BirthDay is Happy?

「ほい、じゃ」
「いただきます」

ぼんやりとコーヒーを啜っていたら、香介と目が合った。
ぱち、と音がした気がする。

「亮子?お前、体調でも悪いのか?」
「は?別に、そんな事ないよ」
「そーか?なら良いんだけどよ。今日は朝練ないんだっけ?」
「うん。今日は放課後だけ」

何となく、会話が途切れた。
あまり寝ていないので、胃が働いていない為、食も進まない。
それでも、ゆっくり食べ物を口に運んでいると、香介が身体を乗り出してきた。

「なぁ、今日は何日か覚えてるか?」

真剣な表情に、どきりとする。
真摯な視線を受け止め切れなくて、思わず目を逸らした。

「さぁね。何もなかったと思うけど?」
「何だよ、一緒に暮らしてる奴の誕生日くらい、覚えとけよな」

香介は面白くなさそうに、背もたれに肘を掛けて天井を見上げる。
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