標的50 自由に浮かぶ雲
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「リングと、守護者の命をかける……?」
チェルベッロが言ったことを、信じられないといった風に、ツナは聞き返す。
「そうです」
「ちょっ、何言ってんの!?ランボはケガしてるんだぞ!!?ランボを返せ!!」
「下がってください。状況はヴァリアー側も同じです」
つい先日の雷戦で、意識不明の重傷を負い、一度目を覚ましたとはいえ、再び眠っている状態なので、ツナは声を荒げるが、チェルベッロは変わらず淡々としていた。
「そーよ。ガタガタ言わないの!」
そこへ、少し離れた場所にいるルッスーリアが声をあげた。
「招集がかかったらどんな姿だろうと集まる。それが、守護者の務めよ!」
「その通りだよ。僕も、XANXUS様の怒りがおさまって、力になれる機会をうかがっていたのさ」
ルッスーリアが、どこかかっこつけたように言うと、マーモンも便乗するように口を開いた。
「ししし、よっくゆーよ。つかまったけど、殺されずにすんで、饒舌になってやんの」
「ムッ」
「お黙り、ベルちゃん!!」
敗者には死を…。それがヴァリアー側のルールなので、つかまった時は殺されるかもしれないと思っていたが、そういうわけではなかったので、調子にのっていたら、ベルからつっこまれたので、本当のことを言われてルッスーリアは大きく声をあげた。
「スクアーロは………?いねーのか…?」
この場所には、スクアーロだけがいなかったので、雨戦の結末は知っているが、山本は一縷の望みをかけるように、チェルベッロに聞いてみた。
「雨戦の顛末は、ご存知のはずです」
「スクアーロの生存は、否定されました」
「………」
けど、やはり思った通り、自分が見た結末の通りだったので、山本は苦い顔をした。
「では、大空戦を始めましょう」
「えっ、ちょっと待ってよ!まだ納得は……」
「できなければ失格とし、XANXUS様を、正式なリングの所持者とするまでです」
「ぐっ」
「のやろー」
ツナが抗議しようとするが、チェルベッロは一刀両断し、その返答にツナは悔しそうにしており、XANXUSは不敵な笑みを浮かべた。
「ではまず、守護者のリングを回収します」
「なに!?死に物狂いで取ったこのリングを、返せというのか?」
「真の守護者であるならば、心配する必要はないでしょう。最終的に、ボンゴレリングは、必ず持つべき主人の元へいくものです」
「……?」
と言われても、了平は、何がなんだかさっぱりわからなかった。
「ではこちらへ」
チェルベッロは長方形の箱を持って、ボンゴレ側のもとへ、リングを回収しに行った。
「納めてください」
そして、もうひとりのチェルベッロはヴァリアー側に行き、リングを回収した。
「なくしたよ」
「(いや、なくしたのとは違います…)」
「すでに預かっております」
リングはなくしたのではなく、勝って、リングを完成させた後に、いらないと言ってチェルベッロに渡しただけなのに、さも興味なさそうにする雲雀に、魅真は心の中でつっこんだ。
「「たしかに」」
すべてのボンゴレリングを回収すると、ボンゴレ側に回収に行ったチェルベッロと、ヴァリアー側に回収に行ったチェルベッロは、もといた場所へ戻っていった。
標的50 自由に浮かぶ雲
「それでは、大空戦のルールを説明させていただきます。大空戦も、他の守護者同様、リングを完成させる事が、勝利条件の1つとなります。ただしフィールドは、学校全体」
「広ぇな」
「………」
「広大なフィールドでの戦いを、観戦できるよう、観覧席と各所に、小型カメラと大型ディスプレイ、そして守護者の皆様には、カメラ搭載型モニター付きリストバンドを用意しました」
「なるほど、小型テレビか」
「ハハッ。ツナがドアップだぜ」
「これで、どこにいても、ツナ君が戦ってる姿が見れるね」
「い゙っ」
「では、守護者の皆様は、リストバンドを装着し次第、各守護者戦が行われたフィールドに移動してください」
「ぬ?フィールドだと?今更、どういうことだ?」
「質問は受け付けません。従わなければ失格となります」
「ったく、ムカツク女だぜ」
「見てるだけじゃなさそーじゃん。楽しみ」
強制的に自分達の指示に従わせようとするチェルベッロに、獄寺は腹が立っていたが、ベルは楽しそうに笑っていた。
「では、やるなら今しかないか…」
「え?」
「円陣だな」
「気合いいれましょう!」
「ツナ君の大事な戦いだもんね」
「! そ……そうだね」
もう、今を逃したらチャンスはないので、今のうちに円陣をやろうとした。
