Shooting STAR
「その程度で見逃すようじゃ、縁がなかったんだろ」
主語がわからないまま、適当な事を言ってみる。
だが意外にも、的を得た言葉だったようで、ひよのは頬を膨らませた。
「むぅ…わかってますよ。見えるときっていうのは、たまたま見上げた空でも、流れちゃうものなんです」
…夜空を流れるもの。
少女の台詞に歩は、あぁ、と納得した。
「流れ星、か」
「…やっぱり、わかってなかったんですね」
宣言通り、グーのパンチが飛んできたが、歩はひょいひょい、と軽く避ける。
ひよのが勝手に教えたのだから、甘んじて受ける筋合いはなかった。
「もう!避けないで下さいよ!!」
「ふざけるな。俺は“何が”とは聞いてないぞ」
「む~、そんなの正々堂々じゃありません!」
「卑怯者で結構だ」
正直者が馬鹿を見るような世の中は、嫌だけれど。
そこまで言って、ふと会話が成り立っている事に気付き、歩は最初に言おうとしていた事を思い出した。
「て事は、あんた。流れ星なんて、見れる確率の低いもの捜す為に、俺をこんな夜中に呼び出したのか」
トゲを強調しながら、ちくちくと言ってみたが、ひよのに動じた様子は全くない。
「何言ってんですか。今夜はその確率が、すごーく高いんですよ!」
「…へぇ」
それは知らなかった。流星群でも来るんだったか。
「大体、鳴海さん。こんな遅くに、女の子の1人歩きは危険でしょう?」
「あんたなら大丈夫だろ」
例え襲われても、返り討ちにくらい出来そうだ。
そもそも、鳴海家に迎えに来たのだから、そこまでの道のりは1人歩きだったろうに。
夜道に、背中を力いっぱい叩く、高い音が響いた。
主語がわからないまま、適当な事を言ってみる。
だが意外にも、的を得た言葉だったようで、ひよのは頬を膨らませた。
「むぅ…わかってますよ。見えるときっていうのは、たまたま見上げた空でも、流れちゃうものなんです」
…夜空を流れるもの。
少女の台詞に歩は、あぁ、と納得した。
「流れ星、か」
「…やっぱり、わかってなかったんですね」
宣言通り、グーのパンチが飛んできたが、歩はひょいひょい、と軽く避ける。
ひよのが勝手に教えたのだから、甘んじて受ける筋合いはなかった。
「もう!避けないで下さいよ!!」
「ふざけるな。俺は“何が”とは聞いてないぞ」
「む~、そんなの正々堂々じゃありません!」
「卑怯者で結構だ」
正直者が馬鹿を見るような世の中は、嫌だけれど。
そこまで言って、ふと会話が成り立っている事に気付き、歩は最初に言おうとしていた事を思い出した。
「て事は、あんた。流れ星なんて、見れる確率の低いもの捜す為に、俺をこんな夜中に呼び出したのか」
トゲを強調しながら、ちくちくと言ってみたが、ひよのに動じた様子は全くない。
「何言ってんですか。今夜はその確率が、すごーく高いんですよ!」
「…へぇ」
それは知らなかった。流星群でも来るんだったか。
「大体、鳴海さん。こんな遅くに、女の子の1人歩きは危険でしょう?」
「あんたなら大丈夫だろ」
例え襲われても、返り討ちにくらい出来そうだ。
そもそも、鳴海家に迎えに来たのだから、そこまでの道のりは1人歩きだったろうに。
夜道に、背中を力いっぱい叩く、高い音が響いた。