標的4 二度あることは三度ある
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「プリントにあるように、これが2学期の委員会の部屋割りです」
魅真が、ツナ達とお友達になった次の日、並盛中学校の会議室では、委員会の会議が行われていた。
「えーーっ何コレ!?応接室使う委員会ある。ずるい!どこよ!」
部屋割りのプリントを見ると、応接室という異例の部屋割りがあり、一人の女子生徒が大きな声で文句を言う。
そのことで、両隣にいた男子生徒と女子生徒はぎょっとして顔が青ざめ、同時にびくついた。
「風紀委員だぞ!」
「はっ」
左隣にすわっている男子生徒が小さな声で教えると、文句を言った女子生徒は顔が青ざめ、あわてて手で口をふさいだ。
「何か問題でもある?」
一人だけ席にすわらず、窓際にいる一人の男子生徒が短く言うと、彼女はビクッとなり、短い悲鳴をあげた。
「いえ!ありません!すっ、すいません。ヒバリさん!!」
そして、あわてて頭をさげ、謝罪した。
「じゃーー、続けてよ」
それはあの雲雀で、雲雀はニッと笑うと、会議を続けるように促す。
標的4 二度あることは三度ある
「でも、おかしくね?応接室を、委員会で使うってのは」
「のっちもそー思う?」
「インボー感じちゃうよ」
だが、今度は緑化委員の三人の男子生徒が、雲雀にむかって、次々に文句を言いだす。
「君達は仲良し委員会?代表は、各委員会一人のはずだけど…」
けど、雲雀はまったく意に介していなかった。
「ヒバリにたてついたのが悪いんじゃない。
ヒバリの前で群れたからこうなったんだ」
「うう……」
それから委員会の会議が終わると、先程雲雀に文句を言った緑化委員の三人が、風紀委員の男二人にボコ殴りにされていた。
緑化委員の生徒達は、見る影もないと言ってもいいくらいに顔が腫れあがり、血を流し、地面に倒れている。
その様子を、雲雀は、応接室の窓に腰をかけて見ていた。
「ふあ~ぁ」
一部始終を見てた雲雀は、風紀委員の二人が、彼らに制裁を加えるのが終わると、眠たそうにあくびをした。
そして、更にその様子を、中学校の近くの建物の屋上で、リボーンが双眼鏡で見ていた。
「雲雀恭弥。面白ぇーな」
「もー秋か~~。夏休みもあっという間に終わって、何かさみしーなー」
「そうだね」
「補習ばっかだったしな」
「アホ牛が、ブドウブドウって、最近ウザくねースか?」
お昼休み。
屋上にはツナ達がいて、みんなで一緒にお昼ご飯を食べながら、他愛もない話をしていた。
「栗もうまいぞ」
「いだ!いだだ!!」
四人で話していると、突然リボーンの声とともに、栗(イガつき)が飛んできて、ツナの腕や背中に刺さるようにあたった。
「リボーンだな!
