trick and treat

放課後の帰り道。
街はいつからか、オレンジ色のお化けが占拠していた。
マヌケでどこか憎めない、愛嬌のある顔、顔、顔。



夕飯の買い物をしながら、何気なく目に留まったソレは、とても美味しそうで。


彼女と一緒に食べたいなぁ、と思って。


そんな自分の平和な思考に、思わず苦笑してしまって。



買い物カゴに、投げ入れた。
ちいさな、お化けのかけら。


【trick and treat】


どちらを選ばれても、俺は別に構わないのだけど。
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