第七十五話 ゲームバトル
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「幽助。この状況、いつぞやの時と似てないか?」
幽助と御手洗が話していると、横から幻海が口をはさんできた。
「いつぞやの時?え…?…あ!!オレが海藤達に捕まった時だ」
「そう。わかってるな?冷静さだけは、失うなよ。敵は必ずそこをついてくる」
「おう、まかせとけ。洞窟を出てくる時は、必ずボコボコの仙水を連れてくるぜ」
幽助がそう言うと、五人は洞窟へと向かっていった。
第七十五話 ゲームバトル
しばらく歩いていくと、五人は目的地である入魔洞窟の前までやって来た。
洞窟の前には、洞窟に入れないように木の柵があり、真ん中には「立入禁止」と書かれた札があった。そして柵には、有刺鉄線がまかれていて、洞窟には入れないようになっていた。
空の雲行きが怪しくなり、今の状況を表すかのような雷が、彼らの背後で鳴り響く。
「間違いねェ、この車だ。桑原を連れ去ったのは」
「仙水達は、この洞窟の中です」
「地獄の入り口ってわけか」
「ここから、樹のいる所までは、どの位かかる?」
「注意を払いながら歩けば、二時間はかかると思うよ」
「よっしゃ!!」
「途中、何も起こらなければの話だけどね」
洞窟の中には、仙水と穴をあけている樹だけでなく、他の能力者もいる。それを考えての発言だった。
御手洗の発言で、四人の間に緊張が走る…。
「覚悟はいいな?」
「いつでもな」
「聞くまでもない」
「行くぜ」
洞窟からは、ここから先には、行かない方が身のため…とでも言ってるかのような雰囲気がかもし出しされているが、仙水を倒すために来た五人は、なんのためらいもなく、洞窟へ入っていった。
洞窟の中に入ると、光があたっていたのは最初の入り口のところだけで、すぐに真っ暗闇になった。
全員が周りを警戒しながら進んでいくと、最初の別れ道についた。
「右だ。右に進む」
御手洗に言われた通り右に進む前に、蔵馬はズボンのポケットから種を取り出し、地面に放り投げる。
種は地面に落ちるとすぐに発芽し、根をはり、明るく光る花を咲かせた。
「蔵馬、なんだそりゃ?」
「アカル草だよ。帰るときの目印さ。記憶しておくつもりだけどね」
「帰ってこれればの話…だろ」
縁起でもないことを言う飛影だが、蔵馬は軽く笑うと先へ進んでいく。
洞窟に入ってから30分後。
「今度はこっちだ」
何度めかわからない別れ道の前に来ると、御手洗は右をさした。
「まったく、迷路もいいとこだぜ」
後ろへふり返ると、蔵馬が目印にと植えたアカル草だけが点々と見えていた。
「もう20ヶ所ぐれー別れ道があったが、あの目印がなくなったら、一生ここを出れねー気がするぜ」
「大丈夫。間違ってはいない」
「行こう」
御手洗が断言し、蔵馬が声をかけると、止めていた足を再び進めた。
「ここを過ぎると、大きな空洞がある。そこでちょうど半分くらいだ」
それから更に30分歩いていくと、ようやく半分くらいの位置まで来ようとしていた。
目の前の別れ道を右にまがり、御手洗が説明をしながら歩いていくと、目の前にあるものに驚き、目を見開いた。
「待って!!」
それに気づいた御手洗はいきなり大声をあげ、手を前にやって幽助達を制した。
「なんだ?」
「おかしいぞ…。あんな扉はなかった!!」
御手洗が指をさした先には、真ん中に大きく、「G」と書かれた扉があった。
「なんだ?この扉は…」
「扉…門番(ゲートキーパー)か!?」
「いや…樹は穴が広がりきるまで動けない。穴の中心まで、まだ半分しかきてないんだ」
「じゃあ、一体なんなんだ?」
「それは、ボクにもよくわからない」
「わからない?お前な…」
「まあまあ、瑠璃覇」
よくそれで、洞窟の道案内を買って出たな…と言うように、御手洗を軽く睨めば、そこへ蔵馬がわって入ってきて、瑠璃覇をなだめた。
