SHOOTING☆STAR

「それにしたってなぁ」

頬杖をつきながら、香介が呟く。

「星が流れんのって、あんな一瞬なのな。あれじゃ、願い事なんて唱えらんないんじゃねぇの?」
「そーなんだよねぇ」

夜空から目を離さずに、理緒が返した。

「それも3回、なんてさ。結局は、お星様にお願いを叶えてもらおうなんて、虫が良すぎるってコトかな」

苦笑する横顔は、妙に大人びて見えて。
隣に立つ亮子が、そんな彼女を見て、苦しそうに眉をひそめる。



「じゃあ、試してみるか」

重くなった空気を取り払うように、勢いをつけて香介が立ち上がった。
きょとん、としている2人の頭を、ぽすぽすと叩く。
度の入っていないメガネのレンズが、街明かりに白く光った。

「試すって…」
「何をだい?」

2人でようやく1文を話す彼女たちの様子に、思わず笑みが零れる。

「願いは3回、俺たちも3人。ちょうど良いと思わねぇか?」

にやり、と悪戯っぽく笑ってやると、理緒の瞳が輝いた。聡い彼女には、伝わったらしい。
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