあった」
一番上のファイルの、黒い部分を疑問に思ったラルは、了平に聞いてみるが、了平にもよくわかっていなかった。
「ん…?」
たくさんの部屋があるファイルから、別のファイルに切り替わると、ツナはあることに気がつく。
「あっ」
そして、そのファイルを目にすると、目を見張った。
「(これって、夢で見た…!!)」
それは、ツナには見覚えがあったからだ。
ファイルの写真は、細かい機械がたくさん組み込まれている、白くて丸い装置だった。
同じ頃、ミルフィオーレの日本支部では、その白くて丸い装置がある場所の扉が開いた。
正一は黒いマントを羽織り、たくさんの機械が組みこまれた、真ん中の開く部分がギザギザしている、ゴツくて重たそうな大きい扉から、正一が出てきた。
「入江様、全ハンガー滞りなく向かいました」
「僕も行こう」
外にはチェルベッロの2人が待機しており、そこからまた移動をした。
別の場所では、下半身くらいの高さの壁しかない、椅子がついたエレベーターに、ブラックスペルとホワイトスペルが、9人くらいのグループで一つのエレベーターに乗っており、たくさんのエレベーターが上に向かっていた。
そして、目的の場所につくと、それぞれ扉を開けて外に出た。
その頃正一は、丸く大きな場所に立っていた。
後ろにはチェルベッロの2人が控えており、正一達が立っているところは、奈落のようにどんどん上にあがっていく。
そこは、半円型のドームとなっており、周りの柵の向こう側には、ブラックスペルとホワイトスペルが待機していた。
先程彼らが向かっていたのは、この場所だったのだ。
正一とチェルベッロが乗っている場所は、大体建物3階くらいの高さまで来ると停止した。
「諸君に集まってもらったのは他でもない。白蘭様より、この基地が標的とされる可能性が示唆された。よって、この基地の指揮系統を、僕を頂点とした、完全なるトップダウンに移行する許可をもらった。これより、どの部隊の所属であっても、僕の命令には、直接的及び絶対的に従ってもらう」
立っている場所の動きが止まると、正一は彼らに向かって、先程白蘭と話していたことを、全員に聞こえる声で話す。
「なんだって!」
「あのメガネがボス?」
当然、ブラックスペルの者は不服そうな顔をしていた。
「ついに入江が牙をむく」
けど、ホワイトスペルの者は、そうでもなかった。
「反論のある者は、前へ出るがいい」
もちろん、ブラックスペルは簡単に言うことを聞かないことなどわかっているので、正一は冷静に、淡々と、今意見した者がいる方へ目を向けて話した。
「あるなあ」
「アニキ!!」
すると、γが前へ出ようとした。
「!」
その時、γの後ろから誰かが跳躍し、正一の前まで出て来て、正一がいる場所に着地をした。
「「!」」
その者が来ると、チェルベッロの2人は、正一をかばうように前に出る。
「!」
「!!」
しかし、その者の姿を見ると、チェルベッロもγも目を見張った。
「白蘭様の命で、馳せ参じた」
「……!!」
チェルベッロとγだけでなく、正一も、自分の前に来た者を見て、とても驚いていた。
「入江殿にはむかう輩は斬ってみせましょう」
そこに現れたのは、全身タイツを着て、剣を持った、おかっぱの黒髪の男。
着ている衣服が黒いことから、ブラックスペルであることがわかるのだが、何故か彼は、ホワイトスペルである正一の味方をした。
場所は戻り、ボンゴレアジトの作戦室では…。
「何!?この丸い装置を、見たことがあるのか!?」
ツナが、ファイルの写真に写っている丸い装置を見たことがあるというので、ラルは立ちあがり、興奮した様子でツナに聞いた。
「うん…。これの前に…入江正一がいた…」
「なっ!!入江正一だと!?」
「ツナ兄、どこで見たの!?」
「資料室か何かスか!?」
ラルに続き、フゥ太と獄寺も、ツナに詰め寄った。
「いやっ、それが、あの………ゆ…夢なんだけど…」
「「!」」
「「!!」」
「夢…!!?」
「なんで夢なんかに?」
「い、いや…わからないよ…」
「ふざけているのか、沢田!!」
「ひぃっ。すいません!そんなつもりは!!」