い゙っ」
「ちゃおっス」
「いたいいたい。刺さってるー!!」
振り返ろうとすると、投げられてもいないのに痛みを感じた。
それは、リボーンがかぶっている栗のイガのスーツが、腕にあたったからだった。
「こんにちは、リボーン君」
「ちゃおっス、魅真」
リボーンが現れると、魅真はリボーンの妙なコスプレ姿につっこむこともなく、マイペースにあいさつをしていた。
「ちなみにこれは、秋の隠密用カモフラージュスーツだ」
「100人が100人振り返るぞ!」
どう見ても、隠密用のカモフラージュスーツには見えず、人目を引くぐらいハデなので、ツナは盛大につっこむ。
「だいたい、学校に出没するなって言ってんだろ!」
「ファミリーのアジトを作るぞ」
「はぁ!?」
ツナにつっこまれたからなのか、リボーンはカモフラージュスーツをぬぐと、脈絡もないことを言った。
「へー、面白そうだな。秘密基地か」
「子供か、おめーは!」
小学生のようなことを言う山本に、獄寺はつっこんだ。
「アジト、いーじゃないスか!ファミリーに、アジトは絶対必要っスよ!」
「決まりだな」
「ちょっ、まっ」
だが、結局獄寺も、言ってることは山本と大して変わらなかった。
「(冗談じゃないよーっ。マフィアっぽくアジトなんて!)」
でも、ツナはマフィア関係のことは嫌なので、アジトを作るのは反対なのだが、制止しようとするもむなしく、ツナの声は、誰も聞いちゃいなかった。
「どこに作るんだ?裏山か?」
「なわけねーだろ!!」
「学校の応接室だ」
「「「!?」」」
「応接室は、ほとんど使われてねーんだ。家具も見晴らしもいいし、立地条件は最高だぞ」
先程雲雀のことを見ていたのに、ウソをついて応接室を進めた。
「魅真も来い」
「え?」
自分にはあまり関係ないだろうと思って話に加わらなかったのに、急に声をかけられたので、魅真は反応に困った。
「で……でも私、リボーン君の愛人の役なだけで、別に、そのボンゴレファミリーの人間てわけじゃ」
「オレの愛人ってことは、イコール、ボンゴレファミリーの人間ってことだぞ。いいから魅真も来い」
「そうだぜ。行こうぜ、真田!」
「そ、そうね…。じゃあ、ちょっとだけ付き合おうかな…」
もともと押しが弱いというのもあり、リボーンと山本に再度誘われると、魅真は承諾し、立ちあがった。
「まずは、机の配置変えからだな」
「オレ、10代目から見て右手の席な」
「(まっ、まじで~!!?)」
ツナは本当は嫌なのだが、渋々みんなの後に着いていく。
「へ~~、こんないい部屋があるとはねーー」
四人は応接室に着くと、さっそく扉を開けて、山本が最初に中を確認する。
「!」
確認していた時、山本はあるものを目にした。
「君、誰?」
誰もいないはずの応接室に人がいたのだ。
それは当然ながら、あの雲雀恭弥だった。
「(こいつは…風紀委員長でありながら、不良の頂点に君臨する
ヒバリこと、雲雀恭弥……!!!)」
「なんだ、あいつ?」
「獄寺、待て…」
途中で並中に転校してきた獄寺は雲雀のことを知らず、雲雀を睨むが、雲雀がヤバい人物だと知っている山本は、制止の声をかける。
「風紀委員長の前では、タバコ消してくれる?ま、どちらにせよ、ただでは帰さないけど」
「!!
んだと、てめーー」
挑発的な雲雀の発言に獄寺は切れ、前に出る。
「消せ」
けど、獄寺が雲雀の間合いに入った瞬間、一瞬にしてタバコが切れ、切れたタバコが宙に舞った。
雲雀が、腕を振っただけで……。
「なんだこいつ!!」
さすがの獄寺もこれには驚き、警戒して後ろへさがる。
「(聞いたことがある…。ヒバリは、気にいらねー奴がいると、相手が誰だろうと、仕込みトンファーでめった打ちにするって――…)」
雲雀は一瞬にして、隠しもっていたトンファーを出したのである。
獄寺のタバコを切ったのはこれだった。
「僕は、弱くて群れる草食動物が嫌いだ。視界に入ると
咬み殺したくなる」
「(こいつ…)」
「(やっかいなのにつかまったぞ…)」
雲雀の殺気に気圧され、獄寺と山本は背筋が凍る思いをした。
「へー。はじめて入るよ、応接室なんて」
