第四話 運命の再会
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その日の夜遅く…。
「剛鬼はつめをあやまり、蔵馬はくだらん情にほだされた。オレ以外の高等妖怪など、これだから信用できん」
港に多数ある倉庫。
その中にある、ひとつの倉庫の中に、ひとつの影があった。
「やはり、オレがこの剣で創り出すしかないだろうな。オレの命令だけを守り、オレの欲する物を手に入れるためだけに行動する、妖怪軍団を」
その暗い暗い倉庫の中を、銀色の刃が怪しく光る。
「だが、その前にふたつの宝を取り戻し、浦飯幽助を殺す!!」
そこにいたのは、三大秘宝のひとつ、降魔の剣を盗んだ飛影という妖怪。
彼は野望に燃えており、鋭い眼で降魔の剣を見ていた。
第四話 運命の再会
そして、次の日の夕方近く…。
「ふう……ようやく終わったな。なんだか疲れた…」
誰もいない皿屋敷中学校の屋上に、瑠璃覇が風をまとって現れた。
4日間も膨大な量の雑用をこなしたことと、もともとこういう雑用業務は好きではない(自分にあっていない)こと、あとは場所が霊界ということもあり、とても疲れた顔をしていた。
「まったく……コエンマの奴…。いいように使いおって…」
かなりの重労働だったので、文句を言いながら校内に入っていった。
「しかし、もう下校時間みたいだが……幽助はまだいるのか?」
ふと疑問に思ったことを口にすると、その疑問を確かめるために、下駄箱へと向かっていく。
下駄箱につくと、幽助がいるかどうか確認するため、幽助の下駄箱をあけてみた。
けど、中には上履きが入っているだけで、靴はなかった。
「なんだ。てっきり居残りでもさせられているのかと思ったが、もう帰ったんだな」
いないことを確認すると、さりげに瑠璃覇は毒を吐く。
実は、本当に今の今まで居残りをさせられていたのだが、いくら瑠璃覇でも、そのことを知るのは不可能であった。
幽助が校内にいないとわかると、周りに誰もいないのを確認して風を発生させ、その場から消えた。
瑠璃覇が発生させた風は、幽助の家の近くの、誰もいないビルの屋上。
そこで風が巻き起こり、その中から瑠璃覇が出てきた。
そして、ビルの屋上を降りていき、瑠璃覇が次に向かったのは幽助の家だった。
何故瑠璃覇が、会って間もない幽助の家を知っているのかというと、霊界探偵のパートナーになり、顔合わせをしたあの日、実際に幽助の家まで連れていってもらったからだ。
もしかしたら、任務の時にお邪魔することになるかもしれないし、いつ何があってもいいように、知っておいた方がいいという、瑠璃覇の考えである。
瑠璃覇は、幽助の家の場所だけでなく、家族構成や、1日のスケジュール、更には部屋の配置まで教えてもらった。
それだけでなく、幽助の家の周辺も探索し、どこに何があるのかということや、人通りの多い場所や少ない場所も確認した。
とは言っても、瑠璃覇は人間界に来たばかりの頃、自分が人間界で暮らすことになった、この皿屋敷市内の色んなところを探索し、調査していたので、再確認程度であったが…。
自分の家の近所ではないが、勝手知ったる…もう自分の家の庭だと言ってもいいくらいに知りつくした場所を、瑠璃覇は歩いていき、幽助の家に向かっていく。
幽助が住んでいるマンションに入り、幽助が住んでいる部屋の扉の前まで来ると、扉の横にあるチャイムを鳴らした。
「はーい」
音が鳴り、少しすると、中からパタパタと足音がしたので、家の住人がこちらに向かってくるのがわかった。
そして、ガチャリという音をたてて扉が開けられると、出てきたのは幽助ではなく、幽助の母親の温子だった。