「お前達は、そこにいればよいからな。10mルールに改訂したからよいんだ!」
「?」
そう言われても、クロームには、なんのことかさっぱりだった。
「10mルール?」
「10m以内の者は、円陣に入ったとみなす、極限ルールだ」
「なんじゃそりゃ!!?」
小学生のような内容に、獄寺はわけがわからなかったが、了平は了平なりに、最大限に譲歩したらしい。
「よーし、いくぜ!!」
雲雀とクローム以外全員一か所に集まり、ツナから時計まわりに、獄寺、魅真、山本、了平、バジルの順番で円になると、それぞれ自分の両隣にいる相手の肩をくんだ。
「沢田、ファイッ!!」
「「「「「「オーー!!!」」」」」」
そして、了平が皮切りに声を発すると、その後に、全員で叫んだ。
「では、後で」
「ボス、気をつけて」
「がんばれよ」
「無茶すんな」
「ツナ君なら絶対に勝てるよ」
「(みんな…)」
円陣が終わると、それぞれ自分が戦ったフィールドへと移動していった。
みんな(ランボと雲雀以外)の心づかいに、ツナはうれしそうに顔をほころばせた。
「いよいよだな」
しばらくすると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「骨拾いにきてやったぞ」
「野次とばしにきたぞ」
「(感じ悪!!!)」
そこへやってきたのは、シャマルとコロネロだが、二人はとても応援しに来たとは思えないような態度だった。
「全員、各フィールドに到着したようです」
「!」
シャマルとコロネロが来ると、ボンゴレとヴァリアーの守護者は、全員自分が戦ったフィールドに到着し、そこに立てられている金属の棒の下に立っていた。
「何だ…?この棒は」
当然、昼間はなかったこの謎の棒に、了平は疑問を抱いた。
「各フィールドに設けられた、ポールの頂上には、フィールドと同じ種類のリングが置いてあります」
「ん…!?リング…。まさか、また奪い合えってのか……?」
「ってことはさーー、オレ達も戦えちゃうわけ?」
他の守護者戦同様に、観戦するだけかと思っていたが、雰囲気からして戦えるかもしれないので、ベルはやる気満々で、武器のナイフを構えた。
「どうぞご自由に」
「え!?」
「ただし、できればの話ですが」
「どういう…こと?」
「…?」
ご自由にと言っておきながら、できればの話というのはどういうことなのかと、魅真は疑問に思った。
「!!?」
そう思っていると、雲雀は突然、腕につけているリストバンドの下に、鋭い痛みを感じた。
「きゃっ」
雲雀だけでなく、続いて魅真もリストバンドの下に痛みを感じた。
「あっ」
「ぐっ」
「うっ」
「ぐっ」
「くっ」
雲雀や魅真だけでなく、クローム、マーモン、レヴィ、山本、ルッスーリア、了平、ベル、獄寺も、リストバンドの下に鋭い痛みを感じた。
「!?」
「な、何なの…!?」
突然の出来事に、リボーンとツナは、何事かと思った。
「ただ今、守護者全員に、リストバンドに内蔵されていた、毒が注入されました」
「!!」
「なんだって!?」
ツナの疑問にチェルベッロが答えると、ツナ達は驚愕した。
しかし、対照的にXANXUSは、まったく動じておらず、それどころかまったく気にしてない様子で笑っていた。
「ぐおっ」
「体が」
「熱い…」
「っく~~」
「うおっ」
毒をうけたので、当然立っていられなくなり、全員地面や床に倒れた。
「デスヒーターと呼ばれるこの毒は、瞬時に神経をマヒさせ、立つことすら困難にします。そして、全身を貫く燃えるような痛みは、徐々に増してゆき、30分で……絶命します」
「そ、そんな!」
「ど、どーゆーことだよ!!大空戦なのに、なんでみんながこんな目に!!」
自分とXANXUSの戦いなのに、守護者が死にそうな目にあっているので、ツナは激怒した。
「大空である、ボスの使命だからです」
「!?」
「晴・雷・嵐・雨・霧・雲、すべてに染まりつつ、すべてを飲み込み包容することが、大空の使命。守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い。それが、大空戦なのです」
「委ねるって…こんなの!!」
「毒の進行を止める方法が、1つだけあります」
「!」
「それは、守護者のしているリストバンドに、同種類のリングを差し込む事です」
「!?」
「リストバンドの凹みにリングを差し込めば、内蔵されたデスヒーターの解毒剤が投与される仕組みとなっています」
「この戦いでは、大空のリングだけでなく、守護者のリングも、重要な要素になってくるんだな」
「その通りです」
