第九十七話 真実
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「貴様が……鴉の師匠…だと?」
華炎が炎を使うだけでなく、爆弾も使い、その上鴉の師匠でもあったので、瑠璃覇は信じがたそうにしていた。
「おい、蔵馬。どういうことなんだよ?なんであいつが、鴉と同じ技を?」
「知らない…。オレも…はじめて見た」
それは、幽助も蔵馬も同じだった。
「お前…華炎と知り合いなんだろ?なのに、知らないってどういうことだよ」
「恐らく、華炎がオレ達と最後に会ったあとに生み出したものなんだろう…。少なくとも…オレと瑠璃覇が最後に会った時には、あんな技はなかった。その上、鴉の師匠だったとは……」
蔵馬は華炎と顔見知りのはずなのに、華炎が支配者級の力を持ち、爆弾を扱うことを知らなかったので、幽助は疑問を抱いたが、その後に蔵馬から出た答えに納得をした。
彼らが驚いている間にも、華炎はトレースアイを創りだして、瑠璃覇を攻撃した。
第九十七話 真実
トレースアイが自分の方へ向かってくると、瑠璃覇はそれを跳んでよけた。
たくさんのトレースアイが、次々と瑠璃覇に向かってくるが、瑠璃覇はそれをよけたり、風の力を使って撃破しているので、トレースアイはなかなかあたらなかった。
けど、何回かよけていると、トレースアイが後ろから瑠璃覇をねらってきた。
瑠璃覇はまた、それを風の力で撃破しようとしたが、ふり向いた瞬間、先程爆破された足を軸にして動いたせいで足に激痛が走り、一瞬動きが止まる。
そのすきに、トレースアイが瑠璃覇の背中に何体かあたってしまう。
「うあああっ」
トレースアイが背中にあたり、爆発すると、瑠璃覇は爆風でとんでいき、地面にたたきつけられるように倒れた。
「くっ…」
だが、右手を地面について、なんとか起き上がろうとする。
しかし、またしてもマッディボムの枷が出てきて、地面についた手を爆破した。
「わあああっ」
瑠璃覇はまたしても地面に倒れてしまう。
「くそっ」
けど、それでも起き上がろうとすると、今度は胸が、体の中から爆破した。
「きゃああああああああああっ!!」
体の中から爆発し、足や手を爆破された時よりも、大量の血が胸から流れ出てきた。
瑠璃覇は、胸から真っ赤な血を流しながら、仰向けに倒れていく。
「瑠璃覇っっ!!!!!!」
謎の爆発が起こり、その上大量の血が胸から流れ出てきたので、蔵馬は心配そうに叫んだ。
足や手を爆破されただけでも心配なのに、何故か体の中から爆発したので、頭が追いつかない状況だった。
「おいおい、どういうこった!?」
蔵馬が叫んでいる後ろで、酎がふしぎそうにしていた。
「今、体の中から爆発したよね?」
酎の隣では、鈴駒も同じようにふしぎそうにしている。
「今のは……爆弾…か?」
鈴駒に続いて凍矢。
「何故だ?何故、瑠璃覇の体内から爆発が起こったんだ?あんな技、鴉はもっていなかったはずだ」
凍矢に続いて鈴木も、すごくふしぎに思っていた。
「く……ぅ……」
一方瑠璃覇は、痛む体をなんとか動かして立ちあがろうとする。
「くくくく…。何故、いきなり体の中が爆発したのか?という顔をしているな」
華炎は瑠璃覇を見て、不敵に笑いながら、瑠璃覇が立ちあがるのを阻止するように、両方の腕を、また体の内側から爆発させた。
「ぐっっ……」
起き上がるために体をささえていた手を攻撃されたので、瑠璃覇は崩れ落ち、再び仰向けに倒れる。
「それは……わしが、ミクロン単位の爆弾を、貴様の体内に仕掛けておいたからよ」
「ミクロン単位の……爆弾…?」