その時、後ろにいて状況がわかっていないツナが、中に入ってきた。
「まて、ツナ!!」
「え?」
山本は、ツナに入るのをやめるように言う。
「1匹」
だが、山本の制止の声もむなしく、ツナは雲雀に、トンファーで殴りとばされてしまった。
「のやろぉ!!ぶっ殺す!!」
ツナがやられたことで怒り狂った獄寺は、雲雀を倒そうとする。
けど、雲雀は避けながら、獄寺の後頭部をおさえて逃げられないようにするのと同時に、トンファーを振るい
「2匹」
獄寺を一撃で倒した。
「てめぇ…!!!」
ツナと獄寺がやられ、めずらしく怒った山本は攻撃をしようとする。
だが、雲雀がもう片方のトンファーを出して山本を攻撃してきたことにより、山本は右手をやられまいとかばったので、動きがにぶり、あっさりと劣勢に立たされた。
「ケガでもしたのかい?右手をかばってるな」
「!」
動きのぎこちなさから、雲雀に右手をケガしたことを見抜かれたので、山本は肝を冷やす。
「当たり」
そして、一瞬動きが止まった隙をついて、雲雀は山本を蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされたことで、山本は壁に激突してしまう。
「3匹」
全員を倒した雲雀は、口ほどにもないと、見下すような目で見ていた。
「ん?」
しかし、彼らを倒すと、彼らの後ろにいて見えなかった魅真が目に入った。
雲雀と目があったことで、魅真はビクッと肩を震わせる。
「君……確か……この前の……」
この前は忘れていたが、今回は覚えられていたので、魅真は顔が真っ青になった。
「どういうつもり?」
「え?」
「群れるなって言ったはずなのに、群れてるなんて……しかも、ここに入るなんて、一体どういうつもりなの?」
ジロッと鋭い目で睨まれれば、魅真はますます畏縮する。
「答えないなら……
咬み殺すよ」
今言ったことが、冗談ではないと言うようにトンファーを構えると、魅真は、床に倒れている三人のようになっている自分を想像して、涙目になり、恐怖のあまり、そこから逃げだそうとした。
「!」
けど、逃げようとすると、倒れたツナ達が視界に入り、動きを止めた。
そして、涙を浮かべ、顔が真っ青になり、全身が震えながらも、ツナ達のところまで走っていくと、ツナ達をかばうように、雲雀の前に立ちはだかった。
「……なんのつもり?」
雲雀に脅され、一度はツナ達を置いて逃げようとしたのだが、思いとどまり、ツナ達をかばう魅真。
自分に逆らった上に、群れる行動をとった魅真を見て、雲雀は、不機嫌そうに顔を歪めた。
「君……そんなに咬み殺されたいの?」
不機嫌になった雲雀は、先程よりも、もっと鋭い目で魅真を睨む。
魅真はあまりの怖さに、まさに蛇に睨まれた蛙の如く動けなくなり、心臓が破裂しそうなくらいに高鳴っており、心拍数が半端なかった。
「何か言いなよ」
魅真は、雲雀のとてつもない迫力に、口を開くことすらままならないのだが、そんなことを知らない……例え知ってたとしても、性格上、そのようなものは知ったことではない雲雀は、そんなことはお構いなしに魅真を責めた。
「あー、いつつつ…………」
「「!」」
雲雀が魅真を責めてると、突然ツナのうめき声が聞こえてきた。
「ごっ…獄寺君!!山本!!なっ、なんで!!?」
山本も獄寺も気絶したままなので、何がなんだかわけがわからず、状況がつかめないツナは動揺しまくっていた。
「起きないよ。2人には、そういう攻撃をしたからね」
「え゙っ」
ツナが起きたことで、今まで魅真に向いていた矛先はツナに向けられた。
「(それって……つまり……この人、1人で2人を倒しちゃったってことーーーーー!!?)」
「ゆっくりしていきなよ。救急車は呼んであげるから」
「ちょっ、それって。(え゙ーーーーーーっ。メチャクチャピンチー!!?)」
雲雀が言ったことの意味を理解したツナは、みるみるうちに顔が真っ青になっていった。
「(そんなーっ。なんで、こんなことになってんのーー。ただみんなで、応接室にきただけなのにーー!!!)」
どう考えても、自分に勝ち目がないとわかっているツナは、絶望的になり、どん底につき落とされる。
「!