「そして、大空戦の勝利条件は、ただ1つ。ボンゴレリング全てを、手に入れることです。
このチェーンに、全てのボンゴレリングをセットできます」
「……」
説明しながらチェルベッロは、ツナにボンゴレリングをセットするためのチェーンを渡す。
「わかったよ!!急ごう!!早くしないとみんなが!!」
タイムリミットはたったの30分なので、ツナは焦るが、XANXUSはまったく焦っておらず、ツナの様子を見ているだけだった。
「では、最後に一つだけ」
「勝負開始後は、一切の部外者の、外部からの干渉を禁止します。特殊弾もしかりです」
「了解したぞ」
チェルベッロが注意事項を説明すると、リボーンはそれを了承した。
リボーンの隣では、ツナが焦りながら、チェルベッロから渡されたチェーンを腰にセットしている。
そしてセットし終わると、なんの合図もなく、XANXUSがツナに突進してきて、ツナを殴りとばした。まだ、ハイパー死ぬ気モードになっていないのにだ。
XANXUSに殴られたツナは、勢いのままにとんでいき、校舎に激突した。
「!」
「沢田殿!!」
「ザ…XANXUS様!まだ……!」
まだ試合開始の合図を出していないのに、ツナを攻撃したので、チェルベッロは焦って声をかける。
「早く始めたいと言ったのは、向こうだぜ」
「は…それでは…!」
「しかし、今の攻撃で、沢田氏が…」
「卑怯だぞ、XANXUS!!」
「あぁ?特殊弾を撃つ前はまずかったか?」
試合開始の合図は出されていないが、XANXUSがツナを攻撃したことで、勝負が始まってしまった。しかも、ハイパー死ぬ気モードになる前に…。
そのことにバジルは抗議するが、XANXUSはわざとらしく返す。
「なめんなよ。オレを誰だと思ってる」
「!!」
けど、そんなことは心配無用で、リボーンの拳銃からは、弾丸を撃ったあとの煙が出ていた。
それは、特殊弾を撃ったということなので、XANXUSは目を見張った。
その後に、炎が爆ぜる音がして、ツナがいるところから爆発が起こった。
煙がはれると、瓦礫の中からツナが出てきた。
「沢田殿!!」
「ツナ、XANXUSは片手間に戦える相手じゃねーぞ。7人の守護者を救出しながらの交戦は命とりだ。まず……」
「わかってる……。
先に、こいつを片付ける」
リボーンが撃った特殊弾は、ツナに命中しており、ツナはハイパー死ぬ気モードになった。
「片付けるだ?昨晩のあの程度の力でか?」
「昨日のオレと、同じに見えるか?」
XANXUSがツナを挑発すると、ツナはXANXUSに挑発で返した。
挑発をされると、XANXUSの顔から笑みが消える。
「!」
「観覧される方は、こちらへ!急いでください!」
XANXUSの顔から笑みが消えたことで、一触即発の雰囲気になり、今にも戦いが始まりそうだというのを察知したチェルベッロは、リボーン達を観覧席へ案内しようとした。
「観覧席は、校舎裏の一面です。守護者戦と同様、赤外線センサーにより、出ることができませんので、あしからず」
そして、観覧席のことを簡潔に説明した。
「あなたたちもです」
「ゲッ。バレてんの」
チェルベッロが顔を向けた先には、校舎の影に犬と千種がいた。
「それでは、大空のリング、XANXUS VS.沢田綱吉。勝負(バトル)開始!!」
リボーン達が観覧席に移動すると、チェルベッロの口から、大空戦の勝負開始の合図が出された。
同じ頃、雲の守護者戦が行われたグラウンドでは、魅真と雲雀が、デスヒーターで倒れ、苦しんでいた。
魅真はうっすらと目をあけると、目の前にいる雲雀が、脂汗を流し、苦しそうにしている姿を目にした。
「くっ……」
そして、倒れた際に、自分の隣に落ちた薙刀を震える手でつかむと、薙刀を支えにして、ふらつきながら立ちあがり、ポールの上部にある皿を見上げた。
「(リングさえ手に入れれば、私も雲雀さんも助かる。ツナ君の負担を軽くしてあげられるし、みんなを助けることだって…)」
魅真が立ちあがったのは、ポールの頂上にあるリングをとるためだった。
けど、自分の武器の薙刀は木でできており、ポールは鉄でできている。どう考えても、木で鉄を折るなんてことは不可能。というより、どんな武器でも、鉄をまげて倒すなんてことは不可能だった。
なので、地道だが、ポールをのぼって取るしかないと、魅真は思った。
真ん中のポールだと、上部に皿があり、皿のどの位置にあるのかここからではわからず、頂上についたとしても、そこから手を伸ばしてもとれるかどうかわからないため、魅真は真ん中のポールを支えている、周りに立っているポールをのぼろうと決めた。