現実に目にしたわけではないので、ラルが怒ると、ツナは怖がった。
「で、他には何を見たんだ?」
しかしリボーンだけは、質問するわけでも怒るわけでもなく、ツナに続きを聞いてきた。
「リボーン!」
「どうなんだ?ツナ」
「え…。んと…かすかにしか覚えてないんだけど………入江正一以外の誰かもいて、これを見てたんだ…。中に、すごく大事なものが入ってるみたいで…」
「大事なものか…。案外、この白くて丸い装置が、入江正一とすべての謎を解く鍵を握っているのかもな」
リボーンがそう言うと、全員口をあけた状態でリボーンを見た。
「正気かリボーン!!たかが夢だぞ!!」
けど、ラルは納得いかないというように、リボーンに叫んだ。
「いいじゃねーか。重要な装置である可能性は高いんだ。ターゲットにしたって、損はないはずだぞ」
「ふむ。それはそーだな」
だが、次にリボーンが言ったことに、一理あると了平は納得していた。
「それに、神経がとぎすまされてると、こういう不思議なことはあるもんだ。オレも、このおしゃぶりをゲットする時に、似たようなことがあったからな」
「え!?」
「!!」
ツナはわけがわからなかったが、同じアルコバレーノであるラルと、リボーンを好きなビアンキは反応を示す。
「よし、山本。オレ達は修業を再開すんぞ。今んとこ、お前が一番遅れてるみてーだからな」
「ん?ああ!オッケ!」
リボーンはまるで、それ以上はここで語る気はないというように、まるで逃げるようにして、山本の修業を再開するために、ビアンキのひざからとびおりて、この部屋から出ようとした。
「乗ってけ、小僧」
「サンキュ」
山本はあとを追いかけていき、リボーンとともに外に出た。
「ねえラル…。おしゃぶりゲットって?」
「本人から直接聞けばいいだろう。いちいちオレに甘えるな」
「は…はあ…」
同じアルコバレーノのラルなら、リボーンが言っていた意味を知ってるかと思い、ツナは聞いてみたが、ラルは答える気はなく、性格上強く言えないツナは、それ以上聞くことはしなかった。
山本がリボーンと修業に行ってしまったので、魅真、ツナ、獄寺の3人も、それぞれ修業を再開させるため、作戦室から出て、各々修業の場所へ行った。
魅真達は、食事と寝る時以外は、とにかくほとんどの時間を修業にあてた。
ミルフィオーレに勝ち、10年前の平和な世界に戻れるように…。
それぞれの信念を胸に、目的を達成するために…。
それぞれが、更なる高みへと、修業を続けた。
そして、突入する前日……。
雲雀のアジトのトレーニングルームでは、魅真がいつものように、雲雀と特訓していた。
昼食をとってからすぐに修業を再開したので、もう4時間も時間が経っていた。
トレーニングルームには、魅真の薙刀と雲雀のトンファーがぶつかりあった際に起こる金属音が、絶え間なく響いていた。
「(魅真さんの戦える時間が、日に日に伸びている。最初は、もってせいぜい2分弱だったというのに、もう午後の修業を再開してから、4時間以上も時間が経ったというのに、それなのに、息をきらすことなく、集中して恭さんと戦っている。修業の成果か…)」
魅真は、長時間の戦闘にも耐えられるようになっていた。
それは、修業初日から、雲雀とのスパーリングだけでなく、雲雀に言われた体力強化のトレーニングと個人練習を、毎日かかさずにやっていたからだった。
「(そして、確実に強くなっている。恭さんの戦いについていってる。ものすごい進歩だ!!)」
それだけでなく、今まではあっさりと雲雀にやられていたのに、今は雲雀の動きについていっており、決定的なダメージこそ与えられていないものの、魅真自身がやられることもないからだ。
目の前の魅真は、薙刀でトンファーをはらった後、後ろに跳んで距離をとると、匣を開けて雲ハリネズミを出して雲雀を攻撃した。
しかし、雲雀はあっさりとよけ、魅真と同じように雲ハリネズミを出して攻撃するが、魅真はサブの匣の雲ハリネズミを出して、球針態を複数作りだし、目くらましにした。
けど、雲雀はあわてずに、球針態をトンファーで破っていく。
「少しは考えてるみたいだけど、まだまだ甘いね」
