第七十四話 さらわれた桑原
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自分を倒すと言われると、仙水は幽助を睨みつけた。
「オレを倒す?冗談にしては笑えん」
「おうよ。大マジだからな」
今言ったことが本当だと言うように、幽助は仙水に向かって走っていく。
仙水の前まで来ると、幽助は拳をつき出したので、仙水はそれを、また腕で軌道をそらそうとした。
しかし、幽助はそれを、仙水にあてる寸前で止める。
今のはフェイントだったのだ。
そして、拳を寸前で止めると、仙水の周りをすごいスピードで移動をし、連続で拳をつき出した。
この動きで相手を翻弄し、ふいをつこうとしたのだ。
けど、ふいをついて再び殴りかかったが、その拳はあっさりと軌道をそらされ、蹴りをいれられてしまい、仰向けに倒れた。
「げほっ。くっそォ~~~」
今のはかなり強烈なものだったようで、服がやぶけ、幽助は腹をおさえながら上半身を起こした。
「ハンパな動きだ。基本から勉強し直した方がいい」
相手の動きを読み、あっさりと攻撃をくらわせたことからくる余裕なのか、仙水は口角をあげて笑みを浮かべながら、一歩一歩幽助に近づいていく。
第七十四話 さらわれた桑原
「オレが相手だ!!」
だがそこへ、後ろから桑原が走ってきたので、桑原の声に仙水は足を止めた。
「桑原ふっかーつ。パワーアップしたオレ様の剣を見せてやんぜ」
桑原は右手に霊気を集中させ、昨夜出した剣を出そうとした。
それを見た仙水はニヤリと笑う。桑原の次元刀の力を、自分の目で確かめようとしたのだ。
しかし、桑原の右手から出たのは、パワーアップした次元刀ではなく、いつもの霊剣だった。
「ありゃ!?あの時の剣じゃねェ。いつもの霊剣だ!!どーなってんだこりゃあーーー!?」
出てきたのが、次元刀ではなく、いつも使っている霊剣だったので、桑原は焦った。
それを見ていた仙水は冷静で、桑原は、まだ霊剣と次元刀との使いわけがうまくできないと判断した。
「ええい、かまうかーーー!!」
昨日出した剣ではなかったが、桑原はおかまいなしに、霊剣で仙水に切りかかっていく。
だが、仙水は霊剣すらも軌道をそらした。
「何ィ」
「剣までも…!!」
拳どころか、霊気でつくられた剣ですら、あっさりと軌道をそらしてしまったので、桑原だけでなく蔵馬も驚いていた。
「ぐはぁ」
そして、桑原が驚いている間に、仙水は桑原の背中にかかと落としをきめた。
「!」
桑原が倒れると、今度は蔵馬と瑠璃覇が走ってきた。
蔵馬はバラのムチで、瑠璃覇は風の力で倒そうとしていた。
直線の動きでは仙水をとらえられないが、自分のローズウィップや瑠璃覇の風の力なら、仙水の裂蹴拳を封じることができる。そう思ったのだ。
しかし、そこへ一台の車が、建物の角を曲がって、すごいスピードでこちらへやって来た。
車には、子供が一人と大柄の男が乗っていた。
しかもあろうことか、大柄な男は助手席の窓に腰をかけており、運転しているのは子供の方だった。
「くっ、新手か!!」
「いいタイミングだ」
その車は、桑原にまっすぐ向かってきた。
そして、あともう少しで桑原をひいてしまうのではないかというくらいの距離まで近づいてくると、助手席に乗っていた男は、指を桑原に向けて伸ばした。
「何ィ!?」
「桑原!!」
指は桑原をとらえ、同時に仙水も車の後ろの荷台に乗った。
「あれは、戸愚呂(兄)の……!!」
突然やって来た車。とらえられた桑原。そして男の能力…。三人は、それらのことに呆然としていた。