それだと、上部がゴルフのクラブのようになってるので、つかまることもできるし、真ん中のポールと違ってななめになってるので多少はのぼりやすいだろうし、皿のどの位置にリングがあるのかを知ることも、リングに手を伸ばすこともできるからだった。
どこのポールをのぼるか決めると、魅真は一度地面にすわり、くつとくつ下をぬいだ。のぼりやすく、すべらないようにするためだ。
くつとくつ下をぬぐと、再び薙刀を支えにして立ちあがり、一番近いポールの前まで歩いていった。
そして、ポールを手でつかむと、手を足をつかって、ポールをのぼりはじめた。
けど、毒をうけているので、体全体がふらついた。
のぼるたびに手足が震え、何度か落ちそうになるが、それでもみんなを助けるためにと魅真はふんばり、必死になって、地道に、少しずつのぼっていった。
そして、何分かのぼると頂上についた。
「あった…。あそこだ…」
リングは皿の真ん中にあった。
「く………」
リングの位置を確認すると、魅真は片手でポールにつかまりながら、片手でリングに手を伸ばした。
けど、手はリングにふれそうなふれなさそうな微妙なとこまでしか届かず、リングに指がかすることすらしなかった。
「(お願い…。届いて!このリングさえとれば、私も雲雀さんも助かるの!みんなを助けることだって)」
それでも魅真はあきらめず、震える手を伸ばし続けた。
その願いが通じたのか、指の先がわずかにリングにふれた。
魅真の顔は明るくなった。このリングをはじくなりなんなりすれば、自分も雲雀も助かるのだから…。
「!!」
だが、リングをはじこうと、身をのりだすようにして、更に手を伸ばすと、魅真の体は傾き、下に落ちそうになった。
けど、魅真はとっさに皿に手をかけたので、落下はまぬがれた。
落下はまぬがれたが、状況は悪かった。
リングに伸ばしていた方の手だけで体を支えているため、いつ落ちてもおかしくないからだ。
更に、毒をうけているので、片手だけで支えるのも、もう片方の手をあげるのも難しく、もってあと数分。この状況を打破できるものは何もなく、結局落ちる選択を選ぶしかなさそうだからだ。
毒をうけている上に、落ちてしまえば、体を打ちつけてダメージをくらってしまい、次にのぼるのは難しくなる。魅真はどうしようか悩んでいた。
「あっ!!」
けど、そうこうしているうちに、魅真の手は限界がきてしまい、皿から手がすべり落ち、支えを失った体は、まっさかさまに落ちていった。
魅真は顔が青ざめた。ケガはしなくても、ダメージは受けるだろうし、そうなったらみんなを助けることが不可能となってしまうかもしれないからだ。
けど、痛みはいつまで経ってもこなかった。
代わりに、自分の足の裏と背中に、あたたかいものを感じ、落ちた時に衝動的につむった目を開いた。
「!」
目をあけてみると、そこには雲雀の顔がとびこんできた。
魅真は今、雲雀に足の裏と背中に手をまわされて、抱きあげられている状態だったのだ。
「ひ……雲雀さ……」
いわゆる、お姫様だっこというものを雲雀にされているので、魅真は顔を赤くした。
「ポールをのぼるなんて、原始的だね。まるで猿みたいだよ」
「さ…猿……」
けど、雲雀の毒舌に、魅真は甘い夢ごこちな気分から、一気に地獄にたたき落とされた気分になった。
そんなことはまったく気にしていない雲雀は、魅真をおろすと、トンファーを取り出した。
「雲雀……さん?」
何をするつもりなのかと、魅真は問うように、雲雀の名前を呼んだ。
「君は…さがってなよ」
そう言うと、雲雀はトンファーを構え、そのトンファーでポールを殴りつけた。
「!!」
特に何をするとは言われてないが、雲雀がトンファーでポールを殴りつけたことで、何をするつもりなのか、魅真は瞬時にわかった。
雲雀はトンファーで殴り、ポールを倒し、上にあるリングをとろうとしているのだと…。
魅真が思った通り雲雀は、体がと足がふらつきながらも、ポールをトンファーで殴り続けた。
そして、何度か殴るとポールは倒れ、リングも地面に落ちた。
雲雀はふらふらとした足どりで、リングが落ちた場所へ歩いていくと、リングをとり、リストバンドにある凹みにリングを差し込んだ。
リングを差し込んだことで、リストバンドに内蔵されていた解毒剤が投与され、雲雀は助かった。
そして、自分を解毒すると、魅真のもとへ歩いて行き、魅真のリストバンドの凹みにリングを差し込んだ。
そのことで、魅真のリストバンドに内蔵されている解毒剤が、魅真の体の中に投与され、魅真もことなきをえた。
「あ……ありがとうございます、雲雀さん」
「…別に」
魅真が礼を言うと、雲雀は照れくさそうにそっぽを向いた。
「行くよ」
「はい!みんなを助けにですね」
