名前に関して“その名の通り“などといった記述があるかもしれませんが読みとばしてください
賢者の石
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両親と合流するために言われた通りの道筋を歩む。左手に薬草店、右に箒の店。箒に視線を奪われるドラコの手を引く。確か目的地はオリバンダーの杖屋だった気がする。ついに自身の杖を手に入れることが出来ると言うことに興奮しドラコと繋いでいる方の手にミッシェリーナは力を込める。
赤い鍋の店、青い天文器具の店。
左右を確認して羊皮紙の切り端に書かれている地図通り歩く。魔法界の地図はまるで現代のスマホのごとくハイテクで、地図にはミッシェリーナとドラコの位置が記されていた。
活気に溢れた店も舗装された石畳を歩くことも全て楽しく感じ、わくわくとした気持ちを抱く。少し早足で向かっていると少々みすぼらしい印象を与える古い店が目に入る。歴史を感じさせる看板やショーウィンドウにはほこりが被っており、灰色のレンガはところどころ角が欠けていた。ミッシェリーナはドラコの片眉が上がったのを視認した。
店の前で背筋をぴん、と伸ばして堂々と立っていたお母様が私達に気づいたらしく微かに手を振ればゆったりとした足取りでこちらへ向かってきた。
少しやり取りをして、ドラコが選んだあとに私が選ぶことになった。怪我をしては危ないからと一人、店の前で待ち空を見上げているとお母様が絞っていたからか5分も経たないうちに出てきた。
それと入れ替わるようにして店内に入ると埃や木の香りが身体に入ってきたのと同時にどこか神秘的な不思議な雰囲気に身を包まれる。
お母様が誰かと話している。視線を感じた。
薄暗い店内に一人いた老人がミッシェリーナを見定めるように見つめると薄い色の目が驚いたように見開いた。その後に顔を正面へと戻し、僅かの時、お母様を見つめ直した。しかし、お母様の詮索をするな、というような視線と微かに首を振る動作に諦めたのか再びミッシェリーナへと視線を向けた。
その悟ったような興味深そうなどこか哀れんだような目に覚えがあり(私が知らぬだけで私の血筋─実母、ローゼリア・ポッターに気づいていた人間は少なくはなかったのでは?)と考えを改めながらすくっと見返した。そして、ミッシェリーナは老人_杖作りの職人であり、この店の主であるオリバンダー氏に近づく。カウンターの前に立った。
「これはこれは。ミッシェリーナ・マルフォイさん。…いんやミッシェリーナ・ポッターさんと言った方が良いかな?まさかこんなことがあるとは。あの………いやいや何も言いますまい。しかし貴方はお母様にそっくりじゃ。あの子が初めて店に来た時のことを今でも鮮明に覚えておるよ。確か彼女の杖はりんごの木で23.5センチで曲がりやすいあまり闇の魔術には向いておらず随分杖に好かれた印象を持った」
どこか懐かしがるように宙を眺めながら言うオリバンダー氏に実母がしっかりとこの世に実在する人間であったことを感じ少し感慨深くなる。
確かに私をこの世に産み落とした人は実在しここに来ていたのだ。
「ではでは」
空気を破る声がかけられる。思い出したような声音にミッシェリーナもハッと顔を上げた。
「杖腕はどちらかな?」
「右です」
右腕を伸ばしながら答える。巻尺があちこち測るのを眺め変なところを巻尺が測ろうとした瞬間そっと指先でつまみ彼に返す。
オリバンダー老人は巻き尺を受け取ると「ふむふむ」と言い、お母様が選んでいたのだろう机の上にあった十数本の杖の中から5本程に絞り、その内の一つの変わった白い艶のある杖を手にとった。
手渡すように差し出される。
「ナナカマドの木で出きており21センチで芯はセストラルの尾毛。良品でしなやか」
目線で促され少し震える指先をそっと杖に沿わせる。すべらかな木肌が指を撫でたので手を絡ませ持ち上げた。触れた皺だらけのオリバンダー氏の掌は暖かかった。
その杖を受け取った瞬間何かが変わったような気がした。深層世界のような見にくく変わりにくい何かが。幾重にも重なり自身に重く知らずに重なっていたものが浄化されていくような。一生を左右するような劇的な何かが。そのことを認識したとき風が巻き起こった。
嵐のようなものではなく春風が頬を撫でるような身体を優しく包み込むような子供が母親に抱き締められるような暖かくも生温くはないそんな風が吹き抜けたとき杖の先が金色に光る一対の羽が出てきてそこから蔦のようなものが広がり自身へと近づき私の身を囲いその蔓が私の頭上で繋がり花が開いた瞬間パッと羽が舞い散る。輝く金色の羽が鳥籠のように自身を包んでいた蔓に触れ溶かし溶けたものが天へと登っていく。
