______彼と初めて出会ったのはまだ彼の髪の毛が黒かった時だった。




私たちは緑に染まる木々に爽やかな風が吹くとある公園にいた。


私は楽しげに遊ぶ子どもたちの声を聞きながら美術部で制作する作品について考えていた。

ふと、目に入ったのが彼らだった。



黒いツインテールのちょっとつり目の女の子と短めの髪の大人しそうな女の子と一緒に遊ぶ彼がいた。
奥には母親らしき綺麗な女の人もいた。



もちろん、その時は彼が父親だと思っていたし特に恋愛感情もなかった。





ある日、たまたま1人でいる彼にその公園であったのだ。

そこからだったと思う。好きになったのは。











「今日は1人なんですね」

何故か話しかけてしまったのだ。


話したこともなければ彼は私のことを知らない筈なのに。


「えっ？」


そりゃ驚くよね。知らない女子高生に知ってる風に話しかけられるんだもの。



「いつも、ここに家族でいるので」


まるでストーカーみたいだと思われそうな言い方だったななんて少し焦る。


「あー……そう見えるよね」

「違うんですか？」

「俺はただの彼女たちのお母さんの知り合いだから父親でもなんでもないんだ」


開いた口が塞がらないとはまさにこの事。


「す、すみません。私、完全にお父さんだとばかり……」

「あはは、いいのいいの。気にしないで。あっ。俺は間桐雁夜。君、名前なんて言うの？」

「えっ？」

「あああ！！ナンパしてるみたいになっちゃったよね。ごめんね！」



「い、いえ。私は__________」