「違う。死人を出さないためにだよ。校内で死人が出たら、風紀が乱れるからね」
「なんですか、それ」
何気に怖いことを言う雲雀だが、魅真はいつものことだし、雲雀はなんだかんだ言ってもみんなを助けるつもりなので、笑いながら雲雀の隣を歩いた。
少しすると、二つの炎の閃光が、屋上と校舎の前にあるポールを直撃した。嵐と雷のリングがあるポールだ。
炎があたるとポールは倒れ、嵐のリングはベルの前に、雷のリングはレヴィの前に落ちた。
二人はチャンスとばかりに、自分のリストバンドの凹みに、リングを差し込んで解毒をした。
ポールを倒したのはXANXUSで、XANXUSは大きな口をあけて笑っていた。
今ので、ヴァリアー側の守護者が二人野放しになってしまったので、バジルやシャマルは焦った。
「爆弾少年には、毒でもがき苦しみ、死んでもらって…」
当然ベルが、獄寺を解毒するはずはなかった。
「さーてと」
そして、リングを持って、今の出来事でできた壁の穴から、外に降りた。
同じ頃レヴィは、ランボを殺そうとしていた。
一方ツナは、自分の仲間は助かってないのに、敵側の守護者が二人助かってしまい、ピンチに陥ってしまったので、焦って助けに行こうと、校舎の壁から屋上に移動をするが、そこをXANXUSに銃口を向けられ、止められてしまう。
「ツナの奴、何あせってんだ?」
「リボーンさん」
もう一方で観覧席では、リボーンはツナとは対照的に、なんとも落ちついていた。
「たしかにXANXUSも型破りな男だが、お前の守護者もただもんじゃねーはずだぞ」
「「?」」
と言われても、バジルとシャマルはよくわかっていなかった。
「こっからだと、雨が近いか」
一方、校舎の3階から校舎の外に降りたベルは、今いるところからだと、雨戦が行われた校舎B棟が一番近いということで、校舎B棟へ行こうとしていた。
「!!」
だがその時、横から風を切る音がしたと思ったら、何かが自分に襲いかかってきて、自分が持っていた嵐のリングを上にはじいた。
「………!
おまえは…」
「ふぅん。よくかわしたね」
突然目の前に現れた人物に、ベルは見覚えがあった。
「君……天才なんだって?」
そこにいたのは、自ら解毒をした雲雀だった。
「「!」」
そのことに、ツナとXANXUSは目を見張る。
「「!!」」
「あいつぁ」
「ヒバリ殿!?」
そして、観覧席にいるバジル達は驚いた。
「なぜ…。
!! あれは一体…」
「雲の守護者のポールが!!?」
画面を見てみると、雲の守護者のポールが倒れていた。
「ヒバリの奴、自分で倒して解毒したな」
「!」
状況を見ただけで、リボーンは雲雀が何をしたのかを理解した。先程、リボーンが落ちついていたのはこれだった。
「あ…ありえない…」
「デスヒーターは、野生の象ですら、歩行不能となる猛毒…」
「束縛を嫌う、奴の意地の力だ。だからこそあいつは、何者にも捕われることなく、独自の立場からファミリーを守る、孤高の浮き雲!!
まあ、魅真もがんばっていたみたいだが、ちょっとおしかったな」
「魅真殿が!?」
「ああ。ポールをのぼってリングをとろうとしていたが、どうやら落ちてしまったようだな」
「なに?」
「魅真殿は、大丈夫なんですか!?」
「ちゃんと無事だぞ。あいつもちゃんと、雲の守護者としての使命を果たそうとしていたみたいだな。
そして、本物の守護者達は、使命だけでなく、関係性も天候に酷似しているんだぞ。
雲は時に、他の天候の契機となり、嵐を巻き起こすことがある」
その頃屋上では、復活したレヴィが、ランボを探していた。
煙がたちこめる中、小さなせきが響くとレヴィはランボをみつけ、とどめをさそうとしたが、そこへ獄寺の声とともにダイナマイトがとんできて、レヴィを攻撃した。
「ハヤト…!」
「!!」
「言っただろ?雲は嵐を巻き起こす」
「え…っ。
! そうか、ヒバリ殿は嵐のリングを、獄寺殿にはじいたんだ!」
そう…。先程雲雀がベルにむかってトンファーをふったのは、ベルを攻撃するためではなく、嵐のリングを獄寺に渡すためだった。
「始めようか、天才君」
「大空戦で、余計な雑音はたてさせねぇ」
こうして、雲の守護者だけでなく、嵐の守護者が復活した。
心配ごとがなくなったツナは、強気な態度になり、XANXUSに戦いを挑む。
屋上では獄寺とレヴィが対峙していた。
レヴィは、背中に装備している、武器のパラボラを8本すべて空中に放つと、レヴィ・ボルタという技を出そうとしたが、獄寺は、今回の戦いのために得たダイナマイトの技で、一気にすべてのパラボラを破壊した。
「やるじゃねーか、獄寺」
「すごい命中精度です」