「くそォ。はなせ!!」
車はUターンすると、元来た道を、猛スピードで走っていく。
「ちィ」
「このっ…」
蔵馬はバラのムチで、瑠璃覇は風で車を止めようとするが、それすらもよけられてしまう。
「くっ…」
「くそ!届かない」
「逃がすかーー!!」
頭に血がのぼった幽助は、車に向けて霊丸を撃つ。
しかも、かなり大きなものだった。
「あーーーー、しまったァアアア。手加減すんの忘れた!!」
「それじゃ桑原くんもろとも、車がふっとんでしまう!!」
「うぎーーー。もーーーおせーー!!」
どんなに悔やんでも、もう撃った霊丸はもとには戻らないので、幽助は頭を抱えた。
けど、その霊丸は、仙水が出した霊気の球によって粉砕され、あたることはなかった。
桑原ふくめ、彼らはまったくの無傷だった。
自分の霊丸と、仙水が撃ったあの小さな玉が互角だったのが信じられず、幽助は、そんなはずはない、無意識のうちに自分が手加減したに違いないと思った。
そして仙水は、わざとなのか、にこやかに笑って手をふった。
桑原が無事でよかったのだが、あの小さな玉が自分の特大霊丸と互角だったのと、(幽助的に)なめた態度だったのにぶちギレた幽助は、青筋がいくつも顔に浮かんだ。
「ヤロォオオ!!」
キレた幽助は、近くの駐輪場へ走ると、その中にある、ひとつの自転車の鍵をはずした。
「待て、幽助!!」
「どこに行くんだ!?」
「待ちやがれ、クソガキがァーーー!!」
そして、蔵馬と瑠璃覇が止めるのも聞かず、猛スピードで自転車をこいで、仙水達を追いかけていった。
「信じられん…。あのバカ、冷静さをかいて、一人でつっぱしっていった…」
そんな幽助の後ろ姿を見て、瑠璃覇は呆れかえっていた。
「ここはひとまず、幽助の家に戻ろう。みんなのことも気がかりだ」
「そうだな」
幽助と桑原のことも気がかりではあるが、幽助の家に残っているぼたんと御手洗、その二人を見にいったコエンマと幻海がどうなったか気になった蔵馬と瑠璃覇は、ひとまず幽助の家に戻っていった。
「これは!?」
幽助の家に戻り、中を見てみると、ひどいありさまだった。
「大丈夫、無事だ」
「ぼたんが、少し強く背中を打ったようだ」
中には四人がおり、ぼたんは痛みに顔をゆがめており、幻海はぼたんのケガを治し、御手洗は呆然としていた。
「爆発で本棚が倒れてきて」
「ボ、ボクを助けようとしたんだ」
震えた声で口をはさむ御手洗に、全員が視線を向ける。
「ボクの方に棚が倒れてきて…。ボクをかばって下敷に」
「気にするな。こいつは頑丈だ」
「ん」
ぼたんが、「自分は大丈夫だ」というようにピースをすれば、御手洗は混乱した。
「なんでボクなんか助けるんだよ!!ボクはお前達の敵だぞ!!」
そう……自分は敵なのに、体をはって助ける桑原やぼたんが信じられなかったのだ。
そのことを聞いた幻海とぼたんは、目を丸くして御手洗を見た。
「なんでだ?」
「いや、なんでって言われても。いきなり爆発が起きて、ふと見たら、彼の方に本棚が倒れてきて、危ないって思ったからとっさに」
そう言われても、まだ信じられず、納得できていない御手洗は混乱していた。
「だそうだ」
「あはは。あたし、あんま深く考えてないんだよ。気にしないで」
「人を助けるなんて、そんなもんさ。あんまり硬く考えない方がいい。人間の、耐えがたい一面ばかり見せられて、混乱する君の気持ちはわかる。
だが、そうじゃない人間も、たくさんいるさ」
けど、それでもまだ御手洗は納得しきれないのか、目を伏せてうつむいた。
