闇夜に覗くテレスコープ

この世は、この魔法界は地獄だと気づいたのはいつからだろうか。
そこまで仲の良くない同級生が殺されたと聞いたときだろうか。
もしくは同室の少女が拷問に合ったときだろうか。
それとも一つ上のスリザリンの純血名家の少年が失踪したと聞いたときだろうか。
誰もが、どんな立場であろうが、この世界で幸せを掴めないのだと知ったのだ。

私は表だって歯向かう勇気もなく与するほど自身の心を圧し殺すことはできなかった。それに誘われるほど優秀ではなかった。良く言えば中立だが実質は見向きもされないだけ。ただ死の足音が迫ってくるのを怯えながら待つだけだった。

そんなある日、私は死んだ。
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