「あんな傘、紙飛行機に比べりゃ、止まって見えたろーぜ」
あっさりとレヴィの技を封じたので、リボーンとバジルは称賛し、少し離れたところでは、千種がどこかほっとしていた。
そして獄寺は、パラボラを破壊した後、レヴィをその技で倒した。
「常に攻撃の核となり、休むことのない、怒濤の嵐…だな」
「あっ、しかしあそこにはランボ殿が!」
「心配すんな。獄寺は忘れてねーぞ。天候で言っても、嵐と雷は兄弟みたいなもんだからな」
「!?」
レヴィを倒すと、獄寺はランボのもとへ行き、レヴィから奪った雷のリングを、ランボのリストバンドの凹みに差し込んで解毒すると、はずれていた酸素マスクをつけた。
そして、空中でツナとXANXUSが戦っている姿を見ると、他の守護者を助けるために、ランボと酸素ボンベを抱えて走っていった。
同じ頃、校舎の下では、雲雀とベルが対峙していた。
「オレもおまえ知ってるよ。エース君だろ?」
「ちがう。一文字もあってないよ」
「……しし。変な奴………。
でも、何だか一気に」
ベルは雲雀を倒すため、自分の武器のナイフをとりだした。
「楽しくなってきちゃった」
たくさんのナイフは、ベルをかこむように宙に浮いていた。
「ナイフが宙に……!?」
「あれも、ナイフとワイヤーの併用か?」
このあり得ない光景に、バジルとシャマルは驚いていた。
「ふうん…。曲芸でもするのかい?足ケガしてる分のハンデをあげようか」
けど、雲雀はまったく動じておらず、やる気満々でトンファーを構えた。
「ごケッコーー。だっておまえも、足ひきずってん………
じゃん」
ベルと雲雀は、同時に横に走りだした。
ベルは走りながら、雲雀に狙いを定めてナイフをとばした。
投げたというよりは、本当にとばしたという感じで、ベルが一度両手を動かしただけで、ナイフに手をふれることなく、宙に浮いたナイフのいくつかが、雲雀にむかっていった。
「数を撃っても意味ないよ」
逃げ場がないくらいに撃たれたのに、雲雀は余裕の表情で笑っていて、トンファーでナイフをはじいていった。
はじかれていないナイフは、校舎の壁にささった。
ナイフは一本も雲雀にあたっていないというのに、何故かベルは笑っていた。
「!?」
それを見た雲雀は、ふしぎに思った。
「!?」
その時、ナイフが投げられていないのに、雲雀の左の頬が、横一文字に切れた。
「あの切れ方!!やはりワイヤー!?」
「あいつ、ベルフェゴールがナイフとワイヤー使いって事、知らねーんじゃねーか?」
雲雀の頬が突然切れたのは、ベルがナイフだけでなく、ワイヤーも使っていたからだった。
ベルは、ナイフを再び雲雀に投げつけると、それも校舎の壁にあたった。
よくわからないが、左に行くのはまずそうだと思った雲雀は、反対側に走る。
「まずいっ。もがけばもがくほど、ワイヤーが切り刻む!!」
あれだけ撃ったのだから、他にもワイヤーがはられていると思ったシャマルは、心配そうに叫んだ。
「!?」
シャマルの言う通り、右に移動した雲雀は、頬だけでなく腕も切れ、合計で4つの傷ができた。
今の攻撃で力が入らなくなり、血がしたたり落ちる手からトンファーがすべり落ち、更には尻もちをついた。
「!!」
「ヒバリ殿」
状況が悪くなってしまったので、バジルも心配そうに叫ぶ。
「ししし、天才の勝ちー。つーか、オレ負けなし?そりゃ、王子だもんな」
ベルは雲雀にとどめをさすために、新しくナイフを取り出した。
「バイバイ」
そして、雲雀にむけてナイフを投げた。
だが、あとちょっとで雲雀にあたるというところで、ナイフはすべてはじかれた。
「てめーは…」
「魅真……」
そこに立っていたのは、薙刀を構えた魅真だった。
ナイフが雲雀にあたらず、すべてはじかれたのは、魅真が薙刀でたたき落としたからだった。
まさか、魅真がそんな芸当をやってのけるとは思わず、雲雀もベルも驚いていた。
「へェーー。エース君にあたる前に、その武器で、オレのナイフを全部地面にたたき落としたのか。なかなかやるじゃん」
状況を理解したベルは、魅真を称賛した。
また、校舎裏の観覧席にいるリボーンも、うれしそうに笑っていた。
「なんで……出てきたの?戦う前に…僕は…」
けど、雲雀は自分を助けた魅真に対して文句を言った。
「ごめんなさい、雲雀さん。戦いには手を出すなと言われてましたが、できなくなりました」
「え……?」
「もう一人の雲の守護者か。てゆーかさ、オレとエース君の戦いのジャマすんなよ」
「そうはいかないわ…」
「は?」
「雲雀さんを傷つける奴は、誰であろうと許さないっ!!!!!」
魅真は、雲雀が傷つけられたことに対し、とても怒っていた。