「ところで、幽助はどうした?」
「桑原が敵にとらえられてしまって……今は仙水達を追っている」
「何!?」
「敵は、何故桑原をとらえたんだ?」
「さあな。それは私にもわからん」
「計画に必要な人物だからさ。桑原は、ボクとの戦いで、次元を切る能力に目覚めたんだ。仙水さんは、前からその力を探していた」
瑠璃覇とコエンマが話していると、背中を向けてすわっていた御手洗が口をはさみ、その答えを教えた。
「桑原の能力を?だが何故…」
「魔界と人間界をつなぐ、界境トンネルにはられた結界を切り裂くためさ」
御手洗が答えを言っても、それでも何故桑原の力が必要なのかまではわからない瑠璃覇が疑問に思っていると、また御手洗がその答えを言った。
「な、なんだと!?桑原の能力があれば、魔界の穴にはられた結界をも切り裂くことができるというのか…。魔界の穴が完成すれば、A級妖怪やS級妖怪までが、自由に人間界へ出入りできることになるぞ」
「幽助一人にはまかせておけんな」
「オレ達も追いましょう」
「うむ。海藤と柳沢にも連絡を」
「はい」
「ボクは…」
幻海が蔵馬に指示を出していると、横から御手洗が話しかけてきたので、全員御手洗の方を見た。
「ボクはどうしたら?」
「君が行きたい道を選べ。オレ達と逆の道を行くならそれでもいい。だが次に会ったときは、敵として容赦しない」
特に強制もされることもなく、好きな方を選ぶことができるが、御手洗は迷っていたので重い表情になる。
「行くぞ」
「ああ」
幻海達は、温子にその場をまかせると、御手洗を残して外へ出ていった。
「表は、恐らく野次馬でいっぱいです。非常口から裏へ出ましょう」
「よし」
一階まで降りると、面倒ごとに巻きこまれないようにしようと、表ではなく、裏口から出ていこうとした。
「ま…待ってくれ!」
その時、後ろから声をかけられた。
後ろへふり返ると、御手洗が息を切らしながら追いかけてきていた。
まだ病み上がりだからか、階段の踊り場でひざをついてしまい、苦しそうに息をくり返す。
「君達と、同じ道を歩かせてくれないか?」
御手洗が苦しそうにしながら話すが、瑠璃覇達は御手洗の思いを聞いても、ただ御手洗をジッと見ているだけだった。
苦しみからくるのか、それとも不安や緊張からくるのか、御手洗が苦しそうに顔をゆがめていると、ふいに手がさしのべられる。
「手をかそうか?」
目の前には蔵馬が、優しく微笑みながら立っていた。
自分を受け入れてくれたことがうれしくて、御手洗もうなずいてやわらかく微笑むと、蔵馬の手をとって立ちあがった。
こうして、洞窟に向かうメンバーが五人から六人になり、みんなで目的地を目指して歩きだした。
その途中、通りにあった電話ボックスで、蔵馬は海藤と柳沢に電話をしていた。
「柳沢と海藤は、蟲寄駅まで来ます」
「うむ」
「仙水達は、本当に入魔洞窟へ行ったのかねぇ?」
「そのはずさ。樹さんは「もうすぐ穴が開く」って言ってた。その時、桑原さんの力が必要だからさらったんだと思う」
「とにかく、ここにいても始まらん」
「ふう…。幽助との連絡どうしよう。こんなことなら通信コンパクト渡しとくんだったよ」
「なーに、目的地は同じなんだ。どこかで必ず会うさ。奴が冷静さを失わなければね。
行くよ」
一行は、蟲寄駅に向かって歩きだしたが、コエンマは反対方向へ歩きだした。
「ぼたん、ワシは霊界へ戻る」
「えっ?」
「まもなく、魔界と人間界をつなぐトンネルは完成する。桑原が、亜空間結界を切る能力を発揮できるようになってしまったら、その時すべては終わる。ゆゆしき一大事だ。対策をたてねばならん。いいか、ぼたん。あとは頼む」
