放課後のテルテル坊主
「…何であんたが、未だココにいるんだい?」
片付けと着替えを終え、教室に戻った亮子は、入り口で立ち尽くしていた。
そこには、てっきり帰ったと思っていた香介が、窓辺の机を偉そうに陣取っている。
「おー亮子、お疲れ。部活、早かったんだな」
「あぁ…雨降ってきちゃったし。どっちにしろ、もう終わりは近かったんだよ」
窓に当たる雨が、名残惜しげにガラスを伝う。
平静を装いながらも、亮子はうまく回らない頭を必死になだめていた。
「ふーん…で、お前、何しに戻って来たんだよ。後輩と一緒じゃなかったのか?」
この男は、へらへらしているようで、しっかり核心を突いてくる。
ぎくり、としたのが、あからさまに態度に出てしまい、それを自覚してますますたじろいだ。
「こ、香介こそ何やってんのさ?そこ、あんたの席じゃないだろ!?」
机の横にかかっている、見慣れない手提げを睨みながら言う。
その席の持ち主に、何の罪も恨みもないけれど。
だが対する香介は、特に気に留めた風もなく会話を続けた。伊達にいつも、一緒にいる訳ではないのである。
片付けと着替えを終え、教室に戻った亮子は、入り口で立ち尽くしていた。
そこには、てっきり帰ったと思っていた香介が、窓辺の机を偉そうに陣取っている。
「おー亮子、お疲れ。部活、早かったんだな」
「あぁ…雨降ってきちゃったし。どっちにしろ、もう終わりは近かったんだよ」
窓に当たる雨が、名残惜しげにガラスを伝う。
平静を装いながらも、亮子はうまく回らない頭を必死になだめていた。
「ふーん…で、お前、何しに戻って来たんだよ。後輩と一緒じゃなかったのか?」
この男は、へらへらしているようで、しっかり核心を突いてくる。
ぎくり、としたのが、あからさまに態度に出てしまい、それを自覚してますますたじろいだ。
「こ、香介こそ何やってんのさ?そこ、あんたの席じゃないだろ!?」
机の横にかかっている、見慣れない手提げを睨みながら言う。
その席の持ち主に、何の罪も恨みもないけれど。
だが対する香介は、特に気に留めた風もなく会話を続けた。伊達にいつも、一緒にいる訳ではないのである。