St. White Day?

…いや、呼ばれたのは自分ではなく。
「よぅ、浅月じゃねー?」
「おー、何だよ。こんなトコで」

香介のクラスメイトだ。
何だ、学校でもちゃんと友達作ってるんじゃないか、なんて、ぼんやりと思った。

「あれ?何、浅月。カノジョ連れ?」
「ん?」

さすがにここで“妹”とは紹介しないだろう。
ってか、すんな。
どうせ“幼馴染”とか言うんだろ?
わかってるよ、そんな事。

もやもやと、そんな事を考えながら香介の顔を見ると、やたらと明るく笑っている。
…何?

「あぁ、まーな」
「うわ~、お前に女がいるとは、知らなかったっ」
「るせー」



…は?



「ほら、何ぼーっとしてんだよ。行くぞ、亮子」
「じゃね、リョウコちゃん」
「ばーかっ」

へらっと手を振ってくる、香介の友人と別れても、しばらくの間、亮子の思考は停止していた。


…さっき、ナンテイッタ?
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