めずらしく怒りに燃えている魅真は、薙刀を構えて、ベルに戦いを挑もうとした。
「魅真殿!」
「魅真ちゃん、まさかあいつと戦おうとしてんのか?」
「ムチャなんじゃねーのか?コラ!」
観覧席では、今度は魅真がベルと戦おうとしていたので、心配そうに、不安そうにしていた。
「心配ねーぞ」
「「「え?」」」
だが、その中で、リボーンだけが落ちついていた。
場所は校舎に戻る。
「それってさー、ひょっとして、このオレと戦おうっての?」
「そうよ」
「冗談じゃねーのか?いくら守護者に選ばれたっつってもさ。お前みたいに、見るからに軟弱そーな奴が、王子のこのオレに挑むなんてさ。ちょっと無謀じゃね?」
ベルに戦いを挑んだ魅真だったが、その見た目で、ベルにバカにされていた。
「関係ないわ…」
けど、魅真は冷静にベルに返した。
「関係ない?実力の差は明らかだと思うぜ。実際昨日の雲戦だって、お前じゃなくて、そっちのエース君が出てたじゃん。それにお前、守護者の中じゃ、いっちばんよわそーだしな」
確かにその通りかもしれない。
自分は、ツナのようにボンゴレの血をひき、武器と死ぬ気の炎をもってるわけでも、雲雀や山本や獄寺や了平や骸のように戦いなれしているわけでも、ランボのように秘めた力をもってるわけでもない。
いくら雲雀に特訓してもらってるといっても、ただの女子中学生で、武器は木でできた薙刀。
ベルと魅真…。はたから見たら、どう見ても魅真の方が分が悪かった。
「…わかってるわよ、そんなこと……」
しかし、そんなことは、魅真自身が一番よくわかっていたのだ。
「私は弱い。守護者に選ばれた人間の中じゃ、一番弱いでしょうね……」
ベルは不可解だった。
一番弱いとわかっていながら、自分に戦いを挑もうとしているのだから。
「でもっ……人には、たとえ相手が強くても、大切なものを守るために、立ち向かっていかなきゃいけない時がある。私にとって、それは今なの!!!」
だけど、魅真には、相手が強いとか弱いとかは関係なかった。
ただ雲雀を守りたい。それだけだった。
「ただの遊びってわけじゃなさそーだな。いいぜ、相手してやんよ」
ベルは魅真の真剣な目を見ると、今度は魅真と戦おうと、複数のナイフを構えた。
「それに、強かろうが弱かろうが、どっちみちお前らは消すつもりだからな」
そのたくさんのナイフをベルは魅真にむけて、一気に投げつけた。
だが、魅真は先程と同じように、薙刀でたたき落とす。
「へぇ…。さっきのは、まぐれじゃねーみたいだな」
魅真が、再度自分が投げたナイフをたたき落としたことで、ベルは楽しそうに笑った。
「でも、いつまでもつかな?」
ベルは余裕の表情だった。
それは、自分が天才だと言われている上に、王子だから負けない。そう思っているからだ。
けど、魅真はそんなことは関係なく、ナイフをたたき落とすと、薙刀をふり下ろした。
だがベルは、その攻撃を、体を少しずらすだけで、あっさりとよけてしまった。
けど、そんなことは想定内で、魅真は流れるように、下から上に薙刀をふり上げるが、ベルはまたしてもあっさりとよけてしまう。
そのあとも、何度も何度も流れるように薙刀をふってベルを攻撃するが、ベルはその攻撃を、すべて難なくよけていく。
また、ベルもよけながら、魅真にナイフを投げて攻撃をする。
だが、何度やっても、魅真に薙刀ではじきとばされて、ベルの攻撃も、魅真にあたることはなかった。
ベルは内心、ハラワタが煮えくり返っていた。こんな素人で、一番弱そうだと思った魅真が、自分の攻撃を防いでいるのだから…。しかも、一度だけでなく、何度も何度も…。
そして、しばらく何度か同じことをくり返していくと、魅真は突然、手に振動を感じた。それと同時に、薙刀が宙を舞い、そのまま落ちていった。
「あっ…」
今のは、ベルが雲雀と戦う際に地面に置いた松葉杖をすばやくひろい、松葉杖で薙刀をはじいたのだった。
はじかれた薙刀は、魅真がいるところより、離れた場所に落ちてしまう。
「ししし。思ったよりはやるみたいだけど、まだまだ攻撃がつたないな。そんなんじゃ、このオレを倒すなんて、到底無理だぜ」
「くっ…!」
武器から手を放してしまい、しかも、すぐにひろうには困難な場所に落ちたので、魅真は顔をゆがめた。
「ま、シロートにしちゃ、よくやった方だよ」
対してベルは、余裕の顔で笑っていた。
「武器もってなくても、オレは容赦しねーぜ。サボテンの刑にしてやんよ」
武器がなくなったことで、完全に状況は悪化してしまった。
武器を持っていなければ、何もできないだろうと魅真をなめきったベルは、魅真にとどめをさそうと、ナイフを構えた。