「まてよ……オレなーんかこの扉見たことあんだよな」
三人が話していると、幽助はあごに手をもってきて、扉をじーっと見ながら考える。
《デビルシティへようこそ!!君達8人は選ばれた戦士だ!!これから君達は、街の平和をとり戻すため、悪の市長ゲー魔王を倒さなければならない!!》
幽助が考えていると、突然扉の方から機械のような男の声が聞こえてきた。
「「ゲームバトラー」!!」
「あー!!そうだ!!これ「ゲームバトラー」のオープニングだぜ!!」
「ゲームバトラー?」
「TVゲームですよ」
「なんでこんなとこにゲームバトラーが?」
「天沼…!!ゲームマスターか!!」
「オレの領域にようこそ………」
ゲームバトラーのオープニングの声が聞こえたかと思うと、今度は別の声が、扉の向こうから聞こえてきた。
「天沼の声だ」
「オレの領域では、ゲームのシナリオに従ってもらわなければだめなんだ」
「天沼の領域は、ゲームそのものを実物大で再現できる。そしてそのゲームに関係ない者は、領域の中に入ることさえできない」
「するとオレ達は、登場人物としてそこに侵入するわけか」
「よほどゲームに自信があると見えるな」
「そこに何人いるかわからないけど、選ばれた戦士は八人でなければならない」
「バーロー!!オレ達だけで十分だ」
「それではだめだ」
幽助が怒鳴るが、天沼は頑なに拒否をする。
「天沼の領域に入るには、奴のルールに従うしかない」
「ここから先は、八人いなければ進むこともできないわけか」
「そうだ。そうでなければ扉も開かない」
「くっそー…」
「こちらが、少数精鋭で戦うつもりだったことも、見すかされていたわけだ」
「ひとっ走り、オレが、外から三人連れてくるか?」
「単独行動はまずい。タイムロスは痛いが、全員で戻ろう」
「そうだな。そうした方が無難だ」
「ちぇっ」
ここを通らなければ、仙水がいる洞窟の奥へはたどりつけないので、五人はしかたなく、元来た道を戻っていく。
そして二時間後。五人は幻海、海藤、柳沢を連れて戻ってきた。
「やれやれ………」
すでに相手のペースにはまっているので、扉の前に来た幻海は難しい顔をしていた。
「おい、八人そろったぞ」
《デビルシティへようこそ!!君達八人は選ばれた戦士だ!!これから君達は、街の平和をとり戻すため、悪の市長ゲー魔王を倒さなければならない!!》
扉に向かって幽助が声をかけると、ゲームのオープニングが流れ、先程と同じ機械の声が聞こえてきた。
ナレーションが終わると、扉がものものしく開く。
中には「G」と書かれた画面とスロットマシンがあった。
「なんだここは?」
「ようこそ、ボクの領域へ」
とても洞窟の中とは思えない空間に、全員が周りを見回していると、前から声が聞こえてきたので、全員声がした方へ注目する。
「ようやく八人揃ってきたようだね。待ちくたびれちゃったよ」
前を見ると、部屋の一部がスポットライトで照らされる。
そこにいたのは、大きな椅子に腰をかけた、小学生の子供だった。
「あれが天沼…。あんなガキが!?」
「どうしたの?それじゃ早速はじめようか。楽しいゲームを…」
まさか子供とは思わず、幽助が驚いていると、天沼は不敵な笑みを浮かべる。
「あの、浦飯さん。ゲームバトラーってどう戦うんすか?」
「流行りモンにうとい奴だな。あそこにスロットマシンがあるだろ。あれで、ゲームの種類とレベルを選ぶんだ」
「オレ達は、一人一ゲームだけ敵と戦う。先に五勝した方の勝ちだ」
「準備いいかい?早くしないと、スロットまわしちゃうよ」
「ちょっと待てよ」
「あんたらも急いでるんじゃないの?モタモタしてっと、戦ってやんねーぞ」
「憎たらしいガキだな」
「いちいち熱くなるな、幽助」
「本当のゲー魔王を子供にすると、あんな感じだ」
「かまわず作戦をたてよう」
生意気な態度をとる天沼に、幽助は腹を立てるが、瑠璃覇、蔵馬、海藤は冷静だった。
