彼に胃袋を掴まれ隊!

「鳴海とミズシロは、近いようで遠いんやなぁ」
「そうか?」
「俺、絶対歩とおんなじ班やと思っててん、油断したわ」
「あぁ、そいつは残念だったな」
「ほんまやで!大体、調理実習て油の量まできっちり量れー言うてたやん。そんなん適当でえぇやんか」
「せっかくのカロリー計算が狂うからだろ」
「ちょっとくらいオーバーしたかて、大したことないわ!その分動けばえぇんやろ、すぐチャラやて!」
「なら別に、俺と同じ班にならなくても良いんじゃないか?」
「何言うてんの、ヘルシー料理やったら歩が作ってくれた方が美味しいに決まっとるやんけ」
「俺1人で作ったら、調理実習にならないだろうが」
「周りはサポートや、サポート。ほら、皿洗ったりとか、皿並べたりとか」
「皿しか触らないつもりか」
「何なら鍋も洗ぅたるよ」
「今回はフライパンだがな」
「おまけでヤカンもつけたるわ」
「なんです2人して、愉快な武装の相談ですか?」
「あんたはヤカンで武装するのか?」
「熱湯が入ってれば一発ですよ」
「おさげさんには差し入れ持ってきたるよって、期待しててな」
「火澄さんからでしたら、いりませんよ。鳴海さんと違う班なんでしょう?」
「なんや、聞いとったん?そうなんよー。がっかりや!」
「まったくですね」
「何であんたまでがっかりするんだ」
「ちなみに鳴海さんと同じ班の方って、どなたです?」
「ちなみに聞いてどうする」
「あら、知りたいんですか?」
「…遠慮しとく」





「愛情と手間暇と真心込めて作ってぇな!」
「気持ち悪いこと言うな」
「でも鳴海さんが作るものは、そこらの料理よりよっぽど、ビタミンとラブとミネラルがたっぷりじゃありませんか」
「栄養素のひとつみたいに、さらっと妙なもの混ぜるんじゃないっ」


2012.03.27/拍手御礼
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