その様は幻想的で恐ろしいまでに美しく思わずほぅっと息が溢れる。
「すばらしい!君にぴったりな杖のようじゃの。普段わしはセストラルの尾毛は使わないのじゃが……作ってよかったよ。」
思わず照れ臭さを感じその杖を握り顔を僅かに下に向ける。木でできた床は足に僅かに力を込めると音がなった。驚いて頭をあげるとオリバンダー氏と目があう。その不思議な瞳に呑み込まれそうになる。
「良かったわ、良い杖が見つかったようで。おいくらかしら?」
お母様がニコリと微笑みながら私に近づく。肩にのせられた手の存在によって呑まれそうだった意識を戻す。
「7ガリオンじゃ」
支払われた金額を受け取っているのを傍目に杖を眺める。まるで何かの羽のような持ち手にしっとりとした手触り繊細で細かくそれでいて派手ではない見飽きない模様を指の腹で撫ぜる。すると唐突にオリバンダー氏が私に視線をやり喋りかけられた。
「おそらくじゃが貴方は運命を変えれる力を持っているやもしれん。そのときに後悔しない選択を……」
長く生きた人のアドバイスは大抵当たる。小説の世界ならば尚更である。何らかの伏線のような気がするし。撫でる手を留め心に強く刻むと彼の目を強く見返す。まるで何かを決意したように。
そしてふんわりと微笑む。あくまでも純粋に。無垢に。
「はい。勿論。気をつけますね。」
その後は特筆すべき点は無かったけれど、しいて話すならば店を出たところに立っていたお父様とドラコと一緒に箒を見に行き、そして欲しがるドラコを宥め、諭し、ペットを見に行き猫と梟と迷った末に結局小柄な若い白色の梟を買ったことか。実は梟に似た魔法生物でアイスブルーのクリンとした目がドラコと似ており可愛らしい。その間ドラコはワシミミズクを買ってもらっていたし、お父様は家の孔雀を増やそうか悩んでいた。
梟の名前は迷った末アンジュにした。
数年前に飼いだした白孔雀に名前を付けた際、ミッシェリーナの要望によりフランス語の名前にしたので揃えたかったのだ。
家に帰り、部屋でベッドに体を沈めながらミッシェリーナは今日購入した教科書を開いた。家にある本と同じ内容で既に知っていることも沢山あったけど難しい魔法ばかり家で教わっていたミッシェリーナにとって浮遊呪文などといったものはとても新鮮に感じるのと同時についに……という思いでホグワーツまでの日数を数えた。
そして、ゆっくりと眠りについた。
赤い鍋の店、青い天文器具の店。
左右を確認して羊皮紙の切り端に書かれている地図通り歩く。魔法界の地図はまるで現代のスマホのごとくハイテクで、地図にはミッシェリーナとドラコの位置が記されていた。
活気に溢れた店も舗装された石畳を歩くことも全て楽しく感じ、わくわくとした気持ちを抱く。少し早足で向かっていると少々みすぼらしい印象を与える古い店が目に入る。歴史を感じさせる看板やショーウィンドウにはほこりが被っており、灰色のレンガはところどころ角が欠けていた。ミッシェリーナはドラコの片眉が上がったのを視認した。
店の前で背筋をぴん、と伸ばして堂々と立っていたお母様が私達に気づいたらしく微かに手を振ればゆったりとした足取りでこちらへ向かってきた。
少しやり取りをして、ドラコが選んだあとに私が選ぶことになった。怪我をしては危ないからと一人、店の前で待ち空を見上げているとお母様が絞っていたからか5分も経たないうちに出てきた。
それと入れ替わるようにして店内に入ると埃や木の香りが身体に入ってきたのと同時にどこか神秘的な不思議な雰囲気に身を包まれる。
お母様が誰かと話している。視線を感じた。
薄暗い店内に一人いた老人がミッシェリーナを見定めるように見つめると薄い色の目が驚いたように見開いた。その後に顔を正面へと戻し、僅かの時、お母様を見つめ直した。しかし、お母様の詮索をするな、というような視線と微かに首を振る動作に諦めたのか再びミッシェリーナへと視線を向けた。
その悟ったような興味深そうなどこか哀れんだような目に覚えがあり(私が知らぬだけで私の血筋─実母、ローゼリア・ポッターに気づいていた人間は少なくはなかったのでは?)と考えを改めながらすくっと見返した。そして、ミッシェリーナは老人_杖作りの職人であり、この店の主であるオリバンダー氏に近づく。カウンターの前に立った。