「まず、このゲームの経験者は?」
「はいはい。ある!!オレ、やったことあるぜ!!」
「オレも」
「あ、ボクもあります」
一番最初に、幽助が得意気に手をあげた後、海藤、御手洗が名乗りをあげた。
「じゃあ、オレを含めて四人か…」
「あたしもだ」
「えぇええ!!ばーさんもやったことあんのかよ!?」
「だてにヒマ人はやっておらん」
あまり、幻海とゲームというものが結びつかないので、幽助は驚き、幽助の驚いた顔を見た幻海は、ニッと笑う。
「じゃあ、エンディングまでいったことがあるのは?」
「オレは、ちょっと途中でつまっちまって、まだ…」
「一度だけだが、最後までいったぞ」
「えぇええ!!ほんとかよ、ばーさん」
二回目の幽助の驚きに、幻海は無言でVサインをする。
「十回やれば、七~八回は勝てる。ただ、普通のゲームのゲー魔王が相手ならの話だけどね」
「オレもそのくらいだ」
「おめーらみんなスゲーな」
「だが、海藤の言う通り、天沼は実際のゲー魔王よりも手強いはずだ」
「そうじゃなけりゃ、奴がこのゲームを選ぶはずないからね」
「とにかく、ゲー魔王と戦う前に四連勝しておきたい」
「ブーーー。時間切れ。もう、スロットまわすよ」
まだ作戦をたてている途中だが、しびれをきらした天沼が、もうこれ以上は待てないと言うように、口をはさんできた。
「……よし。幻海師範」
「ああ」
「御手洗くん」
「うん」
「柳沢」
「え?オレ!?」
「そして、幽助」
「おっしゃ」
「四人で四勝してくれ。あとは、オレと海藤で何とかする」
「スロットスタート!!」
天沼が声をあげると、スロットマシンの隣に立っていた、手下の魔人がスロットをまわす。
スロットの画面は、いろんな絵が変わっていくと、次第に止まり、ゲームの内容を示した。
最初のゲームはスポーツで、レベル7のテニスだった。
「最初のゲームはテニス」
「これならボクが得意だ。やらせてくれ」
「よし」
さっそく自分の得意分野が出たので、御手洗は自ら名乗り出る。
すると、天沼の隣に部下の魔人が現れた。
「参考までに言っておくと、部下の魔人のレベルは、ゲームの強さと設定一緒だよ。安心したでしょ。まあ、気楽にやろうよ。八人いるんだしね」
そう言って、天沼は不敵な笑みを浮かべる。
巨大な画面はGと書かれた扉が開くと、「スーパーバトルテニス」の文字とともに画面が切り替わり、いよいよゲームが開始された。
一番手の御手洗は、操作台まで歩いていく。
「久しぶり、御手洗さん」
途中で天沼に話しかけられると、足を止め、顔を天沼の方に向ける。
「仙水さんの言う通りだった。あんた、やっぱりオレ達を裏切ったね」
嫌な笑みを浮かべながら話す天沼に、御手洗は冷や汗をかきながら相手を見る。
「それとも、オレ達を裏切ったふりして、そいつらをだましているのかな?だとしたら、表彰もんだよ。オレ、あんた見直すなァ~~~。いまからでも考えてみてよ」
上から目線でいやらしいことを言う天沼だが、御手洗は何も答えず、真剣な表情で操作台の前に立った。
《シングル対戦。3セット、先取シタ方ガ勝チサ。イイ試合ヲシヨウ》
それを見た魔人は、御手洗に近づいていき、御手洗の前に立つと、にこやかに笑って手を伸ばし、あくしゅを求めた。
御手洗はそれに応じ、あくしゅを交わすと、突然音楽が鳴った。
すると、画面が大きくなって広がり、まるでバーチャルリアリティーの世界に入ったようになる。
いきなりのことに、御手洗は驚いて辺りを見回した。
テニスコートだけでなく、審判の椅子や、観客席まであり、観客席からは歓声まで聞こえてきて、それはまるで現実の世界のように、かなりリアルなものだったのだ。
それだけでなく、自分が使うキャラクターは、なんとテニスウェアを着た自分自身だった。
《ゲームスタート。サービス、ゲーム魔人》
ホイッスルが鳴り、ゲームが始まった。
