第八話 弟子の審査
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幻海の弟子選考会の第一次審査を突破した幽助と瑠璃覇は、同じように一次審査をクリアした者達と、幻海の後について、第二次審査の会場へと向かっていた。
「…ほーう、50人はいるね。けっこう残るもんだわな」
幻海は後ろへ振り向くと、残った候補者達を見た。
これは自分でも予想外だったのか、意外そうにしている。
「(瑠璃覇以外にも、こいつらの中に、妖怪がいる…!一体どいつだ?)」
ぼたんが言っていた、乱童という妖怪を探すために、幽助は辺りを見回した。
けど、誰をどう見ても普通の人間なので、見当さえつかなかった。
「…………」
「なんかとんでもねー事になったな~~~~」
見回していると、自然に隣にいる桑原に目がいった。
「このバカじゃねーことは確かだ」
「なんだよ。なにがだ、このやろう」
色々な意味で、桑原だけは絶対に違うと断言するが、桑原は幽助が言ってる意味がわからず、幽助に噛みついた。
「第二次審査会場はここじゃ!」
そう言って幻海が扉を開けると、中にはたくさんのゲームがあり、見た感じが思いっきりゲームセンターだった。
「なんだ、ここは。まるっきりゲーム・センターじゃねーか!?」
部屋の中を見て、当然そこにいた者は、全員驚いた。
第八話 弟子の審査
「い、一体なにをする気だ」
「とっとと入んな。ほれほれ」
全員が中にあるものに驚き、戸惑い、扉のあたりで立ち止まっていたので、幻海は早く入るように促す。
「第二次審査は、見ての通りゲームをやってもらう」
「し、師範。失礼ですが、弟子の審査とゲームとどういうつながりが!?」
審査なのにゲームと言われたので、候補者の一人が、他の候補者全員の心を代弁するように、幻海に問いだす。
「ただのゲームじゃないよ。霊能力の高さをはかるマシンだからね。霊力がないと、どのゲームも得点は上がらないよ」
候補者の一人に質問されると、幻海はゲームの説明を始めた。
「ジャンケンゲームで霊感応力を。
パンチングゲームで霊撃力を。
カラオケゲームで霊気量をはかれるように、特別に作ってある」
「このテトリスや野球ゲームは、なにをはかるんだ?」
「ほかのゲームは、全部、単なるあたしの趣味じゃ」
全部霊能力をはかるものかと思いきや、中には本当にただのゲームもあった。
「この三つのゲームのうち、ふたつ以上標準をこさないと失格!!あ、それからひとつ注意しとくが、やるときは、百円入れないと動かないよ」
「がめついバアサンだな」
こうして、一次審査に残った者達の、ゲームによる二次審査が始まった。
「よし!!オレが、一番手だ。パンチ力には自信があるぜ」
最初にパンチングゲームに挑戦したのは、幽助でも瑠璃覇でも桑原でもない、他の候補者だった。
「どうだ!!」
彼は自信満々で挑む。
「失格」
だが結果は、たったの18Pで、あっさり失格になってしまった。
「そんなはずはない。オレは西荻のパンチング・ゲームの記録保持者だぞ!!」
「わかってないねバカが。これは、肉体のパンチ力と霊的な力がひとつにならないと、高得点は出ないんだよ!」
失格になったことで彼はショックを受けるが、幻海は理由を説明(軽く毒をはく)をする。
その次は、桑原が挑戦した。
「合格!」
出たポイントは129P。
結構ギリギリだが、なんとか合格だった。
合格点が出たので、周りから喚声があがる。
「どーだ浦飯!オレの力を見たか」
「ケ!ギリギリの合格じゃねーかよ。
みてろよ」
中指を立て、幽助に対抗意識を燃やす桑原。
今度は、そんな桑原に、同じように対抗意識を燃やした幽助が挑んだ。
「おりゃあ!」
幽助が気合いを入れて挑戦をすると、出た得点は155P。
かなりの高得点だった。
「お、こんなもんか」
「すげー。155Pだってよ」
桑原よりも上の得点だったので、周りからは、桑原の時以上に喚声があがった。
「(ほう。150P以上出すとは、霊的攻撃力はまあまあじゃ)」