「そう…。その爆弾は、ひとつだけなら大した威力はない。せいぜい、花火が爆ぜる程度のものよ。だが……数千……数万という数ならどうなる?その大量の爆弾を、一度に爆発させればどうなる?大きな爆発が起き、今のように体内から傷つけ、血を流すことも可能だ」
「そんな素振り……一度も……」
「試合が始まった時から、少しずつ貴様の体内に送っておいたのよ。貴様が森にかくれている時と、空を飛んでいる時以外、ずっとな…。その爆弾は、鼻の穴からでも、耳の穴からでも、毛穴からでも入ることができるからな。技らしい技を使わなかったのは、そのためよ。いかに防御力にすぐれている貴様とて、体内には結界をはることはできんし、体内までは、鍛えようがあるまい」
華炎の説明の通り、瑠璃覇の体は、かなりのダメージを負っていた。
体内で爆発が起こったせいで、皮膚がやぶれ、内臓が傷つき、血が流れ、苦痛に顔をゆがめていた。
「鴉に教えたのは、ほんの一部。弟子より師匠の方が、技も威力も優れているのは当然のことだ」
そんな、見るからに大きなダメージを負っている瑠璃覇を見て、華炎は勝ち誇った笑みを浮かべる。
「この力はな、貴様と最後に戦った後に手に入れたものよ。魔界整体師に頼み、支配者級の力をさずけてもらった。
鴉とは、数年前に会った。ある強い奴を倒したいから、技を教えてほしいと言ってきたのだ」
何故、火炎術士である自分が、支配者級の力をもっているのかを簡潔に説明をすると、華炎は手を前にかざす。
「さて……じわじわといくか…」
「!?」
そしてニヤっと笑うと、手を動かした。
「あああぁああああっっ」
すると、今度は瑠璃覇の腹部が爆発した。
「うわっ」
続いて、右手の上腕。
「ぐっ」
次に左足のふともも。
「あぐぅっ」
右側の肋骨。
「ああぁぁああああぁあああっ」
そして、背中。
背中を爆発させられると、瑠璃覇は爆風で宙を舞い、そのまま地面にたたきつけられる。
休む間もなく次々と爆発させられ、爆発するごとに、瑠璃覇はダメージを負っていった。
それだけでなく、そのダメージを負った状態の体を、強く地面に打ちつけたので、更にダメージを負った。
「っっ……」
あまりにひどい惨状に、蔵馬は思わず目をつむり、顔を背けた。
華炎にいいように弄ばれ、血だらけになった瑠璃覇を、見ていられなくなったのだ。
他の者達も、顔を背けたり、目をつむったりはしていないが、瑠璃覇の今の状態に、顔をゆがめていた。
「まだまだ終わらぬわ。こんなものではないからな。わしの……貴様に対する恨みはな…」
華炎がそう言うと、マッディボムの枷が、今度は両手両足をとらえた。
「つかまえた」
目玉が現れると、四肢が同時に爆発する。
「うああっああああああぁぁあああっああああっっっ!!!!!!!」
その叫びは、天をも切り裂くほどの痛ましいものだった。
瑠璃覇は頭以外、体中が真っ赤になり、血がとめどなく流れ出てきていた。
「ふふっ…あっけないものよの。こんなにもあっさりとうまくいくのなら、最初からこの力を手にいれておればよかったわ」
「く……う……」
「長い間貴様を殺せずにいたが、今日こそあの世に送ってくれるわ」
攻撃をくらいすぎて大ダメージを負い、そのせいで血を流しすぎて、瑠璃覇の意識は朦朧としていた。
「17年前の…妖狐蔵馬のようにな…!!」
だが、次の一言で覚醒し、目を大きく見開く。
これには、瑠璃覇だけでなく、蔵馬も…他の者達も、過剰に反応を示した。
「な……に…?」
短いが、インパクトがあるその言葉に、瑠璃覇は弱々しく言葉をつむぐ。
「17年前……霊界ハンターが妖狐蔵馬を追いつめたのは、ただの偶然ではない。あれは……すべてわしが仕組んだことよ。