「こんにちは。私、浦飯くんのクラスメートの銀瑠璃覇といいます。あの………浦飯くんいますか?」
自分が用がある人物ではなかったが、もしかしたら偶然温子が出ただけかもしれないので、目的の人物がいるかどうかを温子に問いだす。
「いえ……まだ帰ってないけど…」
「そうですか…。すみません、失礼します」
けど、すぐに目的の人物…幽助は、家にはいないということを知る。
幽助がいないことがわかると、ペコリと頭をさげ、階段がある方へと歩いていった。
「友達にしろ恋人にしろ、あんな美人のこが知り合いなんて、幽助のやつやるわね」
瑠璃覇の姿が見えなくなると、温子は手を顎に添えながら、いつになくマジメな顔で、瑠璃覇が歩いていった方向を見ながら言った。
そのあとも、幽助の自宅から皿屋敷中学校の間で、幽助が立ち寄りそうな場所へ行ってみたのだが、結局みつからなかった。
「しょうがないな…。妖力を多く消費してしまうが、あれを使うか」
そう言って瑠璃覇が向かったのは、高層ビルの屋上だった。
たどり着くと、そこには誰もおらず、いるのは瑠璃覇一人だけだった。
そして、屋上の中心に来ると、瑠璃覇は静かに目を閉じ、口を開く。
「大地を吹く風よ………我が問いかけにこたえよ……」
口を開くと詠唱を始める。すると瑠璃覇の周りには、静かに風が吹き始めた。
「汝らが吹き通った地上、空、人、屋舎…。その中から、我の頭に映りしものを探し出し、彼の者の居場所を、我に指し示したまえっ……」
瑠璃覇は詠唱をしながら、風を全身で受け止めるように両手を広げる。
すると、詠唱が終わった直後に、とてつもない突風が、まるで瑠璃覇の体をつき抜けるように吹いた。
風が吹いたのは一瞬のことで、突風がおさまると、瑠璃覇は静かに目をあける。
「あっちか…」
今の技は、特定の人物や物をみつけるための技で、瑠璃覇はそれを使い、幽助のいる場所を探しあてた。
瑠璃覇は幽助の居場所がわかると、また自分の周りに風を発生させて、目的地へと向かっていった。
その2秒後、幽助がいる倉庫から150mくらい離れた場所に、瑠璃覇は到着した。
そこは港で、いくつもの連なった倉庫がある場所だった。
「あの倉庫から、妖力が放出している…」
港に着くなり、瑠璃覇は妖気を感じとる。
その場所は、No.3と書かれた倉庫だった。
「あそこだな…。よしっ、いくか」
妖気を感じとったということは、幽助が三人のうちの誰かと戦っているのだろうと思った瑠璃覇は、倉庫の中に入ろうとした。
「…………ん?」
だが、倉庫内に突入しようとした時、自分が向かおうとしている倉庫の扉の前に、赤い髪の少年の姿を見た。
「(なんだ?あの男。もしかしてあいつも、倉庫の中に入るのか?一体なんのために…)」
そう考えているうちに、少年は中に入っていった。
彼の姿を見ると、瑠璃覇も少年の後に続くように扉まで走り、中へ入っていく。
「くっ……ぅ……」
中に入ると、何やらぼたんが、一人の少女に力を放出し、苦しげな声を出していた。
「ぼたん、何をやっているんだ?」
「え…?あっ!る……瑠璃覇ちゃん!霊界にいたんじゃ…」
この光景をふしぎに思って声をかければ、霊界にいたはずの瑠璃覇が目の前にいたので、ぼたんは大層驚いた。
「もう用は終わった。それより何をやってるんだ?それにその娘……確か同じクラスの…」
「実は、三大秘宝の一つの降魔の剣を盗んだやつが、幽助が取り戻した二つの秘宝を奪うために、螢子ちゃんをさらったんだ。しかもそれだけでなく、その降魔の剣で斬って、螢子ちゃんを妖怪にしようとしてるんだよ」