最初は相手からのサービスであるが、御手洗は順調にボールを打ち返していく。
何回か打ち合った末、最初の得点は御手洗が入れた。
「よし…!」
「あんたもオレも、学校じゃ「仲間はずれ」だったって話、前にしたよね」
審判の椅子に腰をかけていた天沼がいきなり話しかけてきて、言われた言葉に御手洗は固まってしまう。
その間にも魔人が球を打ってきたが、球を打つ音に気づき、なんとか打ち返した。
「でもさ、仙水さんに言わせると、オレとあんたじゃ、その理由が全く違うんだってさ。仙水さんはさ、「天沼は強いから疎外される。だけど御手洗は、弱いから疎外される」ってさ。
たしかに、オレは周りの人間があまりにバカなんで、わざとそいつらとはずれてたんだけど」
「オイ、てめー。ゴチャゴチャうるせーぞ、ガキ」
「実際のゲー魔王もいろんなヤジをとばす。熱くなった方が負けさ」
「ちっ…」
嫌なことを言う天沼にキレる幽助だが、周りは冷静だった。
《1セット。御手洗》
ゲームでは、今度は御手洗がサービスをする番となり、球を打った。
「さすが仙水さん。よくわかってるよね」
今の挑発で動揺したのか、御手洗はミスをしてしまい、魔人に得点が入ってしまう。
《2セット。ゲーム魔人》
「くっ…」
相手に得点が入ってしまったので、御手洗は奥歯を噛みしめた。
「あんたは、オレとは全く逆だったんじゃないの?」
天沼はまたやらしい笑みを浮かべる。
それから御手洗は、何度かミスをすることもあったが、揺さぶりをかけられたものの、なんとか巻き返して、勝利をつかんだ。
《セット数3対1。御手洗選手の勝利!!》
《負けちゃったぜ!ハハハハハ》
試合が終わり、御手洗の勝利が宣言されると、ゲーム魔人はそこから消えていなくなり、画面が元に戻った。
「よし!まず一勝だ」
自分達の側の勝利となったので、幽助はガッツポーズをした。
ゲームが終わると、御手洗は幽助達がいる方に戻ろうとした途中で足を止め、天沼がいる方へふり返った。
「天沼…。君のいう通りだ。ボクは弱い。それを認める勇気さえなかったから、周りの人達を呪った。魔がさして、こんな恐ろしい計画に手をかしたのも、ボクが弱いせいだ。
でも変わる。自分が弱い人間だってことから、目をそらさないよ」
「ふん」
先程自分が言ったことを肯定し、強い目を向けた御手洗を、天沼はおもしろくなさそうに睨みつけた。
「よくやったな。まずは一勝だ」
御手洗が自分達のところに戻ってくると、幽助は御手洗の勝利を喜んだ。
「はいはい。次のゲーム行こうっと」
天沼がおもしろくなさそうにつぶやき、スロットの方を向くと、手下がスロットをまわした。
次のゲームは、シューティングでレベル6のバトルヘリ。
ゲームの内容が決まると、シューティング魔人が現れた。
《難攻不落の我が基地を、攻略することなど不可能だ。ハッハッハッハッハッハッハ》
「シューティングか。魔人のレベルが6なら勝てる。あたしがやるよ」
「お願いします」
「ばーさん、本当に大丈夫なのか?」
幽助にそう言われても、幻海はふり返ることなく操作台まで歩いていった。
操作台にくると、御手洗の時と同様に画面が広がり、幻海はヘリの中に乗っていた。
《ヘリは三機まで使えます。全機墜落すると負けです。最終的に、魔人のヘリを墜落させればあなたの勝ちです。それではスタート!!》
合図されると、幻海はヘリを動かし、空に飛び立った。
最初のステージは海上で、幽助達のところまで海が広がっていく。
幻海はそのステージを、ノーミスであっさりとクリアした。
次のステージは夜の街。
建物に仕掛けられたバルカン砲を軽々とよけていき、魔人の基地にある的を狙って撃つがなかなかあたらなかった。
だが幻海は、的の周りをまわっているガードをくぐり抜けていき、今度こそ的にあてる。
基地を破壊すると、ラスボスのゲーム魔人がヘリで登場するが、幻海はあっさりとゲーム魔人を倒したのだった。
《ゲーム終了。勝者、幻海》