パープル・アイ!!貴様を殺すためになっ!!」
それは、今までで一番衝撃的な事実だった。
瑠璃覇や蔵馬はもとより、幽助達も大きな衝撃を受け、瞠目した。
中でも、瑠璃覇や蔵馬、霊界の住人であるぼたんやジョルジュやコエンマは、ショックが大きかった。
「なかなか貴様を倒せなかったわしは、17年前霊界に行き、エンマ大王に会った。そして、エンマ大王に言ったのだ。『パープル・アイのような有名な妖怪を倒して、株を上げてみたくはないか…』とな…」
華炎は、17年前のことを話しはじめた。
瑠璃覇はそれを、黙って聞いていた。
はらわたが煮えくり返る思いをしたが、それでも真実がなんなのかを確かめるために、黙って聞いていたのである。
「エンマ大王は、最初は妖怪のわしが訪ねてきた上、同じ妖怪を売るような発言をしたことに驚いていたが、すぐにその話にのってきた。
そしてわしは、真っ正面から向かっていっても返り討ちにあうだろうから、周りにいる大切なもの。すなわち、妖狐蔵馬を亡き者にすれば、簡単に殺せるだろうと進言した。もちろんエンマ大王は、その話に賛同した。霊界ハンターの力では、S級クラスの貴様は殺せなくとも、A級クラスの蔵馬なら殺せるだろうからな。そうして蔵馬を殺せば、貴様は心が弱り、力が出せなくなるだろうからな。だから、まずは蔵馬を殺すことを計画したのよ。
だが、蔵馬を亡き者にすることは成功したが、蔵馬は霊体で人間界に行き、貴様も奴の後を追って人間界に行ってしまったので、計画はほとんど失敗してしまった」
けど、やはり気分がいい話ではないし、何よりも、瑠璃覇にとっては許しがたいことだった。
「わしはすぐに霊界に行き、エンマ大王と打ち合わせた。魔界で亡き者にすることができなかったのなら、今度は、人間界で亡き者にしようと。
そこで、エンマ大王を通して、貴様が人間界に滞在するための不利な条件をつきつけさせ、蔵馬からは、貴様に関する記憶を消したのだ。貴様が、人間に憑依をし、姿が変わってしまった蔵馬がわからなくとも、蔵馬の方がみつけてしまう可能性は高いからな。そして、貴様は鼻がきく。ニオイだけでみつけてしまう可能性は、充分にある。それに貴様は、妖気を探るのが得意だからな。だからエンマ大王に、蔵馬のニオイや妖気がわからないように、蔵馬の周りに、つねに結界をはらせていた。人間に憑依したとて、蔵馬の妖気やニオイがなくなるわけではないからな。
そうすれば、貴様は蔵馬と再会できない。そうすれば、いずれは焦りや不安で弱っていく。何よりも、妖力を抑えている人間の状態なら、簡単に殺せるだろうとふんだのよ。
だが……貴様は、その不利な条件すらも利用して生き延びてしまった。
そこである日、またエンマ大王を通して、貴様を霊界探偵のパートナーにさせたのだ。動向を把握しやすいようにな。なるべく動きを制限させ、こちらから見張るためにそうしたのよ。
しかし、皮肉にもそれが原因で、貴様は蔵馬と再会をして、蔵馬は貴様の記憶をとり戻してしまった。せっかく、暗黒鏡で命を落とすチャンスがあったというのに、蔵馬までも生き残ってしまった。本当に悔しかったし、歯痒い思いをした。
けど、それでも貴様は、人間界では、妖力を抑えている人間の状態でいることには変わりはないし、貴様だけでなく、蔵馬も人間に憑依したせいで、妖力が落ちている。
だから、わしはまたエンマ大王を通し、蔵馬と飛影という妖怪を、浦飯幽助の手助けをさせるように進言した。霊界探偵の仕事で、貴様と蔵馬を亡き者にできればいいと思ったのだ。
だが、そんな者は現れなかった。