幻海はそれを、感心するように見ていた。
「次は私だな」
「瑠璃覇!」
「銀さん!」
桑原と幽助に続き、今度は瑠璃覇が挑戦しようと、グローブをはめた。
「おいおい。瑠璃覇おめー、肉弾戦とかできんのかよ?」
「苦手だ」
肝心なことを質問するも、あっさりと返されたので、幽助は呆れた。
「それじゃ、どーすんだよ。肉体のパンチ力もなきゃ、高得点になんねーって、さっき…」
「心配ない」
苦手と言ったのに、心配ないと、矛盾したことを言われたので、幽助の頭はこんがらがる。
「このようなものは……ただの余興だ」
そう言うと、瑠璃覇は気を高め、ゲーム機のミットを殴り倒した。
でた得点は、171P。幽助よりも上だった。
「げっ!」
「なっ…」
「すっげーー!!あの姉ちゃん、前の二人の兄ちゃんよりも上の得点だぞ」
「女なのにやるな」
かなりの高得点で、しかも女が出したということで、周りの喚声は、二人の時以上だった。
「おまっ…なんでそんな得点…」
「すっ…すごすぎる…」
「一言で言えば、経験の差だな」
瑠璃覇の得点と一言に、二人は天狗のように伸びた鼻が、一瞬にして折られたような感覚に陥る。
「(ほほう。あの娘、かなりやりおるな…。力の使い方というものを、ちゃんと理解しておる)」
幻海は、今のパンチングゲームだけで、瑠璃覇が優れた戦士だと理解した。
「くそー。次は、ジャンケンゲームで勝負だ!!」
「おー。いくらでもかかってきなさい!」
一方、桑原は幽助に負けたことに腹を立て、青筋を浮かべながら、幽助に勝負を挑む。
幽助は、瑠璃覇には負けたが桑原には勝ったので、相手をおちょくるような、自信満々な態度だった。
もはや、任務のことはすっかり忘れている幽助を見て、瑠璃覇は呆れ顔になり、軽くため息をつく。
「(あのボウヤは、ちょっと鍛えりゃ、妖魔退治ができる霊能者になれるね。
さて、ほかに見込みのありそうな奴は………)」
幻海は三人を見た後、他にも見込みがありそうな人間がいないかどうか、品定めをするように周りを見た。
「すげー。全勝だってよ」
「どーだ浦飯!」
「くそー。オレ、カンは鋭いはずなのに」
「(あっちのボウヤは霊感応力が鋭いね。家系かね) あれなら、かなり高度な霊具や呪文も使えるようになれるね」
ジャンケンゲームでは、瑠璃覇と桑原は全勝。幽助は2勝13敗とほぼ全敗で、桑原は幽助に対して勝ち誇った顔をし、幽助は悔しそうにしていた。
「すごい!!」
「ん!?」
幻海が桑原を見ていると、パンチングゲームの方から、また喚声がわきおこった。
「パンチングゲームで175Pが出たぞ」
「さっきのリーゼントのにいちゃんと、ポニーテールのねえちゃんの記録をこしたぞ」
瑠璃覇や幽助よりも高い得点が出たということで、みな感心するように見ていた。
「ぐええ。こんなひでー歌声で、なんで100Pなんだ」
「しかし、放出してる霊気が見えるぐらい強力だ」
カラオケゲームでは、忍者の格好をした男が、音痴ながらも高得点を獲得している。
「よーし。カラオケで決着だ」
「のぞむところよ」
幽助と桑原の勝負は今のところ五分五分で、二人は対抗意識を燃やしながら、カラオケゲームの方まで進んでいく。
瑠璃覇はその後を、呆れ顔のままで着いていった。
「(ほほう。けっこういいタマがそろったもんだね)」
幻海は、次々と良い結果を出していく者達を見て、顔に笑みを浮かべた。
こうして、第二次審査を20余名がクリアした。
「う~~む。なかなか減らないね」
第二次審査をクリアした者達は、幻海に着いていき、寺から離れた森の中を歩いていた。
「寺をはなれてだいぶたつぞ」
「一体、どこまで行くんだ!?」
第三次審査の場所へ行くために歩き出して、もうだいぶ経つので、残った候補者達は、不安そうにしながら歩いていた。
そうして、森の中を歩きながら話していると、ようやく目的の場所へとたどり着く。
「ゲ!?」
「こ、ここは!?」
「今までは小手調べ。第三次は厳しいよ」