「………」
螢子の額には、ふつう人間にはないはずの目があった。
その目は、逢魔の剣に斬られたことによってできたもので、この第三の目が開ききってしまえば、螢子は完全に妖怪の仲間入りをしてしまうという、恐ろしいものだった。
螢子を助けるためには、逢魔の剣の柄の中に入ってる解毒剤を飲ませるしかないが、剣の持ち主である飛影が、そう簡単に渡すわけもなく、幽助は逢魔の剣を奪うために、飛影に戦いを挑んだのである。
幽助が飛影から剣を奪うまでの間、この目を鎮静させるために、ぼたんが心霊医術を用いてなんとか妖化を鎮静させ、目が開ききるのを抑えているが、この術は、なんの秘薬の力も借りずに使うのは、体にかなり負担がかかり、続ければ、術師自身の命をけずることになるという、危険なものだった。
本当はものすごい危機なのだが、瑠璃覇は表情を…眉すらピクリとも動かさず、冷淡な目で見ているだけだった。
「う……あぁっ!!」
その間にも、ぼたんは飛影から放たれる妖力にあてられてしまっていた。
ぼたんの手は、強い妖力にふれたことで切れてしまい、たくさんの傷を負ってしまう。
「くっ…あぅ……」
かなりの苦痛で、もしかしたら、もうダメかもしれない!
そう思った時だった。
「え……瑠璃覇ちゃん?一体…」
突然、自分の手の上に、瑠璃覇の手が重ねられた。
「私の気は、霊気ではなく妖気。だが、お前の手に重ねることで、多少は妖化の促進を遅らせることができるだろう…」
「あ、ありがとう…」
どういう風のふきまわしなのか、瑠璃覇はぼたんを助けていた。
ぼたんは瑠璃覇の行動に驚き、目を丸くする。
「それにしても……この妖気は邪魔だな…」
そう言うと、ぼたんの手に重ねている方とは反対の手を、横に構えた。
すると、三人の周りに、風が包みこむようにして吹き荒れた。
激しくも、どこかやわらかく、三人を守っている感じだった。
「これは…」
「風の壁………つまり結界だ。これで奴の妖気は防げる」
「そうかい。ありがとう」
「これで、あとは解毒剤だけだな」
「え…!?」
瑠璃覇は、この症状を治すには、解毒剤を使わなければいけないことも、その解毒剤が、降魔の剣の柄の中に入っているということも知らないはず…。
なのに、まるで全てを見て聞いて知っているような口ぶりだったので、ぼたんは先程とは違う意味で驚いていた。
「こういう毒の属性のものは、もし万が一の時のために、解毒剤が作られているものなんだ。なのにお前は、解毒剤を飲ませることなく、妖化を鎮静させる術を使ってる…。
てことは、解毒剤はまだ手に入っておらず、幽助は降魔の剣と解毒剤を奪うために、敵と戦っている。
更に言えば、その解毒剤は、降魔の剣の柄の中に入っている。相手は、もともと降魔の剣を持っているわけではなく、盗んだもの。本人が持っているはずはない。
となると、考えられるのは剣の中だ。
そして、剣の中で薬を入れることができる部分といえば、柄しかない。違うか?」
今来たばかりで、しかも状況を少し見ただけなのに、的確な判断をしたので、ぼたんは口をあけて更に驚いていた。
「そ、そうなんだよ。だから、もう少し…幽助が来るまでふんばらないとね。私だって、だてに霊界探偵の助手をやってないんだから!」
「………」
瑠璃覇の言葉で気合いが入ったのか、ぼたんは更にがんばりだす。
その姿を、瑠璃覇は黙って見ていた。
その時……幽助がいる方から、カランという金属の音がしたので、二人は一体なんなのかと思い、音がした方へ振り向いた。
そこには、瑠璃覇がここに入る前に見た赤い髪の少年が、苦しそうな顔をして、逢魔の剣を持ち、足をふらつかせながら歩いてきた。
