空とフェンスと、君の手と

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「「え―――っ!?」」
「何で鳴海さんなんですかっ!?」
「何で弟さんなのっ!?」

「えい、うるさいっ!ハモるんじゃないっ!」

事情を話した2人の少女が、同時に抗議の声を上げた。
亮子ちゃんばっかりズルイ!だの、私のときは絶対やってくれませんよ!?だのと2人の文句は続く。
もしかして、俺の方の後始末ってコイツらのことか…と亮子はようやく気が付いて、軽い眩暈を覚えた。
当の歩は、不機嫌丸出しの顔で彼女たちを一蹴する。

「理由はさっき説明した通りだっ!これ以上も以下もない!」

だが、負けじと不機嫌なおさげの少女は、そんな説明では納得しなかった。

「それは分かりましたけどっ!何で鳴海さんはokしちゃったんですか!?」
「困ってる人を助けるのは、人間として当然だろう?」
「私が困ってても、助けてくれないじゃないですか」
「あんたが困ってた時なんか、今までに1度だってあったのか?」
「大有りですっ!今だって鳴海さんが、私に一言の相談もなしにヘンテコな依頼受けてくれちゃったりして、大困りですよ!!」
「別にあんたには関係ないだろう」
「ほら!そうやってすぐ退けモノにしようとして!私がいなくて、ホントに大丈夫なんですか?」
「うるさいな。いつもいつも、あんたが勝手に首突っ込んでるだけじゃないか」
「なっ!?私はいつだって、鳴海さんの事を想って!想えばこその、例え陽の下、雪の中なんですよ!?」
「…俺だって、そのくらいなら行けるぞ」

すっかり蚊帳の外に追い出されて、呆気にとられる亮子を見て、理緒が肩をすくめた。

「…何か、永遠に終わらなそうだね」
「ホントに。仲が良いんだか、悪いんだか」

亮子がそっと苦笑すると、すかさず歩が視線を向けた。

「良くはないぞ。決して」
「まーた鳴海さんは、そういうコトをっ」
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