鴉に技を教えたのは、ただ単に、奴が、同じ爆弾を創り出す支配者級だったからではない。いずれ、わしの手ゴマとして使える時がくるかもしれないと思ったからだ。そして、その時はやってきた。あいつを仕掛けたのは、今の蔵馬を殺すためだ。そのために、あいつの好みや性格を利用したのよ」
蔵馬が人間に憑依したことや、瑠璃覇を忘れていたこと、鴉と蔵馬が戦ったことに、そんな裏があったのだと知ると、瑠璃覇と蔵馬はショックを受けた。
瑠璃覇と蔵馬だけでなく、幽助達も全員呆然としていた。中でも、特に当事者である瑠璃覇と蔵馬は、頭の中が真っ白になる。
「だが、偶然にも、鴉の好みや性格は、蔵馬を殺すのにうってつけだったが、蔵馬を殺すことはできなかった。せっかく蔵馬は、命を燃やして魔界の吸血植物を呼び出したというのに、皮肉にも妖狐に戻る手段を手に入れたことで、妖力が増してしまい、またしても生き残ってしまった。本当にあの時はおしかったわ。
それだけでなく、蔵馬は自分自身の意志で妖狐に戻る術を手に入れ、更に妖力が増した。
やはり、世の中うまくはいかないものだな。どんどん貴様の思い通りになっていってるのだから…。
だから、仕方なしに、わしはこのトーナメントに参加したのだ。
今度こそ、貴様と蔵馬を殺すためになっ!!」
瑠璃覇は華炎の話を聞くと、地面についていた手で、地面の土をにぎる。地面には、瑠璃覇の指でえぐられた跡があった。
「そうだったのか」
観客席では、コエンマがぽつりとつぶやいて、一人納得していた。
「ようやく……すべてがつながった」
「何がだ?」
なんのことだかわけがわからず、幽助はコエンマに問う。
「以前…暗黒武術会の決勝戦の時、幽助と戸愚呂の戦いが始まる前、ワシは瑠璃覇に、17年前のことを話しただろう?」
「ああ」
「実はワシは、瑠璃覇を追いつめるということは聞いていたが、理由までは聞かされていなかったのだ」
「…どういうことです?」
そのことにいち早く反応したのは、幽助ではなく蔵馬で、蔵馬はきびしい顔で、コエンマに問いだす。
「実は……瑠璃覇を追いつめるというのは、ワシも親父に言われただけなのだ」
「…言われただけ?」
あまりに無責任な返答に、蔵馬はますますきびしい顔になり、眉間にしわをよせる。
「おいおい。それじゃあ、あまりにも無責任すぎんだろ」
「その通りだ。しかし事実だ。
17年前、ワシはオヤジに言われた。妖狐蔵馬を亡き者にして、パープル・アイを心身ともに弱らせ、始末をしよう…と…。
何故、突然オヤジがそんなことを言ってきたのかわからないワシは、反対をした。
確かにワシは霊界の者だし、人間界を妖怪から護るのが役目のひとつでもある。
だが、瑠璃覇は極悪盗賊と言われていたが、魔界では、ワシらの管轄外で活動をしていた妖怪だし、霊界にも人間界にも害をなしたという話は、いっさい聞いておらん。それなのに、瑠璃覇を追いつめるなど…。それは許されんし、自分の評判を貶めるだけの行為だとも忠告した。
しかしオヤジは、頑として譲らなかった。絶対に、瑠璃覇を追いつめると言ってきたのだ。今まで、大して気にもとめていなかったというのに……。いや……気にとめることができなかったと言った方が正しいか……。
だが、ようやくわかった。A級妖怪しか始末することができない霊界が、瑠璃覇を追いつめると言った理由(わけ)が…。
まさか……霊界の長ともあろう者が、裏で妖怪と手を組んでいたとはな…。それも…S級クラスの妖怪と…。
どうりで……S級妖怪である瑠璃覇を追いつめると、強気に出てきたわけだ…」