剣で刺されたようで、腹部からは血が流れ、右手に持っている剣にも、べっとりと血がついている。
「あんたは、三大秘宝のひとつの暗黒鏡を盗んだ……えっと……く…」
ぼたんの言葉に一早く反応したのは瑠璃覇で、相手が敵とわかると敵意をむき出しにし、相手を警戒し、睨みつけ、少しでも妙な動きをしようものなら、すぐに攻撃をするというように、妖気を手の平に集中させ、その手を前に出して構えた。
「ま、待ってくれ!」
「……なんだ?」
「オレは敵じゃない。確かに秘宝を盗んだが、今日は敵としてではなく、浦飯幽助を助けに来たんだ」
瑠璃覇が今にも攻撃しそうだというのがわかると、赤い髪の少年…蔵馬は、慌てて瑠璃覇を止め、自分が敵じゃないという証拠を見せるように、持っている降魔の剣を見せた。
「……ひょっとして、それが降魔の剣か?」
「そうだ」
「それは、剣を持ってる奴に刺されたのか?」
「ああ…。彼を助けるためにね」
「何故……幽助を助けた。敵なのだろう?」
「彼には借りがある。だからだ……」
瑠璃覇は、先程蔵馬がここに入っていくところを目撃したのと、腹部に刺された箇所があることと、血塗れた剣を持っていることで、蔵馬が言っていることは信憑性があり、本当のことだろうと確信する。
相手が敵でないとわかると、少しだけ気を緩めるが、もとから警戒心が強い瑠璃覇は、素性をよく知らないこの男のことを、まだ警戒していた。
瑠璃覇の気が緩むと、蔵馬はふらふらとした足取りで、三人のもとへ歩いていく。
「……うっ……」
しかし、あと少しで着くというところで、あまりの痛みに腹をおさえながら膝をついた。
「ちょっと……大丈夫かい?」
「ああ……。だが、奴の妖気を、この傷に直接うけるのはきついな…」
「………」
その様子を見て、瑠璃覇は何を思ったのか、一度風の結界を解くと、ぼたんの手から自分の手を離し、蔵馬の腕をグイッとひっぱり、自分のもとに寄せ、再び四人の周りに結界をはる。
「君……」
「この中に入っておけ。ここなら奴の妖気を防げる。ただ……少しでも妙な動きをすれば、貴様をこの場で斬りきざむ…!!」
「……ありがとう」
脅しをかけられてるのに、何故か蔵馬は、笑いながら礼を言った。
それを見ると、瑠璃覇は再びぼたんの手に自分の手を重ね、螢子の方に顔を向ける。
「それよりも、早く解毒剤を…」
「あ、ああ…」
蔵馬は、震える手で降魔の剣の柄をあけ、薬を螢子に飲ませた。
すると、薬がきいたのか、額の目が開くのが止まった。
「よかった…」
螢子の額の目が開くのが止まったのを確認すると、瑠璃覇はぼたんの手から自分の手を離し、蔵馬とぼたんに背を向け、蔵馬は柄を剣に戻して、剣を横に置くと、瑠璃覇を見た。
「何か用か?」
後ろを向いているのに、まるで後ろに目があるのではないかというくらいに、素早く相手の視線を察知し、後ろを向いたまま声をかけた。
「いや……今ふと思ったんだけど……君、以前オレと会ってないか?」
そのことに少し驚いたが、蔵馬は自分が感じたことを口にする。
「そんなわけないだろう。気のせいだ」
「……そうか…」
けど、あっさりと否定されたので、蔵馬は少し残念そうな顔をした。
「おーい!」
そこへ、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あれ?お前……」
「よぉ、幽助」
やって来たのは幽助で、幽助は、ここにはいなかったはずの人物を目にすると驚いたが、瑠璃覇は至って普通にあいさつをする。
「なんだよ、今さらきやがって。つか、今までどこに行ってやがったんだ?」
