SHOOTING☆STAR

「よ~し、何て言おっか!」
「ちょ、ちょい待った!!」

俄然張り切りだした理緒に対して、状況が掴めていない亮子が焦った。

「何がどうなってるんだい?どういう事か、説明しとくれよ」
「あぁ、うん。だからね」

ちら、と香介の顔を見やるが、彼に説明の意思がないことを見て取ると、亮子にきちんと向き直った。

「1人じゃ、3回もお願いを唱えられないけど、私たち3人で、せーので言えば、3人で1コくらいは届くかもしれないじゃない?」
「…何だか、無茶苦茶な理屈だねぇ」

溜め息まじりの感想に、発案者は苦笑する。

「だが“星が流れている間に願いを3回”の中に、3人で分担しちゃいけねぇってルールはないぜ?」

そもそもルールの存在自体、怪しいが。
亮子の考えを見透かしたように、理緒がにこにこと言う。

「亮子ちゃん。アヤメの花言葉だよ」
「…信じる者の、幸福、か」
「そうそう!信じる者は、救われる~♪ってね」
「信じる者は馬鹿を見るって言葉もあるけどな」

水を差した香介には、2人の蹴りがお見舞いされる。
ツッコミ、などという生易しいものではなかった。

だが、それで亮子はすっきりしたらしい。
理緒と顔を見合わせて、にかっと笑った。
それを見て「まぁいっか」と思ってしまう自分は、とんでもなく甘いと思うのだが、こればっかりはどうしようもないのである。
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