「は、はい」
緊迫したこの事態に、ぼたんは緊張しながらコエンマを見送った。
その後、瑠璃覇達四人の後を追いかける。
「ん?コエンマはどうした」
自分達のところに走って来たのがぼたんだけだったので、瑠璃覇は疑問に思いながら、ぼたんに問う。
「んー。なんか、霊界に戻るって言って帰ってったよ」
「霊界に?またなんの用が…」
「何か考えがあるんだろう…。きっとあとで会うだろうさ。
とりあえず、あたし達は海藤達と合流するよ」
「そうですね」
コエンマがいなくなったのを疑問に思ったが、もうすでにいなくなったコエンマを気にかけてもしかたないので、一行は蟲寄駅に向かった。
一行は電車で蟲寄駅まで向かい、改札口を出たところで、海藤と柳沢を待った。
「桑原さんがさらわれたって、一体どういうことなんです!?」
ほどなくすると二人がやってきて、軽く事情を聞くと、当然驚いていた。
「道々話すよ。それより、持ってきてくれたかい?」
「ええ」
海藤は返事をすると幻海の隣までやってきて、手に持ってるものを見せた。
「この辺りの地図です」
それは、蟲寄市の地図で、海藤が地図を広げると、幻海は地図を見た。
「ここが現在地。これが入魔洞窟の入口。……彼は?」
説明している途中で、ここに来てからずっと疑問に思っていた御手洗の存在に、海藤は問いだす。
「心配ない。仲間さ。洞窟を案内してくれる」
「よろしく」
その問いに蔵馬が答えると、御手洗は二人に頭をさげ、そんな御手洗を見た二人は顔を見合わせる。
「気をひきしめてかかれ。これからは、何が起こるかわからんぞ」
幻海が厳しい言葉をかけると、一行は入魔洞窟を目指して出発した。
入魔洞窟の最寄り駅まで電車で行き、そこから何時間か街を歩いていくと、ようやく入魔洞窟の入り口にたどりついた。
地図をみるとそんなに遠くなくても、やはり徒歩……特に人間も一緒なので、洞窟まではかなり時間を要した。
道の途中でぼたんが
「瑠璃覇ちゃんの風の移動術で行こうよ」
と言ったが、瑠璃覇はそれを却下した。
暗黒武術会の決勝戦が終わった後、ドームから脱出する時に、蔵馬が幽助に言っていたことと同じことを説明し、そのあとに…
「これから仙水と戦わなきゃいけないのに、ムダに妖力を消耗させてどうするんだ?相変わらず能天気だな」
と、嫌味を言った。
相変わらずの毒舌であるが、正論なだけに、ぼたんは何も言い返せなかった。
それから入り口につくと、一行は幽助を待ち、その間に幻海が、桑原がさらわれたわけと、幽助が今どうしているかということと、御手洗の素性を、海藤と柳沢に話した。
当然、事情を今初めて知った二人は驚いていたが、御手洗のことを悪く言うでも、追い出すわけでもなく、普通に接した。
そして、日も暮れかけてきた頃……。
「あ…あれ!!」
幽助を待っていると、突然ぼたんが声をあげ、自分達が来た方とは別の方向を指さした。
「あらま、飛影も一緒だよ!!」
そこには、幽助だけでなく、飛影までもがこちらに向かってきていた。
「あれ!!あいつらいつの間に……。電車で先こされちまったか」
幽助もみんなの存在に気づいて走りだすと、飛影も一緒に走っていった。
「どうやら役者は揃ったな」
「ええ」
全員がそろうと、一行は街を一望出来る高台へと移動した。
「まず、状況を整理しよう。敵は、仙水をふくめて七人。うち、医師と狙撃手は、幽助達が倒した。そして、水兵こと御手洗はこちら側にいる。残る敵は四人となった」