「まずいっ」
「魅真殿!!」
観覧席では、今にもやられそうな光景に、バジルとシャマルが顔を青くして、心配そうに叫んだ。
「バイバイ」
場所は校舎に戻り、ベルはナイフを投げようとした。
けど、ナイフを魅真に投げる前に、魅真はベルのお腹に、素早く拳を突き出した。
「くっ……」
倒れはしないが、油断していたせいで腹筋はゆるんでおり、それなりにダメージをくらった。
「なに……」
一体どういうことかと、ベルは固まり、ふしぎそうにした。
その隙に、魅真は左胸、顔、のどと、連続でベルを殴った。
「なっ…。魅真ちゃんが…体術!?武器は薙刀じゃなかったのか?」
今の魅真の動きを見ていたシャマルは、ふしぎそうに画面を凝視していた。
隣では、何も言わないが、バジルも驚いて、口をあけて凝視している。
「前に聞いた話だが、魅真は、最初は薙刀だけだったが、途中から体術の特訓もしてたらしいぞ。
魅真はオレとの特訓以来、オレやビアンキやイーピン、山本、獄寺、了平……。とにかく戦える奴と、毎日のように特訓してたんだ。黒曜戦の後は、特に貪欲でな。学校で、勉強や、委員会の仕事をしている時以外は、朝早くから夜遅くまで、一日のほぼすべてを、修業の時間にあてていたらしい」
「師匠を一人と決めなかったのですか?」
「基本は雲雀に特訓をしてもらっていたが、ひまを見つけては、戦いができるオレ達にも、特訓相手を頼んでいたんだ。誰かれかまわず、まるで…空に浮く雲のように、自由にな…。
そのかいあってか、魅真はめざましい成長をとげた」
「ちょっと待て!!オレは特訓を頼まれてねーぞ」
「そりゃあ、いろいろとあぶないからだろ」
「あぶないってなんだ!?オレなら魅真ちゃんに、手とり、足とり、腰とり、じっくりと、優しく、丁寧に教えるぞ!!」
「……そーいうとこだぞ」
シャマルは、何故自分があぶないと言われるのか理解できなかったが、自分でその理由を言っていることにも気づいておらず、そのことにリボーンは静かにつっこみ、バジルは苦笑いをしていた。
一方で、魅真の攻撃は続いていた。
魅真は、ベルの左胸、のど、腹を中心に、とにかく殴って殴って殴りまくった。
『いいかい?魅真。君は見た目が、誰がどこからどう見ても非力で、弱々しい。なめてかかられる可能性の方が大きい』
そして、ベルを攻撃しながら、雲雀と特訓していた時に、雲雀に言われたことを思い出していた。
『だけど、それはチャンスだ。相手もそれで油断するだろうから、まず防御しようなんて考えないだろう。そこをつくんだ』
思い出しながら、魅真はベルに、今度は蹴りをくらわせる。その蹴りは、見事に命中した。
『そして体術は、自分自身が壊れていないかぎり、武器がなくても無限に技を出せる、ある意味最強の攻撃方法だよ。だから、ある程度は身につけておいた方がいい。武器を落とした場合は、ひろうまで体術で戦うんだ』
次に思い出したのは、体術の重要性だった。
『そんな、君みたいに見た目軟弱な女が体術を使ったら、ほぼ間違いなく意表をつくことになる。でも、意表をついた攻撃は、そんなに長くは続かない。その時は、別の攻撃方法に切り替えるんだ』
そのことを思い出してると、ベルはナイフを投げてきた。薙刀がなければ防御できないだろうと思ってのことだが、魅真は素早く走ってよけると、そのままの勢いで、近くに落ちている薙刀をひろった。体術に切り替えたのは、薙刀が落ちている場所に近づくためでもあったのだ。
「ちっ」
それを見たベルは、しまったと思いながら舌打ちをした。
『いいかい?戦っている時に重要なカギとなるのは、相手の弱点だ。どんな強者にも、弱点はある。弱点はそれぞれ異なる場合もあるけど、共通しているのは、心臓、腹、頭、のど、足。そして、一番有効なのは、その時故障している部分だ』
それでもベルは、ナイフを連続で投げる。
けど、その攻撃は魅真が、薙刀ですべてはじいたのであたらなかった。
そして、はじきながらまっすぐ走っていくと、ベルがナイフを投げた時をねらって下にしゃがみ、同時に足ばらいをかけた。
「うわっ」
そのことでベルは、仰向けに倒れてしまう。
ベルは今、左足を骨折しているので、わりと簡単に倒すことができた。
『その故障している部分を、躊躇なく、容赦なく、思いっきりたたくんだ!!』
そして、ベルが倒れたチャンスを逃さず、魅真は薙刀を縦にして、ベルが骨折している方の足を、雲雀に言われた通りに、いっさいの躊躇も容赦もなく、思いっきりたたきつぶした。
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