「霊界。コエンマに呼ばれた」
「ふーん…。
………あっ、それより3人とも大丈夫か!?け、螢子は」
「大丈夫…。薬が効いてるよ」
「額の目が…消えてく…」
先程飲ませた薬が、ようやく全身にまわったのか、額の目が消えていった。
これでもう安心なので、それを見ると、幽助はほっとして顔をほころばせた。
「おい、大丈夫か…。ワリィな………」
幽助は、自分の代わりに、飛影に逢魔の剣で刺された蔵馬を心配し、申し訳なさそうにする。
「急所ははずしている。平気さ。どうせ、霊界裁判でじっとしてなきゃならない身だ」
「おいおい、礼なら彼女にも言いなよ。途中からでも来てくれて、戦ってはいないけど、私の術を使ってる時にかかった体の負担をやわらげてくれたり、結界をはって、みんなを守ってくれたんだからね」
「お、そうなのか?」
「まあな…」
「そっか。サンキューな」
「……問題ない…」
うれしくて瑠璃覇に笑顔をむけ、礼を言うが、瑠璃覇は笑うどころか、顔すら合わせずに、そっぽをむいたまましゃべる。
「それにしても、人が悪いねェ。あんな作戦考えてたこと、一言も言わないでさぁ。霊丸が鏡に反射するなんてこと、いつ実験してたのさ」
「ん?」
瑠璃覇と話していたが、横からぼたんに話しかけられたので、瑠璃覇に向けていた顔を、今度はぼたんに向ける。
「作戦のはずねーだろ。ひらめきよ、ひらめき!あいつのすばやさからいって、まぁ後ろからでも撃たねェかぎり、あたらねェだろとは思ってたけどな。どーしようかと思ってたら、あいつの脱いでた服から、暗黒鏡がこぼれてて、こっち向いてたからよ。うまくいきゃ、光みてーにはねかえってくるんじゃねーかと思って、一か八かよ」
「え?」
何か策があるかと思ったが、実は無策だったので、ぼたんは目を丸くした。
「じゃ、もし霊丸がはねかえってさえこなかったら、後はどーするつもりだったのさ!?」
「そんときゃそんとき考える!」
「~~~」
「フッ」
あまりの無謀さに、ぼたんはあきれ顔になり、隣では蔵馬が笑っていた。
「考えているようで、なにも考えてない。お前らしいな」
「お!?てめー、そりゃどーゆー意味だ!?」
「そのまんま、言葉の通りだろ」
蔵馬の言葉に幽助は怒るが、あっさりと返されてしまう。
「……おい、どうでもいいがさっさと帰るぞ。この倉庫の持ち主が来たら厄介だし、用も終わった。これ以上、ここにいる理由はない…」
三人が話していると、瑠璃覇が痺れをきらしたように立ち上がった。
「ああ、そうだな。今日は、本当にサンキューな。助かったぜ」
「………別に……。一応お前のパートナーだからな、私は…」
礼を言われても、瑠璃覇は無愛想なままで、淡々として答えるが、そんな瑠璃覇の態度にも、幽助は微笑んでいた。
「おっ!そうだ。そういえば、お前の探し人って一体どんな奴だ?」
「……聞いてどうする?」
「螢子助けてもらった礼によ、オレもお前の探し人とやらを探すの、手伝うぜ」
「別にいい…」
「そう言うなよ。協力するぜ。お前の力になりてーんだ。
瑠璃覇」
幽助が瑠璃覇の名前を呼ぶと、蔵馬はその名前に反応する。
「で、そいつの名前はなんていうんだ?」
「………名前は……」
瑠璃覇が探し人の名前を言おうとした時、突然横で、ドサッという音が聞こえた。
「オイ!!大丈夫か!?オイ!!」
音がした方へ振り向いてみると、そこには、蔵馬が意識を失って倒れていた。
幽助が心配そうに叫ぶが、蔵馬は目を覚ますことはなかった。
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