雲雀は、球針態を破壊しながら突き進んでいくが、魅真はあわてずに、球針態を作り続けた。
「(まだまだ拙いところはあるが、それでも、攻撃力や防御力や身体能力があがってる…。それに、薙刀の使い方も良くなってるし、武器やリングの炎も大きくなってるし、増殖スピードも格段に早くなっている)」
雲雀とくらべるとまだまだだが、初めて修業を始めた頃とくらべると、いろんなところがかなり向上していってるので、魅真の成長に、雲雀は少しだけ口角をあげて笑っていた。
そして笑みを浮かべると、跳躍して、一気に魅真との距離をつめた。
魅真は雲雀がこちらに向かってくると、雲雀の周りに紫色の雲を発生させて、雲雀を中に閉じこめた。
増殖スピードは早かったので、あっという間に閉じこめられるが、雲雀はあっさりと破った。
しかし魅真も、雲雀があっさりと出てくることは想定済みだった。
雲雀が球針態を破って出てきた時、球針態は更に増えており、周りが見えないくらいたくさんあった。
「!!」
その時、雲雀は背後に気配を感じた。その気配は魅真のもので、魅真は雲雀に向けて薙刀をふり下ろした。魅真は、雲雀が球針態に閉じこめられてる一瞬の間に、雲雀の背後にまわっていたのだ。
けど、雲雀は魅真の動きに対応し、トンファーを横にふって攻撃するが、魅真はその攻撃を、雲の台を作り、その台にジャンプして跳び移って、攻撃をよけた。
ただ跳んでよけたのではなく、匣兵器を利用してよけ、しかも以前よりもジャンプ力が増しているので、雲雀はびっくりする。
そして、ジャンプしてよけた魅真は更に台の上を跳び、一瞬のうちに雲雀をめがけて薙刀をふり下ろしたが、雲雀はその攻撃もよけた。
魅真は雲雀と交差するように、雲雀の背後に着地した。その直後、よけたと思った攻撃がわずかにあたっており、雲雀のスーツの前部分が、右の肩から胸あたりにかけて破けた。
もちろんこれは、魅真がまだ未熟で、雲雀に敵わないから…ということだけではなく、金属の刃を使ってるのに、雲雀に完全にあてるわけにはいかないから…というのもあった。
攻撃を確実に、雲雀自身に当てることはなかったが、それでもここまでやるとは思わず、魅真の成長を見た雲雀は、先程よりも笑みを濃くした。
「合格だよ」
今日は最終試験の日。以前、雲雀が出した条件をクリアしたので、魅真は合格となり、明日の殴りこみに参加することとなった。
雲雀に合格を出されると、もう修業は終わりとなり、魅真はボンゴレのアジトに戻って、シャワーを浴びて汗を流した。
そしてその後は、ツナ達に修業の様子を聞こうと、男性用の寝室がある地下6階へ行った。
「あっ、ツナ君!!」
地下6階まで行くと、さっそくツナをみかけた。
「あ、魅真ちゃん」
「魅真さん」
「ジャンニーニさんも。お疲れ様です」
「はい。お疲れ様です」
ツナの隣にはジャンニーニもいたので、魅真はジャンニーニにもあいさつをした。
「ジャンニーニさん、どうしたんですか?その格好は」
いつもはスーツなのに、今は作業着を着て工具を持っているので、魅真はその疑問を投げかける。
「明日に備えて、徹夜で発明です」
「徹夜!?ほ…本当にお疲れ様です」
「いえいえ、私は技術職人ですからね。魅真さんや10代目のように、戦闘員として、明日は殴りこみには行けませんから。その分、技術的な面で、全力でサポート致します。それが、私の役目です」
「すごいんですね」
「いえいえ、それほどでもありますよ」
褒め言葉には、謙遜も否定もせず、鼻高々といった感じだった。
「10代目!!」
「よっ、おっさんに魅真も」
「「!」」
そこへ、獄寺、リボーン、山本がやって来て、魅真達に声をかけた。
「みんな、今日修業はもうアガリ?」
「ええ!バッチリっスよ!」
「私も!」
「オレも、今日は休むだけだぜ!」
「いよいよ、明日は殴り込みだな」
「そ…そうだね…」
「? どーかしたんスか?10代目」
「ラル・ミルチが修業は上々だって言ってたぞ」
「い…いや、な…何でもない!」
どこか歯切れが悪いツナを見ると、魅真はツナの前まで来て、ツナの両手を自分の両手でにぎった。
「えぇっ!?」
