shooting star

「今日は流れ星が見えるんだって」
そう言うと、また空に目を戻す。

こんなに月が明るいのでは、星もそう見えないのではないだろうか。
ふと、そんな考えが浮かんだが、だからと言って水を差す理由もない。
なのでアイズは黙って、カノンと同じように空を見上げた。

「星だって、あんまりよく見えないのにね?」

カノンが見透かしたように、くすくすと笑う。

「それでも見えるという話なのだろう?」

だからこうして、熱心に窓辺にいるのではないのだろうか。
だが、いつの間にかカノンは、外に背を向けて窓枠に腰掛けていた。


「ねぇ、アイズ」
「何だ?」

暗い部屋に向かって、独り言のように話す。

「星は何で流れるか、知ってる?」
「?…理由はいくつかあるが、宇宙に漂う塵が地球の大気圏に「そうじゃないよ~」」

アイズらしいや、と笑いながら言葉をさえぎる。
何が自分らしいのだろう、と考えながら、アイズは彼の出す正解を待つことにした。

「星が流れたときはね」
「あぁ」
「誰かの命が終わったときなんだって」





「…そうか」
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