高台につくと、蔵馬が簡単に、今の状況をまとめた。
「敵は桑原君を捕え、現在入魔洞窟にいると考えられる」
「そこが奴らのアジトってわけだな」
「ああ。それに仙水は、魔界へ通じる穴が広がりきるまで、あと二日と言ってた。これは霊界の予測よりも、四日ほど早い」
「でも、どうしてそんなに早く、魔界への穴が広がったんですかね」
「たぶん、術師である樹の能力が、徐々に強まっているからだろう」
「そういえば、樹が自分で言っていた。「予想以上に早くなりそうだ」って」
「たしかに、街の状態を見れば一目瞭然かも」
「こんな状況だし、桑原君が捕えられている以上、今すぐ、洞窟に向かうしかない。桑原君には、"次元を切る力"がある。だから、穴が広がりきって、結界を壊す段階までは殺さないはずだ」
「でも、敵の中にグルメがいる」
「そう、御手洗君の話によれば、桑原君の能力は、グルメに「食われる」可能性が高い」
「グルメ巻原は、文字通り能力を食う。ボクは一度だけ、巻原が「食って」いるのを見たことがある」
「その時に食われていたのは、戸愚呂という妖怪じゃないか?」
「そうだ」
「「食う」って、具体的にはどうすんだ?」
「まさに「食べる」んだ。相手の体ごとまるのみさ。あいつの領域は体内にある」
「おおよそのことはわかった。まあ、検討はついていたがな。
じっとつっ立ってても始まらん。洞窟に向かいながら話せばいいことだ」
「よーし!奴らのアジトにのりこむぜ」
「ちょっと待て」
話が終わり、幽助が気合いを入れると、隣から幻海が、水をさすように止めた。
「あ?」
「行く人間をしぼった方がいい。飛影、蔵馬、幽助、瑠璃覇、お前達四人で行ってきな」
幻海の提案に、幽助と飛影は不敵に笑う。
「やみくもに人数を増やしても、逆効果。敵につけこまれる危険の方が大きいからな。他の者はここに残り、様子を見よう。奴らの仲間がまだ外にいて、挟み撃ちを狙ってるかもしれんしな」
「洞窟の中を、ボクに道案内させてくれ」
幻海が指示を終えると、指名されていない御手洗が前に出て、案内の役を買って出た。
「あの中は、巨大な迷路になってるんだ」
「お前を信用できるのか?」
けど、飛影は御手洗を疑って、冷たい目を向けた。
もともと警戒心が強いのもあるが、つい先日までは敵だったのだから、飛影の言い分は当然といえば当然のことだった。
その言葉と目に、御手洗は顔をうつむかせる。
「あの人を…桑原さんだけは助けたいんだ」
飛影の一言でうつむいていた顔をあげ、真剣な顔で、自分の思いを告げる。
このチームのリーダーは幽助なので、幽助の方をドキドキしながら見た。
二人の間に緊張が走り、沈黙が続くと、幽助の隣に柳沢が歩いて来た。
「一応、オレの"模写"の能力で確認しますか?」
柳沢は小さな声で提案するが、幽助はそれはいいと言うように、手をあげて横にふり、柳沢の申し出を断ると、御手洗に近づいていき、御手洗の前に立つと御手洗と向き合い、肩に手を置いた。
「信じるぜ。行こう」
柳沢の能力を使えば、御手洗の真意がわかる。
しかし、幽助はそうしなかった。
御手洗の真剣な気持ちがわかったからだ。
幽助は、御手洗を疑うことなく、まっすぐにその言葉を告げた。
「ありがとう」
そんな幽助のまっすぐな言葉に、御手洗の緊張もとけ、笑顔になった。
信じてもらえたことがうれしくて、御手洗は幽助に礼を言った。
こうして、洞窟に向かうメンバーが決まったのである。
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