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花の本、死煙と共に
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「ふむ、では我々はその、げぇむの登場人物、であると。」
珍妙な。と呟いた総帥は顎に手を当てて何やら考え込んでいるようだ。
「はい……いや、でもこんなの信じられないと思います……私も私が総帥の……桜華の一族だというのは信じられませんけど……。」
「…………いきなり空から女が降ってきたのも、未だに信じられたもんじゃねえがな」
ぽつり、とグスタフが呟く。
そういえば、降ってきた話はまだ聞いていなかった。
「あの、私が降ってきたっていうのは一体……」
「敵国との戦闘が終わった後、てめえが空から降ってきた。」
「え」
「そのままの意味だ。空には何もなかったのに突然降ってきた。咄嗟に受け止めたが、呼吸はあったが意識がなかった。
良かったな、忠臣がいなけりゃお前も研究材料扱いになってただろうよ」
「えっ!?」
驚いていると総帥から補足が入る。空から降ってきた人間なんてそうそういない。もしそれがグスタフの軍の研究員に知られていたとしたら、その謎を解明する為に研究材料にされていただろう、ということだ。
たまたまそこには総帥の配下ばかりで、グスタフの軍の兵士は数えるほどしかいなかった為に、脅して事なきを得た、という事らしかった。
もし、研究所に送られていたとしたら、……ぞっとする。考えたくもない。
「……信じられん話ばかりだが、忠臣の一族って事ならスパイではないんだろう。……ただの人間にしか見えんしな」
グスタフのその目は相変わらず不可解なものを見るようではあるものの、敵意のようなものは感じられない。信じてもらえているかどうかは怪しいけれど、警戒はされていないようでほっと安心する。
「あ、あの、グスタフ……さん!」
「あ?」
「えっと……受け止めてくださって、ありがとうございました!私、グスタフさんに受け止められていなかったら、地面に叩きつけられて、死んでいたんじゃないかと思います……」
ただお礼を言わなければと、少し早口でお礼を言い、お辞儀をする。いきなりのことにグスタフは目を丸くしている。しかしそれも束の間、いつもの表情に戻る。
「ふん……礼なら忠臣に言え。忠臣がいなけりゃ死よりも辛い苦しみを味わっていた」
「あっ、もちろん総帥も、助けてくださってありがとうございます!ご飯も美味しかったです!」
同じように総帥にも礼をする。顔をちらりと見ると、ふ、と微笑を浮かべている。
「忙しない奴よ……、忠臣でよい。先程は部下のいる手前あのように言ったが、桜華の一族は我を除きお前だけだ。兄のように慕うことを許そう。」
「えっ?」
「良いか燐。お前は今から我の妹だ」
「いやいやいやちょっと待ってください流石に付いていけないです総帥」
「忠臣だ。良いな。」
突然のジャイアニズムを発揮する総帥……忠臣に逆らうことなんてできず、ただ頷くことしかできなかった……。
珍妙な。と呟いた総帥は顎に手を当てて何やら考え込んでいるようだ。
「はい……いや、でもこんなの信じられないと思います……私も私が総帥の……桜華の一族だというのは信じられませんけど……。」
「…………いきなり空から女が降ってきたのも、未だに信じられたもんじゃねえがな」
ぽつり、とグスタフが呟く。
そういえば、降ってきた話はまだ聞いていなかった。
「あの、私が降ってきたっていうのは一体……」
「敵国との戦闘が終わった後、てめえが空から降ってきた。」
「え」
「そのままの意味だ。空には何もなかったのに突然降ってきた。咄嗟に受け止めたが、呼吸はあったが意識がなかった。
良かったな、忠臣がいなけりゃお前も研究材料扱いになってただろうよ」
「えっ!?」
驚いていると総帥から補足が入る。空から降ってきた人間なんてそうそういない。もしそれがグスタフの軍の研究員に知られていたとしたら、その謎を解明する為に研究材料にされていただろう、ということだ。
たまたまそこには総帥の配下ばかりで、グスタフの軍の兵士は数えるほどしかいなかった為に、脅して事なきを得た、という事らしかった。
もし、研究所に送られていたとしたら、……ぞっとする。考えたくもない。
「……信じられん話ばかりだが、忠臣の一族って事ならスパイではないんだろう。……ただの人間にしか見えんしな」
グスタフのその目は相変わらず不可解なものを見るようではあるものの、敵意のようなものは感じられない。信じてもらえているかどうかは怪しいけれど、警戒はされていないようでほっと安心する。
「あ、あの、グスタフ……さん!」
「あ?」
「えっと……受け止めてくださって、ありがとうございました!私、グスタフさんに受け止められていなかったら、地面に叩きつけられて、死んでいたんじゃないかと思います……」
ただお礼を言わなければと、少し早口でお礼を言い、お辞儀をする。いきなりのことにグスタフは目を丸くしている。しかしそれも束の間、いつもの表情に戻る。
「ふん……礼なら忠臣に言え。忠臣がいなけりゃ死よりも辛い苦しみを味わっていた」
「あっ、もちろん総帥も、助けてくださってありがとうございます!ご飯も美味しかったです!」
同じように総帥にも礼をする。顔をちらりと見ると、ふ、と微笑を浮かべている。
「忙しない奴よ……、忠臣でよい。先程は部下のいる手前あのように言ったが、桜華の一族は我を除きお前だけだ。兄のように慕うことを許そう。」
「えっ?」
「良いか燐。お前は今から我の妹だ」
「いやいやいやちょっと待ってください流石に付いていけないです総帥」
「忠臣だ。良いな。」
突然のジャイアニズムを発揮する総帥……忠臣に逆らうことなんてできず、ただ頷くことしかできなかった……。