んなーー!!?」
その時、ふと窓の外を見ると、突然リボーンがブランコのようなものに乗って、窓の外から、拳銃でツナを狙っていた。
「死ね」
リボーンは、ツナの意志など関係なく、いつものように死ぬ気弾をツナに撃った。
死ぬ気弾を撃たれたツナは、眉間から血を流して、仰向けに倒れていく。
「リボーン君!?」
リボーンの声が聞こえると、魅真はリボーンを見た後、拳銃で撃たれたツナを見る。
魅真だけでなく、魅真と同じように、死ぬ気弾のことを何も知らない雲雀も、何かと思い、ツナの方を見た。
すると、突然ツナの体が盛りあがり
「うおぉおぉっ。死ぬ気でおまえを倒す!!!!」
額に炎を灯したパンツ姿のツナが、ツナの中から現れ、雲雀に立ち向かっていく。
「沢田君!?」
ツナが雲雀に立ち向かっていくこともだが、ツナの今の姿にも、魅真はとても驚いた。
それは、あの悪夢に出てきたツナと、まったく同じだったからだ。
「何それ?」
一方で雲雀は、ツナが繰り出した拳をあっさりと避け
「ギャグ?」
トンファーでツナのアゴを殴った。
「アゴ割れちゃったかな」
いつものように簡単に倒したので、雲雀は余裕の笑みを浮かべ、ツナを見下す。
こうなることは、雲雀には当然の結果だったのだ。
「(何コレ? この前のように、沢田君が沢田君の中から出てきた!下着姿になって!)」
一方で魅真は、ショックすぎて目がぐるぐると回り、夏休みのあの出来事を思い出していた。
「(えぇえぇえええーーーーーーー!?なんで?あれって、夢なんじゃなかったの?
それよりも、あの人は、なんで何事もなかったかのように、平然とした顔をしてるの?
どういうことなの?一体ぃいいい!!)」
ツナに、夏休みに起こったあの日の出来事は夢だと言われたのに、現在進行形で現実になってるので、魅真はパニックになっていた。
「さーて、あとの2人も、救急車にのせてもらえるぐらい、グチャグチャにしなくちゃね」
山本と獄寺を更にボコボコにしようと思った雲雀は、二人の元へ行こうとした。
だが、雲雀がツナに背を向けた瞬間、ツナは起き上がる。
「ん?」
「まだまだぁ!!!」
雲雀は気配を感じ、振り返る。
それと同時に、ツナは雲雀を殴った。
この時の雲雀は、どこか怒っているような、屈辱に満ちたような表情だった。
ツナの攻撃はまだまだ終わらず、今度は、自分の元にとんできたレオンが変化した、トイレ用のスリッパを手にとり
「タワケが!!!」
雲雀の頭をはたいた。
それはまるで、コントのようだった。
「………
ねえ…」
頭をはたかれたことでフラフラしたが、そのフラつきがおさまると、低い声で呼びかけ
「殺していい?」
残酷な一言を言い放つ。
今のツナの攻撃は、雲雀にとって耐えがたい屈辱で、怒りに満ちあふれていたのだ。
「そこまでだ」
その時、後ろからリボーンによる制止の声が聞こえてきた。
「やっぱつえーな、おまえ」
「君が何者かは知らないけど、僕、今イラついてるんだ。横になって、まっててくれる」
「リボーン君!」
そう言いながら、トンファーを振りまわしてリボーンを叩きのめそうとした。
魅真は心配そうに叫ぶが、リボーンは隠し持っていた十手で、あっさりと雲雀のトンファーを受け止めてしまう。
「ワオ。すばらしいね、君」
初めて自分の攻撃を、しかも簡単に受け止めたので、その強さに、喜びの笑みを浮かべた。
「おひらきだぞ」
「!!」
リボーンはどこからか爆弾を取り出すと、それを投げて煙幕をつくり、雲雀の視界が悪くなった隙に、ツナと魅真は、山本と獄寺を連れて退散した。
それから四人は屋上に戻ると、リボーンから、今回の真相を聞いていた。
「なぁ。あいつにわざと会わせたぁ!!?」
「キケンな賭けだったけどな。打撲とスリ傷ですんだのは、ラッキーだったぞ」
「はぁっ、何だよそれ?」