コエンマの話から、コエンマは肝心なことは何も知らされておらず、すべての要因は、エンマ大王と華炎にあるのだとわかった蔵馬は、きびしくも複雑な顔をしており、いろいろと思うところがあるのだが、事情が事情だけに、それ以上は何も強く言うことができなかった。
一方瑠璃覇は、痛む体をゆっくりと起こし、その場を立ちあがると、華炎をまっすぐに睨みつける。
「……殺す…」
そして、ぽつりとつぶやくように、その短い言葉をつむいだ。
「殺す!!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!殺すっっ!!!!!!!!」
ぽつりとつぶやくと、今度は同じ言葉を何度もくり返す。
「殺してやるっっ!!!!!!!!エンマ大王も…ハンターも…鬼も…案内人も……霊界の奴らを……すべて!!お前を殺した後で、みんな亡き者にしてやるっっ!!」
真実を知り、瑠璃覇は狂ったように叫んだ。
その目には、はかり知れないほどの、激しい怒気や殺気、憎悪が感じられた。
この世でもっとも愛する蔵馬が、一度命を失っただけでなく、そのことに、自分がこの世でもっとも憎んでいる華炎がからみ、裏で糸を引いていたのを知り、その感情が一気に爆発したのだ。
瑠璃覇はもとからプライドが高いので、自分を陥れた華炎やエンマ大王が、余計に許せなかったというのもある。
激しい怒りの感情をぶつけ、狂ったように叫ぶ瑠璃覇を見て、霊界の者であるコエンマ、ぼたん、ジョルジュは、生つばを飲みこんだ。
「くくくくく。やれるものならやってみるがいい、小娘」
だが、華炎は不敵に笑いながら、手を動かし、瑠璃覇が話している間に創り出した爆弾を、いくつか瑠璃覇にぶつける。蔵馬が鴉と戦った時に、鴉が創り出した、あの光る球体のような爆弾だった。
「うああっ」
たくさんの爆弾をぶつけられ、これまでに爆発して血を流した部分にもあたり、瑠璃覇は苦痛の声をあげる。
華炎はその様子にニヤリと笑い、次々と爆弾をあてて爆発させていく。
その度に、瑠璃覇は苦痛の声をあげた。
あの時の…暗黒武術会で鴉と戦った時の自分と酷似しているので、蔵馬は不安になり、顔をゆがめた。
何よりも、何も手助けをすることができないので、とても歯痒い思いをしていた。
それが何分か続いた時、華炎はふいに、攻撃の手を止めた。
攻撃がやむと、瑠璃覇は力なく前に倒れていった。
「いい格好だな、小娘」
瑠璃覇は顔以外、血で真っ赤にそまり、目がうつろになっていた。
「わしの妖力もかなり減ってきたことだし、そろそろ決めるか」
「く………」
「だが、まだ殺しはせん。瀕死の状態にして、わしが勝った後、蔵馬や……今貴様が大切にしている、浦飯幽助や飛影、桑原とかいう人間も殺してやる。絶望を味わわせてやるわ!!」
ぼろぼろの状態の瑠璃覇に言い放った言葉は、とても残酷なもので、瑠璃覇は固まり、大きく目を開き、華炎を凝視した。
それだけでなく、蔵馬、幽助、飛影も、自分の名前が出たことで、ドキッとなった。
「なん……だと…!?」
「くくっ…。当然だろう。そして、生き地獄を味わわせた後、妖力が回復しないうちに、貴様も殺してやる!!貴様は昔、わしの愛する息子や、すべての同胞を殺した。大切な者を失う苦しみ、貴様にも味わわせてやる!!」
華炎の言葉に過剰に反応をした瑠璃覇は、ふらつきながらも立ちあがる。
「そんなこと……させない…」
立ちあがると、激しい怒りがこもった目で、華炎を睨みつけた。
「そうなる前に……貴様を殺す!!!!!」
そして、華炎を倒すために、手を前にかざして宣言した。
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