いきなり女の子に手をにぎられたので、ツナは顔を赤くして戸惑う。
「ツナ君、一人で悩むの禁止!!」
そんなツナとは対照的に、魅真は真剣でまっすぐな目でツナを見た。
「え…?」
「ツナ君、また悩んでたでしょ」
「え?あ…いや…」
「この前はごめんね」
「この前?」
「雲雀さんがみつかったあとに、2人でトレーニングルームで修業をしていた時のこと」
「え?ああ…」
そこまで言われると、魅真がいつのことを言ってるのかわかったが、何を言おうとしているのかまではわからなかった。
「私……京子ちゃんとハルちゃんに、本当のことを話すかどうかの選択を、ツナ君に委ねちゃったけど、あの時は、ツナ君はボスだから当然だって思ったの。でもこの前、殴り込みに行くかどうかの決断をする時、ツナ君が、すごい苦しい思いをしていたのがわかって……。私、知らないうちに、ツナ君にプレッシャーをかけていたことに気づいたの。本当にごめんね」
「え?いや、いいよ。そんな……」
まさか、そんなことで謝ってくるとは思わなかったので、ツナはかえって申し訳ない気持ちになる。
「確かに、ボンゴレのボスはツナ君だし、ツナ君が決定するのは当然だけど……。でも、もしも今度、また…悩んだり苦しんだりしたら、まっさきに私に相談して。私は決定することはできないけど、アドバイスをすることや、話を聞くことくらいはできるから…。
私だけじゃない。ツナ君には、隼人君も、武君も、リボーン君も、京子ちゃんも、ハルちゃんも、ランボ君も、イーピンちゃんも、笹川先輩も、ビアンキさんも、フゥ太君も、ジャンニーニさんも、ラルさんも、草壁さんも、あと…一応雲雀さんもいるから…。
だから……一人じゃないから……もう、一人で悩んだりしないで…」
「魅真ちゃん…」
けど、次に出た魅真の言葉に、ツナは心があたたかくなり、周りにいた、リボーン、獄寺、山本、ジャンニーニも、笑顔で2人を見ていた。
「ありがとう、魅真ちゃん。でも、今はちょっと用があるんだ」
「そうなの?ひきとめてごめん…」
「いや、いいよ。じゃあ、また後でね!」
「わかった。またね」
「はい!」
「ういっ」
ツナはその用のために、そこから走って去っていった。
ツナの用というのは、以前、リング争奪戦の時に、京子にもらったお守りをなくしたので、それを探すことだった。
「さてと…。そんじゃあ、オレもそろそろ行くぞ」
「え…。どこに行くの?リボーン君」
「ヒバリんとこだ。ちっと呼ばれているもんでな」
「わかった。じゃあ、また後でね」
「ああ」
ツナがいなくなると、リボーンも雲雀に用があるというので、リボーンは山本の肩から降りると、自分の部屋へ歩いていった。
「さてと…。どうしよっか」
「食堂にでも行ってみっか。時間通りなら、そろそろ夕メシの時間だしな」
「そうね。まだできていないなら、京子ちゃんとハルちゃんのお手伝いでもしようかな」
「明日は殴り込みなんだから、余計な体力使うな。また今度にして、今日はゆっくり休め」
「え?あ、そうだね」
なかなかできなかった京子やハルの手伝いをしようと思っていたが、明日の殴り込みのため、少しでも体力を温存させた方がいいので、魅真は獄寺に言われた通り、今日も、京子とハルに甘えることにした。
「ガハハハッ」
「☆■▽!!」
そして、食堂に行こうとすると、ランボとイーピンがやって来た。
「あ、魅真だー」
「ランボ君、イーピンちゃん」
ランボは魅真をみつけると、まっさきに魅真のもとへ走っていってとびついた。
「ガハハハッ。久しぶりだもんね、魅真」
「そうだね」
「ケッ、アホ牛が…。相変わらずのんきな奴だな」
魅真はランボが抱きついてきてうれしそうにするが、獄寺は、もともとランボが嫌いなのと、嫌いなランボが好きな魅真に抱きついているのが気に入らないのとで、いつものように悪態をつく。
「べーーっだ。うっせえわ、アホ寺!」
「んなっ」
しかし、ランボはランボで獄寺に悪態をついてきたので、獄寺は腹を立てた。
「このアホ牛が!!」
「ス…ストップストップ!隼人君」
そして、いつものように殴ろうとするが、そこを魅真がかばった。