「お前達が、平和ボケしないための、実戦トレーニングだぞ。鍛えるには、実戦が一番だからな」
「なっ、何言ってんだよー!!」
「ちくしょー、あんなやつに…!」
今回のことは、すべてリボーンに仕組まれたもので、ツナは冗談じゃないとばかりに叫び、獄寺は悔しそうにしており、山本はなんとも言えない顔をしていた。
「つーか、どーしてくれんだよ!ぜってー、あの人に目ぇつけられたよ!!」
死ぬ気モードの時に、雲雀にやったことを思い出したのか、ツナは頭を抱えて叫ぶ。
「うわあぁぁ」
「まーまー」
「次はぶっとばします!」
ツナはパニックになり、山本はそんなツナをなだめ、獄寺は安心させるように、決意をツナに話した。
「ヒバリは将来、必ず役に立つ男だぞ」
リボーンは四人から離れると、誰に言うでもなくぽつりと言った。
そんな中、魅真だけが何も話さず、疑いの眼差しをツナに向けていた。
「あの赤ん坊、また会いたいな」
同じ頃、応接室では、雲雀が窓の外を眺めながら、よほど気に入ったのか、リボーンのことを思い出して、楽しそうに笑っていた。
この日魅真は、雲雀(一番会いたくない人物)にまた会ってしまった。
しかし、それだけならまだマシだった。
この後……学校が終わった後魅真は、知りたくないことを知ることになる…。
「ただいまー」
「お帰りなさい、魅真。ねえ、今から時間あるかしら?」
「特に何もないけど……。どうかしたの?」
「それがね、今日お隣さんの奥さんに聞いたんだけどね。並盛町には、この町を仕切ってる人がいるみたいなのよ。
それでね、並盛町に来た人は、離れたとこに住んでても、あいさつをするのが、暗黙のルールみたいで…」
「へえ…」
「うちのお隣さんじゃないから、今まであいさつとかしてなかったんだけど、絶対にした方がいいって言われたから…。
だから、その人が誰かってことを知っておくって意味でも、魅真に着いてきてほしいの」
「いいよ。どうせ暇だし」
「よかった。じゃあ、さっそく行きましょう」
この時魅真は、何も気づいてないどころか、予想すらしていなかった。
ピンポーン
「こんにちはー。すいません、どなたかいらっしゃいませんか?」
並盛町を支配しているのが、一体誰なのかということを…。
「はい」
いや………
「!!!!!!」
「あ、こんにちは。この家の人ですか?」
絶対に関わり合いになりたくないと思ってるあまり、無意識のうちに、候補から消していたのかもしれない……。
「いえ…自分はこの家の人間では…。今、呼んできます」
「お願いしますね」
「(あれ?この人って、あのリーゼントの?
ていうか、この家って、夏休みに見た、あの大きなお屋敷じゃないの!!)」
あの………
「ねえねえ、魅真」
「何?」
「ここ、とてもりっぱなお屋敷ね。今時、純和風の家なんてめずらしいわね」
「そ…そうだね…」
「それに見て。とてもめずらしい名字だわ」
「へ…?
!!」
自分がもっとも苦手とし、もっとも恐れ、もっとも会いたくない人物を…。
「(ヒバリ?あれ………なんか、どこかで聞いたことが……。あれ………どこだっけ?
……あれ…………なんか………とてつもなく…嫌な予感がするんだけど…)」
「お待たせ致しました」
「!!!!!!!!」
そう…………
「僕に何か用かい?」
彼こそが………
「あら!あなた、夏休みに学校で会った子ね。確か名前は……」
この並盛町の、最強の不良にして、不良の頂点に立ちながらも、並盛中学校風紀委員の風紀委員長を勤める男……
「(なっ!!なんで…この人が……ここに!?
えっ!?でっ…でも……この人がいるってことは………ひょっとして……この人が!?)」
名実ともに、この並盛町の支配者たる、雲雀恭弥…その人であった。
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