そこは、何やらしめ縄がかけられていて、森から妖しげな雰囲気が醸し出されており、いかにも、危険で立ち入り禁止という感じの場所だった。
「う……なんて不気味な森だ」
「森全体が、妖気を放ってるみたいだ」
「ここ一帯は、魔性の森と呼ばれ、磁石もきかない未開の地域じゃ。危険な生物や、自然の罠もある。もちろん、妖魔の類の棲み家でもあるぞ。入ったら最後。普通の人間は、無事に出られん」
幻海が森のことを説明すると、みな大量の冷や汗を流す。
「ここから見える、あの大木がゴールじゃ。あの木まで、2時間以内に着いた者を合格とする」
「ひいー、だめだ。もうオレはおりるぞ」
「弟子になって奥義は体得したいが、こんな森に入ったら、命がいくつあっても足りん!」
よほど恐ろしい気を感じたようで、候補者の何人か棄権していった。
「ほっほ。それが賢明じゃろな。少しでも霊感のあるやつなら、この森の怖さは、十分肌で感じるだろ」
幻海は、まるで揺さぶりをかけるように言うが
「師範の言う通りだ。ここから先は、正統な修業をした者のみ、挑戦した方がいい」
「ハンパな奴は、さっさと帰りな」
それでも二人、パンチングゲームで幽助より得点が上回っていた男と、カラオケゲームで高得点をとっていた、忍者の格好をした男はそこに残り、相手を見下すような目で周りの者を見ていた。
「オレはやるぜ!ばあさんのあの大技見て、ただで帰るわけにゃいかねーな」
「師範とよべ、ガキャ」
二人の言葉にカチっときた幽助は、自分も挑戦すると宣言する。
「うまいこと言って、少しでも楽に奥義得ようったって、そーはいかねーぞ。お?オメーら本当に人間かコラ?」
「「?」」
一応任務のことは忘れていなかったようで、幽助はこの二人が乱童ではないかとふんでカマをかけるが、二人は幽助の言ってる意味がわからず、疑問符を浮かべた。
「オメーがやるなら、オレもやるぞ!」
「なに対抗意識燃やしてんだ、バカ」
桑原の方は、幽助には負けられないと対抗意識を燃やしており、これでもか!というくらいに顔を近づけ、幽助を睨む。
「(あの技を身につけりゃ、浦飯(こいつ)だって楽勝できる!オレの悲願が達成される)」
桑原は、もはや最初の目的を忘れていた。
「当然私もやるわ。もともとそのために来たんだし…。虎穴に入らずんば虎児を得ず。強くなりたいのなら、それだけの危険をおかさなければ、手に入らない」
瑠璃覇は瑠璃覇で、冷静な顔で森を見据え、自分も挑戦すると宣言した。
というより、この程度のものは、瑠璃覇にとっては、障害どころか子供のイタズラにすらならないからだ。
「いや~、さすが銀さんッスねぇ~。一緒にがんばりましょう!」
「ええ。そうね」
何が「さすが」なのかよくわからないが、桑原はまた、くだけた表情で瑠璃覇に話しかけた。
幽助はその光景…というより桑原を、やや呆れ気味な顔で見ていた。
「それでは、スタートじゃ。霊感をはたらかせて、なるべく危険な道をさけるのが早道だよ」
幻海の合図で、全員がいっせいにスタートし、第三次審査が始まった。
「あたしは先に行っとるよ」
「うお?」
スタートをすると、すぐに、幻海が先頭を追い抜いていく。
「あたしについてこれりゃ、一番早いがね」
「は、速え!」
「に、人間じゃねェ」
誰よりも遅く駆け出したというのに、すでに候補者達の何mも前を軽々と走っていく。
それを見た者は、瑠璃覇以外の候補者達は、みな一様に驚いた。
「(霊感もくそもねーだろ。まっすぐ行きゃ、一番早いに決まってんだろーが)」
アドバイスをされたが、幽助はバカ正直にまっすぐ走っていく。
そして、スタートをしてから20分ほど経過すると、幻海はゴールにたどり着いた。
「ん?」
たどり着くと、ゴールである大木…。
いや……大木の前にいるものを睨んだ。
「人間にしては、早い到着ですね」
「お前は…確か…」
「どうも、幻海師範」
そこにいたのは瑠璃覇だった。
瑠璃覇は、幻海が来るよりも早く、この場所にたどり着いたのである。
「お前…」