「ダメだよ。いくらなんでも、小さい子を殴るなんて…」
「ぐっ…」
獄寺が加減を知らないのは知っているので、魅真は必死に獄寺を止める。
魅真が好きなので、獄寺はそれ以上は強く出ることができず、腹を立てながらも、ランボを殴ることはしなかった。
「ガハハハ。そーだ、このアホ寺ぁ!!」
「テメッ!!」
魅真という盾に隠れたランボは、調子にのって獄寺を挑発し、獄寺はその挑発にあっさりとのった。
「ランボ君もダメよ。そうやって、人をバカにしてばかりいるのは」
「ぅ………わ、わかったもんね」
けど、ランボはランボで悪いところがあったので、魅真は軽くランボをしかり、ランボは渋々だが返事をした。
ランボが返事をすると、獄寺は心の中で、「ザマーみやがれ!!」と思っていた。
「ところで2人とも、今日は、京子ちゃんとハルちゃんのお手伝いはしないの?」
「うん。もうできたから、みんなを呼びに来たんだじょ。今日はごちそうだもんね」
「へぇ~~。ごちそうかぁ」
「きっと、明日は大事な日だから、笹川もハルもはりきってくれたんだな」
「よし、じゃあ食いに行くか!」
「おう」
「そうね」
「いくもんね!」
「●×□!」
もう夕飯もできたというので、魅真達は食堂へ歩き出した。
そして、ツナを呼びに行こうと、ツナが走っていった方へ歩いていく。
「あ、ツナ君」
少し歩いていくと、床にすわりこんで、京子と話しているツナをみつけた。
「10代目~!!夕飯っスよ~!」
「!! みんな!!」
ツナをみつけると、ツナと京子も一緒に、全員で食堂まで行った。
同じ頃、ミルフィオーレ日本支部のアジトでは…。
「何だと!?ボンゴレのアジトを、つきとめた?」
ツナ達がいる、ボンゴレのアジトの場所をつきとめたという報告を、正一はうけていた。
「はっ。グロ・キシニアの反応を、不審に感じたドクターが、眼球の動きで文字を追わせたところ、敵に発信機を取りつけたと判明しました」
「我々と、8部隊の副隊長、技術部が検証した結果、信憑性は高いです」
チェルベッロが報告をすると、チェルベッロの隣にいた8部隊の副隊長は、軽く頭をさげた。
「………で…どこだ?」
「ポイント座標、A24.3-36.2。並盛の南西ですが、更地となっていて、建物の存在しない地点です」
「ぬ?」
「まさか!」
「そ…そうか。そういうことか……。なぜ、気づかなかったんだ…。奴らのアジトも、地下にあると!!」
報告をうけ、正一達はボンゴレのアジトの在り処に気づく。
その、ボンゴレのアジトでは、雲雀、草壁、了平、ラル、クローム以外の全員が食堂におり、たくさんのごちそうが並んでいるテーブルをかこんで、みんなで楽しく盛り上がっていた。
「京子ちゃん、ハルちゃん、この料理おいしいよ」
「よかったです」
「うん。作ったかいがあったよ」
魅真は料理を食べながら、満足そうな顔をして笑いながら、料理の感想を京子とハルに述べていた。
「せっかくビアンキが作ったんだぞ」
「あとでもらうよ!あとで!!」
ツナは、ビアンキの作った料理(ポイズンクッキング)を、リボーンに食べさせられようとしていた。
「こっち来てから、初めて食った!って気がします!」
「あれ?2人とも顔赤くない?」
「どうしたの?」
「いやー、このジュース、熱くってほてるんスよ!」
「だな!」
「ちょっ!それお酒!」
「うそつけー!!」
2人はジュースだと思って飲んだようだが、実は酒だったので、魅真とツナはつっこみ、ツナは顔が真っ青で、冷や汗をたくさんかいていた。
一方で、ミルフィオーレ日本支部では…。
「いかがなされますか?」
チェルベッロの一人が、これからどうするのかを正一に聞いた。
「準備は?」
「すでに、迎撃大隊のスタンバイできております。すぐにでも、出撃させることは可能です」
「よし…。ただちに、ボンゴレアジトへ突入せよ!!」
正一は出撃命令を出した。
明日の殴り込みのために英気を養い、楽しんでいるツナ達に、ミルフィオーレの手がせまろうとしていた。
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