竹内理緒
【う】
ウサギは寂しいと死んじゃうんだって。
今日聞いたばかりのそれを話すと、赤毛の彼からは予想通りの反応が返ってきた。
「嘘くさー」
「あはは、だよね~。私も最初は、そう思っちゃったもん」
「何だよ、なのに今は信じてるのか?」
「う~ん、そういう訳でもないんだけど…」
首をかしげる仕種が、ペットか何かを思わせる。
「寂しくて死んじゃうっていうのは、ちょっとだけ分かるかなーって」
そんなカッコ悪い死に方、嫌だけど。
そう思って、へへ、と笑ってみたら、頭にぽす、と手を乗せられた。
ぽすぽすぽす。
「…こーすけくん、痛い」
今度は、髪をかき回される。
くしゃ。くしゃくしゃ。
「はうっ?あんまりぐしゃぐしゃにしないでよ~」ぶだよ」
「…え?」
やっとのことで手を掴むと、動きがぴたりと止まった。
「お前が1人になんて、なる訳ないだろ?」
今だって、俺がいるし、亮子やラザフォードもいるし。
そう言って笑う。
そのちょっぴり人任せな自信に、彼こそウサギなんじゃないかと、こっそり思った。
ウサギは寂しいと死んじゃうんだって。
今日聞いたばかりのそれを話すと、赤毛の彼からは予想通りの反応が返ってきた。
「嘘くさー」
「あはは、だよね~。私も最初は、そう思っちゃったもん」
「何だよ、なのに今は信じてるのか?」
「う~ん、そういう訳でもないんだけど…」
首をかしげる仕種が、ペットか何かを思わせる。
「寂しくて死んじゃうっていうのは、ちょっとだけ分かるかなーって」
そんなカッコ悪い死に方、嫌だけど。
そう思って、へへ、と笑ってみたら、頭にぽす、と手を乗せられた。
ぽすぽすぽす。
「…こーすけくん、痛い」
今度は、髪をかき回される。
くしゃ。くしゃくしゃ。
「はうっ?あんまりぐしゃぐしゃにしないでよ~」ぶだよ」
「…え?」
やっとのことで手を掴むと、動きがぴたりと止まった。
「お前が1人になんて、なる訳ないだろ?」
今だって、俺がいるし、亮子やラザフォードもいるし。
そう言って笑う。
そのちょっぴり人任せな自信に、彼こそウサギなんじゃないかと、こっそり思った。
『うさぎ』