Sweet Sweets Day

「ただいまー」
「おぅ、おかえりー」

…大体、家でも学校でも一緒、というのはどうなんだろうか。
あまりに一緒すぎて、何も出来やしない。

亮子は、はぁ、と今日何度目か知れない溜め息をついた。

「何だよ、亮子、お疲れか?」
「あぁ…精神的にね」
「?」





彼女も、用意しようと思わない訳ではなかった。
もちろん、今日のチョコレートである。


最初は、何か作ろうかと、製菓用の板チョコなんぞ買ってみたりしたのだが。
何分、家の中には、理緒も香介もいるのだ。
2人にバレないように、チョコレートをつくるなど、自分にはとても無理な芸当に思えた。

だからさりげなく、売っているチョコも、チェックしていたのだ。
だが、いざ買おうとすると、どれもこれも、ピンとこない。
自分が香介に渡すチョコレートには、似合わない気がしたのである。
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