「これはこれは。ミッシェリーナ・マルフォイさん。…いんやミッシェリーナ・ポッターさんと言った方が良いかな?まさかこんなことがあるとは。あの………いやいや何も言いますまい。しかし貴方はお母様にそっくりじゃ。あの子が初めて店に来た時のことを今でも鮮明に覚えておるよ。確か彼女の杖はりんごの木で23.5センチで曲がりやすいあまり闇の魔術には向いておらず随分杖に好かれた印象を持った」
どこか懐かしがるように宙を眺めながら言うオリバンダー氏に実母がしっかりとこの世に実在する人間であったことを感じ少し感慨深くなる。
確かに私をこの世に産み落とした人は実在しここに来ていたのだ。
「ではでは」
空気を破る声がかけられる。思い出したような声音にミッシェリーナもハッと顔を上げた。
「杖腕はどちらかな?」
「右です」
右腕を伸ばしながら答える。巻尺があちこち測るのを眺め変なところを巻尺が測ろうとした瞬間そっと指先でつまみ彼に返す。
オリバンダー老人は巻き尺を受け取ると「ふむふむ」と言い、お母様が選んでいたのだろう机の上にあった十数本の杖の中から5本程に絞り、その内の一つの変わった白い艶のある杖を手にとった。
手渡すように差し出される。
「ナナカマドの木で出きており21センチで芯はセストラルの尾毛。良品でしなやか」
目線で促され少し震える指先をそっと杖に沿わせる。すべらかな木肌が指を撫でたので手を絡ませ持ち上げた。触れた皺だらけのオリバンダー氏の掌は暖かかった。
その杖を受け取った瞬間何かが変わったような気がした。深層世界のような見にくく変わりにくい何かが。幾重にも重なり自身に重く知らずに重なっていたものが浄化されていくような。一生を左右するような劇的な何かが。そのことを認識したとき風が巻き起こった。
嵐のようなものではなく春風が頬を撫でるような身体を優しく包み込むような子供が母親に抱き締められるような暖かくも生温くはないそんな風が吹き抜けたとき杖の先が金色に光る一対の羽が出てきてそこから蔦のようなものが広がり自身へと近づき私の身を囲いその蔓が私の頭上で繋がり花が開いた瞬間パッと羽が舞い散る。輝く金色の羽が鳥籠のように自身を包んでいた蔓に触れ溶かし溶けたものが天へと登っていく。
その様は幻想的で恐ろしいまでに美しく思わずほぅっと息が溢れる。
「すばらしい!君にぴったりな杖のようじゃの。普段わしはセストラルの尾毛は使わないのじゃが……作ってよかったよ。」
思わず照れ臭さを感じその杖を握り顔を僅かに下に向ける。木でできた床は足に僅かに力を込めると音がなった。驚いて頭をあげるとオリバンダー氏と目があう。その不思議な瞳に呑み込まれそうになる。
「良かったわ、良い杖が見つかったようで。おいくらかしら?」
お母様がニコリと微笑みながら私に近づく。肩にのせられた手の存在によって呑まれそうだった意識を戻す。
「7ガリオンじゃ」
支払われた金額を受け取っているのを傍目に杖を眺める。まるで何かの羽のような持ち手にしっとりとした手触り繊細で細かくそれでいて派手ではない見飽きない模様を指の腹で撫ぜる。すると唐突にオリバンダー氏が私に視線をやり喋りかけられた。
「おそらくじゃが貴方は運命を変えれる力を持っているやもしれん。そのときに後悔しない選択を……」
長く生きた人のアドバイスは大抵当たる。小説の世界ならば尚更である。何らかの伏線のような気がするし。撫でる手を留め心に強く刻むと彼の目を強く見返す。まるで何かを決意したように。
そしてふんわりと微笑む。あくまでも純粋に。無垢に。
「はい。勿論。気をつけますね。」
その後は特筆すべき点は無かったけれど、しいて話すならば店を出たところに立っていたお父様とドラコと一緒に箒を見に行き、そして欲しがるドラコを宥め、諭し、ペットを見に行き猫と梟と迷った末に結局小柄な若い白色の梟を買ったことか。実は梟に似た魔法生物でアイスブルーのクリンとした目がドラコと似ており可愛らしい。その間ドラコはワシミミズクを買ってもらっていたし、お父様は家の孔雀を増やそうか悩んでいた。
梟の名前は迷った末アンジュにした。
数年前に飼いだした白孔雀に名前を付けた際、ミッシェリーナの要望によりフランス語の名前にしたので揃えたかったのだ。
家に帰り、部屋でベッドに体を沈めながらミッシェリーナは今日購入した教科書を開いた。家にある本と同じ内容で既に知っていることも沢山あったけど難しい魔法ばかり家で教わっていたミッシェリーナにとって浮遊呪文などといったものはとても新鮮に感じるのと同時についに……という思いでホグワーツまでの日数を数えた。
そして、ゆっくりと眠りについた。