01.始まりは同窓会から
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「あれ、はがきが入ってる」
ポストのダイヤル錠を回して覗き込めば、チラシの他にはがきが一枚入っていた。
手袋をしていて細かな動きができないため、家に戻ってから内容を確認するか、と階段を上る。帰りに寄ったコンビニで買ってきた缶ビールが、少し重たく感じた。
ただいま、に対しての返事がない部屋の寂しさにもずいぶん慣れた。
洗面所で手洗いうがいをし、ヘアターバンで前髪をがっつり上げて。
帰ってきてすぐにエアコンの暖房を入れたが、まったく暖かくならない部屋で「寒い寒い」と言いながら部屋着に着替えて、テーブルに置いた缶ビールとはがきを持ってソファーに座る。
プシュッ
「……んんッ、苦ぁ…やっぱりまずい」
大学の友達に「ビール飲めないの?おこちゃま~」と煽られたのをきっかけに、早く慣れようと毎週金曜日に飲んでいるわけだが。これほんとに美味しく感じる時くるの?と、缶ビールを睨む。
「お酒飲めるようになってまだ1ヵ月も経ってないんだし、ゆっくりでいっか…じゃなくて、はがき」
はがきを手に取り、ひっくり返して裏面を見る。
「……同窓会のお知らせだ」
5月3日に同窓会を開くという知らせだ。
いつかやるかもしれないだろうからと住所は伝えていたが、中学時代の同窓会とは予想外だった。
そういえば、成人式迎えたら集まろうと言っていたような覚えもある。
「立海か、懐かしいなあ」
卒業と同時に親の転勤の都合で引っ越してしまったから、それ以来になる。
ふと脳裏に浮かぶ、赤髪の少年。
地味に3年間ずっと同じクラスだったんだよねと思いながら、はがきの「出席」「欠席」の文字を見つめた。
あの頃友達だった子とはあまり連絡を取り合っていないため、正直なところ行くのが億劫ではある。
ただ、この機会を逃すと、この先はもうない気がする。
別に中学時代に強い未練があるとか、そういうわけじゃないけど。
「……」
どちらに丸を付けようか悩んでいると、スマホが震えた。
通知を見ると、年に1回か2回、それこそお互いの誕生日にお祝いの言葉を贈るくらいの連絡だけ取っている子からのメッセージだった。
――――
葵ちゃん、元気?
同窓会には参加する?
久しぶりに会いたいし、都合が良ければ来てほしいな。
――――
ポストのダイヤル錠を回して覗き込めば、チラシの他にはがきが一枚入っていた。
手袋をしていて細かな動きができないため、家に戻ってから内容を確認するか、と階段を上る。帰りに寄ったコンビニで買ってきた缶ビールが、少し重たく感じた。
ただいま、に対しての返事がない部屋の寂しさにもずいぶん慣れた。
洗面所で手洗いうがいをし、ヘアターバンで前髪をがっつり上げて。
帰ってきてすぐにエアコンの暖房を入れたが、まったく暖かくならない部屋で「寒い寒い」と言いながら部屋着に着替えて、テーブルに置いた缶ビールとはがきを持ってソファーに座る。
プシュッ
「……んんッ、苦ぁ…やっぱりまずい」
大学の友達に「ビール飲めないの?おこちゃま~」と煽られたのをきっかけに、早く慣れようと毎週金曜日に飲んでいるわけだが。これほんとに美味しく感じる時くるの?と、缶ビールを睨む。
「お酒飲めるようになってまだ1ヵ月も経ってないんだし、ゆっくりでいっか…じゃなくて、はがき」
はがきを手に取り、ひっくり返して裏面を見る。
「……同窓会のお知らせだ」
5月3日に同窓会を開くという知らせだ。
いつかやるかもしれないだろうからと住所は伝えていたが、中学時代の同窓会とは予想外だった。
そういえば、成人式迎えたら集まろうと言っていたような覚えもある。
「立海か、懐かしいなあ」
卒業と同時に親の転勤の都合で引っ越してしまったから、それ以来になる。
ふと脳裏に浮かぶ、赤髪の少年。
地味に3年間ずっと同じクラスだったんだよねと思いながら、はがきの「出席」「欠席」の文字を見つめた。
あの頃友達だった子とはあまり連絡を取り合っていないため、正直なところ行くのが億劫ではある。
ただ、この機会を逃すと、この先はもうない気がする。
別に中学時代に強い未練があるとか、そういうわけじゃないけど。
「……」
どちらに丸を付けようか悩んでいると、スマホが震えた。
通知を見ると、年に1回か2回、それこそお互いの誕生日にお祝いの言葉を贈るくらいの連絡だけ取っている子からのメッセージだった。
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葵ちゃん、元気?
同窓会には参加する?
久しぶりに会いたいし、都合が良ければ来てほしいな。
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