「言っておきますが、私はズルはしていませんよ。ちゃんと自分の足で来ましたから」
「お前、妖怪じゃな?」
「……だったらなんだと言うんです?私を始末するつもりですか?」
「フン、そんなことはせんさ。妖怪だろうと人間だろうと、素質のある奴に、奥義を渡すと決めているからね」
「そうですか。それは何より…。でもまあ、私はお前の奥義など、興味ないがな」
「何…!?」
瑠璃覇の言葉に驚き、目を丸くする。
「単に私は、ある男のおもりに来ただけ…。
そいつは強い。ただし……人間の中で…だけど…。
だから、そいつが死なないように、気まぐれでおせっかいをやいてるだけだ」
「ほう…。気まぐれでおせっかいをやくようなお前が気にかけるとは、そんなにそいつが大切かい?」
「まさか…。そんなわけないだろう。
人間でも妖怪でも他人は嫌いだが、あいつには……借りがあるからな………」
「………」
第三次審査を開始してから、一時間が経った。
「お前以外、まだひとりもこないじゃないか、全く。
どれ、ちょっと霊気の位置でも調べてみるか」
あれから、もう一時間も経ったというのに、瑠璃覇以外はまだ誰もこないので、幻海は気を集中させて、霊気の位置の確認を始めた。
「(一番近いのは、あと500mくらいか。そのほかに、あと一時間以内でこれそうな奴が6~7人てとこだね)」
森の中では、瑠璃覇以外の第三次審査を受けた者が、みな森の中で苦労していた。
桑原は霊感を働かせて行動しているが、他の者は、同じ場所をぐるぐると回っていたり、妖怪につかまったりして、どんどんリタイヤしていった。
そして幽助は、コウモリだらけの妙な場所に迷いこんでしまい、コウモリ使いという妖怪に襲われていた。
「ほっほっほ。みんな、だいぶ苦労しとるね。たどりつけなかった者も、後で助けてやるから安心しな」
霊気の位置の確認をし、森の中の状況を把握している幻海は、楽しそうに笑っていた。
それから、数十分後。
まず桑原がやって来ると、後に続くように、次々に他の候補者達もたどりついた。
「どうやら、残ったのはこの9人だね」
時間が近づき、ゴールにたどりついたのは、瑠璃覇と桑原も含め、9人の候補者だった。
「……………待ってくれよ。もうひとりくるはずなんだよ」
「ん?」
しかし、まだ肝心の幽助が来ておらず、桑原は焦っていた。
「しかしもう1分しかないぞ。時間厳守じゃ」
全員を平等に見るためか、弟子を厳選するためか、幻海の口から出た言葉は厳しかった。
そのことを聞いた桑原は、ますます焦る。
「む!時間がきた…」
それでも時間は刻々と過ぎていき、とうとう時間がきてしまった。
……と、その時だった。
「いや待て!もうひとり来たぞ!!」
幻海が、時間がきたことを知らせると同時に、桑原が森を指さしながら叫ぶ。
その先からは、一人の男がやって来た。
「浦飯!」
それは幽助だった。
「ちくしょー。まっすぐ来りゃ一番早いと思ったのによ。散々な目にあったぜ、くそったれ」
幽助はズタボロで、頬から少量ではあるが血を流し、何かを手に持ちながらズンズンと歩いてきた。
「まっすぐこの木に向かって来ただと?途中にいたコウモリ使いは、かなり手強いヤツのはずだが…」
「あ?こいつのことか、そりゃ?チョロチョロうるさかったが、スピードは飛影に比べりゃ、ハナクソみてーなもんだな」
そう言いながら、右手に持ってるものを上にあげる。
それは、先程森の中で幽助が遭遇した、コウモリ使いだった。
それを見た幻海は…
「(…………こやつ、一体なに者じゃ?)」
と思い、幽助を不思議そうに見ていた。
こうして、10人の精鋭が残った。
「第四次審査は……!!」
そして、いよいよ幻海の口から、第四次審査の内容が言いわたされる。
「………考えとらんかった」
アバウトなのか無計画なのか、幻海は次の審査内容を考えていなかったようで、瑠璃覇以外の者は全員、ベタに大げさにずっこけた。
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