ノーミスであっさりとクリアしたので、幻海は得意げな笑みを浮かべる。
「へーー。すごいやおばあちゃん」
結果として負けたというのに、天沼は何故か、幻海を称賛した。
「ちっ、なんだあいつ。楽しんでやがる」
「いいのかなァ。そんなうまい人先に出しちゃって。後できっと後悔するよ~~」
「いいから続けろよ。次はオレだ」
幽助がそう言うと、手下の魔人はスロットをまわした。
次のゲームはアクションバトルの暗黒武術で、魔人のレベルは1だった。
《腕に自信のある奴はかかってこい。ハッハッハッハッハッハッハ》
「やりィ。オレの得意なアクションバトルで、魔人のレベルが1だぜ。楽勝楽勝」
自分の得意分野が出たので、幽助は自信満々な顔で操作台へと向かっていく。
「油断するなよ、幽助」
「おう」
《プレーヤーは三人まで使えます。全員倒されると負けです。それではゲームスタート》
幽助が操作台の前に立ち、アナウンスの合図が聞こえると、幽助の前には草原が広がった。
向かい側からは、胸部に赤い的をつけた妖怪達が走ってくる。
その妖怪達を、幽助はあっさりと攻撃するが、妖怪達はピンピンしており、攻撃を受けた四匹の妖怪達は不敵に笑うと、同時に幽助を殴りとばした。
今の攻撃で、一人目のプレーヤーがなくなってしまい、すぐに二人目のプレーヤーがスタンバイされた。
それをふしぎに思っていた幽助だったが、幻海から「急所を狙え」というアドバイスを受けると、アドバイス通りに急所を狙って、今度こそ倒した。
妖怪達が倒されると、「巨大化ドリンクを早く取れ」と幻海に言われ、幽助が妖怪が消えた場所に出現した青色のビンをとると、後ろから巨人と化したゲーム魔人が出現した。
ゲーム魔人はニヤリと笑うと、蹴りを入れてきた。
幽助はその蹴りをくらってしまい、後ろの崖に激突してしまう。
今のでやられたかと思ったが、蹴りをくらった時に離してしまったビンが、うまい具合に幽助の口に入り、幽助はドリンクを飲んだ。
そして、幽助から光が放たれたかと思うと、幽助は間一髪間に合い、巨大化した。
それから幽助は、魔人の顔面を殴りとばした。
魔人が後方の山に激突すると、幽助は元のサイズに戻った。
《ゲーム終了。勝者浦飯》
画面は元に戻り、幽助の勝利が宣言され、幽助は元いた場所に戻っていく。
「よし、これで三勝だ!!」
「さ、次のゲームいくよ」
半分以上も勝ちを奪われたというのに、大して動揺もしておらず、天沼は淡々とゲームを進めていく。
手下の魔人はまたスロットをまわし、次に出たのは、バトルブロックのパズルで、レベルは10だった。
「次は柳沢だ。たのむぞ」
「オイ、ちょっと待ってくれよ。オレ、TVゲームさえ、あまりしたことないんだぜ。しかも魔人のレベルは10だし、絶対勝てねーよ、オレじゃ」
「大丈夫だ。"模写"があるだろ」
「パズルは大得意」
「あ…そうか!!」
無理難題ともいえることに柳沢は焦ったが、自分の能力を使ってはいけないというルールはなく、パズルが大得意な海藤をコピーすればいいので、柳沢はこの試合に出た。
現れたのはタコの姿をした魔人で、レベルは10だったが、海藤を模写した柳沢は、楽々とこのゲームをクリアしたのだった。
「やったぜ。4勝0敗。あと一勝でオレ達の勝ちだ!!」
自分達が順調に勝っていってるので、幽助はガッツポーズをする。
「ふぅ。やれやれ」
それを見ていた天沼はため息をつくと椅子から降り、マントをとった。
「どうやら、オレ様の出番だな」
マントの下から現れたのは、本当に、まだ小学生の子供だった。
「フン。ゲームのセリフをマネてやがる」
「いよいよか」
「ああ、今までは単なるウォーミングアップ。ここからが本番だ」
幽助達が緊張した雰囲気なのに対し、天沼は無邪気に笑っていた。
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